浪漫堂再録書庫に戻る。
太正浪漫堂 八(SS?)

太正浪漫堂 八 筆:ひでじい氏
今日は何回、身に余る光栄を 筆:夢織時代
│└それぞれの立場から興味深い推論が出される。 筆:ひでじい氏
「二階堂、やっぱり隠していやがったな。 筆:二階堂氏
│└二階堂が消えてからしばらくが経つ。  筆:ひでじい氏
「織姫さん!」  筆:魔女吉氏
│└「魔女吉さん、そう気を落とさずに…。」  筆:ひでじい氏
古の魔か、それとも・・・  筆:シスル氏
│└「みなさん、彼がシスル、その横がAi君です。」  筆:ひでじい氏
ちょっと番外編気味ですが…  筆:かとおおお氏
│├>「いいないいな、恋人みたい」♪ 筆:真神樹氏
│└まったく、油断も隙もあったものではない 筆:夢織時代
(現在許可待機中) 筆:猫侍氏
│└「猫侍くん。」  筆:魔女吉氏
「みなさん、『山海経』という中国の書物を 筆:無法地帯氏
│└「やりますね。さすがは漢学者。  筆:ひでじい氏
レスSSは初めてだわ!! 筆:BAT氏
│└「お、お客様、その格好では服が汚れてしまいます。」 筆:ひでじい氏
恥ずかしい・・ 筆:Rudolf氏
│└浪漫堂の面々がそれぞれご贔屓の 筆:イカルス星人氏
│ └聖の馬鹿ーっ! 筆:Rudolf氏
「ふう、平和はいいねえ〜」 筆:紀州人氏
│└「紀州人さん、やってますねえ。」 筆:ひでじい氏
「それにしても・・・」 筆:智士氏
│└「言霊か。智士もいいことを言うね。」 筆:ひでじい氏
(やっと話ができそうだな) 筆:クリアル氏
│└「ところでビッテン、さっきは何の話だったんだ。」 筆:ひでじい氏
「おお!!!」 筆:桜嵐氏

ひでじいです。一昨日は大阪に楽器の修理に... ひでじい氏
ひでじい氏
 ひでじいです。一昨日は大阪に楽器の修理に行ってきました。やはり車で行くと骨が折れる…。
 昨日は免許の書き換えがありました。(僕に優良免許証って…危険すぎる!)
 そして、今日、僕の仕事場のノートパソコンが動かなくなりました。(涙)


 すざまじい修羅場を経験した太正浪漫堂本館。しかし奇跡的に一人の犠牲者も出さずに魔を仕留めることに成功しました。
 今度こそ本当に宴会のスタートですね。

「まあ、これでうまいものが食えるかな?」(MOS)
「この放送作家を忘れてもらっちゃ困るなあ。」(魔女吉)
「取りあえず食べてください。」(BAT)

「ようやく本当の宴会が始まる。それぞれに思い思いの話をする、太正浪漫の世界。次回サクラ大戦 太正浪漫堂 八「生還の宴」太正櫻に浪漫の嵐!!」

「魔物は何だったのでしょう。」(夢織)
「さすがは卿だ。読みが早い。」(ミュラー)



 再びランプに灯が点され、暖かい光が白いテーブルクロスを覆う。廊下に並んで揺れている蝋燭の火とならんでそれは幻想的な光景だった。
 中央正面にかとおおおの案内で来賓の帝國歌劇團の米田支配人と藤枝副支配人兼総務課長を招く。その左にはミュラーと夢織が、右にはかとおおおとシュペーアが着席する。
 続いて二階堂とみおの案内で花組と大神、加山が招かれる。万雷の拍手の中、まずマリアを筆頭に着席を促され、最後に大神と加山が着席する。

「みなさん、今度こそお待たせしました。帝國歌劇團のみなさんをお招きしてのささやかな晩餐会を開きたいと思います。」穏やかで優しい夢織の声もきょうはテラスにまで響き渡った。
「夜も決して長くはありません。しかし、私たちは無事にここに帰って来られことに対して礼を言わなければなりません。「帝劇」のみなさん、ミュラー閣下や陛下をはじめとするみなさんのおかげです。どうもありがとうございました。」

