わさび通信第63号  (98年6月1日)



報告 商品券配布事件
教育長の「お詫び」で済ましていいのか

 4月上旬、就任したばかりの教育長が与党会派議員30名に1万円の商品券を送っていたことが、新聞報道で明らかになりました。この間、市民の方々から、「議員は人事で謝礼もらうのか」など怒りの声が相次ぎました。政治倫理や公務員倫理が問われる問題でもあり、これまでの経過を報告いたします。
 教育委員は、市長が推薦し、市議会の同意を得て就任します。5名の教育委員のうち、教育長は教育委員会の所掌事務を執行し、いわば教育行政上の最高責任者です。
 溝口重雄氏(前市長公室長)は、去る3月26日の本会議で教育委員に選任され、教育長になりました。そして、就任早々、私を含め無所属3名、共産党7名の議員以外の30名に、百貨店から1万円の商品券を贈ったのです。
 議会では、4月20日の議会運営委員会でこのことが問題になり、続いて4月24日に臨時議会運営委員会が開かれ、その場で、松下教育委員長が見解を出し、溝口教育長がお詫びをしたのみで、「プラーべートなこと」として事実関係を一切明らかにしませんでした。
 5月18日の議会運営委員会では、議会として見解を文書で市民に示すべきであると意見もありましたが、「議運で話すのにはなじまない」「議長として承っておく」とのことで終わっています。現状では、贈られた議員はすべて返したのかなど事実関係が全く明確になっていません。私は、5月6日、議長に対し、議会として真相を明らかにするように申し入れましたが、今後も引き続き追及していきます。
 高槻では、先生がお中元などのプレゼントを「受け取りません、送りません」という運動を全国に先駆け実践し、定着しています。にもかかわらず、教育行政のトップに立つ人が、自分を選任した議員にお礼を送るとはあるまじき行為です。これで子どもたちや保護者にどう説明するのでしょうか。
 私は、溝口氏の教育委員選任に同意しました。たとえ私が同意しなくても圧倒的多数の与党の同意で、溝口氏が選任されたでしょうが、私が手を挙げたことの責任は免れません。今後、議会での市長提案の人事案件には慎重にも慎重を期していきます。

 *詳しい経過と資料は、市議会速報のページに掲載しています。



ダイオキシン汚染防止の強化を!

 市町村のごみ焼却炉からのダイオキシン汚染が深刻な問題になっています。能勢町の焼却炉の排出ガスからは高濃度のダイオキシンが検出され、付近の土壌汚染は、ドイツでは土壌を入れ替えなければならないくらいのレベルでした。
 高槻では、前島にある市のクリーンセンターの排出ガス中のダイオキシン濃度は、暫定基準をクリアしているとはいえ、排出されるガスの量は多く、安全とはいえません。また、市内には、産業廃棄物や事業系廃棄物を野焼きや簡易焼却している業者も多々あり、それらがダイオキシン発生源になっています。
 高槻・市民自主講座では、独自の実態調査をもとに、大阪府や高槻市に対して、ダイオキシン汚染調査の充実と抜本的な汚染防止対策をとるように申し入れました。


文教経済委員でがんばります

 5月20日から22日までの3日間開かれた臨時議会で、私は、今年度も、文教経済委員、市民プール整備促進特別委員に、また議会選出の審議会委員として、都市計画審議会委員、奨学生選考委員会委員になりました。
 市民プールの整備については、今年度は基本計画が策定される重要な年です。不急不要の施設にならないよう十分チェックしていきます。


<編集後記> ◎4月29日の介護保険の学習会には大勢の方が参加して下さいました。制度発足  まであと1年あまり、疑問点があればご連絡下さい。また、当日の資料が少し残  っていますので、必要でしたらお送りします。 ◎母校の大阪市立大学で、毎年1回「公害と行政」という講義(1時間半)を担当  しています。全共闘世代の私は、学生時代に、あの時代であればこその「出会い」  が数多くありました。今年は2部(夜間)でしたが、私の講義が一つの「出会い」  になればと、毎年内容を工夫しながら懐かしい校舎で講義しています。 ◎教育長商品券配布事件では、すでに市民団体等から教育長の辞職を求める申入れ  が続いています。5月21日には、250名もの先生方が連名で教育長の辞職を  求められました。 ◎次号は7月中旬発行、市政報告会は7月26日(日)午後の予定です。