腫瘍科

悪性腫瘍・良性腫瘍・皮脂腺腫・膿瘍・血腫・リンパ腫)

 体の一部にしこりができたというときは、良性腫瘍、悪性腫瘍、膿瘍、血腫、皮脂腺腫などが考えられます。しこりが、こりこりして実質感があれば腫瘍、皮脂腺腫が疑われ、ぷよぷよしていれば膿瘍、血腫などが疑われます。実際には、腫れている部位をバイオプシー(腫れてい部位を注射針で刺して吸引して細胞を取ること)して内容物を顕微鏡で見て判断します 。

 膿瘍や血腫などは、ハムスターが自分の爪で引っかいたり、他のハムスターとけんかをしてかまれたりして、それが原因で皮下に膿や血がたまってしまったものです。膿の場合は、皮膚を切開したりして排膿し、消毒をしていけば治ります。血腫などは単に血液でしたら時間をかけて吸収されていきますが、化膿などを伴うような場合には、患部を切開して内容物を排出した後に消毒が必要になってきます。

 皮脂腺腫というのは、体の皮膚にある皮脂腺の分泌物が、皮膚の外に出ず、皮下に貯まってしまうものをいいます。これも切開して分泌物を排出しますが、分泌する上皮が完全に取りきれないと、また貯留してしまうことがあります。

 腫瘍の場合は、バイオプシーをしたものを顕微鏡で見ると腫瘍細胞が見えてきますが、どのような腫瘍なのかということは顕微鏡で見ただけでは断定はできません。しかしながら、細胞の形態によっては悪性度が高いなどということはわかります。ハムスタ−は、1才を過ぎる頃から腫瘍ができやすくなるとされています。腫瘍には大きく分けて良性と悪性がありますが、ハムスタ−の場合は、おおむね悪性の腫瘍が多いです。悪性腫瘍は腫瘍細胞の増殖速度が速く、他の部位にも転移します。頻発部位は、腹部、上腕部、背側部などになりますが、耳道、鼻腔、頬、口腔、四肢末端などにもできます。

 治療方法としては、悪性と判断するのであれば、外科的療法で腫瘍を切除してしまうことが一番の治療法です。ただし、外科的療法は、腫瘍が筋肉や骨などに癒着してなく、年齢も2才くらいまでで麻酔に対する危険性が少ないということが条件です。2才を過ぎての腫瘍ですと、外科的な処置をすることにより、逆にストレスがかかったり、麻酔に対しての危険性がありますから、内科的療法を行った方が長生きする可能性もあります。これはハムスタ−の状態と、腫瘍の増殖速度などによって判断が異なってきますから、その時のハムスタ−の状態を考慮して治療を進めていく必要があります。

 しかしながら、年齢が高かったり、腫瘍が取りきれる部位ではない場合には内科的療法を行います。内科的療法は抗癌剤やアガリクス、鮫の軟骨などを腫瘍の増殖速度や体の状態に合わせて投与していきます。内科的療法をしていく場合は、腫瘍の増殖を抑えられて腫瘍の大きさが、ある程度、維持できれば治療としては成功ですが、増殖を抑えられない場合も実際にはあります。

 また、飼い主さんの希望で手術などのストレスをかけたくないという場合には、外科的療法ではなくて、内科的療法を用います。しかしながら、内科的療法で必ずしも腫瘍を抑えられるわけではありません。腫瘍に対する内科的療法は、腫瘍の増殖をゆっくりさせ、腫瘍を持ちながら寿命を全うさせることを治療の目的としています。

 悪性腫瘍の治療においては、完治ということが非常に難しく、命にも関わってきますから、治療方法や今後の状況などをしっかりと飼い主さんが理解しておく必要があると言えます。


(症例1 皮脂腺開口部)オスのジャンガリアンハムスターです。お腹の中心に腫瘍(色がやや黒っぽい腫れていないもので、他のメスに比べるとかたそうに見える)が、約5ヶ月位前から、ずっとできたままです。たまに、そのまわりがねばっと濡れているような感じに見える事があります。最近、リス輪もまわさず、あまり動こうとしません。食欲はあるので、前より少し太ったようです。二匹のハムスターは半年前位からそれぞれ別のゲージで一匹だけで住んでいます。下に敷いている草は、スギチップと、牧草を半々にしています。 いったいなんの病気なのでしょうか?病院に連れていったほうがいいのでしょうか?(1997/7/20 T・M様) 

コメント;ジャンガリアンは腹部中央に皮脂腺の分泌部分が一つあります。このねばっとして濡れているのが分泌液です。この皮脂腺の開口部分は少し隆起していて、たまにここがつまって、皮脂腺の分泌液が出なくて腫れ上がることがあります。この部分は地面に接したりするため、傷つけたり、炎症を起こしたりして血が固まったりしますが、腫瘍ではありませんので心配はいりません。ちなみにゴールデンの皮脂腺の開口部は左右腹側にあります。

(症例2 目の腫瘍)現在、2歳くらいのジャンガリアンを飼っています。1ヶ月前くらいから、右目腫瘍らしきものができ、病院に行ったら目薬をもらいました。ちゃんとつけているのですが、最近食欲がなく動きも鈍くなったようです。腫瘍は治るのでしょうか?それとももう寿命なのでしょうか?(1999/1/10 N・Y様)