「それから、今回、墓銘碑に名を刻まなかった幸運な怪我人を紹介したいと思います。」ミュラーが続ける。
「陛下、お願いしますよ。」夢織が手を挙げる。
「ああ、じゃあ行こうか。」別館からテラスを歩いてくるのはルドルフと聖である。
 その後ろでイカルスと南國、エズミに支えられてやってくるのは英爺であった。

「恥ずかしいなあ。」照れる英爺に、
「俺の方がもっと恥ずかしい。女の子に貸してやる肩をきょうは特別にお前に貸してやるんだぞ。」とイカルスが言った。
「全くいい友達だ。こんなところでも漫才してる。」南國は首をすくめた。
「詩人さん。さあ、胸を張って席につきなさい。」エズミが冗談めかして笑って着席を促す。

「それでは改めて乾杯の音頭を米田支配人とミュラー助教授にお願いします。」

 夢織の音頭と同時にミュラーの奢りで出された特上のシャンパンが智士、紀州人、クリアル、ビッテン、無法地帯、花丸らによってグラスに満たされていく。

「みんな、無事に帰ってきて何よりめでてえ。それじゃあミュラーさんよお。一ついくか。」
「分かりました。それでは、無事生還を祝してプロージット!!」
「プロージット!!」

 杯を交わし、それぞれが祝福の乾杯をする。古い友のイカルスと英爺、新しく生まれた友情を暖める二階堂とビッテン…。きょうはあまりにも多くのドラマがあった。万感の思いで乾杯を交わす。

「乾杯などという儀式は上役のやる、どうにも始末に負えないものだと思っていたが…。」黒火会がルドルフに話しかける。
「いや、乾杯とは本来はこういう儀式なのだ。」酒に弱いルドルフもきょうはシャンパンを飲み干して澄ました顔で言った。

「しかし、先程さくらさんや英爺さんを襲った魔物、あれは何だったんでしょう。」フレッシュジュースを片手に夢織が冷静に話を切り出した。
「夢織。さすがは卿だ。読みが早いな。私も考えていたのだ。」ミュラーは微笑してウエイターにシャンパンを注いでもらう。
「やはり見えない敵が我らを消そうとやってきてるのだな。」ルドルフが腕組みをして言った。ゆらりと揺れる蝋燭に照らし出された玲瓏な顔の聖が真剣な表情で頷く。
「古の魔か、それとも…。私には腹案があるのですが。」真神が分析の手ほどきを始める。
「真神はん、私も言わせてください。」そこに無法地帯や黒火会もやって来て独自の見解を述べあう。米田とかえでの前ではちょっとしたディスカッションが展開されはじめたようだ。

 一方、二階堂とビッテンは、と言うと…。

「二階堂、やっぱり隠していやがったな。お前「化け」学屋だったんだな!!いやあ、馬が合うと思ったんだよ。」
「ビ、ビッテンさん、その話はなかったことに…。」
「しかし、あの薬品どこで間違えたんだろうなあ。本当はホの字の薬だったんだが…。」
「ビッテンはん、見てたで。大した爆薬だったなあ。」振り向くと紅蘭の姿があった。
「言わないでくださいよ。どこでどう間違えたのか…。」
「ちょっと化学式見せてもらえまへんか。ふむ。あ、ビッテンはんこれちゃいますやろか。」
「あ、そ、そこか。この俺としたことがついうっかりやってしまった。」
「まあ、ようあることや。それよりビッテンはん、これをこうやると…。」
「紅蘭さん、それは禁断の…。」紅蘭、ビッテン、二階堂の顔が妖しく光っていた。

