要約

Last Update 2007.7.6

 1)ブラックホールの概念の元となったシュバルツシルトの解はある質点を仮想し、その回りの重力場を球対称の形とし重力場が変化しないときに、アインシュタインの方程式に従って解いたものである。一般相対性理論が成立すると仮定しながら、一般相対性理論の成立しない特異点としての質点をもう片方で仮定するという矛盾した手法をもちいている。これは明らかに数学的に間違いであり決してブラックホールは存在しない。また質点の形成を量子力学で説明しようとしているがそれは問題のすり替えに過ぎない。

  2)宇宙は唯一この宇宙しかない。原理的に観測不能な宇宙が無数にあり我々の住む宇宙が、その中の1つにしか過ぎないという考えは明らかに論理的にあり得ず、間違いである。それゆえに150億年前に宇宙が突然出現したということに対する、論理的な必然性を説明できない限りはビッグバン宇宙の理論としての正当性はない。

 3)アインシュタインは時空の歪みの説明として力を加えても曲がったり伸びたり縮んだりしない剛体の測量棒を考えおり、この測量棒の概念はまさしく固い物質をイメージしている。 この物質が光に近い速さで円運動をすると特殊相対性理論の効果によって、決して変形することがないと仮定したにも関わらず、物質が変形したかのような結論がもたらされる。これは実は空間の歪みという概念により解決されると考えたのが一般相対性理論である。一般相対性理論では物質と空間を別物として取り扱う理由などまるでない。一般相対性理論で空間のみが収縮や膨張をし、中の物質がそのままの大きさという事はあり得ない。一般相対性理論の理念に従えば、常に空間と物質は同様の歪み・膨張・収縮をするため宇宙が膨張や収縮をするように観測されることはありえない。

 4)宇宙空間では、重力が重要な役割を果たし熱力学第2法則はそのままでは成り立たない。重力を考慮に入れ熱力学第2法則を考えると、宇宙では物質が熱的平衡にある部分と、重力的に物質が凝集している部分が混在しながら、違いに姿を変えそのような状態の変化を恒久的なものとして存在し続ける。

 5)ペンジアスとウィルソンの発見した宇宙の2.7K背景放射を形成する系は宇宙全体に広がる絶対静止系でありそれは真の慣性系である。それ以外の従来慣性系と考えられていた系は、厳密には加速度系ということになる。宇宙空間に存在する物質が2.7Kで熱的平衡状態にありこれらの物質から2.7Kの背景放射が行なわれる。

 6)宇宙が有限であれば、その空間は曲がっており、その中を進む光は当然の事ながら、曲がって進む。宇宙の曲率こそが光など従来慣性系とされた運動系の加速度の源である。背景放射を形成する系が絶対静止系であるから、光のように速いスピードで運動する物質に対してその加速度と慣性質量をかけ合わせた力で絶対静止系にとどまらせようとする方向に力が働く。これがまさしく赤方偏移となって観測される。

 7)宇宙が有限で閉じていれば、光子はその大きさをコンプトン波長とする静止質量を持つことになる。しかしその静止質量は宇宙の大きさが極めて大きい為に非常に小さい。光子がその質量を検出できるほどの速さになったときには極限の速さとしての光速度Cと区別できないが、正確には光は速度ゼロから極限値としての光速度C未満までのあらゆる速度で運動可能である。

 8)クェーサーはビッグバンモデルによれば宇宙の初期にのみ存在したとされる天体である。しかしそれは本当だろうか。現在クェーサーは銀河と銀河の相互作用によって形成されるとする説が有力であるが、これが正しければクェーサーより前に通常の銀河が必要になるし、現在においてもその様な相互作用はあって良いはずである。また銀河とクェーサーが相互作用しそれらが異なった赤方偏移を示すという現象をホールトン・アープが報告したが、このことは天文学会から無視されている。

