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Palm/ワークパッドと一緒に音楽するためのソフトウェア

AudioPlayer v2.0
導入ガイド

 しろクリ(PEG-N700C)のAudio player ver.2.0有償ダウンロードが、2001年6月18日からはじまりました。

 既に、関心のある方は調査積みと思いますが、改めて、諸々の情報を整理してみました。

「カスタマー登録→事前エントリー→ダウンロード」という具体的な手順等については、上記クリエサイトや、下のニュースリンクの関連記事などでご確認ください。

また、ソニーのサイトから、実際にアップデータをダウンロードする犀、Mac環境の方は若干、注意が必要なようです。「Oitoku: SONYのダウンロードは大変?」(マサトレ)をご参照ください。

 なお、何度かにわけて書いた文章を編集しなおした関係で、同じ話題が重複して出てくる箇所があることをご了承ください。

アップグレードの価値があるか?

 私(白石)は、アップグレードして、AudioPlayer(というか、しろクリ)が随分、使いやすくなったと思いました。MP3をメモリースティックにコピーして、その場で再生できる手軽さが嬉しい、と感じています。

しろクリのウォークマンとしての使い勝手については、若干、気になるところもあるのですが、それは、話が変わってくるので、別の機会に……。ともあれ、すでにクリエを持っている人にとって、このアップグレードは、やって損はないことだと思います。

 このアップグレードで、とても色々なところが変わるのですが、要するに、ポイントは、「MP3」と「青メモステ」です。

  1. MP3データを再生できる。
     → クリエの汎用性アップ!
  2. 青いメモリースティックにデータを保存できる。
     → リーズナブル!
  3. メモリースティックに直接データを読み書きできるようになる。
     → Macでも安心!
  4. 作成ソフトを選べる。
     → 使い慣れたMP3ソフトを利用できる!
  5. その他(スキン追加、ピックアップ機能など)
     → ますます便利でカッコよく!

 AudioPlayerと同時に、システムもアップグレードされます(ハイレゾアシスト、ジョグアシストの強化、ハイレゾアシスト機能の追加、白128MBメモリースティックでの不具合など)。でも、実はこういうシステム周りの改良は、別途公開されたシステムアップデータを入れるだけでも解決します。

 でも、いくつか気になるところはあります。特に音質面での制限。
 MP3プレイヤー専用機のレベルを期待していると、音質面でがっかり、かもしれません。

  1. 音質・データフォーマットの制限(サンプリングレート 44.1kHz、ビットレート:32〜96kbps)
     → OpenMGだったら〜128kbps!
  2. ファイルサイズ約500KB
     → メモリ不足が心配!
  3. アップデータはROMに書き込めない。
     → ハードリセットしたら入れ直し!
  4. 有償(クレジットカードで購入)
     → 追加投資が必要!
  5. ダウンロード、追加インストール作業が必要。
     → なんか面倒カモ!
  6. MP3作成ソフトを自前で調達しなければならない。
     → 慣れない人には大変カモ!

 あと、非常に素朴な感想として、頻繁にアップグレード作業を繰り返すのは、ちょっと面倒かも……。

 PDA、クリエに何を求めるかは、人それぞれなので、以上はあくまで私の意見。最終的には、それぞれの立場でご判断ください。そして、以下の文章が、多少なりとも、その時の参考になれば幸いです。

[追記 7/5]
 しばらくMP3データを利用していると、逆に、やっぱり、ここはATRAC3のほうがいいな、と思うところも出てきました。プレイヤーのアップグレードしても、音質面など、すべてをMP3でまかなうには無理があります。両者を状況に応じて使い分る必要があるようです。このことは、あらかじめ理解しておいていただいたほうが、いいかもしれません。(下の
後日談:ATRAC3の再評価の項目をあわせてご覧下さい。)

アップグレードの概要

 次に、AudioPlayerのアップグレードの具体的な内容を、ソニーのアナウンスをもとに整理しておくことにします。

▼エンコーディング形式:MP3(=MPEG ver.1)、Layer3

紆余曲折ありましたが、今回のAudioPlayerのアップグレードによって、しろクリでMP3が再生できるようになります。

しかも、データは、OpenMG非対応のメモリースティック(青)に直接、転送可能。(これで、Macユーザーも、MSリーダーを使って、手軽に音楽データを扱えるようになりますね。)