コメント;目の腫瘍ということですが、腫瘍は治りませんから外科的に切除しなくてはなりません。しかしながら目の部位が腫瘍化してしまうと、麻酔をかけて手術しても腫瘍をとりきれないことが問題点だと思います。可動性、良性の腫瘍でしたら、この年齢でも手術できますが、頭部に限局してくると、骨に到達していたりして非常に難しくなってきます。ただ、この腫瘍が良性のものなのか悪性のものなのかということがまだ解りませんから 、この細胞を少しとって顕微鏡で見たり、病理の検査をした上で治療を進めていくことがベストではないかと思います。もし良性でしたら切除してもいいですが、食欲が低下しているので、そのようなストレスはちょっと難しいかと思われます。悪性だとしたら、食欲などの面からして体力が低下していますから、手術ではなくて、抗腫瘍作用のあるステロイド系の薬と、抗生物質、直接腫瘍にINFという免疫力を高める薬を投与したりいろいろな方法があります。ただし、治療によって寿命を長くしたりあるいは短くしたりするので、その辺は飼い主の方の判断に任せられます。

(症例3 こぶ)一度、肉腫の手術をしている2年5ヶ月のハムスターですが、今また左の脇に8ミリ程のこぶができています。獣医さんに行きましたが、こんどは柔らかいこぶなので肉腫とは違うかも知れません、ということで、抗生物質で様子を見ているのですがその後大きくも小さくもならず、ハムスターの様子もかわりなく今日まできています。本を見ると、腫瘍、肉腫、脂肪のかたまり、膿、がこぶのおおまかな種類だそうで、家の子はどれなんだろうとおもいます。こぶの特徴としては、前にあるように、柔らかく、白っぽい、あとこれは関係ないかもしれませんが中心に小さな赤い点がぽつんとあります。高齢ということで慎重に治療を受けさせたいので一番良い方法をアドバイスお願いします。(1999/4/20 K・T 様)

コメント;こぶの種類をもう少し詳しくいいますと、脂肪の塊は脂肪腫といってさほど問題ありません。膿はぷよぷよした感じで、排膿して抗生物質など投与などをすると完治します。次に腫瘍ですが、腫瘍には良性と悪性があります。良性は増殖速度が遅くその部位だけでおおきくなり、転移などはしません。良性はそのままにしていてもさほど問題はありません。これが人でいうこぶです。次に悪性の腫瘍の中で、上皮性、つまり表皮等にできるのが癌というもので、増殖は局所ですが、進行速度が速く、転移もします。また、悪性の腫瘍の中で非上皮性、つまり、内蔵とか骨とかそういう部位にできるのが肉腫といいます。これも進行速度が速く、転移します。悪性の場合は外科的に切除というのが、再発をもっとも低くする処置方です。つぎに内科的にステロイドで腫瘍の増殖を抑制したり、抗悪性治療薬や、インタ−フェロンといった免疫活性の投薬で体の免疫力をあげて腫瘍を小さくするといったことも行います。

 直径8ミリの腫瘍のようなものがなんなのかを触感でおおよその検討がつくはずです。こりこりしているのでしたら腫瘍、脂肪、ぷよぷよでしたら膿瘍です。腫瘍の場合は、悪性か良性かは細胞を検査してみないと確定的なことは解りません。病院に連れていくのも結構ストレスですから、このまま様子をみるといった感じで、見守ってあげるほうが長生きできるかもしれません。これはやってみないとなんとも言えないので、このへんは飼い主さんの判断に任せられます。

 

(症例 腫瘍・膿瘍)家で飼っているジャンガリアンハムスターのメス(約2歳)です。ケージ中で一匹で飼育しています。かなり以前(半年ぐらい前)から右耳の中に、小さいできものがあったのですが、最近一月ほどで急に大きくなり、現在約1センチほどの腫瘍状になっています。できはじめの頃は、化膿しているような臭いがしていたとのことです。特に体調に変化はなく、大変元気なのですが、これは治療可能でしょうか。(1999/5/3 N・Y様)

コメント;腫瘍状と言うことですが、触診でこりこりしていれば、腫瘍の可能性は高いですし、ぷよぷよしていれば膿瘍の可能性が高いです。触診である程度解りますが、もう少し検査をするのであれば、針で患部を刺して内容物を確認すればすぐに判断できます。腫瘍であれば、腫瘍の外科的摘出(2才なのでぎりぎり麻酔をかけられるかどうかというところです)あるいは、内科的療法で抗癌剤などを用います。もし、膿瘍でしたら、排膿して抗生剤を投与していけば完治するでしょう。

(症例 腫瘍手術の時期)ゴールデンハムスター1歳半くらいです。左腕の付け根と耳の後ろの当たりに腫瘍のようなものができて耳ダレがおきていることに気づき病院に行きました。レントゲンと尿検査の結果、悪性か良性かはわからないけれど早めに切除した方がいいと言われました。今のところ転移はないそうです。その先生は手術に耐えられると言うのですが、最近食事もあまりとっていないためかなり痩せてしまい体力が落ちていることは目に見えてわかります。とりあえず体力回復のため、高カロリーの流動食とのみ薬をいただいて帰ってきましてピーク時よりだいぶ食欲も戻ってきているようですが、元気なハムスターの半分も食べません。そんな状態で手術を受けさせても平気でしょうか?受けさせるべきでしょうか?(1999/5/9 K様)

