MIDIアダプターの作り方
はじめに
パームでMIDI楽器を制御するためには、パームとそのデバイスを繋がなければなりません。MIDIシーケンサの場合はもともとシリアルのコネクタがデバイスにあったりするので簡単に接続して音楽を楽しむことができます。しかし、大抵のMIDI対応のキーボードには、MIDI-in、MIDI-outと書かれた丸いコネクタしかありません。これはパームのシリアルとは異なった規格のインターフェースですので変換コネクタが必要です。パームではTom Zeruchaという人が MIDI File Playerというパームウェアを公開しており、そこに変換コネクタの作り方が記述してあります。しかし、残念なことにテキスト形式なので、どうやってそれをつくったらいいのかがわかりにくいのです。ここでは、写真と絵を用いてそれを説明していきたいと思います。
材料
このコネクターを買ってきてもいいですが、MIDI用ケーブルやAT互換機用のキーボードのケーブルを買ってきて、ぶった切って使うほうが加工の手間が少ないのでお勧めです。
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通常のシリアルのコネクタです。カバーももちろん必要ですので一緒に買いましょう。Macのコネクタに繋ぐ場合はこれではなく8 PIN MINI-DINというコネクタが必要ですが、パームから直接Macに繋ぐクレイドルは売ってませんし、普通はMac用の変換ケーブルを間にかますのが、かっこわるくても標準なので、ここではその場合の記述はしません。
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ツェナーでない普通のシリコンダイオードです。こんな感じの一番安いものでかまいません。
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- 1/4Wの抵抗です。220Ωから270Ωくらいと多少の誤差は平気です。
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- 写真がないですが、黒いゴム質のチューブです。絶縁のためにテープを巻いてもいいのですが見栄えもいいし、丈夫になりますので用意しておきましょう。 一応、抵抗やダイオードの太いところを、するっと通る太さのと、通らない太さの2種類を買いましょう。太い方はシリアルコネクタの端子側につけます。
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回路構成
ハードウェア的に見るとMIDIインターフェースはデータの状態を電流の有無に変換して転送するカレントループ方式です。シリアルは電流じゃなくって電圧ですから電流−電圧変換をおこなわなければならないわけです。通常はUARTからの出力をトランジスタで電流をスイッチングするという回路がMIDI規格で規定されているそうですが、Tom Zeruchaさんは、このようなダイオードによる回路ですましています。これは工作が簡単でいいです。
赤い線と青い線の二つしか結線がありません。色が薄くなっているところは表から見えないという意味です。
手順
- ATキーボードもしくはMIDIのケーブルをいい長さに切り、リード線をコネクタの4番ピンと5番ピンの二本だけ残して切る。(テスターで導通をよく調べてから、ほかのリード線を切りましょう。MIDIケーブルならもともと2本しかありませんのでこっちのほうが楽です。)
- シリアルコネクタの2番ピンに220Ωの抵抗を半田付けする。
- シリアルコネクタの5番ピンにシリコンダイオードの黒い帯のある方を半田付けする。
- シリコンダイオードのもう片方のリードをMIDIコネクタの5番ピンのほうのリード線に半田付けする。このとき熱収縮チューブを通しておくことを忘れずに。
- 抵抗のもう片方のリードをMIDIコネクタの4番ピンのほうのリード線に半田付けする。熱収縮チューブは同様に。
- 半田ゴテで熱収縮チューブを収縮させてから、コネクタのケースに入れる。
- ケースのねじを締めて出来上がり。
やった〜、完成!
Written by Toshiya Fujii (http://www.araiguma.com/)