魔法戦士魔法は、古代語魔法の一種です。分類から言うと付与魔術(エンチャント)の一派です。
主に、剣がないと発動しなかったり、剣がないと意味がない呪文などを特に魔法戦士魔法と分類させます。
とはいえ、古代王国時代は、剣の力は軽蔑される物でしたから、主流であったわけではありません。
魔法戦士魔法の発達は、剣の時代に入ってからのようです。フォーセリアで一番魔法戦士魔法が普及しているのは、
呪われた島(と呼ぶ者がいるかいないかは時代によりますが)ロードスの千年王国アラニアです。
この国は賢者の学院を有し、大魔術師ラルカスや黒の導師バグナードを生み出した極めて魔法への関わりの大きい国で、
最強の騎士団として、魔法戦士団を抱えています。
ロードスで魔法戦士になるには、アラニアの貴族の次男以降でもなければなれないくらいです。
幸いにして、アレクラストでは魔法戦士そのものがほとんど無い存在ですから、 そう言う制限はありません。しかし、その代わりに、魔法戦士となる機会も魔法戦士魔法を学ぶ機会もほとんどありません (ルール上は簡単になれますが)。
確実に魔法戦士になるには、考えられる場所は今のところひとつです。オランの南、カゾフの海底に広がる「戦士の門」 (シナリオ集1の「魔宮の門」に出てきます)。異端の魔術師ハラドによって築かれたこの遺跡は、 彼のお抱えの戦士を魔法戦士に育て上げるための試練の場です。発動体の剣も手に入りますが、 あるいはここで、未だ知られざる魔法戦士魔法が発見されるかも知れません。
一般に、魔法戦士魔法は、剣の携帯が条件になることが多いです。
剣でないと効果を発揮しない呪文がほとんどなので、なるべく魔法戦士は剣を使用するべきでしょう。
レベル6魔法戦士魔法
インスタント・ソード
出典=ロードス
基本消費精神力=24 距離=接触 効果範囲=術者
持続時間=18ラウンド
効果=剣型の力場を作成する
種別=特殊
拡大=持続時間 抵抗=−
この呪文を唱えるには、最低でも片手が空いていないといけません。両手剣のイメージを作るときは両手が空いていなければいけません。
この呪文を唱えると、ダガーからグレートソードまで、好きな形と必要筋力の剣のイメージの力場を作成できます。
この力場は本物と同じ攻撃が可能です。また、魔法的なものなので、
通常の武器が通用しないモンスターにもダメージを与えることができます。
ただし、この呪文で出来た力場に”エンチャント・ウェポン”等の付与魔術をかけることは出来ません。
また、この呪文の使用中は他の魔法戦士魔法を唱えることは出来ません。
この呪文で出来た力場は、片手と両手の変換さえしなければ、ターンの最初に一瞬で変形する事が出来ます。前のターンでダガーで攻撃して、
翌ターンにバスタードソードで攻撃ということも、あまり意味は無いでしょうが可能です。
片手剣から両手剣、あるいはその逆は、変換こそ一瞬ですが持ち替えに1ターンかかります。
武器の選択ルールを用いているなら、この呪文を”インスタント・ウェポン”として、斧や槍を作って、
状況に応じた変形をやってもいいでしょう。それを考えれば、”インスタント・シールド”として使うことが出来てもいいでしょう。
ミラー・ソード
出典=ロードス
基本消費精神力=24 距離=接触 効果範囲=剣一本
持続時間=18ラウンド
効果=剣に真の姿を映す
種別=特殊
拡大=時間 抵抗=−
この呪文をかけられた剣(あるいは平らな平面金属部を持つ武器)は、その刀身にあらゆる物の実像を映すようになります。
例えば、”クリエイト・イメージ”のような幻影や、”プリモルフ”のような変身でもです。
映す物が実像そのままであったら、極めて精巧な鏡のように映し出せます。
また、いくつもの虚像を持っていても、攻撃目標の正確な位置を把握することができます。
この呪文がかかった剣で、通常の武器は効かない敵にダメージを与えることができます。
この呪文は、永久的な魔力のかかった武器であっても普通に効果を発揮します。
レベル7魔法戦士魔法
ブレード・ダンス
出典=ロードス
基本消費精神力=21 距離=30メートル 効果範囲=個人
持続時間=一瞬
効果=剣(武器)の幻影が飛び、攻撃
種別=特殊
拡大=達成値、距離 抵抗=効果減少
この呪文を唱えると、持っている剣(武器)の幻影が飛んでいき、効果範囲の目標一体に攻撃を加えます。
早い話が、遠距離攻撃が可能になるわけです。
この呪文を受けた目標は、対応策を選択できます。抵抗を試みるか、回避するかです。
抵抗を試みる場合、普通の呪文と同じように抵抗します。
抵抗に失敗したら、
術者は普通の攻撃と同じようにダメージを算出し、目標は回避できませんが鎧の防御は有効です。
ただし、ファンブルで失敗したときは鎧の防御も無効になります。
抵抗に成功したら、術者は打撃力をマイナス10してクリティカルなしでダメージを算出し、
目標は回避できませんが鎧の防御は有効です。