コメント;腫瘍についてですが、これは悪性か良性かは細胞針で見たりしないとわかりませんが、急激に大きくなっているようでしたら早めに処置は必要です。年齢的には問題ありませんが、ただ、食欲があまりないということで、やはり1-2週間様子を見て少し食欲が出てきてから、麻酔をかけます。軽い麻酔などは食欲が少しくらいなくてもさほど問題ないですが、10分位はかかりますから、万全を期するのでしたら流動食とか薬とかなしで自分で食べるくらいまでになったら手術するのがベストでしょう。ただ、もし悪性腫瘍でどんどん大きくなって他に転移する可能性が高いと言うことでしたら、食欲の改善と腫瘍の進行のどの辺で手術に踏み切るかを判断しないといけないと思います。どうしても食欲がなくて状態が良くないということでしたら、しばらくは内科的療法で抗癌剤などを用いて腫瘍の増殖を抑えるといった方法を取るとよいかと思います。

 

(症例 皮脂腺腫)ジャンガリアンのオス、6月で1歳になります。最近プラスチックの小さいケージから、二階建てで周りが金網になっている少し大きめのケージに移しかえました。一匹で飼っています。症状は、左耳の中に米粒大くらいの丸い腫れ物ができています。気がついたのは昨日の朝でした。色は、耳の中と同じようなピンクで、表面がかさかさしているように見えます。ほぼ耳の穴がふさがっているような状態です。本やホームページを見ても、耳の中にできるというケースがなく心配です。やはり腫瘍なのでしょうか。(1999/5/12F・M様)

コメント;耳の腫瘍ですが、腫瘍というよりは皮脂腺腫ではないでしょうか。皮膚の皮脂腺が外側に分泌せずに内側に貯留してしまったものです。これはバイオプシ−をして細胞を見ると判断できます。特に問題はないのですが外耳の付近にあるので早いうちに分泌物を排出するほうがよいかと思います。暴れなければ処置は麻酔無しでできます。これをそのままにしておくと、耳をふさいでいますから、耳の奧が閉塞的になり、細菌・カビなどが増殖したりして外耳炎を併発したりします。しかしながら、耳の入り口にも腫瘍などはできますから、有茎のものでしたらこれを糸でしばって壊死させてしまうという方法もとります。

(★症例 皮脂腺腫)ジャンガリアハムスター、雄・1歳6ヶ月。3日ほど前に左耳の耳の手前にしこり(何やら船の外側にくっついている貝殻のように表面が固く盛り上がっていて、真ん中に穴が開いています)があるので心配しています。本人は全く元気で、患部に触っても痛みはないようです。最近、暖かくなったせいなのか、よくケージの隅と巣の間に挟まるようにして横たわっているのを見かけているので、下のほうになった耳の部分がこすれて雑菌が入って炎症を起こしたのではないかと思っているのですが…(おがくずの下に新聞紙をひいているので、そのせいかもしれません)。腫れが退かない、又は腫瘍だったら病院へ行って切除しなくてはならないのでしょうか?(1999/5/17 Y様)

コメント;耳のところの腫瘤は直接バイオプシ−をして顕微鏡で細胞を見てみないと確実なことは言えませんが、おそらく皮脂腺腫ではないでしょうか。皮脂腺腫は皮脂腺からの分泌物が外に出ずに内側に貯留してしまうもので、時にこの分泌腺が貯留して腫瘤となることがあります。このような腫瘤はしばらくすると、自然に自壊して中の分泌物や膿等が排泄されます。この場合でしたらバイイプシ−をした部位を切開して圧迫し、中の分泌物を排出すれば問題ないでしょう。しかしながらこの部位が急激に大きくなってきたりということであれば腫瘍なども疑います。これもバイオプシ−の検査で腫瘍と判断できますので、このようなときは外科的あるいは内科的な処置が必要になってきます。

(★症例 大腿部悪性腫瘍)、パンダネズミを飼っています。先月くらいから 右足の付け根から肛門にかけて、腫れ出して、3週間前くらいに動物病院に行きました。先生がおっしゃるには「腫瘍」とのことでした。現在25グラムあった体重が今や20グラムと激変してしまいすっかり弱ってしまいました。歳は1歳半位女の子です。1匹で、ケージで飼っています。餌は、主にひまわりの種とレタスです。現在 注射と薬を飲ませています。先生は、体も小さく腫瘍をとるのはムリとの事ですが、どうなのでしょか(1999/5/24 N・K様)

コメント;腫瘍とのことですが、腫瘍の部位にもよります。外科的な手術を望むのであれば、1才半ということで、危険を承知のうえで、イソフルレンの麻酔科で腫瘍を摘出できます。右足の付け根ですので、触診で可動性のものであれば摘出はできるかと思われます。ただ、筋肉などに癒着していれば外科的な処置は難しいです。現在弱っているとのことですから、このへんも考慮の上、手術はしたほうがよいかと思われます。手術のストレスで死んでしまう場合もありますから、そのまま寿命を全うさせた方が長生きするという場合もあります。このようなことを考えて抗癌剤やアガリスクなで腫瘍を抑えるといった内科的療法を用いてもよいかと思います。