 大神と加山、さくらはみお、晃子、かとおおお、シュペーアらと談笑していた。

「しかし、中尉もやられますな。」咳払いをしてシュペーアが言った。
「さくらさんを躊躇なく庇っておられた。これは一波乱ありますな。」かとおおおが容赦なくあおる。
「あのときは無我夢中でさくらくんを庇っていましたから…。」
「そ、そうです。大神さんは一生懸命…。」少々どぎまぎしている二人に、
「大神い〜、役得はいいなあ。」と加山が混ぜ返す。
「加山、そういうお前にこちらの令嬢が紹介を求めてるぞ。」と大神が晃子を紹介して切り返す。一座は爆笑の渦に包まれた。

 カンナ、レニ、アイリス、織姫のところには、菫月、クリアル、櫻嵐、BAT、MOS、魔女吉、猫侍が集っていた。

「しかし、カンナさんには教えられまして…。」と頭を掻いて笑う櫻嵐の横で、
「無茶ですよ。櫻嵐さん。」と智士が苦言を呈した。
「まあまあ、それよりもお料理が来ましたから取りあえず食べてください。」にっこりとBATが微笑む。
「まあ、これでうまいものが食えるかな?」MOSが喜びの声を上げる。
「取りあえず食うとするか。」カンナが喜ぶ。
「ああっ!カンナが食べるとなくなっちゃうよ。」
「同感。」アイリスとレニが声を上げる。一座が沸く。

「姫、ようやく二人になれましたな。」織姫の横にはクリアルがすっと進み出る。
「ようやくあの化け学野郎も去り、あなたとこうしてお話できるようになりましたよ。」
「ちょっと待ってください。この放送作家の私を忘れちゃあ困るなあ。」一座の中では奇抜な衣服の魔女吉が進み出た。
「織姫さん、早速ですが次回のラジヲの出演をお願いしたいのです。」
「俺一人置いてきぼりかい。」猫侍は苦笑してかき回す。
「はあ〜、人気者はつらいで〜す。」織姫はスターらしく笑顔を振りまいていたが大神の方をちらりと見て少し嘆息した。

 奥のテーブルにはマリアとすみれ、そして南國、菫月、英爺、エズミ、花丸がいた。

「しかし、マリアさんの射撃には参りました。」英爺が感嘆する。
「本当にすごかったですよね。」さすがのエズミもあの正確な射撃には舌を巻いたようだ。
「いえ、私は大したことはありません。それよりお連れ様たちも相当の腕とお見受けしましたが。」マリアは淡々と返答する。
「しかし、すみれさんの長刀もすごかったですよね。」菫月はすみれを誉める。
「私も少し心得がありまして。大したことはございませんのよ。オーホッホッホ。」

「しかし、これを舞台に生かせないかなあ。」花丸の一言が座を変えた。その瞬間一座の者が一斉にメモを開けた。
「みんな、職業病だなあ。」英爺は怪我のせいで酒が飲めなくなったのを悔やみつつ、ホットアーモンドオーレをかき混ぜていた。

 ようやくに太正浪漫堂に華やかさが戻ってきた。夢織が、ミュラーが、そして多くの者が座を次々に回り杯を重ねる。アルコールが、珈琲が、フレッシュジュースが料理に添えられる。あまりにも粋な太正浪漫堂の夜がようやく始まった。
 ここは太正浪漫堂。煉瓦と彫刻に飾られた珈琲のおいしいお店。芸術と文化の交錯する場所、そして…。



 ひでじいです。抜けてる名前はないかなあ。今回はパアッと花開き状態ですよね。本文よりもレスSSが楽しみです。メンバーは入れ替わりがいっぱいできそうですし、余裕があれば僕もレスSSを書きたいなあって思っています。








夢織時代
今日は何回、身に余る光栄を
受けたことになるのかな・・・。

一日。

それをこれほど長く、そしていとおしく思えたのは久しぶりな気がする。
これほどの人々が、一同に集う浪漫堂の夜。
大事件も起きたが、それでも、全ての人が生きて、こうして笑顔を合わせることが出来る。
その笑顔たちをすっと見渡して、応えるように微笑みながら、夢織は語る。
限りない、感謝の言葉を。

