有楽町帝撃通信局開局第二十話




扉を破る轟音
あやめ しまった・・・!誰もいない・・・。気配を悟られたか・・・。
人質は・・・?長曽我部さん、大河原さんは・・・?
叉丹 (声のみ)フフフフフ・・・、ハハハハハ・・・・!
人質は無事だ・・・。猿ぐつわをかませて、放送室の隅に転がしてある。
藤枝あやめ・・・、悟ったか・・・。
お前たちの振りかざす正義など、巨大な悪の前にはいかに無力であるかを!!
あやめ 葵叉丹・・・、姿を見せなさい・・・!
叉丹 見ているがいい!我らは必ず成功する・・・。
ここは、ひとまず・・・、さらばだ!いずれまた、まみえることもあろう!
楽しみにしているぞ・・・、ハハハハ・・・・
ハハハ・・・、ハハハハハハ・・・・・・・・・・!!!
あやめ なんてこと、また取り逃がすなんて・・・。
さくら あやめさん・・・!(近づいてきて)みんなは、みんなは無事ですか・・・!?
あやめ あ、さくらさん。ええ、そこ、そこの隅に、すぐ助けましょう。
さくら ええ、長曽我部さん・・・、大河原さん・・・。
長曽我部 ぶはあっ!・・・はあ・・・、ありがとう・・・!やっと・・・、やっと、来てくれましたね!
あやめさん・・・!
あやめ ごめんなさい・・・、遅くなって・・・。
さくら 大河原さん・・・。
大河原 あ・・・、ああ・・・。
長曽我部 あ、さくらさんまで・・・。どうして女優のさくらさんが・・・?
さくら あやめさんと相談して・・・、あたしたち、武道の達人が多いし、
それに、女だから、もし見つかっても油断するんじゃないかって・・・。
長曽我部 私たち・・・!?
さくら ええ、大帝国劇場、花組のみんなです。もうすぐ来ますよ。
長曽我部 そう・・・。ありがとう・・・!みんな、大変な危険を冒してまで・・・。
あやめ 大河原さん・・・?どこへ?
大河原 調整室・・・。放送・・・放送を続けなければ・・・。
長曽我部 そうです・・・。あやめさん。私たちには使命が、正義の電波を送るという使命が・・・。
黒之巣会などに負けていられません。奴らが流した悪の電波・・・、悪の影響力を払拭し、
(背景に、檄!帝国華撃団ピアノ編曲演奏が重なりつつある)
あの、私たちの有楽町帝撃通信局を・・・!
あやめ 長曽我部さん・・・。
さくら あたしもお手伝いします・・・!やりましょう!有楽町帝撃通信局を!
あやめ 私が・・・戦闘部隊帝国華撃団の副司令であることを・・・。
長曽我部 知っています・・・。叉丹が言っていましたから・・・。
あやめ いいんですか・・・、それでも・・・・。
長曽我部 だって、二人でやって来たことでしょう・・・。これからだって、二人でやっていく・・・。
いいじゃないですか、それで、それだけで十分だ・・・。
音楽、次第に大きくなり、終了の音楽へ続いていく。
あやめ 騙していたんですよ・・・。あなたを・・・。
長曽我部 ええ、見事に騙されました・・・。小気味よくね・・・。
でも、ここではいつものあやめさん。明るくて、知的で、そして美しいあやめさんだ・・・。
あやめ 長曽我部さん・・・。
長曽我部 あやめさん・・・。
あやめ 長曽我部さん・・・!
長曽我部 あやめさん・・・!
残念にも入る検閲音
大河原 もう時間になってしまった。長曽我部くん、来週に向けての挨拶を。
長曽我部 は、はい・・・。それでは。来週は、普段通りの放送をお送りいたします。
ね、あやめさん。
あやめ はい、楽しい放送を、ね。
長曽我部 そうですとも・・・、それでは皆さん、また来週、
あやめ
長曽我部
お耳にかかりましょう・・・!
さくら な・・・、長曽我部さん・・・。あーああ、倒れちゃった・・・。
あやめ よっぽど気を張っていたのね・・・。いいわ、寝かせといて上げましょ。
さくら そうですね。でも・・・、可愛い寝顔・・・。


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