(症例 鼻腔内悪性腫瘍) ジャンガリアンハムスター 女の子 1歳3ヶ月 2階建てのゲージで一人暮らし ひまわりの種とハムスター用のクッキー・きゃべつを主食としています。14日前 右側の鼻から口にかけて少し腫れが見られたので、傷ついたのかと思い2日ほどほっておいたのですが、日増しに大きくなっている様子なので病院に連れて行ったところ、腫瘍との診断をうけました。出来ているところが悪く外科的な手術は難しいこと、良性か悪性かを判断するには組織検査が必要だがほとんどの場合悪性であること、また組織検査をうけ悪性と判断しても、この病気を直す術がまだ確立されていないと説明をうけました。 それから10日ほどたちますが、やはり日々大きくなってきているようで、現在約7〜8ミリ程度の大きさとなり、腫れの一部から毛が抜け赤い皮膚が見えるようになりました。なお、今のところほかの箇所には表面的には転移は見られません。 また、ここ数日、ごはんが食べずらいようなので、出来るだけ小さく刻んだものやハチミツなどをなめさせています。手の上や外で遊ばせてあげるとそれなりには元気に動きますが、活動は以前に比べると鈍くなっているようで、小屋にいる時間がながいようにも思われます。よく聞いてみると、鼻から雑音(鼻水をすするような音)があるようです。 今まで本当に仲良くつきあってきたこの子をどうにかしてなおしてあげたいのですが、もう術はないのでしょうか。この子の病気の進行を遅らせるようなよいおくすりや治療があるのでしょうか。(1999/5/26 O・K 様)

コメント;鼻腔から口腔にかけての腫瘍ということで、確かに外科的な切除は難しいでしょう。鼻腔内に腫瘍が達していると、頭蓋骨の前頭洞という部位まで腫瘍が入り込んでいる可能性もあります。このへんは犬猫であっても外科的な切除でとり切れないのが現状です。病理検査で悪性腫瘍であったとして、これを治す薬はありませんが、増殖の進行を遅らせたりする薬はあります。プレドニゾロン、デキサメタゾンといったステロイドの薬で抗腫瘍作用を期待したり、INFという免疫活性の注射を直接腫瘍に注射して腫瘍の増殖を抑えたり、あとはアガリスクといったきのこの粉末を投与したりすることなどがあります。これらも完治は期待できませんが、延命療法として行っています。1999/6/2現在、抗癌剤、アガリスク、抗生剤で3週間の延命をはかる

(症例 頬部可動性悪性腫瘍)ゴールデン 7ヶ月 メス です。3日前の夜に頬袋が直径1.5cmほどふくらんでいて、おとといの夜に頬袋からの出血がありました。すぐに病院に連れていって診てもらった結果、2cmほどにふくらんだ頬の内側の一部が黒く隆起しており、食べ物が詰まっているようにも見えるし、腫瘍のようにも見えました。触感はこりこりした感じです。その後の検査では、腫瘍の細胞あり(悪性かどうかはわからない)、細菌感染、脱水症状も見られるとのことでした。切るしかないのだけれど、食べ物も取っておらず体力も消耗しているので、その回復を待ってからということでした。現在出血は止まっており、危険な状態ではないのですが、助かっても助からなくてもできるだけのことはしてあげたいのですが、どうかよろしくお願いいたします。(1999/5/31 神奈川県 Y・M様)

コメント;腫瘍ということですが、急激な増殖でしたら、悪性腫瘍と判断してもよいですが、3日で急にということでしたら、頬袋が食物などの刺激により粘膜下に血腫や膿瘍を作る場合があります。レントゲンと注射針のバイオプシ−で腫瘍なのか膿瘍なのか確認したうえで、腫瘍であれば頭蓋骨に癒合がみられず、可動性であれば切除可能です。麻酔に関しては、全身症状の回復を待ってからのほうがベストですが、食事が困難であったりした場合は、早急な切除が求められるでしょう。2センチですと、内科的療法では難しく、外科的な切除がベストでしょう。1999/6 手術;頬袋と皮膚の間に悪性腫瘍ができており、頬袋を一部切除して、縫合という形で腫瘍を摘出。現在、抗生剤の投与中。

(症例 慢性出血による血腫)ジャンガリアン、オス、1才6ヶ月、1匹で飼っています。4月はじめに、おなかに血の袋のようなものができ、どんどん大きくなるため、病院に連れて行きました。その血を排出し、その代わりに薬をいれてもらい、止血剤を注射してもらっています。その後、4,5日は吸収されていき、しぼんでいますが、1週間ほどあとには、また急に血がたまってしまいます。そのくりかえしです。毎回1CCほども血がたまるので、貧血も心配です。何か治療の方法がありましたら、アドバイスをお願いします。(1999/6/11 M・K様)

コメント;血腫ということですが、お腹のどの部分にあるのでしょうか。慢性的に出血していればこれを改善する方法を外科的に考えたりしたほうが良いのではないでしょうか。内科的に止血剤を投与してもよいですが、これで治まらないような多量の出血でしたら、外科的にアプロ−チしてみてはどうでしょう。場所にもよりますが。皮膚と腹膜の間などでしたら、麻酔を軽くかけて止血部位をレ−ザ−で焼いたりという処置も可能です。どこから、出血しているかで今後の処置が変わってきますから、しっかりと特定してもらってください。慢性的な貧血になっている可能性もあります。鉄剤、補液等も必要と判断します。また、血腫であれば、犬猫の耳血腫と同様に圧迫しておくという方法を一度とってみてはどうでしょう。皮膚と真皮の間に血腫ができると、ここにまた血がたまるので、圧迫をしてこれを防いでこの部位の皮膚と真皮をしっかりと結合させたり、あるいは手術ということまで行かずに、皮膚と真皮を1糸縫うという方法もどうでしょう。これは口腔内の皮膚と口腔粘膜の間がはがれたりするのを防ぐためにも行います。

