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初出・ 14 March 2005
補足・29 March 2005

Pet Loss との遭遇




いつかまた会える、と思う人間。「寂しい病」の猫たち。

2005年3月現在、FIV陽性だった臣人(おみと)が亡くなってから、2年が経ちました。月日の早さに我が身の年齢を感じてしまいます(汗)。時間を経てようやく、当時のことを冷静に書くことができるように思えるようになりました。

臣人が亡くなったのは病院で点滴をしている時です。その後、私の希望でもあり、主治医の先生のご希望でもあった、病理解剖のため、臣人はそのまま病院に残りました。数日後には、彼女が一生の大部分を過ごした自宅庭に埋葬。もっとも、病院から身体を引き取り、ドライアイスを沢山買って詰め、新幹線に乗って一緒に帰るという時間のかねあいから、残された双子の妹・歳三(としぞう)は留守番@東京。臣人の最期とは対面しないままでした。

そのため、歳三は、病院からなかなか帰ってこない臣人を、またいつもの入院かな? と思っていたように思います。そのうち、臣人を探してせまーい部屋をうろうろ。どこにも居ない、と気づいた後は、くりかえしの嘔吐。結局、体調を崩して入院となりました(涙)。血液検査では肝臓などの値が悪いとの診断 (* 補足情報 あります@2005.3.29) 。いくつか薬も処方して頂きましたものの、改善はイマイチ。素人の私の判断ですが、「とっても寂しい病」に罹っていたのだと思います。

その半年後、実家から歳三の叔母・ジェスパが上京。歳三は活気を取り戻しました。引越も経ていたため、環境が変わり、気も紛れたのかもしれません。また、引越先の獣医さんから処方して頂いた漢方薬「田七(でんしち)」が彼女の体質には合っていたようです。おかげさまで、以前のように定期的に病院に行く必要のない状態になりました。

他方、ジェスパは高齢と置いてけぼりをくらった寂しさのため、遠吠え(ボス猫なもんで)が激しく、家族を心配させていました。しかも、酷い口内炎。御飯が食べづらく、激やせ。私が「猫限界」と判断する2kgを切りそうな勢いです。免疫低下による口内炎で、その原因はエイズかも?!と覚悟しました。というのは、ジェスパは、エイズ猫の臣人と一緒の生活を送っていたからです(しかも歳三は、臣人が亡くなる当日の朝まで一緒にひっついて眠ってました)。臣人からのエイズ感染は当然覚悟しなければならないことです。しかし、検査の結果は、幸いにも、陰性。現在は2猫ともどもぷくぷく体型に戻っています。

これまで一緒にいた存在がいなくなる、ということは、猫に「とっても寂しい」という感情を引き起こすようです。表紙猫の「ちび」も、私が臣人たち病気猫を連れて行って自分を連れて行ってくれないことを知り、2週間嘔吐し続けました(涙)。「とっても寂しい病」は猫にとっても大敵。十分なケアをしてあげたいなーと(実際には身体もひとつしかないので難しいけれど、心では)思っています。


* 歳三は小さい頃から慌てて食べては吐く、という猫なので、少し様子を見ていたのです。しかし、そのうちに、1時間ごとに5回も吐く、という状態が約2日続きました(最後は胃液)。そこで、病院に行くことにしました(体重は4.15kg/体温38.78度)。

当時のメモによると、歳三の血液検査で異常と診断されたのはGPT/ALT 638(参考正常値は11〜50)。即入院し、その後は一日ごとに値が下がっていきました(342→255→192)。退院後4日目は57、半年後は38となっています。
診断は軽い症状の「胆泥(たんでい)」。放っておくと、胆管肝炎になる可能性のある病気だそうです。人間では胆嚢症にあたるもののようです(症状はこんな感じ@メルクマニュアル家庭版)。

ちなみに、費用は68,150円也。内訳は再診料(1575円)、検査費(29700円)、注射(7405円)、内服薬(1650円)、処置(2060円)、X線(バリウム造影:8140円)、輸血(5760円)、入院費(4日分:11760円)です。

今なら、とっても欲しい(でも、買えない)「スオッパー」(椅子 made by テンピュール)に近い値段ですね。念のため申し添えますと、当時歳三は「好酸球性肉芽腫」の治療のために某大学病院附属動物病院の患者(猫?)でした。そのため、この嘔吐による診察・入院も同じ病院でお願いすることとなりました。お近くの獣医師で診て頂く場合には、+αの値段になるかな、と推察します。そのほか獣医師会が公表している「小動物診療料金の実態調査結果」 で平均値を知ることもできます。併せてご参考戴ければと思います。


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