[HOME]

■音日記

2000年10月20日〜10月31日

2000年10月31日(火)

■「palm - music」のマナーと見識

運命に呪われた音たち

 ついに買った憧れのパーム。平静を装いつつ、箱を開けて本体を取り出す。裏蓋を開けて電池装填、表に返して電源を入れると……、

 「さすが、評判のパーム(WorkPad)だけあって、ガイダンスもわかりやすいな。」

 指示されるままにスタイラスを取り出し、画面中央にタッチ、

 次は左上にタッチ……、

 ーーブッ!

 「なんだ、音がするのか……。」

 再び画面中央……、

 ーーブッ!

 「……」

 次は時間の設定。「今は10月だから……」

 −−ブッブッブブブブブブブブ。

 時間の設定、「31日……」

 −−ブブブブブブブブブブブブブブブブ……

 「こんな騒々しいんじゃ、会議中に使えないな。」

 

 「環境設定? 設定はたぶん、この辺だろう。」

 

 「システム音、オフ。アラーム音、オフ、まあ使わんだろう。
 ゲーム音……は、このままにしておくか。」

 「サイレント・パーム」の出来上がり。
 スケジュール管理、アドレス帳、メール。彼の仕事はパーム(WorkPad)のおかげで100倍スムーズ。

 でも、彼は「ピロリ〜♪」を知らない……。「-Sync you? Sync me-」

今日の格言                            

「電源ボタンは電源を切るためにある。」−−Zen of Palm

「ビープ音は消すために鳴る。」−−Zen of palm - music

--------
アラームとシステム音のカスタマイズ。
これが、パームで音を扱うときの原点でしょう。
「Tips」の内容をまとめ直そうと思って、
いたずら半分で、こんな書き方をしてみました。

先の展開は、まだ考えていません ^^;)

とりあえず次回は、音を「消す」マナーツールをご紹介できればと思っています。

それにしても、連日、多数の方においていただき、
本当にありがたいやら、とまどうやら……。
先週分は、過去ログに移しましたが、著作権関係については、
ずっと前に書いたものとともに、一カ所にまとめています。
 このページ一番下からたどれるようにしてみました。
内容は、実に頼りないものなのですが……。

それから……、
「Palm&Music User Group」の「Palmware」コーナーも少し手直ししてみました。
ニュースリンク集も、随時更新しています。


2000年10月29日(日)

■ PUGO第22回定例会

 各所で告知されていますが、本日、10/29(日)、関西のユーザグループPUGOの定例会があります。場所等の詳細は、公式サイトでご確認ください。(時間は17:00〜ですのでお間違えなく。)

 時間があれば、(そして私が間に合えば)「P-Key」のデモをやらせてもらえる予定です。

■ miniMusic情報

 miniMusic社のニュースです。

NotePad のWIndows用コンジット(これがあれば、NotePadの曲データを母艦にMIDIファイルとして書き出せるようになるはず)をテスト中

というお知らせの他に、

サン・ディエゴでBeatPadを使ったコンサートがある

との告知が出ていました。

 "Touch Me Hear"コンサート:11月1日、12:00〜、"San Diego Mesa College, Room C-119" だそうです。学内イヴェントみたいなものなのでしょうか。

■音楽の著作権の話(昨日の続き)

 週末の更新はお休みにしようと思っていたのですが、iPAL NEXTでも取り上げていただき、たくさんの方に見に来ていただいているみたいなので、もう少し昨日の話の続きを書きます。

 まず、昨日の話の補足です。「P-Key」のなかがわさんからメールで、

パクスポは、

・非営利
・無料
・演奏者は無報酬

だから楽曲使用は自由なのでは。

というご指摘をいただきました。確かに、JASRACの「音楽の著作権とは」のページにもこんな記述が。

コンサートやお店等における生演奏、カラオケ、ビデオ、映画の上映、CDの再生等

 営利を目的としている、入場料(いずれの名義をもってするかを問わない)がある、出演者に報酬を支払う、のいずれか1つでも当てはまる場合は、手続きが必要です。該当する場合は、必ず事前に手続きをお取りください。