そうそう、危うく命を拾った方もいらっしゃったのだ。
手当がとりあえず終わった英爺が別館からやってくる。
聖の処置はさすがである。
急所ははずれたとは言え、エズミとBATをかばったからには、その威力を直に受けたのである。
今こうして、イカルス、南國、エズミの三人に支えられてではあったが、自分の足で歩いている英爺を見て、
夢織はほっとしていた。

「それでは改めて乾杯の音頭を米田支配人とミュラー助教授にお願いします」

ここで乾杯の音頭を、飲めない自分がやるのも無粋であろう。

「いいのか、夢織」
「酒に関しては、お任せするしかありませんからね」
「けっ、夢織さんよ、まだ飲めねえのかい。だらしねえなあ」
「一二ヶ月で治るような物ではないでしょうに」

そんな他愛のない会話をしているうちに、どうやら全員に行き渡ったようだ。
二人にむかって、お願いしますという言葉の代わりに軽く会釈する。

そして、夢織は自分の選択が間違っていなかったことを確認した。



相変わらずのフレッシュジュースを片手にしている夢織は、
酒が入っていない分、どうしても思考回路が宴会的になってくれない。
この場に無礼と思いつつも、やはり、先刻の魔物の事を切り出してしまった。
しかし、ミュラーもルドルフも、さすがにこの程度のアルコールで思考が揺れるような軟弱な神経などしていない。
もちろん、そばにいらっしゃる聖の存在が、場を適度に引き締めていることもある。
そして、真神もやって来た。
つきあいの長い夢織にとって、彼の知識は実に頼もしい物だった。
さらには、無法地帯、黒火会。
いずれも、これらの知識は生半可ではないはずだ。

「まず、私が気になったことですが、あれは降魔でありませんね」
「その通りだ。少なくとも、俺が今まで見た中には、変身能力を持ち、物質の実体化が出来る降魔なんざいねえ」
「特性を考えると、日本古来の物ではないようです。そして、奴は逃げようとしたときこう言いました。『悪魔に卑怯はない』と」
「悪魔ということは・・・、西洋のデーモン、またはデビルと考えているんですね・・・」

夢織の言わんとするところを察して、真神が補足する。
もっとも、真神自身は、それとは全く正反対の推測を立てていたのだが。

「ええ。私はまずそう疑ってみたのですが・・・」

出来れば、この推測を否定して欲しい。
そう思いながら、夢織は、かつて星組が欧州で戦ったという軍勢のことを考えていた。

**********************************
こんばんは、夢織時代です。
なんかぜんぜんまとまってません。ごめんなさい。
また今回も、あんないい席であんな役をやらせていただいてありがとうございますっ!

今回、何だか久々に、何人もの方のお名前を使わせていただきました。
なんか、合わなかったらごめんなさい・・・・。

翌日になってから修正ぶっかました夢織でした。

追伸、最後の部分のネタは武臨さんのものです。ごめんなさい・・・。

さらに追伸、七で真神さんが推測を始めていらっしゃるのに後から気づいて、ちょっと修正・・・。

ひでじい氏
 それぞれの立場から興味深い推論が出される。夢織はその全てに否定をせず、可能性を探っていた。このような夢織の素質はミュラーによって感化された点が多いと彼自身が語っている。

 そんな彼を思索の海から引き戻したのは二人の人物の来訪によってだった。
「夢織さん、今帰りましたよ。」
「ああ、シスルさんじゃないですか。」
「今妙な壁に阻まれていたんですがようやく帰還できました。」

「あれ?こちらの方は?」見慣れない顔を見つけた夢織が尋ねた。
「今度お邪魔させていただくAiと言う者です。よろしくお願いします。」
「夢織といいます。近くの大学で歴史を教えています。よろしくお願いします…。そうだ、みんなに紹介しましょう。」そういうと夢織はシュペーアとともに各テーブルを回った。

