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◆ 社名の歴史 ◆
「青磁社」という名の出版社は私たちで3代目となります。 第一次青磁社は昭和初期に歌集出版などを手掛けていました。 第二次青磁社は昭和40年代頃に詩集出版をメインに、やはり歌集も出版していました。 歌集出版にゆかりある社名を引き継いだ使命を、今後十二分に果たしていく所存です。


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◆ 新刊のご案内 ◆

▼『最初が大事』
田辺昭子第二歌集
四六判上製・186ページ
2500円(税別)


一冊に底流するのは紛れもなく、夫に先立たれ、子どもも巣立ったあとの独り居の寂しさだろう。

冬の木も微かに匂うものと知る独りのたつきに慣れし頃より

しかし、寂しさだけが作歌の原動力ではない。

刻まれた深き男の皺の数つくづく眺む新刊の書に
はにかんだような茗荷の若さあり随分昔のことではあるが

ユニークな歌集名が示すように、好奇心に駆られて常に新しいことを探し、あくまで前向きに歌と向き合う、若々しい精神にみちた歌集である。・・・「帯」より

▼『藍の紬』
石川満起乃第二歌集
四六判上製・174ページ
2500円(税別)


生き物のにおいじわりと放つなり藍染深き紬を裁てば
絹糸は縫ったあとから沈みゆき藍の紬はのっぺりと海

 藍の発酵により藍甕は独特のにおいを放つ。深く染めた紬(つむぎ)を裁つとき、ふと生き物のにおいを嗅ぎとったのであろう。布地と同色の絹糸は縫ったあとから沈むように見えなくなる。和服の仕立てを通して、表現を磨いて来られた作者のみごとな第三歌集である。・・・藤川弘子「帯文」より

▼『よもぎ野』
森絹枝第一歌集
四六判上製・198ページ
2500円(税別)


『よもぎ野』を読んでいると心身ともに拓けていくような解放感があった。短歌は往々にして狭いところ、微妙な機微や理に落ちやすい。それは短歌で詠まれる自然が人間の側の心情を投影しやすいからでもあろう。自然と心情がこまやかに絡み合って、そこに意味が生まれる。
 森さんの歌にはそういう絡みがない。北海道の自然は人間の前にそれだけ圧倒的なのだろう。

おほかたは空気のやうな雪が降る時間をかけて天から届く
流氷が接岸してゐむ夕刊を配る人らの額が赤い

呼吸が広やかになっていくような歌集である。・・・花山多佳子「解説」より


▼『アジア放浪』
澁谷義人第一歌集
四六判上製・170ページ
2500円(税別)


大胆な歌集である。アジア諸国をサイクリングでめぐった折の歌で全篇が構成されている。水平方向の風景の流れ、垂直方向にも広がる空間の大きさ。徒歩よりも速く、自動車よりもゆっくりとした時間と空間の推移によって、世界はみずみずしく捉え直されている。・・・栗木京子「帯文」より

▼『うたふ鰭』
熊村良雄第二歌集
四六判変形フランス装・220ページ
2500円(税別)


言葉には、考える以上に曖昧で、不純なもの、不要なもの、人の知らない可塑性がひそんでいると思われるが、私は凡そそうしたものにしか情熱を感じないというのは、どういうことか?・・・「後記」より

短歌とは何か、詩とはなにかを常に問い続ける歌人の第二歌集


▼『螢烏賊』
上野直歌文集
四六判上製・252ページ
2500円(税別)


何がなんでも生きて、生き抜かなければならない

きみだけを遺して先には逝けません看ていくちからだけはください

長年にわたる妻の介護。楽しいことばかりではないが、そこに生き甲斐を見出し、献身的に妻を支えてきた夫を突如、病が襲う。
日課のように毎日、施設の妻の元へと通っていたが、それもままならなくなってしまう。
自らの病魔と深まる老いを嘆きながらも、なんとか前向きに直向きに進もうとする著者に励まされる人も多いだろう。老老介護という現代日本の諸問題を、短歌とエッセイで綴る。・・・「帯文」より