 無料・無報酬・非営利イベントだったら、手続き不要と読めますね。このあたりを正確に説明できていたら、JASRACさんのお答えは違っていたのかもしれません。(私は支払わなくてもいいお金を要求されるところだったのでしょうか? だとしたら悲しいですが、電話でのやりとりなので、こちらの事情が上手く伝わっていなかっただけなのかもしれません。)

 また、もし「無料イベント」だから手続き不要だ、と思って《TSUNAMI》を用意していっていたら、今回みたいに、演奏が第2部(=有料パーティ)にずれ込むとなった時に、問題が発生したかもしれません。……なかなか微妙なものですね。

 それから、JASRACさんには、実は、カラオケのことだけでなく、楽曲をBGMに使う場合の手続きもお聞きしています。

 こちらは、やりとりを正確に記憶していないのですが、

私 「300人規模有料のパーティでヒット曲のMIDIデータをBGMとして使う場合の手続きはどうなるのですか。」

というような質問をしたような気がします。すると、別の部署に問い合わせたりで、やや待たされてから

JASRAC 「現行法では規定がないので、手続きは不要です」

という回答をいただきました。どういう解釈でそうなるのかは、詳しく聞かなかったので、よくわからないのですが……。

BGMは音楽自体が目的ではないからなのか、エンドレスでテープを流したりした場合、使用料の単位になる楽曲の切れ目や演奏回数を特定できないからなのか……。思ったより、身近なところに、エアポケットがあるみたいです。

 その他、音楽の著作権の運用を個別に詮索してゆくと、曖昧なところがでてきたり、隠し玉みたいな概念(「戦時加算」とか)が飛び出したり、かなりややこしい面があるみたいです。(さすが、ハウツー本がたくさん出るだけのことはあります。)

 また、私は、前に書いたように、まず、権利者の窓口(この場合はJASRAC)に聞いてみるというのがいい(というか、専門家でない我々はそこから始めるしかない)と思っているのですが、困ったことに、JASRACの業務には、不透明だとの批判もあるようです。(坂本龍一氏がJASRAC批判の急先鋒だったりするのですよね。)

 ただ、だからといって、「音楽の著作権は特殊」とも言いきれない、という気がしています。

 例えば、「パクスポ」の公式サイトに優香ちゃんの写真をイメージキャラクターとして掲載しようとしたり、会場の装飾にアニメのキャラクターを使おうと思ったとしたら、やっぱり、様々な事前調整が必要になるはずです。(映像に関して、JASRACのような代行窓口があるのかどうかは、私はよく知らないのですが……。)たぶん、ヒット曲の音源使用も、それと、基本的には同じことだという気がします。

 パームのイヴェントのヴィジュアル面での苦労がない(表に見えない)のは、イヴェントの度に、たくさんのデザイナーの方々が、手弁当でオリジナルのロゴやパネル、ポスターを提供してくださっているからだと思います。嘘のように恵まれた状況だと思いますし、本当にすごいことだなあと思います。

 一方、音楽に関しては、今のところまだ、オリジナルなものを生み出せないでいるわけですが、これはパームが、デザイナーさんたちを魅了するほどには、ミュージシャンさんの関心を引いていないということなのか、それとも、たまたまこれまで、音楽系の方々が表に出る機会がなかっただけなのか……。

 物事を良い方向に進めるために、何かできることがあるのかもと、少し考えてしまう今日この頃ではあります。

 ちなみに、JASRACの方は、電話でとても親切に応対してくださいました。(料金は300円…」の一言を、非常に申し訳なさそうにおっしゃっていたのが印象に残っています。)坂本龍一氏に反論するJASRAC会長の小林亜星氏の姿を見ていると、いかにも「業界のドン」という風に見えてしまいますし、先にご紹介したウェブ上の「音楽の著作権とは」の文体は、ひどく堅苦しいですが、現場は、それほど硬直していないような……、私がお人好しで、ごまかされてしまっているのでしょうか?