具体的な操作方法は、
ZDNet PalmOSのレビューなどにありますが……、

クリエをクレードルに置いて、AudioPlayerを機能、「メニュー」→「オプション」→「曲転送」と進むと、右のような画面になります。

この状態で、母艦側のエクスプローラを見ると、下のように、クリエのメモリースティックが、「リムーバムルディスク」として認識されているのがわかります。

あとは、「/PALM/PROGRAMS/MSAUDIO」というフォルダを開いて、MP3データをコピーするだけです。

▼サンプリング周波数: 44.1kHz

AudioPlayerでは、44.1kHz以外のデータは再生できません。
96kbpsのデータの場合は問題ないですが、できるだけファイルサイズを小さくしたい、と思っている方にとっては、この条件が意外にシビアかもしれません。
CDからMP3を作るソフトの中には、80kbps以下の低音質データのサンプリングレートを自動的に22.0kHzなどに落としてしまうものが結構、あるようです(RealJukebox、MusicMatch Jukeboxなど)。
また、44.1kHz/80or64kbpsのMP3データは、使用するソフト(のエンコーダや設定)によっては、高音域が痩せて、聞くに耐えない状態になることもあるみたい。
このあたり、あらかじめ、わかっておかないと、こんなはずではなかった、とガッカリするかもしれないので、ご注意くださいね。

▼ビットレート:32〜96kbps

ソニー・クリエのサイトの商品説明では、ビットレート上限は、「96kbps」となっています。クリエは、乗り物や雑踏の中など、騒がしい場所で使うことが多いと思われますから、とりあえず、このスペックでも事足りるのではないでしょうか。

なお、上記ZDNet PalmOSのレビューは、ビットレート上限を「128kbps」としています。ソニーは正式にサポートしないけれど、128kbpsデータも使えないわけではない、と解釈していいのかもしれません。

ただし、128kbpsの場合、データによっては、再生時にポツポツというノイズが入る場合もあるようです。どうしても高音質データが再生できないと納得できない、という方には、残念ながら、お薦めできるものではないかもしれませんね。

▼拡張子:.mp3または.rmp

メモリースティックに入れるデータは、この拡張子が付けておく必要があります。

※上記該当ファイルでも一部再生できないファイルもあります。

これも、ZDNetレビューに具体的なレポートが出ています。「VBR(可変ビットレート方式)は未対応」だそうです。データは、「CBR(固定ビットレート)」で作りましょう。

▼その他:BGMとして使えるの?

Clie User Club!(2001.6.14(木))(に寄せられた濱田さんからの追加情報)にもありますが、オプション設定すれば、v1.0同様、他のアプリケーション使用中も、音楽再生を続けることができます。

▼その他:同時にシステムがアップグレードされるの?

AudioPlayerをバージョンアップすると、自動的に、システムもアップグレードされます。

アップグレードの内容は、2001/6/18に公開された「システムソフトウェアアップデートプログラム」と同等です。(なので、AudioPlayerを導入した人は、このシステムアップデートを入れる必要はありません。)

システムアップグレードの概要はこちら。その他、pocketgamesさんの簡潔なレポートや、CLIE Parkの「雑記 2001/06/18 システムソフトウェアアップデートプログラム2.1J」の詳しい解説をご覧下さい。

▼その他:大容量128MBのMGメモリースティックでも大丈夫?

v1.0では、大容量128MBのMGメモリースティック(白)へのデータ転送でトラブルが起きる場合があったようです(LONG COLUMN 016 白メモステ128MBとの戦い!〜青ざめた白メモステ〜(iPAL-NEXT))。でも、この不具合も、上記のシステムアップグレードによって、解消されるみたいです(「iPAL1298 白メモステ128MBとの問題も解決へ?」)。

