消え去りし歴史
ARIMAR氏オリジナル設定「サテライト」


サテライトの伝説


 かつてサテライトという国は、一人の超人的な剣士によって建国されました。その剣士は、神ですら見放したと噂されていた危険な地にわずかな仲間とともに乗り込み、その地の修羅たちを全て打ち破って人々を絶望の中から救い出したといいます。その剣士こそ、後にサテライトの初代にして最後の国王となる「剣皇」ネディ・オラキルなのです。
 彼は、自分という一人の剣士の力で立ったこの国は、自分の死とともに崩れるであろうことを知っていました。それゆえ、魔法や学問の発展を促して国家の基盤を築き、自分の死後には民主制が行われるようにもしておいたのです。サテライトの基盤は、彼が一代で築き上げたと言って良いでしょう。サテライトで肉体の鍛錬も知識や精神の鍛錬と同様に重視されるのには、この偉大な剣士を忘れないという意味もあるのです。

 時が流れ、ベネディス族とサテライトとの死闘が繰り広げられたとき、サテライトには剣皇にも劣らぬ偉大な英雄がいました。彼はサテライト史上最高の魔導士であり、唯一人魔を統べるもの、魔統士の称号を受けた人物です。しかし、ベネディス族には、その彼を更に上回る、魔帝と呼ばれる恐ろしい指導者がいたのです。彼は闇の力を母体として数多くの魔物を生み出し、世界を恐怖に陥れました。しかもその魔力は大海を煮えたぎらせ、遥か海の彼方にいる軍勢をも指一本で壊滅させたほどだったといいます。
 そしてこの「魔帝」ギルゼオンと「魔統士」エルズー・フォング・サテライトは、最後の大戦の時にあいまみえることになりました。彼らの戦いは恐ろしいもので、星界から嵐のごとく隕石を呼び、空間ごと相手を異界へ飛ばし、山脈をも吹き飛ばす光線を互いに打ち合っても相手に決定打を与えられませんでした。しかも、たとえ相手を滅ぼすことが出来ても、第三者による蘇生呪文の可能性がある。それはたとえ魂を滅ぼしても同様で、偉大な指導者のために命を惜しまない者もいることだろう。
 そこで、エルズーは自身の精神エネルギーを、その存在の究極的な部分から全て一弾に変えてギルゼオンに放ち、互いの魂をその究極の部分から全て破壊し完全に消滅させてしまいました。もはや神でも、おそらくは始原の巨人でも甦らせることは出来ません。

名称不明(真の破壊)

基本消費精神力:無限大?
距離:不明
効果範囲:自分および他者一人
持続時間:永遠
種別:精神(?)、オリジナル、???
説明:完全に自分と相手を消滅させます。いかなる方法でも甦りません。
   推定サテライト魔法レベル25〜30。詳細不明。以上のデータは全て推測です。



サテライトソーサラー


 真魔法と呼ばれる、サテライトで発達した魔法形態です。この魔法系統は、高次元の存在の扱う奇跡の力をより純粋な形で使うことを目的としているので、複雑な身振りや、言語を唱える必要はありません。ただ精神を集中させ、純粋なエネルギーで魔法を行使します。
 魔法の発動体も必要としません。この魔法系統を習得している者は、他の魔法系統にもそれを応用することができます。(サテライトソーサラー技能レベル−5)までの古代語魔法と竜語魔法、上位ジャイアント語魔法と、(サテライトソーサラー技能レベル−8)までの精霊魔法、神聖魔法、暗黒魔法は、同じように身振りや言語、魔法の発動体なしでも使うことが可能になります。(もちろん、技能を修得していない者は使えませんが。)この魔法系統は確かに優れているのですが、精神にとても強く働きかけることが必要であり、失敗すれば魔法は使えません。また著しく弱った状態の者や未熟な者が扱えば、魔力が暴発し、命が危険になる場合すらありえます。これを考慮するなら、ある程度以上生命点を失っている者や集中が乱される状態にある者、又は低能力値で高度なレベルの呪文を行使しようとしたものに、達成値のペナルティーや、一ゾロでの暴発などを定めても良いでしょう。それはGMの判断に任されます。
 余談ですが、この魔法形態は強力ですが習得に多大な時間と努力が要されるために、次の魔法王国カストゥールは身振りなどを交えた魔法体系を築き、「魔力の塔」を建てることで永きにわたる修練を積まずとも、多くの魔術師が強大な魔力を行使できるようにしたといわれ、事実そのために繁栄を極めました。しかし、元々の身につり合わぬ強大な力を得た者たちは、そのために滅びることになったわけです・・・・・・。



テレパシー


 サテライトソーサラー技能レベルが1以上の者が行使できる能力で、相手の精神に自分の精神のイメージを伝え、感情などのおぼろげな疎通をできます。基本的に会話のできる程度の距離にいる者にしか使えず、伝わるイメージも曖昧ですが、レベルの上昇と共に、はっきりした意思を、より遠くの者に伝達できるようになります。また、通話中の相手の返答や感情なども伝わってきますが、これもレベルの上昇と共にはっきりとつかめるようになってきます。GMの判断しだいですが、6レベルもあれば通常の会話に困ることはないでしょう。相手が通話を拒否した場合は、(冒険者レベル+精神力ボーナス)を基準としたロールで相手以上の値を振れば、相手の感情だけはわかるし、自分が一方的に喋ることも可能です。失敗なら何も効果はありません。この能力は激しい運動の最中などには使えません。(ある程度以上の集中が必要だからです。)また、能力の行使中は1ラウンドあたり1点の精神力を消費します。消費を増やすことで、距離や成功値の拡大も可能です。