-----------
……と著作権問題と格闘する間に、
ついにカウンタが「30,000」を越えたようです。
お礼的なことは何もできませんが、こんな辺境へお運び頂き、
本当に、どうもありがとうございます。

来週は、もう一度、ちょっとした特集をやります。
どうぞ、よろしくお願いします。


2000年10月28日(土)

■「パクスポ」幻のカラオケ(といっても打ち上げの話ではないです)

 前にも書きましたが、「パクスポ2000!」の「パーム一発勝負」コーナーでは、京都のプログラマ、なかがわさんの鍵盤ソフト「P-Key」(近日公開、かな?)を使った演奏をやらせていただきました。今日は、その準備過程でのお話です。

 「P-Key」ってどんなソフトなの?という疑問をお持ちのかたが多いと思います。もうしばらくお待ちください。パクスポ後も、なかがわさんは黙々と開発を進めておられます。
 「オクターヴシフト(ハードキーでオクターヴを切り替え)やサスティン機能(音をきれいにつなげる機能)のついたピアノ鍵盤+α(←ここを開発中)」という感じです。

 本番のデモでは、フォーレ《シチリアーナ》を使いました。

 こんなメロディです。(下のデータは、EndoさんのMelodyEditorや、山田達司さんのPyrol Hack 2(YAMADA ROM 3所収のほう)で再生できます。)この曲は、しゃぁみんさんのTapStepMusic製品版の最初のほうにも登場するので、ご存じの方は多いのではないでしょうか。

[Melody0] Faure start t120
D8 G4 A#8 D~4 G~8 A#~8. A~16 G~8 A~8. *16 D~8 D~8. C~16 E~8 D~8. C~16 E~8 D~2

[Melody0] Faure end t120
D8 G4 A#8 D~4 F~8 G#~8. G~16 F~8 G~8. *16 G8 G8. F#16 A8 G8. F#16 A#8 G2

 でも実は、本番の4日前までは、別の曲(サザンの《TSUNAMI》)を使うつもりでいました。

 「P-Key」のサスティン機能を活かすには、バラード系がいいと思ったので、この曲に決めて、練習を重ねていました。「P-Key」のかなり若いヴァージョンの頃から、《TSUNAMI》をテスト用によく弾いていたので、個人的にも、かなり愛着がありました。

 ほとんど何の疑いもなく、これでいこうと決めていました。でも、すでにお気づきの方もおられると思いますが、ちょっと気になる問題が残ります。

「カラオケには使用料が必要」

ということ、いわゆる音楽の著作権の問題です。

 迂闊なことに、本番4日前(10/18)という差し迫った時期まで、そのことに思い至りませんでした。きっと、パクスポにむけて、バタバタして混乱していたのでしょう。それにしても、実はその直前には、パクスポのスタッフさんに、イベントで使う音楽の権利関係はクリアにしておいた方がよいのでは、というお話をしていたところだったのです。自分のことを差し置いて、お恥ずかしい次第。なんともお粗末なお話に、我ながらあきれてしまいます。

 さあ、どうしよう。「知らなかったふりをして、このままやってしまおう」という考えも頭をよぎりましたが、思い直して、まず、音楽著作権協会(JASRAC)に電話で問い合わせてみました。

 なぜ、「見切り発車」しなかったか?
 スタッフさんに啖呵を切った手前、「気づかなかった」では済まないということは、当然あります。でも、それ以上に、あとでウェブ等に自分のやったことをはっきり書けなくなるのは嫌だ、という気持ちがありました。それに、−−私は別にそんな「クリーン」な人間ではないですが−−パームで音楽をやることに、ダーティな影が射すのは、極力、避けたかったです。ただでさえ、妙に「マニア」のイメージが先行していますから。(本当は、そんなに特殊なことじゃないのに……。)

 なお、音楽(楽曲や演奏)の本来の著作権者は、もちろん、曲やレコードを作った作曲家、演奏家ですが、多くの場合、彼ら(や彼らが属するプロダクション、レコード会社など)は、音楽著作権協会(JASRAC)に著作権関係の作業を委託しています(「サザン」も「モー娘。」もほとんどみんな)。ごく大ざっぱに言えば、多くのシェアウェア作家さんが、ソフトの登録や料金支払い手続きをVectorや@Niftyのオンライン決済サービスに委託しているようなものです。(JAXRACでオンライン決済はできませんけど、煩雑な作業を一括代行しているという点は、似ているんじゃないでしょうか。)
 「音楽著作権協会」という言葉の響きは、なんとなく「交通安全協会」みたいですが、彼らは善意の第3者ではなくて、権利者の代行機関です。

 JASRACの窓口の方とのやりとりは、およそ次の通りです。

私 「300人規模のイベントのステージで、サザンの曲のカラオケをやりたいのですが、どのような手続きが必要でしょうか?」(カラオケに会わせてPalmで演奏、というややこしい説明は避けて、単に「カラオケ」としました。)