インストール手順

 しろクリ(PEG-N700C)のAudio player ver.2.0有償ダウンロード、早速やってみました。

 必要な作業は、ダウンロードしたアーカイヴの中の4つのファイルを通常どおり、PalmDesktopなどからインストールするだけでした。

  • UpdateYo-21J.prc …… ハードウェアアップデータ(必須)
  • AudioPlayer20J.prc …… AudioPlayer本体(必須)
  • SonyDspMp3.prc …… MP3をエンコードするためのデータ(必須)
  • AudioPlayerSkin.prc …… スキン(オプション)

 あと、同梱のマニュアル(「はじめにお読みください.txt」)に書いてありますが、インストール作業の前に、オーディオプレイヤーの設定を確認しておいたほうがいいみたいです。

 すでにAudioPlayer1.0をお使いのときは、AudioPlayer1.0のメニューをタップ してから[オプション]-[設定]を選択して表示される設定画面で、[他のアプリ ケーションを利用時に再生する]のチェックボックスのチェックを外してくだ さい。

マニュアル点検

 AudioPlayer v2.0の「曲転送」モードを使うと、クリエをメモリースティック・リーダーとして利用できます。この方法、アーカイブ同梱のPDFマニュアルP.15にも明記してありました。旧バージョンでは、正式サポートされていない「裏技」的な扱いでしたが、今回、正式サポートされるようになったようですね。

 ところで、AudioPlayerのアーカイブに入っている「UpdateYo-21J.prc」でシステムをアップグレードすると、あわせて、「SwichDash風」のハイレゾアシスト機能が追加されて、ジョグアシストも「PowerJog風」に強化されます。

上にも書きましたが、システムアップグレードの概要はこちら。その他、ベンチマークの結果など、pocketgamesさんの簡潔なレポートや、CLIE Parkの「雑記 2001/06/18 システムソフトウェアアップデートプログラム2.1J」の詳しい解説をご覧下さい。

 なんとなく得した気分ですが、どちらも、かなり影響力の大きい機能なので、MP3再生だけが目的だった人にとっては、予想以上の変化にびっくり、かもしれません。

 ただし、導入直後は、これらの新機能は働いていません。有効にするには、「環境設定」内の「ハイレゾ」の「ジョグ」の画面で設定する必要があります。

 また、残念ながら独立したマニュアルなどは付いていません。「環境設定」→「ハイレゾ」、「ジョグ」それぞれの画面にある「ヘルプ」が、これらの新機能についての唯一のドキュメントみたいなので、よく読んでおいたほうがよさそうです。

スクリーンショット

 AudioPlayer 2.0の新機能は、ほぼ、事前に流れていた情報の通りでした。
 ですので、詳細は改めて、ZDNet PalmOSのレビューなどをご参照ください。

 以下、せっかくなのでスクリーンショット。

 イコライザ風、など3種類のスキンを選べる「ビジュアルエフェクト表示」。



えりえりさんスクープの通り、可愛くなった「曲転送」画面。

「曲一覧表示」もできるようになりました。(Crs-JukeBoxを意識しているのでしょうか。)

そして、「ツール」→「ピックアップ...」と進むと、再生する曲を選択できます。簡易的なプログラムモードですね。

 純正プレイヤーのこの画面で、メモリースティック内から特定の曲だけを選び出して再生することができます。
 でも、もっと高度なプログラム演奏、例えば、同じ曲を何回も再生したり、といったことをしたい場合は、なんといってもCrs-Jukebox v0.4がお薦めです。
 しかも、Crs-Jukebox側のプレイリストは、そのまま標準のプレイヤーなどにも反映され、互換性も取れています。是非、この機会に導入しましょう。

P. S.
パームウェア作者の皆さんへ

 既にご存じかとは思いますが、MSAライブラリの機能を使うと、Crs-Jukebox同様に、プレイリストを活用することができるそうです。(Crs-Jukeboxの作者、高橋さんから教えていただきました。)オーディオ関係のツールをご計画の犀は、是非、この機能を活用して、クリエのポテンシャルを発揮させてあげてください。素晴らしい作品の登場を楽しみにしています!