 9)背景放射があることより宇宙には絶対静止系が存在することがわかるが、その事は宇宙には静止系がいくらでもあるという特殊相対性理論を導く上での仮定条件を否定することになる。このことから特殊相対性理論は修正が必要であることになるのだが、今回具体的に修正案を示した。これにより現在観測されている赤方偏移が説明しうるのだが、極めて遠方では現在の一般的な予測とは異なってくる。新しい考え方によれば、従来宇宙の地平線までの距離と考えていた長さが宇宙の曲率半径となる。また一般相対性理論の理念からは、宇宙は膨張も収縮もできないはずなのに、一般相対性理論を解くと宇宙は定常状態におれないと言う矛盾を解消するために一般相対性理論に光速度C以外に宇宙の曲率半径Rを定数として含まなければならないことを示した。

 10)古代ギリシャでは天動説だけではなく地動説も唱えられており地球の正確な大きさも求められていた。しかし天動説はプトレマイオスによって完成され勝利をおさめた。この天動説には観測結果と整合させるため存在意味の不明な周転円というものを79個も採用している。現代においては、ビッグバン宇宙が主流を占めているが、その宇宙の誕生期とされる時期の説明がうまくつかないため、その時期にしか通用しない従来の物理学常識とは反するインフレーション理論を採用している、しかしこれもほころびを見せ始め、更に理論がつけ加えられようとしている。これは正に現代の周転円である。

 11) エネルギーには色々な種類があるが、運動エネルギーが基準となる。そしてエネルギーの保存則を重要な基準として宇宙が形成されている。エネルギー保存則から思考実験を行うと「質量=エネルギー」であることがわかり、さらに必然的に相対性理論が導かれる。またエネルギーは動かされにくいという慣性質量にその源があり、さらにこの慣性質量は宇宙全体に存在する物質からの重力作用によってつくられると考えられる。

 12) 米科学誌の「サイエンス」1998.2.27発行に宇宙の膨張が加速されておりその原因は反重力としての「宇宙項」が存在するためであろうという記事がありました。宇宙が定常で光がそのエネルギーに比例した力で絶対静止系(背景放射をなす系)にとどめられようとすると、見かけ上このように観測されることを当ホームページにおいて予測していました。これらより定常宇宙は勝利したと考えて良いはずです。

 13) 一般相対性理論の専門家と自称される方とのブラックホールについての議論を掲載すると共に、なぜ専門家はブラックホールが存在するという間違った結論を出してしまったかをその論理過程を検討することにより明らかにしました。数学的にはすべての理論が適用不能な特異点というものを常に既に存在するものとして取り扱っていることがわかりました。

 14) 2005.6.25 宇宙は減速膨張から加速膨張に変化していったという説が主流となりつつあるようだ。私の提唱する有限で閉じていて膨張も収縮もしない定常宇宙では、今までに示した簡単な仮説のみで、そのように解釈されるような観測データが得られることを示した。 曲率半径Rの宇宙を運動する光の加速度と慣性質量をかけ合わせた力で光を絶対静止系にとどまらせようとする方向に力が働き、これが赤方偏移となって観測される。その赤方偏移はビッグバン的には加速膨張しているように解釈される。ここに宇宙を1/4周するころには宇宙はほとんど広がっていかず逆にすぼまっていくという効果をさらに加え、ビッグバン的考えを適用すると、遠い過去には減速膨張し、最近になり加速膨張するようになったと解釈されることになる。

 15) 
2005.6.25 ホームページ開設以来の説明と現在宇宙論関係の世間の状況について書いた。多くの天文学者がビッグバンを疑問視しており、ホーキングは特異点を放棄し厳密な意味でのブラックホールの存在を否定した。 私のビッグバンやブラックホールに対する否定の証明はパラドックスであり、もし矛盾点があるならばそれを証明しなければならない。


 16) 2005.7.8 膨張宇宙以外では、遠くの超新星の一連の光子の放出の経過を説明できないと言われていた。ここで提唱している定常宇宙モデルではそれが説明できる。遠くからやってくる光は重力の作用により絶対静止系にとどめられようとしその為に赤方偏移を示すと考えた。これは重力赤方偏移であり、この事より遠くの天体ではそこから来る光の赤方偏移zに1を加えた値だけ時間がゆっくり進むことがわかる。またこれから過去においては時間の進み方が遅かったこともわかる。これらにより超新星の光子の放出が長くなることも正確に説明可能である。

