山崎真之介記念研究館
参考文献
「帝国歌劇団花組・記録」




四月四日 晴れ

花小路伯爵から推薦のあった大神一郎海軍少尉が銀座本部に到着との報告あり。
一周年記念公演「椿姫の夕」盛況とのこと。この成功で劇場の営業も安定するだろう。

四月五日 晴れのち曇り

上野公園に黒之巣会出現の報。幹部と思われる的に遭遇し花組初の本格的な戦闘となる。
大神少尉の戦闘指揮は”初めてにしては上出来”との米田司令の弁。

五月十二日 穏やかなる日本晴れ

李紅蘭、帝撃銀座勤務となる。本人が以前より希望していた任務だけに、張りきっている。
米田司令より翔鯨丸の最終整備の命令あり。轟雷号で花やしきに向かう。

五月十三日 晴れ

昨夜、大神一郎少尉に会う。ある意味では予想通りの人物。彼は期待に応えてくれるだろう。
非接触型の操縦方式が完成。アイリス用「光武」の完成は間近となった。
翔鯨丸による初出撃。緊急発進による花やしき周辺の被害総額は算定不可。

六月九日 雨

本日、築地戦闘にて大神少尉負傷、大事には至らず。桐島カンナ、沖縄より帰還。
マリアの様子がおかしい。何か不安にさいなまれている。近いうちに相談してみるつもり。

六月十三日 雨

先日のマリアの単独出動により米田司令が査問委員会に召喚される。
花小路伯爵と神崎忠義氏がそれぞれ軍部に働きかけてくださっているようだ。

六月十四日 晴れ

米田司令、銀座に帰還。査問委員会でのことは話したがらない。
この一件、大神少尉以下花組には秘密とのこと。今日はお酒も大目に見よう。

七月五日 晴れ

アイリス、暴走する。第一師団より、停止せざる場合落日と同時に砲撃するとの通達。
辛くも、事なきを得るが今後アイリスの訓練過程を一段階上げるべきであろう。

七月六日 晴れ

アイリス、暴走の件。「帝都日報」で報道される。米田司令の機嫌が悪い。
査問委員会からの召喚は今回はなさそうだ。各方面からの圧力のためか?

八月二日 曇り

市民からの通達により黒之巣会の動きを初めて事前に察知する。
築地廃屋への調査メンバーに大神少尉、すみれ、カンナを推薦する。

八月三日 曇り

深川の調査、終了。どうやら人選は成功したらしい。大神少尉の功績が大きい。
細川ミロクなる者が言い残したという敵の「計画」とは何だろうか?

八月二十九日 晴れ

帝劇の蒸気演算機が黒之巣会の本拠地割りだしに成功する。
しかし、この頃大気に不穏な気配がする。悪い前触れでなければよいが。

十月十日 晴れ

ここ一ヶ月は嵐のような毎日だった。ようやく帝都の機能が回復した。
大神少尉と花組は復興記念公演の準備で忙しい。今回は「蛇女火炎地獄」だ。

十一月二十三日 晴れ

紅蘭主演「つばさ」の最終日、公演中は様々な問題もあったが彼女はよくやった。
紅蘭は飛行機に憧れている。花やしきでもコツコツと部品を集めていた。

十二月三十一日 雪

大晦日。忙しかった一年が終わる。今年は本当に色々あった。
今、大神少尉と花組がラジオの「行く年来る年」を聞いている。
来年もまたいい年になりますように。

一月二日 晴れ

恐れていたことが事実となった。ついに降魔が現れた。地下に潜んでいた魔物たち。
……「降魔戦争」……あの悲劇をもう二度と繰り返してはならない。








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