 そういえば、以前、右上のアイコンがそれぞれ何の機能なのか、というのが話題になっていましたが、

  • 右の3つは、表示モード(通常表示 / ヴィジュアルエフェクト表示 / 曲一覧表示)の切り替えボタン。

  • メモリースティックの絵のアイコンをタップすると、

    こんな画面になります。ここで、ATRAC3のデータとMP3のデータを切り替えることができます。(両方を混ぜて再生することはできないようです。)

  • そして、右に「A」と書かれたCDの絵をタップすると、アルバム情報を見ることができます。(下の画像では、私がアルバム情報を書き込んでいないので、「no title」になっていますが……。)

[Tips] MP3作成ソフトのこと

 クリエのAudioPlayerをアップグレードして、「さあMP3を聞こう」という時は、別途、自前でMP3作成ツールを用意する必要があります。

 これは、不親切というより、「ツールは好きに選んでください」ということではあると思います。Windows用には、パッケージソフト、オンラインソフトでMP3作成ツールは、それこそ無数にありますし、Macでは、iTuneというApple謹製ツールがあるそうですから。

 でも、実際には、私(白石)は、クリエで使えるMP3エンコーダを見つけるのに、結構、苦労しました。(10MB近い体験版ソフトをダウンロードしたのに、使えなくてがっかり、ということも数回……。)

 ひょっとしたら、同じようなMP3ビギナーのお仲間がおられるかも、と思いましたので、私が見聞したことを整理してみることにします。

 一口に音声再生といっても、ニーズは様々です。音質にこだわる人、BGM用に大量にデータを保っておきたい人、語学教材を通勤・通学途中に聞きたい人など……。
 『CLIE PEG-N500Cスーパーガイド』(アスキー)のp12-13など、ライターさんの間では、BeatJam(Justsystem)を推奨している例を見かけます。BeatJamは、MP3とATRAC3をまとめて管理できるので、その点ではクリエ(SONY社製品)向きです。
 ただし、このソフトも、以下でご説明するクリエのサンプリングレートの制限に引っかかる場合があります。80kHz以下の低いビットレートのデータを使おうと思っている方は、是非、以下の説明を読んでみてください。
 フォオーマットの問題は本当に悩ましいですところです。クリエを使いだしてしばらくした今、私は場合に応じて、ATRAC3と複数のMP3作成ソフトを使い分けるということをしていますが、正直言って、ちょっと煩わしいのが、残念なところですね。

<仕様のおさらい>

 まず、クリエのAudioPlayer 2.0で再生できるMP3の条件を、もう一度、整理しておきましょう。

▼ビットレート:32〜96kbps

 ソニー・クリエのサイトには、そういう風に書いてあります。一般に、MP3データでCD並みの音質を保つには、ビットレート128kbps以上が必要と言われているようですから、やや音質が落ちる、残念……ということになります。

 でも、この公式発表は、あくまでソニーの「推奨」値であって、「必須」ではないみたいです。(試してもいいけど、ソニーは保証しないよ、ということでしょうか。)

 ウェブを見ていると、128kbpsやそれ以上のデータをクリエで再生できている、という報告が上がっています。(データによっては、「プチプチ」とノイズが入る場合もあるらしいので、あくまで、「自己責任」ですが……。)

 また、48kbpsや56kbpsにビットレートを落とした場合も、特に問題はなく再生できます。(もちろん、音質は劣化しますが……。)

▼サンプリング周波数: 44.1kHz

 このように、「ビットレート」は、公式発表にあまり厳密にこだわらなくても大丈夫なのですが、サンプリングレートの扱いはシビアです。44.1kHz必須、それ以外のものは、エラーになります。

 もしも、下のようなMP3データをクリエで再生しようとすると、(「形式…22.0kHz」となっているのがおわかりいただけますか?)