回避を試みる場合は、術者も目標も、普通の攻撃と同じように処理します。
この呪文は、永久的な魔力のかかった武器であっても普通に効果を発揮します。
リフレクト・ソード
出典=ロードス
基本消費精神力=70 距離=接触 効果範囲=剣一本
持続時間=18ラウンド
効果=剣で単体呪文を反射できるようになる
種別=特殊
拡大=達成値、時間 抵抗=−
この呪文を唱えると、剣に単体呪文を反射させる力場を発生させます。
また、回復呪文などを受けるときに反射させないでいることも可能です。
ただし、剣で反射させるため、後方からの呪文を反射することは不可能です。
また、範囲呪文に対しては、この呪文は効果を発揮しません。
反射された呪文は、その呪文の術者に効果を及ぼします。
仮にその術者が”リフレクト・ソード”を発動させていても、もう一度反射することは不可能です。
しかし、”マジック・リフレクション”を唱えていた場合は反射可能です。このとき、
もう一度”リフレクト・ソード”で反射させることは不可能です。
一方、この呪文の術者が別に唱えた呪文を”マジック・リフレクション”で反射された場合、
これを”リフレクト・ソード”で反射することは可能です。
この呪文を、永久的な魔力のかかった剣で使うときは”アボーブ”(夢織オリジナルスペル)との併用が必要です。
レベル8魔法戦士魔法
ソード・バイブレーション
出典=ロードス
基本消費精神力=32 距離=30メートル 効果範囲=半径30メートル内にある棒状の金属部分を持つ武器全て
持続時間=一瞬
効果=武器を振動させる
種別=特殊
拡大=達成値、効果範囲 抵抗=−
この呪文は、自分の武器を振動させて、効果範囲内にある金属の棒状部分
(”ベンドバー”の効果になりうるものと同じ条件です)を持つ武器を振動させて、他人の武器を手から落とさせます。
効果を受けた武器を持つものは、この呪文の達成値を目標値とし、
(器用度ボーナス+戦闘技能レベル)を基準値とした成功ロールを行い、成功すれば落とさずに済みます。
失敗すれば当然、落とします。
この呪文は術者の武器以外、敵味方問わずどの武器も振動させます。使い時には一考が必要でしょう。
この呪文を、永久的な魔力のかかった剣で使うときは”アボーブ”(夢織オリジナルスペル)との併用が必要です。
また、永久的な魔力のかかった剣に効果を及ぼそうとするときも”アボーブ”が必要です。
一回の”アボーブ”で両方の条件を満たせます。
ブレード・ストーム
出典=ロードス
基本消費精神力=48 距離=術者 効果範囲=半径30メートルの空間内にいる敵全て
持続時間=一瞬
効果=剣の幻影が敵全員に攻撃する
種別=特殊
拡大=達成値、効果範囲 抵抗=効果減少
この呪文は、効果範囲内にいる敵全てに”ブレード・ダンス”の効果を与えます。敵の認識は術者の任意です。
乱戦時に絶大な効果を発揮するでしょう。
この呪文は、永久的な魔力のかかった武器であっても普通に効果を発揮します。
レベル9魔法戦士魔法
ソード・テレポート
出典=ロードス
基本消費精神力=45 距離=術者 効果範囲=術者、または剣
持続時間=一瞬
効果=剣を呼び寄せる。または剣の所に瞬間移動する。
種別=特殊
拡大=− 抵抗=−
この呪文は二通りの効果があり、どちらも術者が通常使用している剣と離れているときに使用します。
通常使用している、の条件はGMが判断して下さい。出来るなら愛剣と呼べるほど使い込んでいる方がいいでしょう。
またどちらの場合も、剣が破壊されていると呪文は自動的に失敗しますが、術者は剣が破壊された事実を知ることが出来ます。
”ソード・テレポート・マスター”は、術者が剣のある場所に”テレポート”します。
このとき、術者は剣を持った状態で実体化します。そのため、剣の周囲に一応の空間がないとこの呪文は自動的に失敗します。
また、鍵のかかった宝物室などに実体化したときは、後の脱出が大変でしょう。
”ソード・テレポート・コール”は、術者の手の中に剣が実体化します。この場合、
もともと剣が鎖などで縛られていても(魔法的なものでない限り)無視して効果を発揮できます。”アポート”と違って、
呼び出した剣はそのまま術者の元に残ります。
どちらの場合も、剣が鞘に収まっていたら、そのままです。使用した次のターンにいきなり攻撃しようとしても、
その前に鞘を抜かなければならないでしょう(鞘打ちするならいいですけど)。
この呪文は、永久的な魔力のかかった剣であっても普通に効果を発揮します。
この呪文を”サービス・アナザー”する事は出来ません。
ブレード・デュエット
出典=オリジナル
基本消費精神力=45 距離=武器が直接届く範囲 効果範囲=個人
持続時間=一瞬
効果=剣の幻影と同時に攻撃
種別=特殊
拡大=達成値 抵抗=効果消滅(減少)
この呪文を唱えると、剣の幻影が発生して目標を攻撃します。”ブレード・ダンス”との違いは、