 17) 2006.7.30 超新星の観測データから得られる赤方偏移と距離の関係と定常宇宙モデルから予想される赤方偏移と距離の関係のラインを実際に検証しました。超新星のデータは2004年に発表された文献のデータを用いました。そのままでは全く一致しませんでしたが、定常宇宙モデルから得られるラインの距離をz+1倍に補正すると観測データにほぼ一致しました。これは本来観測データの光度を (z+1)^2 倍に補正すべきであるのを補正していないせいではないかと考えられました。また比較的近くの超新星のデータから宇宙の曲率半径は150億光年程度と予想されました。

 18) 2006.7.30 クェーサーが固有の赤方偏移を持つ可能性について検討しました。最近の文献に寄ればクェーサーなどは中心の非常に重力の強い部分に放射部位があると予想されているようです。もしその放射部位を直接観測すれば固有の赤方偏移を持つ可能性はあると考えられました。また公的機関が赤方偏移の異なった銀河(NGC 7603 とその近くの銀河)が相互作用をしていると記載していることやそれらが実際に相互作用している可能性が高いことの観測結果も示しました。最近の深部宇宙の観測では非常に遠くの宇宙も近くの宇宙もほとんど変わりがないという結果が得られていることをリンクもつけて紹介しました。
 

 19)2006.8.22 宇宙マイクロ波背景放射がビッグバン派より早い時期に、より正確に宇宙空間からの黒体放射としてEddingtonらによって予測されていました。背景放射の10万分の1のゆらぎはビッグバンにとっても宇宙の初期に大規模構造を作ることが困難であるという難点があり、定常宇宙だけの困難ではありません。ビッグバン派によって考えられたバイアスモデルは定常宇宙にも適用可能で問題を解決できます。最近の研究で背景放射には太陽系や超銀河平面に関係するゆらぎがあり、これは背景放射が我々の近傍の宇宙空間由来であることを強く示唆するものです。

 20)2007.4.9 定常宇宙を否定する理由として宇宙マイクロ波背景放射が10万分の1の温度ゆらぎしかないこと、そしてその放射が2.725Kの正確な黒体放射を示すことがその根拠とされています。 定常宇宙モデルにおいてシミュレーションしたところ、背景放射のほとんどは、はるか何10億光年もの遠方からやってきたものであり、近傍の宇宙空間の物質由来の粗いゆらぎは全体の中に埋もれ平均化されて滑らかなゆらぎを形成することがわかりました。 また2.725Kの正確な黒体放射は、宇宙空間の物質が銀河などの熱放射からエネルギーを得て2.725Kよりも実際はやや高い温度となり 赤方偏移する2.725Kの背景放射を補正し2.725Kに維持することが可能なことを示しました。 補正が可能な条件として150億光年の距離を放射が進む間に少なくとも宇宙空間の物質にその60%が吸収されなければならないことがわかりました。 その限界の条件では宇宙空間の物質の温度は3.59Kであることもわかりました。主流派の主張では、Tired Light モデルでは高赤方偏移の場所での背景放射は2.725Kよりも高い温度を元々持っていなければいけないと考えています。しかしそれは定常宇宙モデルではなく、非定常宇宙モデルです。それをもって、Tired Light モデルおよび定常宇宙モデルを否定することはできません。

 21)2007.7.6 Case Western Reserve University  のLawrence M. Krauss 氏等物理学者グループが従来の物理学者の定説を覆し、ブラックホールの形成の過程はブラックホールへ落下していく観測者の視点ではなく、外部の観測者の立場から考えるべきであり、事象の地平線を形成するには無限の長さの時間を必要とするため、ブラックホールは存在しないと発表しました。 これは私や多くの素人の方が主張してきた説と一致するものです。 Lawrence M. Krauss 氏は物理学会の中では非常に重要な人物として知られており、今後多くの物理学者が追従すると予想されます。 また今後一般相対性理論から同じく導き出されたと言われるビッグバン膨張宇宙が考え直されるものと考えられます。

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