わさび通信第62号  (98年4月10日)


 3月議会は3月3日より27日まで25日間開かれ、98年度一般会計予算など55議案を審議し、閉会しました。私は、98年度一般会計予算など6議案に反対しました。


公的介護保険制度2000年4月スタート
間に合うのか?心配な準備体制

少子高齢社会に対応して、高齢者の介護を公的に保障していこうと、2000年4月から、介護保険制度が始まります。保険者は地方自治体(高槻市)です。65歳以上の人(第1号被保険者)は、年金からの天引き等の方法で、40歳から64歳までの人(第2号被保険者)は、医療保険料に上乗せして保険料を支払うことになっています。保険料は、所得に応じて異なり、95年単価で平均2500円と言われていますから、実際には、もっと高くなると予測されます。しかし、保険料を払ったからといって誰もが介護サービスを受けられるのではなく、介護が必要と認定された場合にのみ認定段階に応じて、在宅サービスや施設サービスが受けられることになっています。ただし、かかった費用の1割を自己負担しなければなりません。
 この法律が国会で成立したのが昨年の12月、スタートの2000年4月まで、わずかあと2年しかありません。しかも、実際には、来年の99年10月から申請を受け付けるため、急ピッチで体制を整えなければなりません。また、介護を要する高齢者の実態把握、サービス内容・認定機関・保険料等を記載した事業計画の策定、モデル事業の実施など今年度中に取り組まなければならない課題が山積しています。
 そのためには、まず庁内に介護保険を担当するセクションを設置する必要があり、福祉先進自治体では、すでに準備室を設置しています。この点についての市の準備状況をただしたところ、「準備室は設けず、民生部総務部ころ、民生部総務課の中にプロジェクトチームを作り対応していく」とのことでした。
 保険は任意ではなく、強制であり、自治体により保険料が異なったり、同じ保険料でもがサービス内容が違ったりします。市民の納得のいく制度になるかどうかはその準備にかかっています。
 そこで、私は、「介護保険の事業は医療、福祉、年金など多くの分野に関連する事業であり、ぜひ、早急に介護保険専任の準備室を設置すべきである」「被保険者の意見反映は事業計画策定の早い段階からはかるべきである」「この制度の概要を広く市民に理解してもらい、保険料を払ってもらうためには、広報に頼るだけでなく、市独自のパンフレットを作成し、各戸に配布するべきである」と強く要望しました。


学校図書館に『生きた』蔵書を!

 昨年、安岡寺小、玉川小の2校の学校図書館に司書が配置され、大きな成果をあげています。98年度も2校配置される予定ですが、市内の小・中学校すべてに配置されるのにはまだまだ時間がかかります。
 図書館が生きるかどうかは「選書」にかかっていると言われています。たとえ司書が配置されていなくても、学校図書館が活性化するためには、「選書」が重要です。書棚に多くの本が並んでいても、今の子どもたちが手にする『生きた』本でなければ意味がありません。
 私は、文教経済委員会で、司書配置校の経験を生かし、本の「廃棄基準」「選書基準」の策定を要望したところ、現在、学校図書館運営協議会において検討中であり、できるだけはやく策定していきたいとのことでした。


事業系ごみ減量の指導強化を!

ごみは家庭系と事業系に区別されます。家庭系ごみは、分別・リサイクルが進み、経年変化はだいたい横這い状態です。
 そこで、増え続ける事業系ごみの減量をはかる必要があります。人口30万人以上の市で、減量の指導対象となる事業系ごみ多量排出事業者の基準は左表の通り、高槻市は甘い基準になっています。私は、本会議で、指導強化を求めましたが、今のままで変えるつもりはないとの答弁でした。市民にこれだけごみ減量の協力を求めるのなら、事業者にも同じ努力をしてもらうべきではないでしょうか。


「野焼き」禁止の周知徹底を!

 深刻なダイオキシン汚染に対して、厚生省、環境庁は昨年12月に政省令を改正し、ようやく規制に乗り出しましたが、その対象は、焼却量が毎時二百s以上の炉のみです。大阪府も毎時百sの炉までをも対象にした指針を策定しましたが、高槻市内では規制にかかる炉はわずかであり、いまだに、違法な「野焼き」が多く見受けられます。
 私は、本会議で、「野焼き」が違法行為であることの周知徹底、今回の規制にかからない炉等による焼却実態の調査とともに、今年度、前島クリーンセンターの排ガス等のダイオキシン測定が予定されていることから、周辺の土壌の分析も強く要望しました。
 なお、小・中学校の小型焼却炉は1月から使用中止になっており、安全面から私はその撤去を求めていましたが、3年計画ですべて撤去されることが明らかになりました。


「グリーン購入」の推進を!

 原料採取から廃棄に至るまでの、商品のライフサイクル全体を通じて環境負荷の一番少ない物を購入していこうということが、「グリーン購入」です。今まで環境にやさしい商品といえば、エコマークやグリーンマークのものでしたが、いまエコマークそのものも見直されています。行政では滋賀県が「グリーン購入」推進のトップをきっており、府下でも、すでに13の自治体が取り組んでいます。
 今年度の施政方針で、コピー用紙は古紙100%配合のものを使用していくとあったので、もっと対象品目を増やし、この「グリーン購入」の推進を提案したところ、前向きな答弁でした。
 なお、地球規模の環境汚染を視野に入れた環境施策に取り組むセクションが高槻市にはないため、この設置の必要性を強く指摘しました。



<編集後記>
◎今国会に、「住民基本台帳法改正法案」が提出されました。これは国民総背番
 号制にもつながり、検討課題がたくさんあります。高槻市議会では、地方分権
 の時代に、地方自治体の十分な論議もなく法律を先行させるのは問題だと慎重
 な対応を望む意見書を採択しました。このような意見書は全国初です。
◎3月上旬、不覚にも風邪を引き、のどを痛めてしまいました。3月議会中、延
 々3週間、声がでないうえに咳が取れず、苦しみ抜きました。静養が一番と、
 食べては体を休めていたら、今度は見事にふくよかになってしまい、目下ダイ
 エット中です。健康管理はなかなか難しいものです。
◎恒例の市政報告会を、今回は介護保険の学習会にします。40歳以上の人はい
 やでも保険料をおさめなければならないのに、制度の内容は全く知られていま
 せん。ぜひご参加下さい。
◎次号は5月下旬です。