1999年11月2日〜11月6日
いいかげんにしろ、と言われそうですが、また ABC です。ごめんなさい。でも、日々、発見があって私は楽しんでいます。
気に入ったことその1:仕様が覚えやすく、書く文字数が少なくて済む。
例えば、音名=A-Gのアルファベット、音の長さは、八分音符=無指定、四分音符=2 (八分音符の二倍)、付点四分音符=3 (八分音符の三倍)...と表記します。「ドレミの歌」の出だし
は、こんな風になります。
c3 d e3 c |e2 c2 e2 z2 ||
音名のあとの数字が、音符の相対的な長さを示しているので、慣れれば、この記号を読みながら歌うことも不可能ではなさそうな気がします。記号もシンプルなので、Graffiti でメモ帳に入力するのも楽そう。...えっと、「|」は、Graffiti ではどう書くの? (なお、「|」は小節縦線、「z」は休符です。コミックに出てくる「zzzzz」の意味でしょう、多分。)
また、この譜面にタイトル、拍子、テンポなどのヘッダを付けてから、(X: 曲番号、T: タイトル、M: 拍子、L: 基本音符指定、Q: テンポ、C: カテゴリー、K: 調号)
X: 1
T: Do-Le-Mi
M:4/4
L:1/8
Q:1/4=120
C:Sample
K:C
c3 d e3 c |e2 c2 e2 z2 ||
前にもご紹介した abc2midi などツールにかけると、MIDIファイルが出来るのですが、
doremi1.mid
このツール、デフォルトで、各小節の最初の拍にアクセントをつけて、リズミカルなデータを作ってくれるみたいです。なかなか気が利いていると思いませんか?
なお、本日、掲載した五線譜は、昨日ご紹介した abc2ps を使って、上のソースファイルから作りました。palm - music 初の楽譜掲載! abc ツール群の手軽さ、少なくとも私には本当に役に立ちそうです。
この子守歌のようなメロディもブラームスです。そういえば、ブラームスは、ワルツ王ヨハン・シュトラウスの友人で大ファンだったそうです。シュトラウスの別荘で一緒に撮った写真なんかも残っています。
再三お伝えしている ABC フォーマットですが、私にとっては興味が尽きません。ABC フォーマットのテキストを postscript に変換するツール(→ abc2ps)や、MusiXTeX (一種の楽譜作成プログラム)の形式に変換して、かなり精巧な楽譜を作ってくれるツール(→abc2mtex)もありました。というより、C. Walshawさんは、もともと、MusiXTeX のためのフロントエンドを作るために ABC フォーマットを考案したのだそうです(→「History of ABC」のページ参照)。
国内にも、いくつか関連情報を得ることのできるサイトがあるようです。
「MIDI & abc 工房」……MIDI とケルト音楽のサイト。ケルト音楽データのフォーマットとして ABC のことが紹介されています。(http://www.asahi-net.or.jp/~pt9t-fjt/midi_abc.html)
「Kitamura Kota's Homepage」……MusiXTeX 入門。(http://yoneda-www.cs.titech.ac.jp/~kota/profile.html)
...どんどん話題が Palm から逸れて、ごめんなさい。でも今すごく興味を惹かれているんです。
ごめんなさい。本当に時間がなくて。今日一日頑張れば乗り切れるはずです。...でも、仕事のおかげで、一番好きなオペラ(オペレッタ)のひとつ「こうもり」(ヨハン・シュトラウス)のかけがえのない LD (クライバー!!とバイエルン州立劇場)をもう一度観ることができました。いい歳をした大人たちがこんなにハッピーな表情で遊び興じるのを観ていると感動を通り越して泣いてしまう...。私自身が歳をとった証拠ですね。でも、いいです、シュトラウス、そしてクライバー(今更ではありますが...)。
シャンパンの歌
[Melody0]Campagne t140 |
昨日ご紹介した Michael Winikoff氏の「Music on the PalmPilot」が、私にはとても興味深かったです。まだ全体像が見えてこないのですが、とりあえず、第1報として、そこで紹介されていたABC形式について書いてみます。