こんな風に怒られてしまいます(涙)。

 事情を知らないと、ちょっとドキっとするメッセージですね……。

<救世主 SCMPX>

 まあしかし、96kbps以上の高音質データを作る時は、ほとんど心配は要りません。大抵のMP3ソフトは、デフォルトで44.1kHzのデータを作ってくれます。

 問題は、ビットレートを落として64kbpsや80kbpsのデータを作ろうとする場合です。

 語学の学習教材など、音声のみのデータだったら、これくらいの音質で十分だと思いますし、(私のように)音質は二の次、とにかくたくさんの音楽を詰め込みたい人間もいるでしょうから、需要はあると思うのですが、いざやってみると、意外に選択肢が限られています。

 結論から言うと、SCMPXというオンラインソフト(フリー)

がいいみたいです。

CLIE Parkの「雑記 2001/06/24#2: MP3の変換 」や、『PalmMagazine』vol.6 P.36でも紹介されているソフトです。特に、CLIE Parkさんとは、この記事全体の趣旨も、「かぶって」しまいました。知らずに準備を進めていて、気がつけば、捨てるに惜しい分量になっていたものですから、記事を公開してしまいました。ご容赦ください!

 一見しておわかりの通り、音楽プレイヤーですが、WaveデータをMP3に変換する機能が付いています。

音楽CDのデータを直接読み出すことはできません。あらかじめ、CDから音声データをWave形式で吸い出す「リッピング」という作業をやっておく必要があります。リッピングツールとしては、やはりフリーのオンラインソフト、CD2WAV32というのが、定番らしいです。

 「conbert」ボタンからメニューをたどって「MPx変換(Encoding MPx)」を選ぶと、変換元ファイルの所在を聞かれます。

このダイアログでMP3化するWwaveデータを選択すると、次は、こういう設定画面。

レイヤーは「III」を選びましょう(MP3の「3」ですね、たぶん)。ビットレートは試しに「64000」選んでみます。そして「OK」。

データの保存先を指定すると……、

エンコード作業がはじまります。

 出来上がったデータは、クリエ上で見ると、確かに44.1kHz。

 なるさんもご指摘のように、操作は一本道なので、迷わず使えるツールではないかと思います。

私は、まだこのMP3作成機能を一通り試しただけなので、思うように動作しない場合は、ごめんなさい。WaveやMP3ファイルのフォーマット変換などもできるようですから、色々と試行錯誤してみてください。

[補足 その1]
 オンラインで公開されているMP3作成ツールとしては、他に、「午後のこ〜だ」というのが有名みたいですが、ライセンスの関係で、バイナリーの配布は終わってしまったようです。
 どうしても使ってみたいという人は、自力でコンパイルするか(笑)、昔の書籍等の付録CD-ROMを探してみるといいかもしれません。

[補足 その2]
 オンラインに頼らなくても、MP3なら、パッケージソフトがいっぱいあるじゃないか、との声が聞こえてきそうですが、そこがこの問題の落とし穴のようです。

 確かに、96kbps以上の高音質では、これらのパッケージソフトを問題なく使用できます。でも、ほとんどのパッケージソフトが、ビットレート80kbps以下で、サンプリングレートを、自動的に22.0kHzに落とすしくみになっているようです(元データがステレオ音声の場合)。

 結局、私は、パッケージソフトで 44.1kHz 80kbps/64kbpsのデータを作れるソフトを見つけることができませんでした。(もし、そういうソフトがあるのをご存じの方はご一報ください。)

  • RealJukebox ×
  • MusicMatch Jukebox ×
  • BeatJam(体験版) × ← PalmMagazine推奨なのに(涙)
  • B's Recorder GOLD × ← 同じくPalmMagazine推奨なのに。

 というわけで、なかなか大変です。
 Macではどうなのでしょう? 64〜96kbpsまで22.0kHzも41.1kHzも自由自在なのでしょうか。だとしたらうらやましい!

[追記 6/29]
 iTumesでは、ビットレート8Kbpsから320Kbpsまで、サンプリングレートは、8KHzから48KHzまでのMP3ファイルを作成可能とのメールをいただきました。お知らせ、ありがとうございます。
 (でも、64Kbpsだと、「聞くに耐えない」音質になってしまう、とか。Windowsでも、本文では敢えて取り上げませんでしたが、そういう風に「聞くに耐えない音質」になってしまうソフトを見かけます。その中で、SCMPX午後のこ〜だは、80kbps以下にしても、一定の音質を保ってくれています。何か特別の工夫があるのでしょうね。きっと。)

音質

 手元にあったCD(宇多田ヒカル「Automatic」=ボーカル曲、L.バーンスタイン「キャンディード序曲」=オーケストラ曲)を使って、簡単な聞き比べをやってみました。