(症例 耳付近の腫瘤) 1才10ヶ月のメスのジャンガリアンです。2週間ほど前に耳の後ろにコブ状の腫瘍らしきものを見つけました。最近それがだんだん大きくなり、直径5mmほどになり、顔の毛が抜けてハゲがいくつかできてしまいました。食欲は以前と変わりませんが、あまり運動しなくなったようで太ったようです。動きも鈍くなり、よくよろけるようになりました。まだ病院には連れていってないのですが、手術を受ければ以前の様に元気に なる可能性はあるのでしょうか。それとももう寿命なのでしょうか。 環境、食事の面で気を付けるべきことはありますか?(1999/6/11 I・Y様)

コメント;耳の後ろのコブ状のものが、腫瘍なのか、あるいは膿瘍なのか、皮脂腺腫なのか、外耳炎からくる炎症性のコブなのか、触診とあるいは、注射針での吸引による鑑別が必要になってきます。これをおこなったうえで、もし、腫瘍であればこれが可動性なのか骨に癒合してるのかどうかで外科的な切除ができるかどうかの判別がレントゲンを撮って必要になります。これで切除できない場合は内科的療法で抗癌剤・抗生剤などを投与して腫瘍の増殖を抑制します。膿瘍の場合はこれを切開して全部排膿して消毒して2週間くらい抗生剤を飲ませてもらえれば治るでしょう。皮脂腺腫の場合も同様です。顔の脱毛は2次的なもので、ニキビダニの増殖によるものです。コブのところが治ればここも治ってきます。早めの診断が必要でしょう。ハムスタ−の寿命は2年から3年です。体力も低下してきますから、糖分の高いリンゴや蜂蜜をといたものなどを与えるとよいでしょう。

(症例 膿瘍の放置による壊死)私のうちのハムスターのことなのですが、右足の付け根の部分に腫瘍が出来てしまいました。最初に気づいたのが、今年の2月の半ばごろだったのですがはじめは、水脹れのようなものでした。それが、半月たった頃から、中の水が外に抜けて、その後その水脹れだった部分が陥没し始めました。おそらく、その部分はどんどん腐ってしまっているのかもしれません。ちょっと異臭もするので・・・・それから4ヶ月ほど経ちましたが、陥没部分は、陥没したままで少しずつではありますが、深くなっているようです。でも、食欲はかわらずあり、動きが多少鈍くなったものの外に出して欲しいというポーズをしたりと、それなりに元気に生活をしています。でも、最近目やにが多くでるようになり、なかなか目が開かないというところが気になります。現在の年齢は、2歳と1ヶ月、お年寄りのハムスターなのでしかたがないとは、思っているのですが・・・・やはり、もうすぐ息絶えてしまうのでしょうか??(1999/6/12 H・A様)

コメント;2才と1ヶ月でしたら確かに腫瘍のできる時期ですが、腫瘍部分から水が出たということで、これが膿であれば腫瘍の可能性はなくなります。腫瘍は増殖するものであって、水ではありません。ここはきっとケガをして膿が皮下にたまった膿瘍であったのでしょう。この場合自然に排膿したのですが、ここの膿の細菌が消毒をしないことにより、どんどん増殖してしまっているのでしょう。眼やにが多いのは、この菌の増殖した部位をなめたりしてこれが眼に入ったり、血流に菌が乗って眼に来たりしてるのでしょう。大至急抗生剤の投与と、患部の消毒、壊死組織があればこれを焼烙したり、レ−ザ−で焼いたりして肉芽組織を回復させてください。

これは早めの対応が必要であったと感じます。膿とかは抗生剤などを投与しないとなかなか抜けませんし、不必要な細菌感染のもとになってしまいます。しっかりと治療してあげてください。一番かわいそうなのはハムスタ−自身ですから。寿命もありますが、これは寿命ではありません。もっと生きられるはずです。

(症例 皮脂腺腫・腫瘍)ゴールデンハムスター

年齢・・・2歳1ヶ月、メス、一匹でゲージで飼ってます

症状・・・お尻、胸、頬袋のあたりにポコっと化膿したような赤いできものができてしまいました。最初お尻の毛がはげてきたのに気付き、そのうちぐちゅぐちゅに赤くなってきてしまいました。お尻が最初に気付いた場所ですが、さわってみるとあとの2箇所もぼこっとしていてそのうち同じように化膿してきました。あわてて獣医に見せたところ抗生物質の飲み薬を出されたので一日2回2滴飲ませています。その甲斐あってか、ぐちゅぐちゅになっていたのは一応止まったようで、かさぶたみたくなっています。塗り薬は一日1回塗っています。食欲はだんだんとなくなっていくみたいで、体重も軽くなった感じです。頬もこけてきたような・・・うんちもいつもより小さくなった感じです。(1999/6/15 T・T様)

コメント;膨らんできたものは、膿だったのでしょうか。脂肪のような分泌物だったのでしょうか。このへんをしっかり確認したうえで、抗生剤の投与などを行います。膿である可能性は、一匹で飼っているのであまりありません。おそらく皮脂腺の分泌物が排泄されずにたまってしまって、そのうち自壊してしまうといった感じでしょうか。これでしたら、分泌物を排泄して抗生剤を塗って、抗生剤の投与をしばらくすれば完治するでしょう。これは体質もありまして、体にいくつもできてしまうということがあります。あとは、腫瘍です。腫瘍であっても一部が可能することがありますから、腫瘍の可能性もあるのでしょう。体重が減っているのと、糞が小さくなっているというのが少し気になります。腹腔に腫瘍などがあるのかもしれません。このへんは腫れた部分の細胞を注射針で少しとって顕微鏡でみれば、腫瘍なのか、膿なのか、分泌物なのか解るはずです。

