慣性モーメント


 

古い話なのですが、かれこれ17年ほど前まで、レース現役時代は 月に1回から2回レースがありました。

私はすごい緊張するほうで、レース決勝当日など胃が受け付けず朝から何も食べることが出来ず、

スタート前などは、もうアドレナリンがドッパドッパ状態だったのですが、人間というのはそれが癖になってしまうようです。

26歳でレースを引退して、しばらくは仕事に没頭してたのですが、通常の生活ではレース時のように

アドレナリンが出るということがあまりありません。

そうなると、月に1・2回アドレナリンを出すことが習慣になっていたのに、出さないものだから非常に精神状態が悪くなりました。

いつもイライラしていて、いい年をして路上で喧嘩なんてことも度々ありました。

そんな時に友人から誘われて、ゴルフの練習場に行くことになったのですが、私はゴルフのことを馬鹿にしてました。

「あんなおっさんのする遊び、スポーツとも言えないし、俺がやったらすぐにプロになってしまうよ」って感じでした。

ところが、実際友人のゴルフクラブを借りて振ってみたら、お決まりの空振りでした。

もともと負けず嫌いの性格と、なにかアドレナリンの出せる事に渇望していたこともあり、そこからハマリました。

やはりもともと道具を使ってするスポーツが好きなのかもしれません。

で、そのゴルフをするための道具、いわゆるゴルフクラブなのですが 非常にモデルチェンジのペースが早いです。

最近、はやりのクラブのうたい文句が、慣性モーメントが最大っていう言葉。

どっかで聞いた言葉です。

そう、私が大好きなミッドシップの利点が「ヨー軸回りの慣性モーメントが小さい」ってことでした。

ゴルフクラブは全く反対で、クラブヘッドをどんどん大きくして慣性モーメントを大きくしてヘッドを構えた位置から

振り上げて降ろしてボールに当たるまで、不要な回転運動させない理論だそうです。

車でいえば、出来るだけ車体を大きくしてその前後オーバーハング上にエンジンなどの重量物を載せて 

とにかく真っ直ぐ走らせるってとこでしょうか。

クラブヘッドを薄く軽く作れるようになった、メーカーの努力によって可能になった技術だそうです。

ところが、やはり上級者やプロには不評だそうで、彼らは自分でクラブヘッドをコントロール出来る技術があるので

慣性モーメントが大きすぎてコントロール出来ないクラブは、使えないそうです。

私は、さすがに328で各部の軽量化による慣性モーメントの低減に苦労しているのに、ゴルフクラブは慣性モーメント大

なんて道具は、やっぱり使えません。

無理して難しい上級者用のクラブを使ってます。