▼『鷲のごと翼をはりて』
山下れいこ歌集
四六判上製・178ページ
2500円(税別)


彼女がいかにこの病魔の圧力に抗して、聡明に自分を律しつつ、いかにその死までの時間を詠みつづけたか。それは歌集に歴然とあらわれている。そしてそれはいかにも山下れいこの最期の仕事としてまことに立派なものだったと心から思う・・・永田和宏「序」より

作品を読むことによって、山下れいこさんに再会することができる。作品は未知の読者に出会う可能性がある。そんなふうにして言葉というものは、時空を超えるものなのだが、逆に言えば、読むということによって、地上の私たちは時空を超えることができるということでもある。・・・真中朋久「跋」より

▼『エンドロール』
朝日泥湖第二句集
新書判変形上製・136ページ
2300円(税別)


うどん茹で過ぎやん亀鳴いとるやん
ぷちぷちを押せばぷちぷち青嵐
秋日和電車通りの螺鈿店
HAIJINにしてAIJINの冬帽子

琵琶湖畔に住む俳人・泥湖は1940年生まれ、当年79歳である。老俳人と言ってもよいが、その言葉はちょっときざ、そして、ちょっとおしゃれ。ジーパンをはいて青嵐に吹かれている感じがする。いいなあ。 ・・・坪内稔典「帯文」より

▼『鏡ハシル』
梨地ことこ著
四六判並製・182ページ
2100円(税別)


音のない海、いや大阪湾が今、只ある。高さも距離も、俯瞰するにはもうこれしかないという絶妙な位置。
 ぼぉーと委ねている内に陽が落ちて来て、さざ波はオレンジ色に輝く。ゆっくり、ゆっくり、行き交うこの大きな船は、貨を人を、どこへ運んでゆくのか……きらきら光るさざ波はどこへ繋がってゆくのか……
・・・「本文」より


▼『如月の水』
藤本満須子第三歌集
四六判上製・140ページ
2500円(税別)


かりん所属の著者第三歌集。

▼『ナルドの香油』
安藤純代第二歌集
A5判上製・220ページ
2500円(税別)


過去に学び、信仰を深める。幼く弱いものに心を寄せ、あやまちや欺瞞に憤る。しかし、決して声高に正義を叫ぶのではない。つねに低い視線から物事を見つめ、それらに言葉を与えていく安藤さんの姿勢は、障害を持つ子との長年の生活から齎されたものなのか、あるいは生来の気質なのだろうか。しずかに沸々と、確固たる信条を歌った充実の第二歌集。・・・「帯」より

▼『虹の片脚』
みずのまさこ第二歌集
A5判変形上製・212ページ
2500円(税別)


人はなぜ、営々と言葉をつむぎ歌うのだろう。栄誉のため、短歌に一歩の新を刻むため。あるいは真情の吐露、自己慰藉、想いの発露。十人いれば十通りの考え方があるだろう。しかし、歌人を揺り動かすもっともプリミティブな動機は、想いや心情を誰かに伝えよう、もしくは未来に託そうとする願望ではないだろうか。自身の息子達の成長記録とでもいうべき一冊の歌集にみずのまさこという歌人が載せた想いは、息子達、その孫達、そしてその先へと脈々と読み継がれていくことだろう。いまは見えていないもう一方の虹の片脚は、そこにきっと現れるはずだ。・・・「帯」より


▼『鯖街道』
上田善朗第三歌集
A5判上製・208ページ
2500円(税別)


 歌には、作者の〈人となり〉が表れるとはよく言われることである。私は上田善朗さんを長く知っているが、本歌集『鯖街道』の歌を読みつつ、何度もその風貌を思い浮かべ、思わずニコッと、あるいはニヤリとしてしまうのであった。上田善朗さんは、風貌も物腰もまことに温和で、対面するものを和ませてくれるが、人を見る目の穏やかさとやさしさ、動物や日常の生活のなかにあるさまざまの景に対する懇ろな視線は、時に涙ぐましくなるほどである。時に鋭い批判の針を突きさすが、多くの歌に漂う、そのそこはかとないユーモアは、世界に対するときの余裕からきているのだと、本歌集を読んで改めて気づかされたのである。
その人に歌があって良かったと、自ずから納得させてくれる歌人が上田善朗である。

