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last update 12 December1998

猫本(日本語)


◆沼田朗著『猫をよろこばせる本--もっと仲良くなれる飼い方のコツ』PHP文庫、500円。ISBN4-569-56931-5

 猫と長く暮らしているものの、著者によって教えられることの多い本でした。「『メシ待ち顔』に安易に対応するべからず」(p.82)って、ホントそうなんですけど‥。猫と人間との歴史や、外で猫が出会う危険についても書かれています。著者自身も幼年期から猫と一緒の生活を送ってきたそうです。写真とイラストもかわいい。



◆マイケル・W・フォックス著、奥野卓司・新妻昭夫・蘇南耀訳『ネコのこころがわかる本--動物行動学の視点から』朝日文庫、530円。ISBN4-02-260668-1(原著 Michaerl W. Fox, UNDERSTANDING YOUR CAT, Coward, McCann & GeorgheganInc., New York, 1974.)

 獣医師である著者が、獣医師として、また動物行動学者として、「よりよく猫を愛するための知識と理解」を提供しています(『イヌの心がわかる本』もあります)。ヨーロッパにおいて猫が人間と暮らすようになってたどってきた歴史についても書かれています。暗色猫の出現頻度が都市ほど高い傾向にある(p24)という指摘には、頷けるものがあります。昔はあまり見かけなかったジェスパのような「四毛猫(よもねこ)」(友人命名)を見かけることが多くなりました。



◆マーティン・ルイス著、武者圭子訳『ニュースになったネコ』ちくま文庫、本体640円。ISBN4-480-03325-4(原著 Martyn Lewis, CATS IN THE NEWS, 1993)

 BBCテレビキャスターの著者が、「ネコたちの独創的でユニークな能力」によって引き起こされる各地の様々なニュースを集めた著書。明るく楽しいもの、そして驚くような話も‥。読んでからのお楽しみ!


◆内田百けん著『新編 ノラや』中村武志編集、福武文庫、580円。ISBN4-8288-3261-0

 内田百けんが昭和初期から晩年にかけて書いた猫の話ばかりを集めたアンソロジー。猫が外に散歩などで出かけてなかなか帰ってこないととても心配になりますね。そんな時に読むのはあまりおすすめではありませんが‥。


◆エリザベス・M・トーマス著、木村博江訳『猫たちの隠された生活』草思社、1996年、1900円。ISBN4-7942-0682-8(原著 Elizabeth Marshall Thomas, THE TRIBE OF TIGER, 1993)

 原題は『虎の部族』。飼い猫であっても「狩り」に対する興味を失わない猫たちの「謎」を社会人類学者である著者が解き明かすことを試みます。「猫はなぜ喉をならすのか」「猫はなぜ家にもどりたがるのか」などのよく言われる疑問や「猫の文化」について、他の著書では得られたことがない、経験的な(猫族であるピューマなどの話も交えて!)事柄を紹介しながら、著者独自の観点から考察します。身近にいる猫だけではなく、猫族であるライオンの生活や文化・彼らとともに生活を送っていたブッシュマンについても詳しく述べられています。執筆のきっかけは、「動物と人間の間でも、信頼に似た感情が築かれたり、壊れたりすること」を久しぶりに訪れたアフリカで世代の代わったライオンにおそわれるという体験をした(197頁)ことにより実感したことだそうです(日経新聞1996.04.10夕刊「この人」欄より)。一貫した追求テーマは「異なった種との共生」(同欄より)です。『犬たちの隠された生活』と同著者です(そのため、本書の題名が『猫たちの〜』となったのでしょうね。ちょっと残念です)。


◆ポール・ギャリコ著、灰島かり訳『猫語の教科書』筑摩書房(1995)〈文庫〉、1998年12月3日。580円。ISBN4-480-03440-4

どうしたら人間を意のままにあやつり、家を「のっとる」ことができるか。猫による・猫のための人間のしつけ方・暮らし方についての教科書です。マナーのいい・そして頭のいい猫ならば憶えておかなければならないことの数々を秘伝として教えてくれます--「人間なんて習慣の動物」。その習慣をいかにして猫にとってよいものとするか、が肝心!お宅の猫にも是非一冊どうぞ!!翻訳もとっても自然で読みやすいです。

著者紹介はこーんな感じ。「交通事故で母を亡くし、生後六週間にして広い世の中に放りだされる。一週間ほどの野外生活を経て、人間の家の乗っ取りを決意。いかにして居心地のいい家に入り込むか、飼い主を思いのままにしつけるか、その豊かな経験を生かして本書を執筆。四匹の子猫たちを理想的な家庭へと巣立たせた後は、いっそう快適な生活を送り続けている。」もちろん、著者近影も猫(ツィツァ)。

                                                                                                  
※おすすめ猫本がございましたら是非ご一報ください

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