JASRAC 「MIDIデータはどのような……」

私 「オンラインで正規に販売されているものを購入しました。」(TSUNAMIは、MIDI.music.co.jpで300円で購入。)

JASRAC 「イベントというのはどのような……」

私 「東京ビックサイトの会議室を借りて、入退場自由の展示会のようなイベントをやります。その会場内のステージで出し物のひとつとして、カラオケをやるという形です。」

JASRAC 「入場は無料ですか?」

私 「はい。」(「パーム一発勝負」はパクスポ第1部の予定でした。)

JASRAC 「演奏は1曲……ということは、5分以内ですね……、でしたら、この場合、入場は無料ということですが、公開演奏ということで、演奏会に準じる扱いになります。所定の用紙で申請してください。」

私 「楽曲使用料のようなものが必要になるのでしょうか。」

JASRAC 「演奏時間等によるのですが、入場無料、300人規模、1曲5分以内ということでしたら、300円になります。」

 今調べてみたら、音楽著作権協会のホームページ「音楽の著作権とは」というコーナーから、コンサートでの楽曲使用料の料金体系など、具体的に出ていました。担当の方が電話で説明してくださったお話とほぼ同じようなことが出ています。

 楽曲使用手続きそのものは、本番4日前からでも可能な様子。また、楽曲使用料300円というのも、支払えない金額ではないですし、どうしたものか……。

 頑張って手続きを済ませて、《TSUNAMI》でカラオケを敢行しようかと、相当に迷いました。でも、やはり冷静に考えれば、MIDIデータ購入代金に加えて、さらに300円を支払ってまでこの曲にこだわる理由もないわけで、最終的には、別の曲に差し替えることにしました。

 ……というわけで、本番は極めて厳格に「3分間」のあっという間のデモでしたが、私の中では、それまでに結構、それなりに気を遣うことがあったのでした。まあ、どうでもいいといえばどうでもいいお話です。

 ただ、この一件、音楽の著作権について、良い経験をさせてもらったなあと思っています。

 もう一度まとめると、パクスポで「カラオケ」をやろうとする場合、権利関係としては、2つのポイントがあったようです。

  1. MIDIデータが適正なものどうか(作者の許諾を得て作成されたものかetc.)
  2. 楽曲の演奏使用のための手続きを(この場合はJASRACに対して)行っているか

 パクスポが演奏会と同じ扱いになる(「オフ会の発展形」でも、客観的には「公開」行事)というのも、知っておかないと、判断を誤りそうなところかもしれません。

 正直言って、音楽の著作権関係の手続きは、理不尽で、法外なところがあるのかと、なんとなく身構えていたのですが、今回、頑張って交渉してみて、そういうわけでもないことを実感しました。

 背後にある考え方も、少なくとも今回のカラオケの件で言えば、シンプルだと思います。要するに、「他人が作った曲を使う時は、その人に問い合わせたほうがいい」ということなわけで、作者がJASRACに業務を委託しているから、我々利用者はJASRACと交渉することになる……。実際の運用方法(1回演奏するごとに書類提出と料金支払いが必要)は、やや負担が重いような気もしますが、考え方としては、理解できることだと思いました。

 私は、もし自分が作曲家だったとしたら、自分の作品を、もっとおおらかなやり方で流通させたいと思ったかもしれません。ちょうど、ソフトウェアの世界に、シェアウェア、パッケージソフトの他に、オープンソースのフリーウェアがあるように……。

 でも、既存の作品・楽曲について、利用者側が権利者の意向を勝手に無視するわけにはいかないと思っています。シェアウェアなど、作者さんごとにお考えがあって、条件は様々ですが、我々ユーザーはそれを尊重しているじゃないですか。音楽の著作権の問題というのは、なんだか面倒そうですが、基本は、それと同じことではないかと、今回の経験を経て、そう思いました。


2000年10月27日(金)

■ ZBoxZ ver.0.24h

 パクスポ2000!の音楽UG、pmugのブースやステージでMIDI再生に使っていたのは、MusicBoxというMIDIプレイヤーです。これは、ZBoxZ(「ズィーボクシーズ」)という一種のランチャーソフトから起動して使うようになっています。(ZBoxZの詳しいは、こちらをご覧ください。)