(症例 悪性腫瘍)現在飼っている雌のハムスター(生後1年と10ケ月ぐらい)の胸にしこりが出来て早3ケ月以上立ちます。なすすべなく見守ってきましたが、最近新たに脇の下の皮の中にもしこりが出来ています。そのしこりを触ると非常に嫌がります。動くのも大変そうで見ていて心配でなりません。寿命が2年ほどと聞いていたので半分あきらめていますが何か手だては有りのますでしょうか。食欲は有るようですが、最近めっきり老けたように思えます。(1999/6/23 S・R様)

コメント;急激に大きくなってきているので悪性腫瘍の可能性が高いです。悪性腫瘍の場合ですと、摘出できるものでしたら外科的に切除します。骨などに癒合していたり、摘出不可能な部位ですと、内科的に抗癌剤などを投与して腫瘍の増殖を抑制します。1999/6 皮下に4センチと2センチとかなり大きな可動性の腫瘍であったが、年齢や状態を考え、外科的な切除を行った。次の日に漿液が少したまったが、切除部位が大きいためのものと判断。退院一週間後に抜糸予定。

(症例 悪性腫瘍の手術)1歳3ヶ月のメスのジャンガリアンハムスターを金属製のゲージで1匹で飼育しています。生後5ヶ月ほどで左脇腹に「しこり」ができました。病院に連れて行くと腫瘍だと診断されました。ジャンガリアンでは手術ができないときっぱりと断言されました。食事の制限について注意を受けてピンクの薬をもらいました。快方に向かわないので再診を受けると抗がん剤を処方されました。食事制限と抗がん剤のどちらが功を奏したのか、まもなく腫瘍がなくなりました。しかし約1ヶ月ほど前から同じ所にしこりができました。前回と同じ病院にかかり、ピンクの薬をあげていますが、以前できた腫瘍よりもかなり大きなものになってきました。(約1.2cm位) 私の連れていっている病院の先生は「腫瘍は揉むと小さくなるかもしれない」と言い、耳の後ろを引っ張って押さえつけた上で患部を触るので断末魔のような泣き声をあげて診察の度に「おもらし」をします。病気を治すどころか、かなりのストレスになっているのではないかと心配しています。本当に腫瘍は揉んで治ったりするものでしょうか?悪性の腫瘍と脂肪のかたまりとの見分け方はありますか? 腫瘍が悪性だった場合、一度小さくなってから再発するものですか? 手術と投薬以外にハムスターになるべく負担をかけない治療法はありますか?(1999/6/26 O・K様)

コメント;まず、生後5ヶ月から1才3ヶ月までに8ヶ月あります。このあいだでどのくらい大きくなったのでしょうか。腫瘍には良性と悪性があり、良性なら増殖が遅く、悪性なら増殖が早いです。これが腫瘍なのかという判断に少し疑問を持ったのは薬で一度腫瘍がなくなったということです。大きさにもよりますが、腫瘍なのか、膿瘍なのか血腫、脂肪腫などの可能性を考えて、注射針で刺して細胞を見るということをして腫瘍なのかということを判断します。増殖の早さや触感でもだいたい解ります。 腫瘍の手術に関してですが、悪性だとしてこの部位が腹腔の筋肉に癒着していたりしなければ摘出は可能です。イソフルレンという安全な麻酔で20分くらいで切除できます。もちろん他の臓器に疾患があれば麻酔をかけられませんから、状態をみての手術となります。腫瘍を揉むと小さくなると言うのは聞いたことがありません。

悪性の腫瘍と脂肪の区別は注射針で刺して組織を顕微鏡でみればすぐに解ります。腫瘍が悪性で一度小さくなって再発すると言うことは十分にあります。手術以外でも内科的に抗癌剤を投与すると言ったこともできますが、腫瘍が大きかったりすればこれをすべてなくすと言うことは難しいです。抗癌剤で効果があるとされるのは、リンパ系の腫瘍の場合で、実質を伴う腫瘍の場合は難しいです。しかし、外科的なものであればこれ以降に再発がなければ問題はなくなります。投薬に関しては、こちらでは、抗癌剤や漢方薬、ビタミン抗生剤などを、そのハムスタ−に合わせて調合します。液体ですので口に含ませるだけですし、好きな子は自分からなめますから、投薬に関してはこちらではストレスのないように配慮しています。

(症例 開口性腫瘍)ジャンガリアン、オス、1才2ヶ月、ケージで2匹飼っていたのですが、けんかをするので今は別々に一匹ずつケージで飼育しています。それで、昨日そのうちの一匹(少し肥満気味です)の喉のあたりに丸い、直径2ミリほどの赤いくぼみができていました。何かで突いたようなものなのですが、血は出ておらず、そのくぼみのところは毛がありませんでした。白い膿のようなものがでており、素人目には外傷なのか、細菌感染か何かなのか全くわかりません。一応マキロンで消毒はしたのですが、心配です。ハムスター自身は元気なようです。このまま消毒だけで済ませて良いものなのでしょうか。(1999/7/4 S・A様)

コメント;ただの傷によるものでしたら良いですが、肥厚しているとあるので、ここに、脂肪あるいは、腫瘍の一部があることが考えられます。これはここを切開して内容物を顕微鏡でみればすぐに解ります。脂肪でしたら脂肪を全部だして消毒すれば良いです。腫瘍でしたらなるべくここを鉗子などで全部とってしまうのがよいでしょう。