  1. OpenMG Jukeboxでエンコード: ATRAC3 44.1kHz 66kbps
     → クリエ(PEG-N700C)で試聴

     私は、基本的に、クリエのようなPDAに「高音質」を求めても仕方がないという気がしています。まして、小さなヘッドフォンとかで聞くわけですから……。

     66kbpsは、OpenMG Jukeboxのビットレートの最低値ですが、ここまで音質を落としても、しろクリで聞く分には十分のように思います。細部はつぶれてしまいますし、音の広がりがなくなりますが、曲の感じは、これでも十分につかめるのではないでしょうか。

  2. 「SCMPX」でエンコード: MP3 44.1kHz 64kbps
     → クリエ(PEG-N700C)で試聴

     ポップスでは、ドラムのシンバルの音のゴーストのようなものがシャカシャカと聞こえます。また、オーケストラ曲でヴァイオリンの高音が目立つ箇所では、高音で「ワウワウ」とうなり続ける……。鑑賞用途には使えないかもしれません。でも、今回利用したSCMPX(や「午後のこ〜だ」)はマシなほうです。他の多くのエンコーダの中には、64kbpsでは聞くに耐えない音になってしまうものもあります。MP3でこのビットレートは、厳しいということなのでしょう。

     ただ、語学教材などの人の声は、問題なく再生できるのではないかと思われます。

     ファイルサイズを小さくして、できるだけたくさんのデータを持ち歩きたいという割り切り派の人向きだと思います。

  3. [参考データ] MusicMatch Jukeboxでエンコード: MP3 22.0kHz 64kbps
    → SoundsGood AudioPlayer / miniJan + Visorで試聴

     MusicMatch他、市販のMP3ソフトが生成する22.0kHz 64kbpsデータの品質は、上の44.1 64kbpsと違って、聞きうるレベルを保っています。オーケストラ曲でも高音のノイズは目立ちません。

     Visorのモジュールで再生すると、かなり低音部を増幅している印象を受けました。クリエのほうは、これに比べると、やや派手で、時にはちょっとキンキンした感じがあるかもしれません。

     Visorのモジュールは、簡易イコライザが付いているので、音質的にこだわる人には、いいかもしれません。

  4. MusicMatch Jukeboxでエンコード: MP3 44.1kHz 96kbps
     → クリエ(PEG-N700C)で試聴

     上の64kbps 44.1kHzの音に比べると、はるかに音質が安定しています。ただ、Visorで聞いた64kbps 22.0kHzとの差は、あまり大きくないようにも思われます。このあたり、ビットレートの違い以上に、利用するエンコーダの差が音質に大きく影響している印象です。

  5. MusicMatch Jukeboxでエンコード: MP3 44.1kHz 128kbps
     → クリエ(PEG-N700C)で試聴

     ソニーのマニュアルでは、上限96kbpsとなっていますが、少なくとも、私のところでは、12kbpsのデータも再生できました。ノイズが混じるという報告もあるみたいなので、なんともいえませんが……。音質は、96kbpsで聞くよりもボリューム感がありますね。

後日談:ATRAC3との使い分け

 AudioPlayer v2.0へのアップグレードから2週間、音楽データの扱いが簡単になったので、クリエ(メモリースティック)に次々MP3データをコピーして聞いていました。

 聞かずにおいたままになっていたJ-POPのアルバムなどを片っ端からMP3にして、ラジオや有線放送の感覚で聞き続ける。状況は、移動中に乗り物の中や町中。曲のおおまかな雰囲気と歌詞がわかればいい。

 メモリースティックに、とにかくたくさんの曲を詰め込みには、MP3の64kbpsというのは、ぴったりに思われました。

 ……でも、やっぱり時には、もうすこし、いい音で聞きたい時もあります。そして、落ち着いてみると、クリエの活用法としては、MP3オンリーで頑張るよりも、ATRAC3とMP3を使い分け、併用するのが賢いかもしれないと思うようになりました。