よく見れば見れば見るほど省略のゆき届きたる海鼠なりけり

・・・永田和宏「帯文」より

▼『樹雨のパラソル』
林充美第二歌集
文庫判上製・392ページ
2000円(税別)


2/24(土) 国公立大学前期入試。十数年前、受験のため東京へ向かう子を新富士駅のホームで見送った時のことが思い出される。

改札をくぐりたる子は一度(ひとたび)をふりむき未来へ歩み去りたり

軽やかなテンポ。少々そそっかしくて歯切れのいい暮らし。詞書と歌の心憎い間合い。
私記録で、詩で、歳月の友人でもあって。歌が寄り添うひと日ひと日のささやかな幸福、林さんの世界はやはり楽しい。・・・三枝昂之「帯文」より

▼『天の川』
田伏三枝子遺歌集
A5判変形上製・254ページ
2500円(税別)


団塊の世代に生まれ、就職、結婚、親の看取り、そして闘病―戦後の日本をティピカルに生き抜いた一人の女性像。しかし彼女が一般的な女性と少し違うのは、高校時代から死の前日まで絶え間なく歌を作り続けたことだろう。
恋をし、夫の転勤に伴って日本の各地に住まいし、馬を、ラグビーを愛し、介護の仕事に励む。そうした生き生きとした姿が、どのページからも三十一音となって色濃く立ち顕れる。生涯をかけて詠われた短歌の一首一首が、生動する彼女の魅力を余すことなく伝えていよう。
星合いを待たずとも一冊を開けば、いつでも彼女に会える。 ・・・「帯」より


▼『ターコイズブルー』
倉成悦子第一歌集
四六判変形並製・140ページ
1800円(税別)


塔所属の著者第一歌集。栞を付す、鈴木竹志、松村正直各氏執筆。

▼『椿は咲きて』
筒井早苗第七歌集
四六判上製・216ページ
2500円(税別)


生来の気質だろうか、表現という行為が照らし出す一側面に過ぎないのだろうか、
なにかと悲愴になりがちな老いの独り居が、時にユーモアを交えながら淡々と描かれる。
すぐれて自己省察の効いた歌、残された時間を愛惜する歌、そして日常を丹念に掬い取る歌、それらが緊密に結びついて人生を楽しむというスタンスが一巻の底を豊かに流れる。・・・「帯」より

▼『綯い交ぜのみどり』
川野並子第一歌集
A5判上製・238ページ
2500円(税別)


家族それぞれを具体的な事象を通して表出しすがすがしい。大きく言えば森羅万象にひそむ生命継続の志、本能的に歌材は常にそこを焦点とし詠まれている。小さな動き、ふっとかすめるささやかなおも念(おも)いも落とすことなく一首の背後に掬って匂わせている。ただ丁寧に詠むだけではない、一読して瞬間立ち止まらせる表現の厚味を感じる。・・・神谷佳子「序」より


▼『虹の表紙』
森尻理恵第三歌集
四六判上製・204ページ
2500円(税別)


地球物理学研究職にある作者の第三歌集。一人息子の成長がいきいきと描かれ、一方で研究職の壁に悩む年齢のリアルがある。その日常に癌が判明する。闘病と仕事、息子の受験。さらに息子の直面する理不尽な現実。つぎつぎに困難の襲う日々の中での、切実で率直な物言いの歌のかずかずが、まっすぐに胸に飛び込んでくる。まさに逆境なのだが、歌はみずみずしい。土地の歴史への関心、観察力も健在だ。とくに「東京」の土地の記憶はテーマとして息づいている。人生の厚みのある一冊になった。 ・・・花山多佳子「帯文」より

