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■音日記

2000年9月18日〜26日

2000年9月26日(火)

■2つのアラーム

 m100の「クロック」アプリについて、あと1つだけ気になっていたことがあったので、昨日に引き続き、この話題です。

もやは、マニアックすぎて誰もついてきていないのではないか、とは思いますが……。

 まず、昨日のおさらいをすると、m100の場合、「予定表」と「クロック」の両方にアラームを設定できます。そして、同じアラームといっても、ちょっと挙動が違う、変えてある、というのが昨日のお話で、今日は、その続きです。

 「予定表」(左)と「クロック」(右)のアラーム設定ウィンドウを見比べていただくとわかるのですが、「アラーム」、「目覚まし時計」の2つのメロディは、両方のアプリに重複して存在します。


 ぱっと見ると、従来からある「予定表」のメロディ(内部的には「System_MIDI_Sounds」というデータベース)を「クロック」が流用したのかな、という風に見えます。(「System_MIDI_Sounds」の詳しい説明は、こちらをどうぞ。)

 ですが、実際に聴き比べてみると、同じメロディでも、微妙に印象が違うような気がします。(注)

 そこで、例によって「音のベンチマーク」をやってみました。

 まず「目覚まし時計(Wake up)」メロディの聴き比べ。


m100の「目覚まし時計」メロディ

 音量にわずかながら差が出ました。「クロック」側の方が、音がわずかに小さいようです。

 ただし、本当にそう断言していいのか、あまり、自信はないです。
 できるだけ条件が同じになるように、「環境設定」「クロック」それぞれの音量は最大に設定していますし、レコーダを回しっぱなしにして、「予定表」アラーム → 「クロック」アラームと連続して鳴らしています。でも、デバイスを完全に固定していたわけではない……等々、こだわり始めると色々気になることはあります。
 あまり、データを鵜呑みにはできないし、その程度のいいかげんな話としてお読みください。

 そして次は「アラーム(Alarm)」メロディの比較。


m100の「アラーム」メロディ

 このグラフを見ると、長く音をのばすところでは、両者の音量の差は、ほとんどありませんが、最初の短い音で、「クロック」アプリの音の立ち上がりが悪いように見えます。

 耳で聞いた時の「何かちょっと違う」という感じが、ひょっとすると、単なる思い過ごしではなかったのかもしれません。

 実を言うと、こういうことは、これまでにもあったような気がします。いくつかの音楽系ソフトをじっくり聴き比べると、同じ機種・デバイスで鳴らしても、それぞれ、微妙に音の印象が違います。色の違いというより、グレースケールの微妙な濃淡の差のような感じ。相当マニアックな話題ではありますが……。

(注) 「クロック」のアラーム音量の設定は、「環境設定」の音量設定とは独立しているようです。「環境設定」でアラーム音量を小さくしても、「クロック」側では大音量で鳴ってしまいます。(最初にm100を使った時に、私が「クロック」の音量が大きい、と勘違いしてしまったのは、これが原因だったようです。)
 ですが、この「勘違い」とは別に、もっと微妙でマニアックなレベルで、「予定表」と「クロック」の音の鳴り方がちょっと違うような気がする、というのがここでのお話です。

--------------
 「音のベンチマーク」……、
やっている当人はそれなりに面白かったのですが、
こだわりはじめるとキリがないですし、
あまりにも微細なところに入り込んでしまいつつあるので、
今回で、一旦、おしまいにしようかなと思います。
 1年くらい前からずっとまとめたかったテーマがあって、
そろそろ取りかかろうかなあ、という気持ちもあるので……。

[追記」
 ……と思っていたら、今日はひらぱーさんのところ
再び、取り上げていただいたみたいですね。

 そういえば、今夜(9/26 PM19:30-)のPUGO定例会でも、
素晴らしい改造を拝見できるようです。


2000年9月25日(月)

■ miniMusic BugBand

 ちょっとフライング気味の情報ですが、miniMusicから、同社製品購買者に対して、新作BugBand v1.0先行販売のお知らせが来たので、早速、試してみました。

 BugBandは、五線譜を覚えるための(子供向け)学習用ソフトです。画面には、五線譜とピアノ鍵盤が描いてあり、五線譜に右側から虫の形の音符が這い出してきます。ピアノ鍵盤で正しい音を弾くと、この虫(Bug)を退治できるという趣向。