ベネディス族


 古代の上位種族の一つで、その外見は人間とほとんど同じですが、最大の特徴として白目が無く、目の全ての部分が瞳です。
 彼らは闇との結びつきが強く、神々の亜種族ともいわれる最古の種族の一つにあたります。
 神話の時代以降姿をひそめていましたが、サテライトの時代になって勢力を強め、世界の覇権を狙ったのです。彼らは闇の創造の魔力を使いこなし、数多くの魔物を生み出し手足としてつかいました。その中には、現在では滅び去った魔物も多いことでしょう。
 魔導士たちの奮戦によって、彼らはそのほとんどが滅亡しました。しかし、いずれ再び力を強め、その姿を現すかもしれません。最後の大戦における、サテライト史上最強といわれる「魔統士」エルズーと、ベネディス族の長である「魔帝」ギルゼオンとの壮絶な相討ちは、神々以上の死闘として、魔導士たちの記憶に刻まれています。



サテライトソーサラーについての補足


 彼らの間では、魔法学を学ぶ者のうち、サテライトソーサラー技能0〜4の者を「練生」、5〜9の者を「魔術師」、10〜14の者を「魔道士」といい、15以上にまで達した者を「魔導士」と呼んでいました。
 魔導士になったキャラクターは、精神の深淵にまで至ったとされ、無限に近く湧き出す精神力を得られます。その結果、毎ラウンド精神点が自動回復します。この回復量は、静かに集中している状態で精神力ボーナス分、それ以外ではその三分の一(端数切捨て)としてください。また、通常人間は魔力を用いても、精神の限界がくるために300年を超える寿命は普通望めませんが、魔導士となった者の精神は時の流れによって滅び去ることはまずありません。ですから、半永久の生命を得ることも可能です。
 また、精神は全ての者が平等に有しているものですから、たとえソーサラーとしての才能に欠けるものでも、サテライトソーサラーにはなることが出来ます。種族の制約もありません。ドワーフやグラスランナーでも習得は可能です。
 さらに、健全で強靭な肉体を持てば、より精神の深い領域にも到達しやすくなり、頭でっかちなだけでは、技能の満足な上達は望めません。魔道士には、器用度・敏捷度・生命力・筋力12以上と、知力18以上、精神力24以上が必要であり、魔導士なら器用度・敏捷度・生命力・筋力18以上と、知力24以上、精神力30以上が必要になります。これに満たなければ、それ以上の技能上昇は望めません(この必要値は人間の場合で、種族ごとに変えるといいでしょう)。逆に、それ以上の値やファイターなどの技能があればその強さに応じてレベルアップの必要経験値を下げるなどしてもよいでしょう(それゆえ、サテライトの魔法教育では同時に肉体の鍛錬も行われていたと言います)。



マインドヴォイド


 サテライトで作られた呪歌です。この歌の続いている間、聞こえる範囲にいる者は全て、あらゆるルーンマスター技能(サテライトソーサラー含む)の呪文達成値に−1されます。さらに、この呪歌の範囲内ではサテライトマスター(15レベル以上)の特殊技能による精神点の回復は起こりません。



エレメントヴォイド



 サテライトで作られた呪歌です。この歌の続いている間、聞こえる範囲にいる者は全て、精霊魔法の達成値に−1されます。また、精霊魔法を使って1ゾロを振れば、精霊は発狂します。発狂した精霊は、呪歌を止めても元には戻りません。この呪歌には、歌の聞こえる範囲内にいる全ての実体化している精霊の生命点と精神点に、1ラウンドあたり1点のダメージを与える効果もあります。



ラコニエル



 サテライトにのみ製法の伝わっている魔法金属で、きわめて軽く、丈夫です。魔力を帯びており、必要筋力は2分の1、攻撃力と追加ダメージに+2以上のボーナスがあり、打撃力に+10となります。サテライトでは武器・防具に使われ、また貴金属としても扱われていました。色は真紅に近い色、又は琥珀のような色です。



永久金属



 「真なる物質」とも呼ばれているこの金属(?)は、ラコニエルをすさまじい圧力と熱、そして魔力によって加工し、純粋なエネルギー体に近い状態、「真の存在力」の結晶のような物体(サテライトの魔導士達の表現で、彼らの間で発達していた学問の考え方です。よくわからない部分もあります。)にしたものです。当然サテライトのみで作られていましたが、恐ろしいほどの魔力と技術力でなくては加工できないため、彼らの間でも非常に貴重な物でした。その必要筋力やボーナスなどは永久金属の「純度」に関わっており、純度が高いほど軽く、強い武器が出来ます。この物質はほぼ破壊不可能です。また、純度100%ではただのエネルギーになってしまうため、純度100%の永久金属は製作不可能です。純度100%の永久金属を作るには、理論上無限大のエネルギーが必要になります。




ARIMARさんデータセンターに戻る。
冒険者の酒場に戻る。
グループSNEの世界に戻る。
夢織時代への扉に戻る。