呪文と同時に術者が直接攻撃を行えることです。事実上の同時攻撃になります。
そのため、この呪文を受けた目標は、回避が困難であり、術者の直接攻撃に対しては回避にマイナス2の修正を、
剣の幻影に対しては回避にマイナス6の修正を受けます。
ただし、これは呪文に対して抵抗を試みなかったときの話です。
目標はこの呪文に対して抵抗を試みることもできます。抵抗に成功すれば幻影は消滅しますが、
意識がそちらに集中するために、術者の直接攻撃に対してはマイナス4の修正を受けます。
抵抗に失敗すれば、直接攻撃に対しては回避にマイナス4の修正を受け、幻影の攻撃を無条件に食らうことになります。
どの場合も、術者が6ゾロを出すか、目標が1ゾロを出さない限り、鎧は有効です。
この呪文は、永久的な魔力のかかった剣であっても普通に効果を発揮します。
レベル10魔法戦士魔法
ファイナル・ソード
出典=ロードス
基本消費精神力=50 距離=術者 効果範囲=剣一本
持続時間=永遠
効果=剣と永久的な盟約を結ぶ
種別=特殊
拡大=− 抵抗=−
この呪文は、術者が一年以上主武器として使っている剣との間に特殊な盟約を結ぶものです。
条件を満たすなら、永久的な魔力がかかっていても問題なく効果を発揮します。
この呪文は、複数回唱えることは出来ません。二本以上の剣と盟約を結ぶことは(二刀流でない限り)出来ません。
この呪文を使用するには最低でも一日の準備が必要です。詳細はGMが決定して下さい。
例を挙げるなら、術者の血を吸わせるとか、清水につけるとか、火山の噴煙を浴びせるとかです。
盟約の内容はGMとPCが色々相談して決めて下さい。レベル10を限界レベルとするなら、
この呪文を使用するときは最終決戦直前という状況もあり得ます。それに備えた特殊な効果でもいいでしょう。
以下に例を挙げます。参考にして下さい。
術者が他の剣に乗り換えることが、剣が折れるまで不可能になる。(ロードス、推奨)
術者が使用したときのみ、攻撃力にプラスいくらかの修正がかかる。(ロードス)
術者が使用したときのみ、打撃力が上がる。(ロードス)
術者以外が触れると、”ライトニング・バインド”を発し、拒絶する。(ロードス)
術者が剣を手にしたまま殺されると、殺した相手に剣が復讐する。(ロードス)
術者の命と直結し、術者が生きている限り自己修復する。
術者が戦闘不能になったとき、自動的に術者を守る。
術者に戦闘の助言をする意志を持つ。
ある特定の敵に対してのみ、クリティカル値が大幅に低下する。(主に、最終決戦用)
回避力、ダメージ減少を持つようになる。
術者から1メートル以上離れることが無くなる。(”ソード・テレポート”が事実上不可能になります)
術者の生命力に応じたダメージを叩き出す。
術者のレベルに応じて能力が上がっていく。
術者が死んだらその場に刺さり、後継者以外抜けなくなる。
呪文使用時の達成値分だけの回数、「ロードスRPGでいう集中力」が使用可能になる。
集中力について
この能力は、何かが失敗したときに特殊なロールを行い、それが成功すれば失敗を成功に出来たり、 普通の成功だったときに、自動的成功に変えたりする能力です。
ソードワールドでは、ダメージの自動クリットというのも可能でしょう。 ソードワールドで使うときは、冒険者レベル+関連能力ボーナスである目標値をクリアするという形でいいでしょう。
感情とダイス目が一致しないことが多いTRPGにおいて、美しい状況を作ることが出来ます。
ただし、むやみに使えたりすると、ゲームバランスを木っ端みじんにしてくれますので気をつけましょう。
詳しくはロードス島RPGをご覧下さい。
ライトニング・ソード
出典=オリジナル
基本消費精神力=50 距離=接触 効果範囲=剣一本
持続時間=18ラウンド
効果=剣が電撃を伴う
種別=特殊
拡大=達成値、時間 抵抗=−
この呪文を唱えると剣を電撃が取り巻くようになります。この電撃は、攻撃目標が5差以上で回避に成功しない限り、
確実にヒットします。さらに、この電撃に抵抗するためには、
あらかじめ直接攻撃に対しては回避をせずに抵抗に専念しておく必要があります。
電撃のダメージは、抵抗に失敗した場合は打撃力30クリティカルありで、
抵抗に成功したときは打撃力20クリティカル無しで計算します。
この呪文をかけながら”ブレード・ダンス”等の呪文を使うことも可能ですが、幻影は電撃を持ちません。
電撃を帯びるのは術者の剣のみです。
この呪文は、永久的な魔力のかかった剣であっても、その剣が特殊な能力を持っていなければ
(普通の+1,2,3の剣ならば)普通に効果を発揮します。
その剣が火炎を纏ったり、知恵を持つなどの効果を持った剣ならば”アボーブ”との併用が必要です。
その場合、剣の持つ効果がこの呪文と相反しない限り、効果は重複します。
相反した場合は、呪文の効果時間の間、その効果が発揮されません。