連合サマー・トップセミナー

志位委員長が講演

2001年8月3日(金)「しんぶん赤旗」


連合の催しに初めて招待を受けた日本共産党
宮城県蔵王町で開かれている連合(日本労働組合総連合会)のサマー・トップセミナーは2日、「21世紀の日本の進路と政治を語る」をテーマに7政党の代表が講演しました。

連合の催しに初めて招待を受けた日本共産党からは志位和夫委員長が出席し、今後の日本の政治の方向や日本共産党の「日本改革」提案などについて約1時間にわたって講演、会場からの質問に答えました。

各党からは自民・山崎拓幹事長、民主・鳩山由紀夫代表、公明・冬柴鉄三幹事長らが講演しました。

 講演後、志位委員長は連合の鷲尾悦也会長、笹森清事務局長らとなごやかに懇談し、当面の経済問題や「小泉改革」に対決する姿勢などについて意見交換しました。

会談では「小泉政権の構造改革は弱者切り捨てになる」との認識で一致しました。

講演で志位氏は冒頭、日本共産党が初めて連合の催しに招待されたことについて、「連合と私たちとの間には、一致点も不一致点もありますが、労働運動の全国中央組織の一つである連合と、野党の一つである日本共産党が、胸襟を開いて率直に意見交換し、相互理解をすることは日本の社会にとって有益と思います」とあいさつ。

「労働者の要求に基づく一致点があり、共同する意思があるなら、どういう労働組合とも誠実に協力・共同をすすめるのが日本共産党の立場です」と表明しました。

参院選挙の結果について「小泉旋風という、体験したことのない突風のなかでのたたかいだった」と振り返った志位氏は、「自民党は多数を得たが、『小泉改革』の内容に国民は白紙委任を与えたものではない」と強調。

選挙戦のなかで「小泉改革」への不安が広がったことも事実であり、日本共産党は議席は後退させたが、「『小泉改革』に正面から対決する姿勢を貫き、間違いは間違いと訴えたことは、これからも生きてくるし、値打ちをもってくると確信をもっています」と述べました。

そのうえで志位氏は、「経済の改革」「財政の改革」の角度から日本共産党の「日本改革」提案について詳しく述べました。

参加者から共鳴の笑い、拍手

志位委員長は経済問題をめぐって、個人消費の落ち込みが景気悪化の一番の原因にもかかわらず、小泉政権は需要を増やす景気対策をいっさいやらず、「不良債権の最終処理」の強行で大倒産・大失業をもたらそうとしており、志位氏は「ひとにぎりの国際金融資本と多国籍企業は栄えるが、中小企業、地場産業、地元商店街をつぶすのが小泉流『改革』だ」と告発しました。

志位氏は「大企業とゼネコン応援型から、家計を直接応援する政治に切り替えるのが大事だ」と日本共産党が、消費税を3%に戻す5兆円減税、雇用を守り拡大するために政府が本腰を入れて乗り出す必要性を提案していることを説明。

とくに求められている雇用対策として、

(1)解雇規制

(2)「サービス残業」の根絶

(3)賃下げなしの労働時間短縮による雇用創出

(4)若者の職業訓練や所得保障

(5)雇用保険の抜本的充実――

という5点をヨーロッパ諸国と比較しながら提起しました。

「財政の改革」で志位氏は、日本共産党が財政の無駄づかいを一掃しつつ、公共事業から社会保障へと財政の主役交代をはかるという方向を示していると説明。

グラフパネルを掲げて、90年代以降、公共事業が増えても就労者が減っている事実をあげ、「これは巨大開発中心の浪費型の公共事業はいくら積み増ししても効果がないことを示しています。

中身を生活・福祉型に転換すれば総額を減らしても雇用が増え、景気をよくしていけば民間の建設需要は増える」との説明に、参加者は真剣に聞き入っていました。

ユーモアを交えた志位氏の話に、参加者からは共鳴の笑いや大きな拍手がありました。


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