さくらの部屋

さくら あ、大神さん。どうしたんですか。
大神 いや、少し話がしたくなってね。
さくら うふふっ、そうですね。あたしも、ちょうど大神さんとお話したかったんです。
大神 え?
さくら 今年のお正月に、あたしの実家に行ったときのこと、覚えてます?
大神 ああ、よく覚えているよ。
さくら あのとき、お祖母様と権爺に会えなかったので、二人が手紙を送ってきてくれたんです。
その中に、大神さんへのお手紙も入っていて。
大神 ええ?なんだか、怖いなあ。
さくら ふふっ、大神さん、結構鋭いかも。
大神 さくらくん、何が書かれてあるか読んだの?
さくら 大体、想像はつくんですよ。
手紙を読んで盛大にむせる大神。
そっとお茶を差し出すさくら。
穏やかな、春の昼下がり。




短編「春の日々にさよならを」
さくら誕生日記念小説



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