「本当に気の効く人だ。」ミュラーが苦笑する。

 夢織さんに遅れた二人の紹介を頼んでしまいました。

二階堂氏
「二階堂、やっぱり隠していやがったな。お前「化け」学屋だったんだな!!いやあ、馬が合うと思ったんだよ。」

「ビ、ビッテンさん、その話はなかったことに…。」
「なんだ「化け」学屋だと何か具合でも悪いのか?」二階堂の様子に、ビッテンは片眉を釣上げる。
「いやあ大学でちょっと専攻してみただけで(爆)、あくまでも趣味の一つなだけです。なんといっても、実際の本業はシェフ!っつーか料理人ですから。」
「はあ?…お前、エンジニアって言ってたじゃないか。」
訳が分からんといった様子のビッテンに二階堂は、人差し指を立ててチッチッチッと軽く振った。

「ふっふっふ、エンジニアとは世を忍ぶ仮の姿(忍ぶ必要あるのか?(笑))なんですよ。僕、これでも料理上手いんですよ。」
「得意な料理は○酸シチューとか、べ○ゼンカレーとかはよしてくれ。」
「ひどいなあ、一応夢織さんは美味しいって言ってくれたんですよ。」



「へぃくしゅっ!…し、失礼。」
ミュラーらと先刻の魔物について論じている夢織に悪寒が走る。
「寒いのか、夢織?」ミュラーが訊ねた。
「いえ、なんだか寒気が…」
「ふむ、ほんの一口どうだ?暖まるぞ。」ミュラーは、己の手の中のグラスを差し出した。
夢織はミュラーの好意をありがたく思ったが、生憎酒類は匂いですら…という態なのでやんわりと固辞した。
「さあ、話を続けましょう。」



「…じゃあ、ビッテンはん期待してるで。」
「朗報をお待ちしてますよ。」紅蘭と二階堂は爛々と瞳を輝かせている。
「任せとけって♪」ニヤリと返すビッテン。
「「「ふっふっふ」」」
ビッテン、紅蘭、二階堂らまっどサイエンティスターズ(笑)で何やら怪しい計画が進行されようとしていた。

「あ、そうだ!」怪しい密談(笑)が一段落すると思い出したように、二階堂が声を上げた。
「「な、なんだ?/なんや突然?」」ビッテン、紅蘭ともに驚く。
「さっきの事ですよ、「百聞は一見にしかず」です。お姫様方もいらっしゃる事ですし…」
「ま、まさか…」ビッテンの額に嫌な汗が一筋。
「ふっふっふ♪アメリカで仕入れてきた料理でも披露しましょうかね。」

「に、二階堂はん料理出来はるんか?」紅蘭は軽く驚きの色を示す。
「任せて下さいっ和食、洋食何でもござれ。あ、中華も少しは出来ますよ。」得意げに胸を張る二階堂。
「ほぇ〜えらいわ〜。カンナはんもおることだし、ここは一つ腕を見せてほしいわ。…?なんやビッテンはん。」純粋に興味を示していた紅蘭の袖を横にいたビッテンが引っ張る。
「紅蘭さん、あいつの腕前が良いとは限りませんよ?下手の横好きって言う事もあるんですから。」ビッテンの言葉に、二人して二階堂を見やった。

「ふんふん♪何を作ろうかな〜♪」すっかりやる気の二階堂が目に映る。
「うわぁ〜、やる気満々じゃないですか。」
「ま、まあまあ。上手いかもしれへんやろ?」
「…希望的観測でない事を祈りますよ。」


ここは太正浪漫堂。煉瓦と彫刻に飾られた珈琲のおいしいお店。芸術と文化の交錯する場所。
そして今宵も…

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どもども、どうやら「マッドサイエンティスターズ」に仲間入りしてしまった二階堂です(笑)
ちなみに「化け」学は不得意分野なんですけど(苦笑)

謎解きは主要メンバーの方々にお任せして、楽しませてもらってます♪(すみません)
こんなに楽しんでて良いのかなー(^^;)

