palm - music

■Tips

スタイラスのないスタイル(ハードボタン活用)

 「シンプル」というのがパームを形容する枕詞のような感じになっていますが、以前、どこかで

 パームはリッチなデバイスだ

 という主張を読んだ記憶があります。

 たかだか(失礼!)「スケジュール管理プラスα」の用途しかないのに、

  • タッチパネル液晶
  • シルクスクリーン (4つのボタンとGraffitiエリア)
  • ハードウエアボタン (電源スイッチと4つのアプリケーションボタン)

 3種類もの入力方法を装備している、贅沢じゃないか、という指摘です。

 言われてみれば、確かにその通り。言葉の<あや>ですが、こういうこだわりは、「新機能」をたくさん搭載するゴージャスさとは別の意味で、「豊か」なのかも、と思ったりもします。

 そして、3つの入力方法を上手く使い分けると、本当に面白いように快適に操作できてしまうんですよね。

 例えば、標準アプリのデータを「見る」だけだったら、ハードボタンの操作だけで済んでしまいます。(画面のスクロールは上下ボタン、カテゴリーや表示モードの切り替えは、ボタンの2度押し……。)

 スタイラスは、データを追加、訂正したくなってきた時に抜けばいい。本当に使うかどうかよくわからないスタイラスを、最初から手に握り占めておく必要なんてない、ということですね、きっと。

 (スタイラスの操作も、上手に整理されている気がします。文字入力や「メニュー」「検索」などの主な操作は、ほとんど、下のシルクスクリーンだけを使えばいい。これは、メイン液晶をタッチして、スタイラスや手が画面を覆うシーンを少なくする配慮なのではないかと……。
 パームへのユーザーの愛着は、「宗教的」などと言われることがあると聞きますが、実際は、こういう具体的な――でもユーザーから直接は見えない――作り手の配慮が、じわじわ効いているんじゃないでしょうか。
 宗教者が信者を獲得する――覚醒させる?――ために、「奇跡」という名のトリックを駆使する例は確かにあるのでしょう。でも、これは、むしろ、上質の接客サービスやエンターテインメントに通じる、とても世俗的な手法だと思います。)

 標準ソフト以外でも、ランチャーとビューワ系アプリについては、私はハードボタンだけで操作できるものを愛用しています。

(LDAに、時刻表や時計などを割り付ければ、ボタン操作だけで見ることができる範囲は、さらに広がりますね。)

 ただ、これが万人向きのスタイルなのか、ちょっと自信はないです。

 私は、手が比較的大きいせいか、TRGproやVisor Platinumなどの大き目、重めのパームを、がっちり掌で支えて使うのが好み。

 下側から抱えるようにパームを持ちます。中指でパームを裏側から支えて、人差し指と薬指+小指でパームを左右側から挟んで固定。こうすると、親指がハードボタンを押すのに丁度良い位置に来るようです。

 長時間使うときや、ケースに入れている時は、持ち方が変わりますが、サッと取り出して、スケジュールやアドレスを見る時は、私の場合、このスタイルです。

 でも、手の小さい方にはちょっと辛そうですね。PalmVxやm505、m100のように真ん中がくびれた筐体の場合、横から鷲掴みした方がしっくり来るかもしれません。CLIEやHandEra330のジョグダイヤルも、それに適した別のスタイルががありそうな気がします。(ソフトウェアのチョイスを含めて……。)そのあたりは、ご自身で試行錯誤してみてください。


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by 白石 (Tomoo Shiraishi: tsiraisi@osk3.3web.ne.jp)