少年レッド、総括

 少年レッドは、深川の千葉助氏が考えた紙芝居の傑作であり、お台場放送局においてそれがラジオドラマになりました。
 その内容を、簡単に説明していこうと思います。

登場人物

少年レッド

仮面をかぶり、赤い蒸気バイクに乗り、黒いコルトを手にした僕らの少年レッド。
その実、実は孤児で、湯川博士に拾われたと言ってもよいらしい。
湯川博士の娘マサエを常に守るのは、その恩故か、それとも・・・。
怪紳士エックスより本人の方が怪しいなどと、言ってはいけない。
ともかく、少年レッドは、帝都の平和を守るため、日夜戦い続けているのだ!
声優は李紅蘭嬢。

湯川マサエ

天才科学者湯川博士の愛娘で、博士の発明品を奪うにはまず彼女を人質にせよとの不文律が存在する悲劇のヒロイン。
これでも結構しっかり者らしいが、少年レッドへの想いは、いつもすれ違い。
毎回とんでもない目にあっているが、第四話では怪人にされてしまう。
声優は真宮寺さくら嬢。

湯川博士

日本が世界に誇る天才科学者で、物質瞬間移動装置、人間改造装置、超音波発生装置など、世界を震撼させるほどの発明をいくつもしている。
ラジオでは名前しか登場しないが、自分の研究室にとんできた怪紳士エックスの手下その1を人間改造装置で人格改造してしまうあたり、 どっちが悪人だかわからない気もするのだが・・・・・。
光録音盤を聞くところ、かなり変人である。

怪紳士エックス

帝都の闇に暗躍する謎の男。
湯川博士の発明を悪用し、世界征服を本気で狙っているとんでもない奴である。
本人は人間だが、いろいろと闇の者との取引などもあり、実はすごい人物なのだろうが、側近の手下は実に頼りない。
手下に自分を「ボス」と呼ぶように強要するあたり、欧米好きなのかも知れない。
第一話、第三話、第四話の黒幕であり、少年レッド最大の敵と言ってよい。
声優はなんと大河原元検閲官。

手下

怪紳士エックスの手下。
なんだか虎の威を借る狐どころか、鼠のようである。
一応人間なんだろう。多分。

怪人ミイラ男エックス

第二話に登場した、全身を包帯に包んだ怪しい男。
配下とみせかけて、実は同志のミイラ男たちを引き連れて、少年レッドに対しては包帯脱ぎ脱ぎで脅迫した恐るべき敵だった。
しかし、その実体は、今で言うアレルギーで包帯を巻いておかないとまともに行動できない人間であり、めでたく人間改造装置で体質を改善してめでたしめでたしとなった。
なんじゃそりゃ。

怪人ネコ女エックス

第三話、第四話に登場した、帝都に生きる闇の者。 要するに妖怪である。
手下にコウモリ男を二人従えている。
怪紳士エックスと協力関係にあり、少年レッドを陥れて湯川博士の人工ダイヤ製造装置を奪い、怪紳士エックスと共に帝都の闇より反逆ののろしを上げるはずだったのだが失敗。
しかし、こんな奴が帝都にはいるのである。

コウモリ男

第三話、第四話に登場した、ネコ女エックスの手下。
やはり妖怪であるが、結構いい人であった。

ストーリー紹介

第一話「怪紳士エックス」

帝都に暗躍する悪の一人、怪紳士エックスが、天才科学者湯川博士の発明を狙い、彼の娘である湯川マサエを拉致する。
湯川博士を尊敬する少年レッドは、怪紳士エックスの野望を阻むため、敢然と立ち向かう。
当初、ガンマ爆弾を目的にしていると思われた怪紳士エックスのねらいは、実は、さらなる新発明物質瞬間移動装置にあった。
少年レッドは、既に完成し、携帯出来る大きさとなっていたその装置を切り札に怪紳士エックス一味とやり合うが、 事態は怪紳士エックスのアジトにて二転三転する。
最後は、怪紳士エックスの手下の一人が物質瞬間移動装置を誤って使ってしまい、湯川博士の研究室に飛ばされたところを、 博士のさらなる新発明、人間改造装置によって、一時的に善人に変えられたが決め手となって、少年レッドは辛くも勝利した。

第二話「怪人ミイラ男エックス」

湯川マサエの前に、またしても、湯川博士の新発明を奪おうとする怪人が現れた。
幾人ものミイラ男を率いる怪人、ミイラ男エックスは、恐怖の脱ぎ脱ぎ攻撃で純情な湯川マサエを脅迫し、少年レッドを苦戦させる。
そのねらいは、人間改造装置。
彼らは自分の体質故に、包帯を常にまとわなければ動けず、その体質を変えるために人間改造装置を必要としていたのだった。
彼らを哀れんだ少年レッドと湯川マサエの判断により、彼らはあっさりと人間改造装置によって体質を改善された。
めでたしめでたし。

第三話「怪人、ネコ女エックス」

帝都に潜む闇の者、怪人ネコ女エックスとその配下コウモリ男その一と二によって、またも湯川マサエがさらわれてしまった!。
コウモリ男により、空を飛んで逃げるネコ女エックスを、少年レッドは追いかける。
少年レッドは超音波発生装置などで、品川から東海道線を舞台にしてチェイスを繰り広げるが、結局は逃げられてしまう。
空白の三日間の後、ネコ女エックスから脅迫状が届いた。
湯川博士の新発明、物質炭化光線銃と人工ダイヤ製造装置を持って、少年レッドは罠の中に飛び込んでいく。
そこに待っていたのは、黒幕、怪紳士エックス!
魔性の者と、悪人とが、善人ののさばる帝都を覆すための力と財力を求めて組んだというのだ。
しかし、この二つの装置は、連続して使ってはならないという特徴があったのだ。
試しに使った怪紳士エックスとネコ女エックスは、爆発に巻き込まれ、あえなく御用となった。
だがこのとき、すでに怪紳士エックスはとてつもない罠をしかけていた・・・・・・・・。

第四話「最強の怪人現る」前編

特にどうと言うことでもないが、普段通り仲の良い少年レッドと湯川マサエ。
いついかなる時でも自分を守ってくれる少年レッドに、思いを募らせるマサエであったが、 少年レッドは、湯川博士に受けた恩故に、その娘たるマサエを守りたいのだと言う。
その言葉に衝撃を受けるマサエ。
少年レッドにとって、自分は「湯川博士の娘」でしかなかったのか・・・。
心、千々に乱れるマサエの前に、怪人ネコ女エックスの配下、コウモリ男その一と二が、録音盤を携えて現れる。
そこから流れてきたのは、数ヶ月前に録音したという、怪紳士エックスとネコ女エックスの声!
そして、怪紳士エックスは、あの空白の三日間の間に、マサエにしかけていた罠を発動させる。
怪紳士エックスの奏でる笛の音とともに、マサエの中の悲しみが、最強の怪人、マサエックスとなった!
危うし少年レッド!どうする少年レッド!

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