 実は、10月に入って、パクスポで使いたかったこともあり、作者さんと難度かやりとりして、MIDI関係をかなり改善してもらっていました。そしてZBoxZ ver.0.24eあたりで、MIDI関係は安定して一段落という感じだったのですが、先ほどZBoxZのサイトをのぞいてみると、ZBOxZ ver.0.24hというのが公開されていました。MIDI関係にも、いくつか改良があるようです。確認ができ次第、概要をここでもレポートしたいと思っています。

■ウェブの恩はウェブに返す

 「パクスポ2000!」公式サイトに、

[仮設] PUXPO & WPCE レポートリンク集

というコーナーが開設されています。パクスポのウェブスタッフ(だった)Life with PalmPilotのみちろうさんによると、

「実はイベント翌日から、なぜかサイトへのアクセスが増えています。」

パクスポに参加したかったけれど都合で来ることができなかった人などが、情報を渇望しておられたということのようです。私も、昨年の「パクスポ'99」の時は参加できなかったので、その気持ち、すごくよくわかります。

 「参加できなかった人のために」という発想は、どこか押しつけがましく、おせっかいなことではないか、という考え方もあるみたいです。でも、地方にいて、動けなかった人の気持ちは切実だと思います。

 それに、そもそも「パクスポ」という企画は、少なくとも参加者の側から見ると、ウェブ上で生まれ、運営されていると見えます。(もちろん水面下では、スタッフさんが信じられないくらい精力的に動いておられたわけですが……。)ウェブから得た楽しみは、ウェブ上に参加記のような形で恩返しするのが、やっぱりいいのではないかという気がします。

 実際にイベントに参加して帰ってくると、なんだか何を書けばいいのか、すぐには言葉が見つからなかったのも事実ではあるのですが……。

 私は、当日、まえに書いた3つの使命(ブースを出す、ソフトを配布する、デモ演奏をやる)をこなすのに夢中で、まわりの様子がほとんど目に入っていなかったのですが、それでも、いわば「音からみたパクスポ」、こぼれ話をもうひとつだけ、明日、ここに書こうと思っています。(あんまり、面白い話じゃないですが……。)

-----------
 みちろうさん、お疲れの中、リンク集作り、大変だと思いますが、
充実したものになることを期待しています!


2000年10月26日(木)

■ Palm de MP3

 私自身、MP3をはじめとする、いわゆるシリコン・オーディオ・プレイヤーを使ってこなかったので、ほとんどフォローしてこなかったのですが、VisorのMP3プレイヤー・モジュールが遂に発売されて、話題のようです。「パクスポ2000!」音楽系UG「pmug」のブースでも、MiniJamは注目の的でした。

 実は、秘かに(といっても隠しているわけではないです)、「Palm&Music User Group」にリンク集を作ったりしています。興味のある方は、ここから各サイトへ行ってみてください。

■ miniMusic Mobile Software Pack

 パクスポ2000!の準備に追われ、見落としていたのですが、miniMusic社から、 Mobile Software Pack というパッケージが $49.95 で発売されたようです。

miniMusic Mobile Software Pack

 内容は、

 バンドルソフトは、どれも既にオンライン購入できるものばかりですが、注目は、「Palm-MIDIインターフェース」。

Palm-MIDIインターフェース

 シリアル端子をもたないMIDI機器にPalmを接続したいという場合に、重宝しそう。まだminiMusicのソフトを購入していないという方には、お買い得のパッケージかもしれません。

 ただ、miniMusicは、早くから、Swivil SystemsのMIDI音源 SG20 への各種ソフトのバンドルを予告しているんですよね。SG20にはMIDI端子内蔵と予告されていますから、こちらを待つという考え方もあると思います。(SG20、10月発売の予告以来、音沙汰ないのが気になりますが…。)

 なお、miniMusic Mobile Software Packの購入方法は、今のところ、同社サイトのオーダーフォームに代金を添えて郵送するしかないみたいです。国内で取り扱ってくれるところがでてくると嬉しいですね。

-----------
 「パクスポ2000!」について、もうちょっとだけ書こうと思うことがあるのですが、
上手くまとまらないので、次回に持ち越します。


2000年10月24日(火)