えー、ビッテンさん、夢織さん、ミュラーさん、勝手にお名前を拝借させていただき、大変失礼しました。
多謝です。

でわ、九を楽しみに…
エニグマはいつも取っておくタイプ(単に天邪鬼とも言う(笑))二階堂でした。

ひでじい氏
 二階堂が消えてからしばらくが経つ。

「本当に料理をつくっているのか?」ビッテンは待ちきれないようだ。
「ちょっと覗いてきますね。」MOSとBATが走っていった。そして彼らが見たものは…。

「そっちの蒸籠の茶碗蒸しはどうなっている?」
「あと3分です。」
「仕上げのミツバの入れるタイミングを外すな!」
「分かりました。」
「洋食班の鱈のソテーのオレンジソース添えはどうなってる。」
「ソースは終わりました。」
「中華班、エビシューマイは。」
「米粉の衣が透けてきてます。」
「よし、一気にみなさんにお届けしろ。」

 そこには浪漫堂別館厨房の鬼と化している二階堂のもう一つの姿がった。

「二階堂さんすごい。」
「本物のシェフだったのかな。」MOSとBATは顔を見合わせた。

 ひでじいです。ちょっと書きすぎましたかね?

魔女吉氏
「織姫さん!」
魔女吉は織姫に顔を寄せる。
『なんならわたくしめが、大神さんとのユニットをプロデゥースしますよ』
そっと耳打ちする。
『共演が結婚のきっかけなど芸能界では良くある事。さあ、どうです?』
目の色を変える織姫。

『くくっく。そうだ、いっそのこと大神を結婚させてしまえば、加山は焦る
そこでつっちーとのユニット組ませて一気に話題がさらえる!』
しかし、魔女吉の後ろにジト目の影。

「はわぁ!し、真宮寺さん!まさか今の話・・・・」
「ええ、聞かせていただきました。大神さんがどうとか?」

背中には真剣が付きたてられている。

「や、やだなあ。ちょっとした企画の段階ですって♪そうだ、なんなら貴方が・・・。」
「酷いデース!さっきのは冗談だったですかー!」
「魔女吉さん、貴方という人は・・・。罰として土蜘蛛さんの写真没収!」
懐から秘蔵の写真が抜き取られる。

「ああ、それならいっそ必殺技当ててくださいー!」

悲しみにうちひしがれながら、好物のカキアゲ丼をむさぼる魔女吉がそこにいた。


*****************************************

こんなRESでいいのかしらん?
とりあえずシリアスな展開と絡むのはこの人数じゃ無理そうだしなー。
ではでは♪

ひでじい氏
「魔女吉さん、そう気を落とさずに…。」ふと目を上げると見たことのある人間が立っていた。左腕を三角巾で吊ったネクタイにベストのこの男。そう、もとはと言えば彼の何気ない一言で魔女吉の平凡なディレクター人生が消えてしまったのだ。魔女吉を修羅の道に追い込んだ男。その名は…。

「ひ、英爺、貴様あ〜。」
「ま、待て。ラジヲ、大盛況じゃないか。」
「その大盛況のおかげで、私の人生は粉々だあああ!!」
「で、次は誰にするんだい?」悲しいかな、魔女吉はこの一言で職業モードに移行してしまった。
「やはり聴衆もより刺激の強いものを求める傾向にあるからな。実は帝劇の方にもお願いにいってるんですがね。…ボソボソボソ。」
「ほほう。」

 こちらでも密談が始まったようである。

ひでじいです。ありがとうございます。こんなレスでよかったでしょうか。

シスル氏
古の魔か、それとも・・・

そう、このシスルなんでし。シスルは土蜘蛛と並ぶ日本古来の先住民
族(笑)クマソ(だったか?)の生き残り、節操無しのシスルは先はマリ
アから、果てはマルグリットさん(笑)まで手に入れるために・・・

冗談はここまでにして、なんか参加人数が異様に増えてません?浪漫堂ウォッチャー(?)なシスル
はこの先かなり心配です。キャラ別にストーリーを書かなきゃいけなくなったりして・・・

