palm - music
Podcastについて考えたこと
2005年1月7日の日記、および、mixi日記の関連エントリーの再録です。
- iTunes 4.9以前
- iTunes 4.9登場
- iTunes Music Storeが日本で始動
2005年01月07日
■Podcast
長い(くどい?)話が続いたので、短め軽めに。
インターネット上のさまざまな音声プログラムを聴きたいのだが、必ずしも思うように気に入ったプログラムが見つからないとか、手動でダウンロードしている暇がないといった人に朗報だ。(Wired News)
ウェブのMP3ファイルを自動巡回して、iPodに取り込むしくみのようです(要iTunes)。
「ポッドキャスト」と言うのだとか。
このページで知りました(導入方法の詳しい解説つき)。
試してみようPodcast!(OTO-NETA)
インターネットラジオを自動巡回する、という風に使うみたいですね。
ちょっと面白そう。
2005年06月29日
■ポッドキャスト
そういうのをやっている人がいるらしいなあ、と思っていたら、iTunes 4.9で、あっという間に、Apple公認になりましたね。
音声のブログみたいなもので、RSSをiTunesに登録しておくと、最新の音声データが配信されたときに、自動でダウンロードして、iPodに入れることができると。
iPodをラジオみたいに使えるということでしょうか。
日本語のコンテンツが、まだ、あまりないみたいですけど(作るのが文字のブログに比べて大変そうですもんね)、ちょっと面白そう。
2005年06月29日
■ポッドキャスト(2)
使い方メモ。
iTunes 4.9の「ポッドキャスト」開いて、下の欄の「ポッドキャストディレクトリー」でiTunes Music Store (iTMS)に入るのが、一番簡単ですね。
当然ながら、英語のプログラムばっかりですが、iTunes New Music Tuesdayなんかは、内容のインデックスつき。こういうこともできるんですね。
iTMSに登録されていないインディーズ・サイトを購読するときは、メニューの「ポッドキャストを登録...」のところに、直接RSSのURLをコピー。
ちょっと地味ですけど、例えば文学作品の朗読サイト
だったら、サイト左下の
日本語の面白いサイトが色々できるとよさそうに思うのですけどね。
例えばエアボンチがポッドキャストになったら、聞き逃すことがなくなって良いかな、とか、でも、権利的に、音楽入りは日本では難しそうですね。
2005年07月05日
■ポッドキャスト(3)
自分用のメモ。
チャプターマークと写真がついているコンテンツは、「拡張ポッドキャスト」と言うんですね。
「拡張ポッドキャスト」を作るためChapter Toolというのも公開されていました(ページの下のほう)。
英語圏では、色々盛り上がってる感じですねえ。
2005年07月04日
■iTunesで議事録
はてなの会社、ミーティング内容をポッドキャストで公開というのをはじめているんですね。
聞きたいかどうか、はともかく、面白いアイデアですね。
「ポッドキャスト(放送)用にコンテンツを作る(マイクに向かって話して、録音)」
というと大げさになりますが、
「どこかで話したものを公開する」
という発想でもいいわけですね。
一般公開しないにせよ、議事録を補う資料として録音をストックするとか。講義や講演の記録とか。
使い道はあるかも。
2005年07月27日
■ポッドキャストあれこれ
Podcastと音楽著作権と「声の文化」という、大風呂敷な三題噺。
(1) DOGCASTの感想
Palm関係の人にはおなじみの方々が始めた番組、DOCGASTの第2回はポチさんの放送。
Podcastについて、そもそもこれは何なのかとか、ビジネスやボイスメール的な使い方も視野に入れた可能性とか、どうやって作るかとか、こんなに上手にまとまった話聞いたのは、はじめてかも。
わかりやすく説明できるのは、才能だなあと本当に思います。
(2) Podcastと音楽著作権問題
で、ポチさんの番組では、さらっと一瞬、言及されているだけですが、
Podcastはクリエイティヴコモンズと相性が良いみたいで、というか、そういう二次使用が自由な素材がないと、現状では、音のついた番組を作れないわけで、
クリエイティヴコモンズの利点をPodcastを通じて伝えたい、という思いを抱いておられる方もいるみたいですね。
のポトフさんなどは、肩肘張らない形で、上手にそのあたりの思いを伝えておられるなあ、という気がします。
ちょっと大げさに言うと、音楽著作権のゆらぎみたいなものが、そろそろ、次のステージに入りつつあるのかな(既存の音楽産業を批判的に総括する段階から、別の作り方、流し方を具体的に実践しようという段階へ)という感じもします。