■「パクスポ2000!」でやったこと・聴いたこと

 パクスポ2000!が終了しました。

 限られた準備期間でこれだけ大きなイベントをまとめ上げたスタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした。

 客観的なことは、徐々に色々なところに出てきつつありますから、ここには、自分のやったこと、聴いたことをひととおり書いてみます。

 こういう時こそ、読んで面白い文章を、とあれこれ考えたのですが、結局、いつもの通り、シンプルなご報告になってしまいました……。

  1. [第1部] Palm&Music User Groupブース出展

     一般公開された第1部は、会場のほぼ半分のスペースを占めるステージ・イベントと、各ユーザーグループのブース企画が同時進行するというスタイル。私は、Palm&Music User Groupのブースに詰めていました。

     ブースの出展内容は、PalmによるMIDI演奏、VisorのMP3モジュール「MiniJam」のデモ、そして、山田達司さんからのおみやげソフトの配布。

     私の他に、最近ライターとしてもご活躍、Palmware-MLを管理しておられるはじめさん、「PalmBook」の著者で、ステージ・トークイベントにも出演された井上真花さんがpmugブースに詰めておられました。今振り返ると、私は、なんとも晴れやかな場所に居たのですね。的確な応対、アドヴァイスでブースを切り盛りしてくださったはじめさん(Muchy.comのはじめさんからHackの説明をしてもらえた人は幸せでした!)、取材でのご来場なのに、ちらしの配布などまでやってくださった真花さん、本当に、お疲れ様でした。

     ブースでは、真花さんの作品「One Way」も、MIDIで演奏させていただきました。今度は是非、生ヴォーカルも聞かせてください!

     取材の写真を撮ってくださったところもあり、「ソフトをください」とブースに寄ってくださる方、MIDiやMP3モジュールについて、熱心に質問してくださる方もあり、とても楽しく、あっという間の2時間弱でした。(文字通り、ブースに張り付いていたので、ステージや他のブースのことは、ほとんど記憶になかったりします。お話、ビーム、デモ、ビーム、お話……。)

     PalmでのMIDI演奏は、実は割合簡単なのに、案外知られていないし、言葉で説明しても、皆さん、なかなかイメージがわかないみたいです。やはり、実演を見てもらうのが一番。今回は、たくさんの人に目の前でMIDI演奏を見て、聴いていただく、良い機会になったのではないでしょうか。

     準備中の会場には、ポチさんが書いておられるように、米Palm社のサジブ・チャヒルさん(午前中に講演をした方)がご来場。pmugのブースでは、MIDIセットに興味を示され、しきりに写真を撮っておられました。(確かに、マニアさんだったのかも。)

  2. Pyrol Hackパクスポ特別版の配布

     今回のパクスポでは、ご欠席の山田達司さんから、パクスポ参加者へのおみやげソフト「Pyrol Hackパクスポ2000特別版」をお預かりしていました。

     「Yamada ROM 3」所収の「Pyrol Hack 2」のパクスポ2000!・ビーム配布限定の特別版、HotSync音をお好みのメロディに変えることができるHackソフトです。(光栄なことに、私が選んだメロディを入れていただきました。)

     ソフトの配布は、上で書いた我々pmugのブース他、たくさんのユーザグループ・ブースで引き受けていただけました。本当にありがとうございました。また、私がたもたしていたせいで、時間をかけての、十分な告知活動ができなかったところ、機長さんの「iPAL NEXT」では、パクスポ前日という絶好のタイミングで取り上げていただきました。ありがとうございました。

     ということで、皆さん、おみやげは受け取っていただけたでしょうか?
     もらったけど、使い方がわからない、そもそも「Hackソフト」って何だという方には、Muchy's Palmware Reviewの「よくある質問と答え」コーナーの、その名もずばり「Hackmasterって何ですか?」の説明がわかりやすいと思います。
     そして、めでたくHackmasterを導入して、Pyrol Hackの設定画面にたどりつかれた方は、よろしければ、「infomation」のほうも、ご覧いただければ幸いです。そちらで、「オリジナル」という名前の謎のメロディの由来など、ご説明させていただいています。