 ……と言葉で説明するよりも、ソフトの雰囲気は、一般公開されているデモ版でどうぞ。かなり初期のテスト版ですが、基本的なコンセプトはつかめると思います。

 正式版は、このデモ版より、インターフェースの細部が改良され、MIDIにも対応していました。また、難易度の高い問題も用意されて、ひとおおり、ゲームとして楽しめるようになっていました。

 9/27から、Palmgearにて、$19.95で一般販売されるようです。

■「クロック」

 m100だけに入っている時計アプリ「クロック」、なかなか使いやすいです。始めてパームを購入した方も違和感なく使えると思います。

 ここでは、ちょっとマニアックに、既に従来のパームを使っている者の視点で、面白いなと思ったところをまとめてみることにします。

 これが「クロック」を起動したところ。電源オフ時に「上ボタン」を押すと、数秒だけこの画面が見えるのは、m100の特徴としていつも話題になりますが、もちろん、普通のアプリとしてランチャーから起動することもできます。

 OSの日時の設定も、この「クロック」アプリで行うようになっています。


m100の「環境設定」


WorkPad40Jの「環境設定」

 その分、「環境設定」アプリから時間と日付の項目がなくなっています。(右のWorkPad40Jと比べてみてください。)

 これは、「クロック」アプリのアラーム設定画面。「予定表」アプリの設定画面 にそっくりです。でも、「予定表」のアラームとは、ひとつ決定的に違うところがあります。

 「予定表」のアラームは、予定開始時「より前」に鳴ります(デフォルトでは、予定の「5分前」)。

例:
[「予定表」アプリの場合] 予定開始を「14:00」に設定 → アラームは「13:55」に鳴る。

 でも「クロック」のアラームは、設定した時間きっかりに鳴ります。

例:
[「クロック」アプリの場合] アラームを「14:00」に設定 → アラームは「14:00」に鳴る。

 時計ですから、時間通りに鳴って当然なのですが、私は、最初、「予定表」と同じように5分前に鳴るものと思いこんでいて、ちょっとあわててしまいました。(まあ、こんな迂闊な人は少ないでしょうが。)

 アラームが鳴っている時に出る画面も、「予定表」のとよく似ています……が、「クロック」のアラーム音は、「OK」ボタンを押すまで、ずーっと鳴り続けます。これも、1回鳴っておしまいの「予定表」アラームとは動作が違いますね。

試しに、わざと鳴らしっぱなしにしていたら、1分後に鳴りやみました。(アラームのウィンドウは出たままですけれど。)

 そしてこれが、アラーム設定ウィンドウ。

 「アラーム」、「目覚まし」というおなじみのメロディに、オリジナルメロディが3つ加わっています。「うなり」は《熊蜂の飛行》という曲のメロディ、「太鼓」の出典は不詳ですが、本物の軍隊ラッパかもしれません。「ソナタ」はベートーヴェンのピアノソナタ(op.2-1)の冒頭。

 PalmのHotSync音は、現Handspring社のRob Haitani氏の作曲。(「パーム航空」の機長さんが、『Visorスタートガイド』掲載のエッセイに、Haitani氏との会話を紹介しておられます。)
 PalmOS標準の音・メロディは、HotSync音もアラームも、それ以来、ずっと同じままで来たようです。
 m100の「クロック」のアラームは、大げさにいえば、パーム史上初の追加曲。敢えてこだわることではないですが、オリジナル曲でなかったことは、少しだけ残念かもしれません。

 もしかすると、ここに紹介したような「時計」機能は、既にサードパーティの時計ソフトで実現されていたことなのかもしれませんが、標準アプリに「クロック」が加わったことで、「パームの時計化」というアイデアがさらに進化していったら、面白いかもしれないですね。


2000年9月20日(水)

■ HotSync音の音色

 前回のPalmの音の「大きさ」に続いて、今度はHotSync音の「音色」を機種ごとに比較してみました。

 具体的には、前回使った、各機種のHotSync音データについて、今度は周波数成分を解析してみました。

 「フーリエ解析」というのでしょうか、やりかたはちょっと違いますが、声紋鑑定の時に出てくるソナグラムと同じような、音のスペクトル解析のまねごと……。
 大した結果は出ていないので、あまり期待せず、読み流してやってくださいませ。

 最初のグラフ(下の左側)は、実機の音ではないです。

 解析手順のテストを兼ねて、HotSync時の音の周波数(注1)をサイン波で再現して(注2)、解析してみました。

 横軸が時間(秒)、縦軸が周波数(Hz)。ちょっとグラフが細いですが、音が3つあるのがおわかりいただけるかと思います(注3)