まあ、どのような活躍を皆様がなさるのか、歴史の生き証人(笑)シスルがしかと見届けたいと思います。

ひでじいさん、余り無理をなさらずに(笑)
でわ

ひでじい氏
「みなさん、彼がシスル、その横がAi君です。」夢織が穏和な声で周囲に紹介する。
「シスルです。よろしく。」
「Aiです。新顔ですがよろしく。」二人のもとに珈琲が届けられる。

「こうだから浪漫堂はこたえられない。」シスルは本当にうまそうに珈琲をすする。
「確かに僕の飲んでいた珈琲とはひと味違いますね。」Aiも続く。そして、

「お食事中申し訳ありません。夢織さんの紹介で…。お初にお目にかかります。私真宮寺さくらです。よろしくお願いします。」
「自分は本日大帝國劇場総務課に勤務を命じられました大神一郎です。お初にお目にかかります。」

 帝劇スターの真宮寺さくら。噂の大神一郎。この二人に帰国早々こんなにあっけなく会えるなんて…。シスルは思わず右手のサンドウイッチを落とした。

 シスルさん、こんなものでいかがでしょうか。

かとおおお氏
ちょっと番外編気味ですが…


 みお、晃子、かとおおお、そしてシュペーアの4人は、大神、加山、さくらと共に奥のソファに陣取っていた。

「いやあ、うち感激やわ〜。ほんまもんの大神さんの隣に座れるやなんて〜」

 興奮すると、つい関西弁が出てしまうみお。

「おいおい、みおくん。あまりくっつかないで…」
「ええやないの。ほらほら、もっと飲まなあかん。(飲まして酔いつぶして、その後は……ニュフフフ)」

 いったい何を想像してるんだか。(笑)

「わ〜い。加山さんと一緒だなんて感激ですぅぅぅっ」

 と、これもご機嫌な晃子。

「はっはっは。いやあ、晃子さんにそう言われるなんて俺は幸せだなあ」
「あ、ありがとうですぅ〜。ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ」
「お。よし、俺も負けんぞ。ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ」

 思わず踊り出す息のあった二人。まるで夫婦みたいだ。(爆)

 一方こちらではさくらを挟んでシュペーアとかとおおおが談笑している。

「いや、こうやってさくらさんとお話できるなんて光栄の至りです」
「いかにも。さくらファンの我々としては身が震える思いですな」
「うふふ。ありがとうございます。あたしもお二人にお会いできてうれしく思ってます」
「ははは。さすがは帝劇の女優さんだ。そつのない受け答えですね」
「あら、そんな…。今のはあたし個人としての感想ですよ。ほんとにすてきなお二方ですし」
「おお、さくらさんに面と向かってそう言われると照れますな。どうです、あちらの方でダンスでも」
「おっと、シュペーア殿。抜け駆けはいけませんぞ。ほらほら、夢織さんが恐い顔で睨んでおられます。ここはひとつ、フェアプレーでいきたいものですね。さくらさんはここにいる皆のものでもありますから」
「おお、ワン・フォー・オールですか。これは一本取られましたな」
「はっはっは。昔グラウンドでしごかれたお返しということで…」
「あの、どうです、かとおおおさん。お酒のおかわりは?」
「いやいや、レディの前ですからもうよしましょう。あ、そうだ。もしよろしければ、かわりにアイスコーヒーをいただけませんか?」
「はい。どうぞ」
「これはこれは、ありがとうございます。うん、うまい! さすがさくらさんのいれたアイスコーヒーは一味違う」
「おやおや、ひょっとしてかとおおお殿も抜け駆けするおつもりですかな?」

 軽口を言いあっている3人だったが、不意にかとおおおが飲んでいたアイスコーヒーを吐き出してしまった。

「ゴホッ、ゴホッ! うう……」
「ど、どうしたんですか、かとおおおさんっ」
「いや、ちょっと悪寒が……(なぜか精神的な攻撃を受けたような気がする…。しかしいったい誰が……?)」


 その頃、別のテーブルにいたエズミは、ひそやかな笑みをもらした。

「ふふふ。大成功だわ」
「あの、エズミさん。今なんとおっしゃったんですか? ちょっと聞き取れなかったんですが……」
「いえいえ、こちらのことです。さ、英爺さん。もっとじゃんじゃん飲みましょう!」


