イース
かつてこの地上に栄華を誇った理想郷
イースは 二人の女神と神官によって統治され 繁栄を極めた
神官は人々に敬われ その統治は公平無私であった
美しい女神は宝と謡われ 吟遊詩人たちの主題であった
イースの繁栄は 永遠に続くかと思われた
だが その繁栄の絶頂で
イースは 恐るべき災厄により 一夜にして滅び去り
栄華の全ては 無に帰した
それから七百年の歳月に渡って
伝説は沈黙を守り続けてきた
そして 再び伝説は語り始める
新たなイースを...


 「イース」は、日本ファルコム様が創造したアクションRPGの一つです。

 西欧の伝説の国、失われた古代王国イースに、魔物が蘇り、危機に瀕したとき、 北欧の地より、赤毛の少年がこの地を訪れました。
 彼の名はアドル=クリスティン。
 生涯に百余の冒険を果たし、勇者とすら呼ばれることになる偉大な冒険家の、 最初の冒険こそが、この、イースでの冒険でした。
 当時のエウロパ亜大陸は、ロムン帝国の統治の時代で、火薬などの技術が入ってきているものの、 未だに伝説が息づいている、中世の世です。
 そこには、人間だけでなく、魔物も、精霊も、女神も生きているのです。
 異郷への好奇心に満ちた少年は、その時代を駆けめぐります。

「失われた古代王国」−Ancient Ys Vanished−
 イースI、イースIIと呼ばれる、アドル十六歳の時の冒険です。
 今はエステリアと呼ばれている、かつての古代王国イースの、地上と、天空での冒険です。
 二人の女神フィーナとレア、ランスの村の少女リリア、アドルの頼もしい相棒ドギ、 そして神官の子孫たち。
 たくさんの魅力ある人々が、地上のエステリア、天空のイースでの冒険を支えてくれます。
 かつて、イースを繁栄させた魔法。その魔法から生まれた魔物。
 その魔を解き放ってしまった、神官の子孫ダルク=ファクト。魔の元凶ダーム。
 それらの、七百年の長きに渡る因縁を、アドルの剣と勇気が断ち切りました。
 イースは、魔法を失いましたが、その代わりに平和を取り戻したのです。

「セルセタの樹海」−The Dawn of Ys(The Mask of The Sun)−
 イースIVと呼ばれる、アドル十八歳の時の冒険です。
 島国イースの対岸。セルセタ地方での、イースの謎が明かされた冒険です。
 セルセタ地方には、古代王国イースと同時期に、有翼人の協力を得た王国、 セルセタ王国が栄えていました。
 しかしその地も、イースと同時期に災厄に見舞われ、異常発生した木々が国土の全てを飲み込みました。
 そして七百年。かつての王国が黄金の都だったという噂が流れ始めました。
 その噂に引きつけられるように、ロムン帝国の軍隊がこの地に現れました。 そして、セルセタ王国のレファンス王に倒された狂王アレムの復活をもくろむ闇の一族も、 都に眠る超古代文明の大いなる力を求めて、暗躍します。
 全ての鍵を握る有翼人最後の生き残りエルディールは、彼らと共闘し、魔物の復活を始めます。
 彼に想いを寄せる少女リーザからの、勇者を求める手紙を受け取ったアドルは、セルセタ地方に入りました。
 そして、イースの魔力の源と、双子の女神の真実が明らかにされます。

「イースよりの訪問者」−Wanderers From Ys−
 イースIIIと呼ばれる、アドル十九歳の時の冒険です。
 相棒ドギの故郷、遠くフェルガナの地で、何かが起こっている。そんな話を聞いたアドルは、 ドギとともにフェルガナを訪れました。
 そこでは、伝説の魔王ガルバランを蘇らせようとする、城主マクガイアと、 彼を操る、ガルバランの腹心ガーランドの陰謀が進められていました。
 かつてガルバランを倒したという勇者の末裔の村に住んでいた、チェスターとエレナの兄妹は、 伝説を恐れたマクガイア城主により、村と家族を失いました。
 その後、二人は近くの貿易都市にして鉱山都市レドモントで、ドギとともに幼少期を過ごしていたのですが、 十年の月日が経ち、チェスターは、マクガイア城主への復讐のために、彼のガルバラン復活計画に手を貸します。
 袂を分かった、親友と、兄妹と。アドルは、エレナに頼まれて、チェスターを救うべく活動します。
 だが、ガルバランを倒し、フェルガナ地方を救ったアドルは、結局、 チェスターを救うことは出来ませんでした。
 確認されている中では唯一、アドルが挫折し、冒険家としての自分を疑ったこの冒険。
 冒険家、アドル=クリスティンの冒険の中で、最も心を打つものかも知れません。

