紡ぎ直される時代


 ゲームとしてのイースの物語をたどれば、十五年以上前のPC8801機にまで行き着きます。
 それからのコンピュータ業界にとっての進化は、イースを変えていきました。
 PC9801、MSX、SEGAMKIII、ファミコン、PCエンジンCDROM2、X68000、 スーパーファミコン、PCエンジンスーパーCDROM2
 そして、32bit時代と呼ばれる現代、イースは複数の形で復刻されています。

PC9801

 88よりも評判が悪いときがある。どうも当時の音源のためでもあったらしい。
 どちらにしても、イース及びファルコム作品をやるために、当時三十万からしたマシンを買った方も多いと聞く。
 それだけの価値があったゲームだとも言えるだろう。
 I、II、IIIが出ていて、大体はこれが原作と言って良いだろう。

ファミコン

 VICTORが手がけたもので、I、II、IIIが発売されている。
 Iは全機種見渡してみても最も特殊で、随所にオリジナル要素が含まれていたり、マップも登場キャラもほとんど別のゲームとなっている。
 さすがにミネアの街とゼピック村、神殿、廃坑、ダームの塔といった中枢施設はあるが、マップ上には随所にワープゾーンが存在したり、 イベントをクリアしないと通れない泉があったりと、相当の違いがあるのでイースをやり尽くした人には好き嫌いがはっきり出ると共にやけに新鮮に映るだろう。
 IIはファミコンの限界に迫るとまで言われてなかなかに評価が高く、ボスの戦闘パターン以外はストーリー原作を忠実に再現している。
 ただし、このボスの戦闘方法の違いにはかなり面食らった方も多いのではないだろうか。
 IIIは同じ頃にスーパーファミコン版が出ているのだが、何故かこちらの方がよかったという声も聞く。

スーパーファミコン

 トンキンハウスからIIIとIVが、ファルコム純正でVが発売されている。
 IIIはSFCオリジナルの曲がいくつか使われていて、これが結構出来が良かったりする。
 だがゲームそのものが良かったという話はあまり聞かない。
 IVはファルコムの原案に沿ったストーリーをとっているらしいが、詳細は知らない。
 何故かこのゲームの攻略本を私は一度も見たことがない。存在しているのだろうか。
 Vはファルコム純正だけあって、アクションなどの出来は良くできているそうである。
 ただしSFCのため、PCエンジン版並のグラフィックは期待してはいけない。
 どういう意図があるのかはわからないが、後にダンジョンが増えたり難易度が上がっていたりする「イースVエキスパート」というものも発売されていた。
 ……売れたのだろうか。

PCエンジン

 ハドソンよりCDROM2システムでI・II、IIIが、スーパーCDROM2システムでIVが発売されている。
 特にI・IIは、全機種通じて唯一IからIIが一つのゲームとしてまとまっており、完成度が非常に高い。
 難を言えばダームの塔からイースIIの最初へつながるときのゲームバランスの悪さと、名曲「Morning Grow」が無いことが挙げられるが、
CDROMを活かしたアニメーション、キャラの声、生の音楽など、それまでのシリーズと比べると実に画期的である。
 IIIはあまりパソコン版と変化がないと言われている。可もなく不可もなく。
 IVはファルコムの原案を大幅にアレンジしてあり、イースの謎にかなり直接踏み込んでいる。
 解釈には賛否両論あるかもしれないが、イースIIのシステムをほぼ踏襲して改良が加えられたシステムは評価が高い。

セガサターン

 VICTORからファルコムクラシックスと銘打って、第一弾ではイースIとドラゴンスレイヤー、ザナドゥが一緒になって発売された。
 次世代機を駆使してグラフィックを向上させ、また斜め移動も可能にして操作性も上がっている。
 基本的にはサクサク進めるように作った、という印象を受ける。
 ただし次世代機で作った割には、PCエンジン版よりも見劣りするところがいくつもあった様に思う。
 同じコンセプトとしてファルコムクラシックス2がイースIIと太陽の神殿をセットにして出ている。
 あいにく、オープニングムービーを見てやる気が無くなってしまったのでコメントは差し控えていただきます。

Windows4.X

 イースエターナルと銘打って、かつてイースに憧れてファルコムに入社したという方々が作り上げた渾身のイース。
 マップは大幅に変わっており、オープニングは相当強化されていて、シナリオにも追加があるほか、グラフィックは相当に向上している。
 また、マウスを使用しての操作が楽になるように設計されていて、ダッシュ機能もついている。
 そして2000年7月6日、遂にイースIIエターナルが発売された。
 今年のPCゲーム中最も多数の予約を集めたと豪語するのは伊達ではない。
 グラフィックはIよりさらに美麗となり、もはや誰に文句がつけられようか。
 限定特典もさらにパワーアップし、OVAイース天空の神殿DVD-VIDEO版、MIDI全曲集やムービーを収めたスペシャルコレクションCD-ROM、 そして昔から好評だったイースの本を模した豪華製本説明書ときている。
 既に市場での入手は難しいが、ファルコム通販では現在でもまだ手にはいる可能性があるらしい。
 さらに通販では店頭用デモCD-ROMとポスターも付属してくるので、送料を考えたとしても決して損ではないと思われる。
 なお、推奨条件はPentiumII233以上、DVD-ROM版ではPentiumII300以上となっているので、オールドPC使いの方はご注意を。

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