サイン波(参考データ)



PalmPilot

 一方、本物のパームのHotSync時の音を録音、解析してみると、結構、色々な周波数成分が検出されます。一番にぎやかなだったのは、PalmPilot。右側のグラフです。

 そして次は、PalmV系とm100……。


WorkPad40J



PalmVx(英語版)


m100(日本語版)



 Pilotに比べると、かなり音が整理されています。しかも、少しずつですが、c3 -> Vx -> m100と、新しい製品になるほど、余分な成分を抑え、メインの周波数が際立つようになっています。

 m100の音は、V系より聞き取り易くなっているのは間違いないと思うのですが、なかなか、データ化できないですね。前回調べた音量のアップ、今回、調べた音質の(若干の)変化以外に、筐体の違い(?)とか、他の要因が関与しているのでしょうか?


TRGpro(英語版)

 TRGproの音は、圧倒的に安定しています。(スピーカーが根本的に違っているから、当然といえば当然。)
 今回、(注1)に書いたHotSync音の基本周波数(1395/1500/2400Hz)がちゃんと検出できたのは、TRGproだけでした。

(注1) HotSync音(現Handspring社のRob Haitaniさん作曲だそうですで)の周波数と長さは、

  1395Hz × 0.07秒
  1500Hz × 0.14秒
  2400Hz × 0.07秒

となるようです。パーム航空の「定期便034便10,000アクセス記念! 神様のタンゴ」に出ているデータを参考にしました。
 そういえば、「神様のタンゴ」のことは、WorP@holicさんでも紹介されていましたね。
 (yashimacさん、前回の記事のご紹介、ありがとうございました。)
(注2) sign.wav、申し訳ないですが、Windows用です。mp3版はこちら、sign.mp3

 また、測定に使った各機種のHotSync音データも、ご参考までに、mp3に落としたものを置いておきます。
 音量の録音時のままです。すごく聞きづらいと思います。

 しかも、上手くダウンロード・再生できるのか、まったく自信がないです。何か問題があれば、ご一報ください。
(注3) グラフ画像をクリックすると、データを3D表示した別の画像が開くようにしてみました。

 各周波数成分の強弱は、この3D版でご確認ください。(m100の分は現在、鋭意準備中。)

 ただし、上のグラフとリンク先の3D画像の対応関係は、ちょっと、わかりにくいかもしれません。それに、画像ごとに縮尺が違うので、見かけの山=音の高さは絶対値ではなかったりします……。音を視覚化したらこんな感じという、おおよその「イメージ」とご理解ください。

--------------
今回は、(注)まで使って大げさな割に、大した結果がでなかったですが、
とりあえずの中間レポートということでご容赦ください。

TRGproだったら、十分、目覚ましに使えると思いますよ。>ひらぱーさん

PalmIII系とVisor、CLIEは手元に実機がないので、調べられなかったのですが、
機会があれば是非、測ってみたいと思ってます。


2000年9月18日(月)

■ Palmの音の大きさ

 突然ですが、HotSync開始の音(「ピロリ〜」)をマイクで拾って、そこから音の大きさを計算してみました。(柄にもなく、波形のエネルギーの対数を取って……というようなことをやってみました。)

 横軸は時間(秒)、縦軸の数字は各機種の音量を比較する時の目安につけたものです。

 自分の勉強を兼ねて、素人が大ざっぱにやっています。厳密な測定はできてないです。それに、そもそも、Palmのスピーカーにも個体差があるでしょうし、グラフの図柄をざっと眺める程度にして、細かい話はご勘弁ください。(そして、誤解・勘違い・疑問がありましたら、こっそり教えてください。勉強の励みになります。)


PalmPilot



WorkPad40J



PalmVx(英語版)


m100(日本語版)



TRGpro(英語版)



 PalmPilotとWorkPad40Jの音は。グラフでみると、音の大きさにそれほど差がないようですが、音の質はかなり違います(よね)。機会があれば、音質の違いも調べてみたら面白いかもしれません。

 TRGproの音は圧倒的に大きい、m100も、従来機よりも、数字の上ではわずかな差ですが、音が大きい、このあたりは、さすがに、グラフにも現れたようです。

 グラフで見ると、同じPalmV系でも、初代PalmVと後続のPalmVx(ここで測っているのはOS 3.3搭載の初期バージョン)では違いがあって、Vxのほうが、音の立ち上がりがしっかりしているみたいです。そう言われると、そんな気もします。(もしかすると、個体差かもしれないですが。)


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