「砂の都ケフィン」−Lost Kefin,Kingdom of Sand−
 イースVと呼ばれる、アドル二十歳の時の冒険です。
 アフロカ大陸の北端、サンドリア地方にやってきたアドルは、豪商ドーマンから、 この地が危機に瀕していることを聞かされます。
 この地を救うために必要と言われる錬金術の力を秘めた結晶を集め始めたアドルの前に現れるのは、 ケフィン王朝の末裔を称する女盗賊リジェの一党や、肝っ玉母さんアルガ率いる息子二人娘一人の盗賊一家。
 錬金術で栄えた王国、ケフィンの話を聞くにつれ、ドーマンへの疑問が生まれてきます。
 徐々に砂漠化を続けるケフィンへの冒険を支えるのは、義父である冒険家スタンの身を案じる記憶喪失の少女ニーナ、 謎を秘めた占い師マーシャ、ケフィンの導士であり今は腕輪の精となっているストーカーなど。
 やがて、ケフィンへ行こうとするドーマンの野望が明らかになります。
 その野望をくい止めたものの、姿を現した空中都市ケフィンによって砂漠化はどんどん進んでいきます。
 ついにケフィンに乗り込んだアドルの前に、錬金術を極めた秘賢者ジャビルの影が見え隠れします。
 理想郷と呼ばれたケフィンは、その実、恐怖によって統治されていました。
 多くの人々の助けを借りて、全ての謎を解いたアドルによって、ジャビルは偽りの楽園とともに消え去りました。

「血と砂の聖戦」
 この冒険は、公式に語られたものではありません。しかし、おそらく冒険日誌の一冊と思われます。
 ケフィンでの冒険を終えた後、アドルはアフロカ大陸から東に向かいます。 ヒスラム教の支配するパルサ帝国に足を踏み入れたアドルの前に、邪神復活をもくろむ暗殺教団の野望が立ちはだかります。
 イブール一家の末妹テラにひっつかれながら、暗殺教団の崇める邪神アル・ファザッドに対抗する 女神の子孫シャーリィとともに、アドルは教団を、その崇める邪神をうち倒します。

「アルタゴの五大龍」
 アドル四大冒険の一つですが、まだ公式に冒険日誌が公開されていない、謎の冒険です。
 アルタゴ地方は、サンドリアの西で、やはりアフロカ大陸の北端にあります。海洋貿易で栄えているこの都市も、 ロムン帝国に支配されるまでは、強力な独立国家があったようです。
 そこで待ち受ける五大龍とは何者でしょうか。
 これが、アドルの全盛期の冒険であったようです。五大龍を倒したとき、彼の辞書に不可能の文字はないとまで言われました。 (ナポレオンは、偉大な冒険家の言葉を自分になぞらえたのだとも言われます。)

その他の冒険
 アドルの冒険は、先に述べたように、百余りと言われています。
 それらの冒険の全ては、六十を過ぎた彼が北極点到達を目指した後(失敗したと言われていますが、真実は分かりません)、 故郷の生家に帰り、彼が自身の手で記した冒険日誌に収められています。
 彼は、全ての冒険日誌を書き終えた後、家族に看取られながら、まだ見ぬ地に向け、最後の旅に出たのです。
 それらの冒険日誌は、彼の生家の地下に収められ、かつては、訪れる者は誰でもその冒険日誌を読むことが許されたと言います。
 今は、その冒険日誌がどこにあるのか、誰も知りません。
 この世界のどこかにいる、アドルの子孫が所有しているのかも知れません。
 子孫といえば、彼が誰と結婚したかは未だに大きな謎になっているようです。
 冒険に生きた彼には、何人もの女性との心の交流があったようですが、一つ所に留まることが出来ない彼の性格を彼自身も分かっていたのでしょう。
 誰かとある以上に親密になるということはなかったようです。たった一人、ランスの村のリリアを除いて...
 彼の最初の冒険である、イースでの冒険を支えたリリアとは、あの冒険の後も何度かあっています。
 古い目撃談によれば、ミネアの街で、幼い日のアドルを彷彿とさせる赤毛の幼い少年とその妹らしき少女に、 セルセタの樹海の物語を語って聞かせている女性の姿があったと言います。
 この子どもたちが、アドルの子供なのか世代を経た子孫なのかは分かりませんが、 彼にとって最初の冒険の地であるイースが特別な存在であったのは確かです。

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