わさび通信第65号  (98年9月8日)



続報 地下水汚染問題
詳細な汚染機構解明調査が必要!

環境基準の9400倍ものテトラクロロエチレンによる地下水汚染を引き起こした「松下電子応用機器株式会社」(郡家本町)は、八月下旬から、高槻市の指導のもとに浄化対策を始めました。しかし、地質の汚染状況について、自社敷地内を対象とした汚染調査しかしておらず、このまま浄化対策を始めるのは、汚染企業としてあまりにも無責任です。
 テトラクロロエチレンなどの塩素系有機溶剤は、地中に浸透すると、地層、地下水、地下の空気を汚染します。いわゆる地質汚染といわれるもので、地下水には流れがあり、この地質汚染は拡大していきます。
 私は、この間、地下水保全に取り組む神奈川県秦野市、千葉県君津市に行き、調査をしてきました。秦野市では、「全国名水百選」に選ばれた地下水を保全するために「地下水汚染防止・浄化条例」を制定しています。また、君津市では、地質汚染の調査や診断のため独自の「君津式調査法」を編みだし、実施しています。両市とも、広範囲な地下水汚染機構解明調査をもとに、浄化対策に取り組んでいますが、地質の構造は複雑であり、いったん汚染されると浄化には長期間を要しています。効率的な浄化対策をするためには、最初にいかに正確な汚染機構解明調査をするかが決め手です。
 今回の場合、敷地内の地下水が高濃度に汚染されている以上、周辺の地層、地下水、地下の空気も汚染されていると推測されます。だからこそ、周辺の地質も含め広範囲な汚染機構解明調査をしてから、浄化対策に取りかかるべきです。
 高槻市は、過去に水道取水源の井戸がトリクロロエチレンにより汚染されたときには、全国に誇れるくらいのきめの細かい汚染機構解明調査をしたにもかかわらず、今回の「松下」にはあまりにも甘すぎます。
 自然の恵みである地下水は、石器時代から祖先が残してくれた市民の財産です。市民の健康を守り、将来の子孫のために地下の環境をどう保全していくのか、高槻市にも「松下」にもは極めて重大な責任があります。


大阪府の財政再建問題
大規模プロジェクトの凍結を!

 財政破綻寸前の大阪府は、去る7月30日、「財政再建プログラム」素案を発表しました。来年から10年間にわたる長期計画で、財源不足を解消するため、市町村に対する補助・助成金の廃止や削減、府職員の人件費の大幅削減、教育・福祉分野の施策の切り捨てなどを打ち出しています。私立高校の授業料負担軽減助成は、年収751万円以上の世帯は廃止、私立幼稚園4.5歳児への府補助金の廃止、府立高校の入学金は10倍に値上げなど、このプログラムが実施されると、市民生活に大きな影響があります。 
 素案では、府財政がなぜ破綻寸前にまで陥ったのかその原因分析が不十分です。バブルがはじけ、不景気で府税収入が落ち込んだことを理由にしていますが、府の財政分析をすれば、土木費の増大、それに伴う府債(借金)の増大が大きな原因です。たとえば、茨木、箕面両市にまたがる「国際文化公園都市」は、事業の見通しがたたないにも関わらず、依然推進の姿勢を変えておらず、借金が膨らむ一方です。財政再建のためには、これらの巨額の借金を抱えている大型プロジェクトをまず凍結すべきです。


会派視察・海外視察・議員団野球
私はすべて参加していません

 毒物混入カレー事件の最中に視察に行き「ねぶた祭り」を見てきた和歌山市議会、高石市で開かれた全国市民オンブズマン大会で明らかになった都道府県議員団野球などの報道が相次ぎ、議員の公務とはなにかが問われています。
 高槻では、会派視察をめぐり、93年に議員7名を相手どり「不正乱脈追及訴訟」が起こされ、現在、控訴審が進行中です。会派視察とは、一人年間二〇万円内で会派で行く視察ですが、裁判で係争中にかかわらず、依然として続けられています。
 海外視察については、従来の海外視察が観光旅行と批判があったため、本年度からは、北摂四市(高槻、吹田、箕面、茨木)で視察テーマを絞り、実施されました。
 私は、議員として先進市の施策や海外の状況を学ぶことは重要だと思いすが、視察の必要があれば、報酬の中から自費で行くべきだと考えています。これは、地方自治法上の「議員の公務」を厳密に解釈しているからです。税金の使われ方をチェックする議員が、自分の都合のいい拡大解釈をすることは許されません。会派視察、海外視察は廃止すべきと考えています。市政調査費についても、毎号の報酬公開欄外に記載しているとおり、同じ考え方で、受け取っていません。
 なお、全国都道府県議長会主催の議員団野球は、市民オンブズマンの追及で、本年度は中止になりました。同じような議員団野球は、府下の市議会議長会主催でも行われており、高槻市議会も出場していますが、私は参加していません。



<編集後記>

◎ 市内中学校のブラスバンド部のサマーコンサートに行ってきました。私も中学、高校時代にブラスバンド部でクラリネットをしており、とても懐かしい思いでした。それにしても、各校とも男子が極端に少なく、チューバ、トロンボーンなども女子が力強く演奏しているのには感激しました。
◎ 中国長江の大洪水、急速に進んだ森林伐採と湖沼の埋立てが保水能力を低下させて被害を大きくしているといわれています。関東・東北地方の災害ともども心配な毎日です。
◎ 7月の市政報告会には、熱心にご参
加いただきありがとうございました。次回は、十月二五日(日)午後一時半より、総合市民交流センターで行います。時間も十分とりますので、ぜひ、ご参加ください。
◎ 夏休みも終わり、いよいよ二学期。
苦手なお弁当作りに奮闘します。