▼『父のキャンバス』
嶋寺洋子第一歌集
四六判上製・216ページ
2500円(税別)


嶋寺さんは子育てをしながらながく教職にあった。大津の女子高では、二週間の契約であったのに十数年になったと聞く。

リハパンと短く言へば軽くなる母を立たせてゐさらひを拭く
子育てと親の介護は同じなりいつか終らむ終らば寂し

母が亡くなって介護が終ったときその寂しさは実感された。同時に、子育てを終ったときと同じような安堵感も湧いたのではないかと思う。父母も姑も、湖国に育まれ、湖から離れることなく暮らし、看取られ、琵琶湖に抱きとられるように長寿を全うしたのだから。
家族が大きなテーマの歌集である。・・・小林幸子「跋」より

▼『浜竹』
相原かろ第一歌集
四六判上製・194ページ
1800円(税別)


「浜竹」は「はまたけ」と訓み、神奈川県茅ヶ崎市内の地区名である。母方の祖父母が暮らしていた土地で、特にこれといった風景や名所があるわけではない。ただ昔から、簡素な漢字の組合わせと息が抜けていくような音感が私は好きであった。「浜竹」という言葉には、かすかに風が吹いている気配がしないだろうか。いい感じの風が。
 浜竹での思い出を元にしている歌はほんの僅かなのであるが、「浜竹」の醸すものにあやかりたい、そんな思いを込めて歌集名とした。・・・「後記」より


▼『苺の心臓』
上澄眠第一歌集
B6判変形上製・180ページ
1500円(税別)


スカートがふおんと鳴ってひろがってここからはもういつまでも秋
決定的に春は来にけり線路ぎわのみどりの色があかるくなって

 周囲の世界が、季節がどんどん変化してゆく。決定的に季節が到来する。置い
てゆかれるような気分にもなるが、しかしこれが上澄さんの手にかかると、彩度の高い、印象鮮やかな景色になる。
 ついてゆけることも、ついてゆけないこともあるけれど、世界はこんなに美しかったのだ。・・・ 真中朋久「跋」より


▼『わたくしが樹木であれば』
(2刷)
岡崎裕美子第二歌集
四六判変形上製・194ページ
2200円(税別)


小池昌代氏推薦

人と獣とのあいだをさまよいながら歩くうたびと。岡浮ウんは、あやふやで危うい、しかし充実しきった途上を生きる。
かつてわたしたちの前に、棒のごとき裸身ですっくと立った彼女の歌。第一歌集『発芽』の芽は、その後、外側でなく彼女の内側深くへと成長し、自らに裂傷を負わせたかに見える。
亀裂によって樹の肌に、玉のごとく滲み出た樹液は、今、迷いも矛盾も含みとって、厳かに濁り、即物的な重力を付け始めている。所々には刃物のような覚悟も垣間見えて。
いよいよ岡浮ウんは歩み始めたのだ。沼ならば一層、深い沼のほうへ。・・・小池昌代「帯文」より

▼『夏野』
大室ゆらぎ第二歌集
四六判変形上製・186ページ
2500円(税別)


藪とか草木の茂みのような場面がしきりと出てくる。作者の身体はそこに入っていけない。しかし身体を離れて、たましいはそこに自由に入っていける。作者の歌はそこに生まれる。
植物、動物、生き物の世界。森羅万象の息づきうごめくところ。生まれ死に、死んでまた生まれるところ。たましいが微かに揺れて、そのあえかな現象に歌のこころは響きあう。観念的であっても、韻律さわやかに揺れて、イメージするものはうつくしく、短歌として確立された様式美がある。こういう歌集は昨今稀れであろう。
かわりばえのしない日常生活に、ギリシャ・ローマの古典などがふと影を添えてくる。その陰影の刻む知的輪郭があざやかだ。これはまぎれもなく「新古典主義」の一巻である。 ・・・小池光「帯文」より
第43回現代歌人集会賞


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