それから、
(3) Podcastと「声の文化」論
Podcastは、RSSというしくみを利用して更新情報やサマリーを流しているわけですが、同じようにRSSを流す文字のブログとは、受け手側のリアクションが違っていたりするのかなあ、と思ったりもします。
文字のブログだと、コメントやトラックバックのように、ダイレクトにリアクションが返ってくるしくみが広まっていますが、
Podcastだと、少なくとも現状では、番組内容を踏まえ、必要なら引用しつつコメントする、というような対話形式は成立しにくいですよね。
Skypeで意見を下さい、と呼びかけている番組もあるし、
「はてなアイデア日記」は、実際にSkypeを使って発案者とやりとりすることを考えているみたいですが、
そうなると、
いずれ、掲示板やブログで、ひとつの話題について賛否両論の火の手が上がる(「炎上」と言うのでしょうか)みたいに、抗議電話殺到とか、激しい口論の中継番組、みたいなケースも出てきたりするのでしょうか。
そんな風になるのか、ならないのか、なった場合に具体的にどんな現れ方をするのか。
なんとなく文字のやりとりの場合と、声のやりとりの場合で、違いがでてきたりしそうな予感があるのですが、どうでしょう。
近い将来、ネットを介した音声コミュニケーションが予期しない事態を招いて、
そのことが、「音声中心主義vs差異として書き言葉」(デリダ)とか、「声の文化と文字の文化」(オング)みたいな20世紀のコミュニケーション論を更新するきっかけになったら面白いのになあ、
などと、夢は広がるのですが。どうなるんでしょうね。
2005年08月04日
■iTMSとポッドキャスト
iTunes Music Store、本当に始まりましたね。iTunesが真価を発揮する時が来た、という感じ。
iTunesを使うと検索が楽だったりするので、「この曲、どんなメロディだったかな?」など、調べものをするのにも使えそうな気がしています。
で、「ポッドキャストディレクトリ」も日本版ができてますね。
アメリカのディレクトリから、カテゴリを「International→Japan」とたどる、という手間がなくなりました。
日経や吉本の番組と、個人の草の根的な番組が横並びになっているのは、今まで見たことのない不思議な光景ですね。
文字情報だと、企業サイトと個人サイトがごっちゃに並んでいる状態(検索結果とかリンク集とかで)がとっくに当たり前な感じになっていますけど、音声・音楽も、そんな風になっていくのでしょうか。
個人発のPodcast、頑張ってほしいですね。
(Dogcastも、そのうちiTMSに登録されるのかなあ。(^^))
2005年08月05日
■放送の自由
「ポッドキャストあれこれ」のエントリで、
音声コミュニケーションの盛り上がりに期待
みたいなことを書いたら、
ネットの文字コミュニケーションに、アマチュア無線から移って来られた方もおられるのでは、というコメントをいただきました。
個人で放送する可能性は、これまでにもあった。パソコン通信やネットの影に隠れてしまったけれど、それがもう一度表に出てきたということなんですね。
そして、
Podcastの場合は、許認可が要らないところが大きく前進かな、とも思いました。
考えてみたら、放送(音声を公然と流すこと)については、テレビ・ラジオにしても、アマチュア無線にしても、文字(印刷物の配布)よりも、かなり厳しい規制がありますよね。
技術的な問題(周波数の割り当てとか)だけでなく、声の政治性みたいなことなのかもしれませんし(昔、吉見俊哉さんがそんな話を書いていたような)、
公共の場でうるさくしてはいけないという言い方(電車内のケータイ通話はNGという、改めて考えると、なぜなのか、わかるようなわからないようなモラルに至るまで)とも関係がありそうな気もします。
アジアの町はもっと騒々しいという話はよく聞きますね。(行ったことはないですが。)
ヨーロッパの町だと、ストリートパフォーマーがたくさんいるけれど、車と人が分離されていたり、町全体の騒音を調整してあるから、あまり気にならない印象。(そもそも、皆さんマイペースに行動してるので、多少突飛な人がその辺にいても、原則ほったらかしですしね。)
Podcastは、放送に載ったことのないタイプの音や話し声が出てくる可能性もありそうでワクワクしますし、
でも、聞きたくない人は聞かなきゃいいだけのことなわけで(このあたりが、HTMLにFlashやBGMを埋め込むのとは違う感じ)、
その意味でも、これ、良いあんばいのしくみかもしれませんね。
by 白石 (Tomoo Shiraishi: tsiraisi@osk3.3web.ne.jp)