     ちなみに、Pyrol Hackパクスポ版に収録した「オリジナル」という名のメロディは、こういうもの。

    [Melody0]Originl Start t80
    E~16 G~16 B~16 A#~16 A~1

    [Melody0]Originl Finish t80
    A~16 A#~16 B~16 G~16 E~1

     このメロディは、PalmOS搭載機を作っている4つの会社の名前と残り1社の製品名から、 1文字ずつを取って、順番に並べたものです。

     ・Palmの「A」(=ラ)
     ・IBMの「B」(=シb)
     ・Handspringの「H」(=シ)
     ・TRGの「G」(=ソ)
     ・SONY,CLIEの「E」(=ミ)。

     もちろん、偶然ですが、思った以上に、メロディ風の音の並びだと思いませんか。ちょっと気に入っている、「パームなメロディ」です。

  3. [第2部] デモ演奏:キーボードソフト「P-Key」の紹介

     これまで、まったくお話していませんでしたが、実は私、パクスポ公式に告知されていた「パーム一発勝負」コーナーに、なかがわさんという京都のプログラマさんと一緒に応募していました。内容は、私が、なかがわさんの作った「P-Key」というキーボードソフトを使って、曲を演奏してみようというものです。

     「P-Key」は、タッチパネルに描かれた鍵盤を演奏するピアノソフト。画面からペンを離しても音が切れない「サスティン機能」やハードキーによるオクターブシフトやピッチベンドを搭載していて、−−操作に慣れが必要ですが−−割合、自由に表情をつけて演奏することができます。(現在、演奏機能以外の部分を開発中で、一般公開はもうしばらく先になるみたいです。)

     そういえば、「パーム一発勝負」コーナーについては、まだWEB上で、あまり本格的に取り上げられていませんね。公式サイトの告知・趣旨説明もなくなっていますし……。

     たまたま、手元に残っていた記録によると、公式サイトには、このような告知がありました。

    >■第一部「パーム一発勝負」プレゼンター募集!
    >
    >パクスポ第一部演目の「パーム一発勝負」へ参加する方を募集しています。
    >これはステージ上で新作 Palmware やハードを1〜5分でデモ(プレゼン)
    >してもらう企画です。
    >
    >我こそは、と思った方はステージ担当スタッフまで、メールでお問い合わせください。
    >
    >なお、時間に限りがあるため、応募多数の場合はご希望にそえない場合がございます。

     私たちは、これを見て応募したわけです。
     そして実際の出演者は、−−私の記憶も定かではないのですが−−、『モバイル犬ポチのMac de Palm』を書かれたポチさん、『Palmの達人』の著者のひとりCHEEBOWさん、クロスバーの「掌極道」はるやんさん、Pilot用クリアケースのProject Geminiさん福本修二さんによる新作発表、PalmThemaのFocV Prejectさん、山田達司さんの新作を携えたFPALMのみのたんさんなどだったと思います。(漏れがあったらごめんなさい。)
     正直、この事実を知って、私はかなり「ビビって」しまいました。名前の通った方ばかりですから……。明らかに、なかがわ・白石コンビは「浮いて」ます。まるで、「無礼講」と言われて、本当にはしゃいでしまったマヌケな新入社員……。
     でも、今更あとには引けません。「ひとつくらい、お遊び系のプレゼンがあってもいいはず」「公募というからには、たとえ建前だけでも、新人発掘の意図があったはず」と自分に言い聞かせ、プレッシャーを必死にこらえ、準備をすすめ、当日を迎えました。(このあたり、主催者さん側からもうちょっと事前の情報があったら、気が楽だったかなあ、と思います。もしかしたら、我々のような「いちげんさん」のエントリーなんて予期しておられなかった、というのが真相なのかなあ、とも想像しているのですが……。)
     なお、当初、すべて第1部でということでしたが、時間の関係で、第1部、第2部に分けることになり、我々は第2部ということになりました。

     我々の演奏は、MIDIデータの再生(フォーレ《シチリアーナ》)に合わせて、私が「P-Key」をリアルタイムに演奏するというスタイルにしました。TRGproを使い、スピーカー音をマイクで拾ってもらいました。これは、もしかすると公開の場では史上初めての、Palmによるリアルタイム演奏だったかもしれません。

     デモの結果は……、著名な方々に挟まれてのプレゼンで、ものすごく緊張していましたし、制限時間3分という条件は、はっきりいって、かなりきつかったです。演奏はともかく、前後のおしゃべりは、相当早口になってしまっていたとか、……未熟者です。

     でも、ステージに立つ独特の興奮感は、やはりとても楽しかったです。なかがわさん、楽しいソフトを本当にどうもありがとうございました!