(症例 悪性リンパ腫)ジャンガリアンハムスター・生後 7ヶ月半・メス・ケージで飼ってます。先月の中頃の朝、満杯になったえさ袋が胸に付いたような肉眼ではっきりとわかる腫れ物に気づきました。左前足の付け根に近い胸の処です。前夜には特に変わった様にも見えませんでした。(触れていないので徐々に進行していたのかもしれませんが・・・)病院につれていったところ「原因は不明だけど、なんらかの原因で水溶物(リンパ?)が溜まってる。(腫れ物は)診たところ悪性ではない。といって中の液を注射器で抜き取ってもまた溜まってしまいます。それに抜き癖がついてそこがかさぶたになったりするのはよくないです。今回はあまりに腫れ過ぎてハムスターが行動し辛そうだから液を抜き取りますが、とにかくしばらく様子をみましょう」と云う事で黄色い液体をかなり抜き取られました。人の小指の第一関節から先くらいの量です。私も、とにかく命にかかわる事ではなかったので安堵したのです。翌日、今度は左前足脇下にやはり同じような腫れ物(直径1cmくらいのボール)が出来てしまったのです。胸に出来た時のより小さくて触わらないとわからないのですが大ショックです。どうしたら良いのでしょう?薬は特に貰っていません。本人は前と変わらず元気で食欲もあります。がひょっこり死んでしまうのではないかと心配です。(1999/7/5 T様)

コメント;おそらく体のリンパ節などのリンパが腫瘍化するリンパ腫ではないでしょうか。水腫は水腫なのですが、たまっているものがリンパの可能性が高いです。これは顕微鏡でこのリンパを見ると、悪性度の高い細胞が見られることで確認できます。これは抜いてもリンパ節は体のあちこちでつながっていますから抗癌剤の投与でこのリンパ腫瘍をおさえます。犬猫でもリンパ腫などには抗癌剤などが用いられ腫瘍を抑制することが知られており、ハムスタ−の場合は、抗癌剤などで腫瘍を抑制します。これは腫瘍と判断したら、なるべくストレスをかけずに、内科的療法を行っていくことがベストです。

(●症例 腫瘍)ジャンガリアンハムスターの雌で 1歳前後です。1匹で飼っています。左前足の付け根から正中にかけて小指先くらいの大きさに膨れています。はげているわけでもなくピンク色をしていて痛がるようでもありません。2週間くらい前には特に気づかなかったのですが手の上に乗ったときに異物を感じて気がつきました。ここ最近忙しくてあまり遊んでやらなかったので気づくのが遅れたことが悔やまれます。ドームによじ登ってプラスチックをガリガリとかんでいたのも気になります。やはり腫瘍なのでしょうか?もし腫瘍で手術をしなかったらどれくらい生きられるのでしょうか?(1999/9/1 I・K様)

コメント;腫瘤はどんな触感があるでしょうか。こりこりした肉質でしたら腫瘍を疑います。ぷよぷよしているのでしたら膿瘍や血腫などを疑います。腫瘍だとしてお話をしましょう。

腫瘍であれば、これを注射針で刺してみて中の細胞を顕微鏡で診ます。良性か悪性かのある程度の判断はつきますから、悪性だとしたら、これを切除するのが一番です。ただし、筋肉などに癒着をしていないというのが前提です。年齢も若いですから、麻酔も問題ないでしょう。外科的な処置をしますが、それ以降も内科的療法で抗癌剤などの薬を処方します。

もし悪性だとしてそのままにして置いた場合、腫瘤の増殖の早さにもよりますが、1週間で1センチくらい大きくなってくれば、1ヶ月でかなりの大きさになり、自壊してしまったり、歩行困難になり、食事ができなくなり、転移をしてきますから、悪くて3週間から1ヶ月でしょうか。外科的な処置ができなくても、抗癌剤などを飲むということで対応をしています。

(症例 血腫)2歳6ヶ月になるジャンガリアンです。ケージで1匹で飼っています。先日右耳の所(人間で言えば耳たぶの顔側のつけね)が少々ふくらんでいました。気になって左側と交互に見比べてみると、そんなに違いがないと思ったので、そのままにしておきました。約5日ぐらいした今日になって、いきなり患部から目の近くまで大量の血が流れ出ていました。とても人懐っこいので、巣の外にまで出てきて今まで寝ていたのですが、今日になって巣の中へ戻って寝るようになって、怖がって外に出てこないようです。消毒などをするのにも、何の薬がいいのかも分かりません。回答をよろしくお願いします。(1999/9/7 Y・Y様)

コメント;耳の部位の根元の膨らみはどのような触感なのでしょうか。可能性としては血腫といってそこを引っかいたり物理的な刺激によって血がたまります。これをハムスタ−が気にして掻いてしまって一気に出血をしたのかと思います。現在出血が止まっていれば大丈夫ですが、出血があれば止血剤の投与や、動脈性のものでしたら血管を結紮する必要があります。出血が止まっていれば、イソジンで消毒して抗生剤(テラマイシン・ゲンタマイシンなどの軟膏でよいです)の軟膏を塗るとよいでしょう。時に腫瘍などがあったり外耳炎に伴う膿瘍もありますから、耳の付近をしっかりとみてもらうことをおすすめします。