ABC形式は、英数字による簡易譜の一種で、民謡の採譜などで実用されているようです。発案者 C. Walshawさんのサイトは→こちら(http://www.gre.ac.uk/~c.walshaw/)。既に、UNIXやWindows、Macなど様々なプラットフォームでこの形式を扱うツールがそろっていて、かなり普及している様子です。(そういえば、以前、MusiXTeX に関連して、ちらっとどこかで見かけたような記憶があります。)
この形式で書かれた楽譜は、こういう風になります。
%DEMO % A hornpipe using triplets, accidentals and broken rhythm % X: 2 T:Trumpet Hornpipe T:Captain Pugwash Theme C: Trad M:4/4 L:1/8 Q:1/4=140 R:hornpipe K:G |: (3GGG G2 (3GGG G>d|B>GB>d g>dB>G|\ (3DDD D2 (3DDD D>A|F>DF>A c>AF>A| (3GGG G2 (3GGG G>d|B>G B>d g2 g2|\ f>ag>f e>gf>e |1 d>^cd>e d>=cB>A :|2 d>^cd>e d2 B>=c |: (3ddd d2 (3ddd d2|e>fg>f e>dc>B|\ c>de>d c>BA>G|F>GA>G F>DE>F| (3GGG G2 (3=FFF F2|(3EEE E2 (3^DDD D2| \ =D>gf>e d>cB>A|1 G2B2G2 B>c :|2 G2B2G4 ||
まだ、仕様を私もちゃんと読んでいないのですが、きっと、%で始まる行はコメント、「T:...」はタイトルでしょう。a-gが音の高さ、数字が音の長さだと思います。その他、|: と :| の間が繰り返し、||が曲の終わり等々、割に直観的にわかるようになっているみたいです。そしてこれを、ABC2MIDI というプログラムにかけると、
demo.mid
こういう MIDI ファイルが出来上がりました。このMIDIコンパイル作業、実際にやってみると、結構、感動します。(MS-DOSプロンプト上の作業だと、それだけでなんだかすごいと思ってしまいます。私、単純なんです。)
C. Walshawさんのサイトには、ABC形式のファイルをGUIで編集、演奏、表示するMac用ツールなども紹介されていた(ような気がします)。そして、Palm 上でも、ABC形式のメモから楽譜を生成する ABC Viewer というプログラムを、Dave Hollandという方が開発しているそうです(Winikoff氏のサイトに紹介がありました)。
このABC Viewer で、上のサンプル楽譜のメモを読み込むと、画面上に楽譜が表示されました。
これまた感動です。...今はまだ、複雑な譜面を読み込めなかったり、一画面に収まらない譜面のスクロール表示ができないなど、発展途上ですが、是非、頑張ってほしいです。シンプルなテキスト書類でMIDI演奏と楽譜表示を橋渡しするという手法、技術的なことはよくわかりませんが、私はすごく好きです。
音楽データを英数字(いわゆる ascii 文字)だけで表記する簡易譜が、コンピュータ・プログラムでよく使われますが、具体的な表記法には、本当に様々な方式があるみたいです。Palm の代表的な音楽ソフト、MusicBox と PocketSynth、Melody Editor は、それぞれ少しずつコンセプトや記述方式が違いますし、昨日リリースされた Music Dictate と ToMup は、また別の方式を用いているようです(→PalmwareFlash@ろばみみ)。
ところで、この Music Dictate と ToMup は同じ方の作品ですが、その作者のサイト「→Dr Michael Winikoff」に行ってみると、他にも ABC Dictate、PlayMup、Metronome などの音楽系プログラムが目白押し。「 Music on the PalmPilot」というコーナーもありました。現在、読解中です。(http://goanna.cs.rmit.edu.au/~winikoff/)
♪ブラームス ピアノ協奏曲第2番第1楽章♪
♪ブラームス ヴァイオリン協奏曲第1楽章♪
♪ブラームス ヴァイオリン協奏曲第1楽章♪
タイトルは堅苦しいのですが、メロディは優しいです。
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