  4. [全般] 音楽・効果音をすべてPalmが演奏!

     最後に、これは、私が「やったこと」ではなく、ステージスタッフの皆さんが成し遂げられた偉業ですが、音楽系サイトを自認する者としては、是非とも明記し、記録にとどめておきたいと思います。

     2月のMac World Expoの時のイベント「幕2K」に続いて、今回も、音楽・効果音は、すべてPalmが演奏していました。担当は、Palm&Music User Groupの代表で、今回のステージ全体のまとめ役を務められたくあどりさん、本当にご苦労様でした。

     私が記憶している限りでも、

     オープニングやエンディングの音楽は、PalmによるMIDI演奏でした。(今回も、「幕2K」の時みたいに、CDの音と思ってしまった人もいたかもしれません。それくらい、違和感のない音でした。)

     ひょっとすると、この選曲には、「21世紀」、「新しい世界」へ向けて、という意味も、こめられていたのでしょうか?

     そして第1部では、《ツァラトゥストラ》に続いて、HotSyncの「ピロリ〜」という音! パーム・ユーザーならば、誰もが知っているこの音は、その後も、シグナルとして、随所で鳴っていました(ステージで次のイベントが始まる合図や、ゲームのスタート・終了の合図など)。

     そういえば、今回のパクスポのコピーは「-Sync you? Sync me-」、「Sync」がキーワードなのでした。

     なお、HotSync音を呼び出すのは、たぶん、Pyrol Hack 2を使っておられたのではないかと思います。

     さらに、第2部のゲームの時や、商品贈呈の時にも、Palmで、表彰式で演奏されるヘンデルのメロディなどが演奏されました。

     Palmのビープ音をライン出力するには、「幕2K」で使われていたような特製マシンを用意したのだと思います。(ちなみに、「幕2K」では、SANAIさん特製の「PalmV de BGM」が使われていました。「PalmV de BGM」については、Palm de Cool[2000.02.20]の記事、「幕2K」の舞台裏をご参照ください。)

---------
 とりあえず、ここまででアップします。
 個人的な感想とか、これからのこととか、もう少し思うこともあるのですが、
 それは、次回ということで……。


2000年10月20日(金)

 明日はいよいよ、パームユーザーのお祭りパクスポ2000!です。

 音・音楽がらみの出し物・企画もあります。私の関わっているものもあります。そして、とてもたくさんの人が、それぞれの立場で頑張って、最後の準備を進めています。

 都合のつく方は、是非、おいでください。そして、会場で見かけたら、声をかけてやってください。

 パクスポまでに、NotePadレビューを終える、という目標を、果たせなかったのは残念ですが……。


これ以前の音日記
2000年10月11日〜10月14日
2000年09月28日〜10月07日
2000年09月18日〜09月26日
2000年08月01日〜09月12日
2000年07月08日〜08月31日
2000年06月23日〜07月07日
2000年02月28日〜06月19日
2000年02月23日〜02月27日
2000年02月14日〜02月18日
2000年02月08日〜02月13日
2000年02月01日〜02月05日
2000年01月25日〜01月31日
2000年01月11日〜01月17日
2000年01月01日〜01月05日
1999年12月17日〜12月31日
1999年12月07日〜12月11日
1999年11月29日〜12月05日
1999年11月25日〜11月28日
1999年11月16日〜11月21日
1999年11月08日〜11月14日
1999年11月02日〜11月06日
1999年10月25日〜11月01日
1999年10月18日〜10月24日
1999年10月12日〜10月17日
1999年10月04日〜10月10日
1999年09月27日〜10月03日
1999年09月20日〜09月25日
1999年09月13日〜09月19日
1999年09月06日〜09月12日
1999年08月30日〜09月04日
1999年08月23日〜08月29日
1999年08月16日〜08月21日
1999年08月06日〜08月14日
1999年07月30日〜08月05日
1999年07月23日〜07月29日

[HOME]


音楽の著作権についての暫定メモ
e-mail to:tsiraisi@osk3.3web.ne.jp