(症例 腫瘍末期の安楽死について)2歳5ヶ月のジャンガリアンのオスを単独ケージで飼育しています。7月に左耳のところに堅いしこりができ、病院に行ったところ悪性腫瘍と診断されました。現在では、頭半分(大人の親指第1関節分くらい)以上が、こぶになり患部は化膿し、臭いもひどくなりました。左目は全く開かず、食べ物もやっと食べています。堅い物が食べられなくなれば、前歯も伸びてくるでしょうし、化膿した部分をふき取ろうとすると鳴くようになりました。安楽死を考えています。歩くことはできないので這っている状態ですが、それでも賢明に呼吸して、何かを食べようとしている姿を見ると、とてもつらいのですが、延命させるのとどちらがよいのか考えます。(1999/9/9 K・N様)

コメント;ハムスターの腫瘍は悪性が多く、年齢的なものや腫瘍の部位で外科的な処置も不可能なものも多いです。外科的な処置が不可能な場合は、内科的療法で抗ガン剤などを投与して、腫瘍の増殖を抑えます。内科的療法でも末期になれば、食事も出来なくなってきますし、食事ができなくなると、状態は急激に(1〜3日くらい)悪くなります。この子の場合、食事ができていますから、食事ができる間は、内科的療法が可能です。腫瘍があっても痛みは少ないですから、意外に平気に生活をしていく子が多いです。ただ、腫血や化膿をしている患部などをさわれば嫌がります。状態的には、腫瘍の末期と考えて良いでしょう。ただ、ハムスターは寿命が2ー3年と短いですから、短い寿命をあえて縮めるのはあまりおすすめできません。ハムスター自身が限界にきたら、食事もできなくなりますから、その時まで看病してあげてみてもよいのかと思われます。できれば残り少ない寿命を全うさせてあげてください。

(症例 腹腔腫瘍)ゴールデンハムスター、1歳と8ヶ月、メス体重約100グラム。ほんの一週間ほど前までは、約150グラムほどあった体重が、今晩計ったら100グラムになっていました。最近、痩せてきたなとは感じていたのですが、そのあまりの痩せ方に不安を感じています。小屋に入れてあげるエサは、あまり食べていないようです(特に固形飼料)。直接あげるごはんつぶやチンゲン菜は、とりあえず頬袋に入れています。目が以前よりも、パッチリと開いていないような気がします。痩せたせいで、顔の形が変わったのかも知れません。痩せた分だけしっぽも長く見えるようになりました。「どこか悪いところは?」と聞かれれば、「痩せたこと」しかありません。しかし、今までほとんど150グラムを動いたことがなかった体重が、こんなに減るなんて、何か具合が悪いのかと心配でたまりません。(199/10/19 O・y様)

コメント;ハムスタ−がやせているということですが、1週間で50グラムというのは、かなりやせていると言えます。やせているということの原因としては腹腔内腫瘍などがありますから、腹部の触診、エコ−、レントゲンなどで臓器の確認をしたほうがよいでしょう。食事が物理的にできなくてやせてしまっているのであれば、口腔内疾患で食事ができないなども考えなくてはいけませんから、口腔内も診てもらってください。食事をしていなければ、どんどん脱水してしまいますから、早めに対処してあげてください。

(症状 有茎腫)6ヶ月のオス、ジャンガリアンです。ちかごろ、人間で言うと下唇の先っぽにポツっとおできのような物ができました。赤っぽいかんじで、口の赤い所とおなじいろです。肥満体形です。1匹でかってて、水槽型ケージです。はたから見ると、舌を出しているようです。なんとなく、落ち付きがなくなっているような気もします。すごく心配です。でも、食欲はあります。よろしくおねがいします。(1999/11/1 S・F様)

コメント;おできのようなものとあるので、有茎腫の可能性もあります。もしかのうであれば、コウバクという方法でこの腫瘍を壊死させてしまいます。根元が太ければ、何度かに分けます。皮膚の炎症で肥厚しているというものでしたら抗生剤の投与をしてもらってください。また、皮膚の下に腫瘍があるのでしたら、年齢が若いですから、外科的な処置で切除してしまうことが良いでしょう。あとは分泌物がたまることがあります。これでしたら排出すれば問題はありません。

(症例 腫瘍)ジャンガリアンハムスター、11ヶ月、メス。一ヶ月くらい前に、左腕下部に大豆位の大きさの腫瘍らしきものを発見!その三週間位後に右手内側にも同じような大きさの腫瘍を発見。現在では、大きさもドンドン大きくなり、サクランボより少し小さいくらいになっています。腫瘍であった場合は手術をしたほうがよいのでしょうか。(2000/1/11M様)

コメント;11ヶ月という年齢ですから、腫瘍ができはじめる年齢であると思います。まずは、そこの腫瘍の部分を針で刺してみて内容物を確認して細胞成分であれば、それの悪性度が高いのか、それとも良性なのかということを判断します。あとは腫瘍の大きさが例えば、1ヶ月で1ミリとか、2ミリとかという単位で大きくなってくるのでしたら無理に外科的な処置をしなくても寿命まで生きていけます。ただ、サクランボより小さめということですから、結構大きいと判断します。もし腫瘍であれば、多少の悪性度のある細胞が見えてくるはずです。そうしたら外科的な処置を選択しても良いでしょう。手術は年齢が11ヶ月ですからさほど心配は入りませんが絶対と言うことはありません。抗腫瘍作用のある薬を用いて内科的療法で様子を見てから外科的な処置をしてもよいでしょう。

 

   


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