 改めて、ATRAC3の長所・短所を考えてみました。

▼ATRAC3の長所(1): 音質

 せっかくアップグレードしたあとで、こんなことを言うのは気がひけるのですが……、

 音質が少しでも良いほうがいい、という場合は、ATRAC3を使ったほうがいいかもしれません。ATRAC3の66kbpsとMP3の64kbpsというように、ほぼ同等のビットレートのデータを聞き比べると、少なくともクリエで聞く場合、ATRAC3のほうが安定して、聞き易い音がするように思われるからです。

 MP3に精通している人は、クリエできれいに鳴るように設備やソフト設定を調整して、クリエでMP3をそこそこの音で鳴らせるのかもしれませんが、普通に入手できるソフトをデフォルトのままで使う「お気楽ユース」では、純正のATRAC3を越える音を難しいような印象です。

 それに、再三書いていますが、MP3の場合、SONYが動作保証しているのは、96kbpsまでです。よく知っている音楽を細部までじっくり聞き込むような用途では、不満があるかもしれないレベル。(128kbpsのMP3データを再生できる場合はあるようですが、「ブツブツ」というノイズが入ることがあるそうです。自己責任ですが、挑戦する価値はあるかもしれませんが……。)一方、ATRAC3は、132kbpsの高音質データの再生が保証されています。

 また、80kbps以下の低音質のMP3は、使えるエンコーダ(作成ソフト)が限られる上に、どうしても「ワウワウ」というノイズが入ってしまいます。ATRAC3の66kbpsの音は、やや劣化してはいますが、安定して聞くことができます。

▼ATRAC3の長所(2): 買ってすぐに使える

 ATRAC3を作るには、(メモリースティク以外に)追加投資が必要ありません。出荷段階のバンドルソフトで用が足りる、というのは、大きなアドバンテージだと思います。手間いらずです。MGメモリースティックも、かなり価格がこなれてきたようですし……。

▼ATRAC3の短所(1): ファイルサイズ

 同じ曲データをATRAC3、MP3でエンコードした場合のファイルサイズを調べてみました。

 使用したのは、音楽CDから吸い出した45.3MB(44.1kHz、16ビットステレオ)のデータです。(たまたま手元にあった、L.バーンスタイン「キャンディード」序曲)

<45.3MBのWaveファイルをエンコードしたら……>

OpenMG(44.1kHz) MP3(44.1kHz)
ビットレート サイズ 作成ソフト ビットレート サイズ 作成ソフト

132kbps

4.34MB

OpenMG Jukebox v2.0

128kbps

4.11MB

SCMPX ○
MusicMatch Jukebox他 ◎

105kbps

3.45MB

OpenMG Jukebox v2.0

96kbps

3,08MB

SCMPX ○
MusicMatch Jukebox他 ◎

--

--

--

80kbps

2,57MB

SCMPX ○
MusicMatch Jukebox他 ×

66kbps

2.18MB

OpenMG Jukebox v2.0

64kbps

2,05MB

SCMPX ○
MusicMatch Jukebox他 ×

 ビットレートがほぼ同等の場合、ATRAC3のほうが、若干ファイルサイズが大きくなります。ATRAC3データを扱うには、OpenMG対応の白いメモリースティックが必要だということも考えると、ATRAC3には、やや「割高感」があります。

▼ATRAC3の短所(2): OpenMGの制約

 これは、AudioPlayer 1.0の段階で既に話題になったことですが、ATRAC3のデータを扱う時には、同時に組み込まれている著作権保護技術OpenMGとの兼ね合いで、いくつか注意すべきことがあります。この点は、クリエのマニュアルの該当箇所をご確認の上、こちらの「関連リンク」で紹介している記事などもご参照ください。

▼まとめ): 悩みましょう(笑)

 結局のところ、音質など、クリエはATRAC3に最適化してチューニングされたマシンなのかもしれません。どうしても、MP3の利用には、制限がつきまといます。でも、MP3は、操作や管理が楽で、他のデバイスとデータの流用も可能です。また、MP3を支える、ある種の自由と連帯の気風に共感している人もいらっしゃることでしょう。性能・音質を取るか、使い勝手と思想を取るか、MP3が使えるようになったことで、贅沢な悩みが増えました(笑)。

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