 そして、宴たけなわとなった頃、浪漫堂の常連の一人が舞台に上がった。
 手に持ったウクレレを掻き鳴らす。

「♪あ〜〜あ、やんなっちゃった。あ〜〜あ、あ〜あ、驚いた〜」

「おお、真神さんだ」
「真神さん得意のウクレレ漫談がついに出たぞ!」
「流石は『太正浪漫堂の牧伸二』と呼ばれるだけある(爆)」
「待ってましたっ!」

 緊張の後には弛緩を……。戦いの後にはばか騒ぎを……。
 太正浪漫堂の夜はまだ始まったばかり……。




う……。あやうくイロモノになるところだった。(爆)

さて、エズミはかとおおおにいったい何をしたのか?
真神がどうして「浪漫堂の牧伸二」なのか?
謎が謎を呼ぶこの展開! まて次号!!

最後に、勝手にお名前を使った皆さん、敬称略で申し訳ないっす。m(__)m

真神樹氏
>「いいないいな、恋人みたい」♪
顔で笑って心で泣いてぇ♪
それでも私は外交官♪
ホントの気持ちは見せられない♪
あ〜あぁやんなっちゃうな♪
あ〜〜あ〜あ寂しいな♪

陽気なウクレレの調べと何処かシニカルな語り口が奇妙なバランスを醸し出す即興芸。
真神の視線は英爺、エズミ、そしてかとおおおの三人を順番に巡っている。

ジャン♪

全ての弦をかき鳴らして短い演奏を終えると、彼は人の悪い笑みを浮かべて、主にかとおおおの方に、慇懃に一礼した。

おおお!?

座がどよめく。
そこにいるのはほとんどが酔っ払いだ。
そして、真神の仄めかしが理解できないほど酔っている訳ではない。
ニヤニヤ笑いが、一斉に青年外交官へ浴びせられる。
そして、仲良く並んで座っている英爺とエズミへそのまま移動する。

「かとおおおさん…これで終わりではありませんよ!さあ、今日は飲みましょう!!」

シュペーアの顔には、隠し切れない同情の色が浮かんでいた
かとおおおは事態を漸く理解した。

「ちがーう!!」

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

英爺さん、エズミさん、シュペーアさん、勝手にお名前を使わせていただきまして申し訳ありません。m(_ _)m
かとおおおさん、これじゃアラシの一歩手前ですよ……(責任転嫁)

夢織時代
まったく、油断も隙もあったものではない。

夢織は苦笑気味につぶやいた。

もはや愛飲していると言っても良いフレッシュジュースを注ぎながら、
ふといやーな予感に捕らわれて見てみれば、
かとおおおとシュペーアがさくらさんを挟んで、なにやらやっているではないか。
まあ、最初の頃はにこやかに談笑しているだけだったが、
シュペーアがさくらさんの手を取るような仕草をしたとあっては黙っているわけにはいかなかった。
そのまま魔術を発動するかのような視線を放つと、かとおおおが気づいた。
どうやら止まったようである。
まあ、これで、抜け駆けをしようなんて気は起きないだろう。
かとおおおには、おや、別のところから、何かを受けているような・・・。

そんなことを考えていたら、ふと立ち上がった者がいる。
ウクレレを持つ姿は初めて見たので、一瞬わからなかったが真神ではないか。
堂に入った、なかなかの演奏である。
彼がこれほど上手いとは、恥ずかしながら知らなかった。
どちらかというと、真神は博識の学者としてのイメージを強く持っていた夢織である。
そう言えばさっき、英爺の手当をしようと言うときに、真神は魔物のことを調べていなかったか・・・。

駄目だな。

自嘲気味に夢織はつぶやいた。
酔えないということは、宴にどうしても入りきれない・・・。
自分に呆れながら、なんとか口元を引き上げる。
かろうじて、苦笑の形にはなってくれた。
それでも、この楽しい場において、先ほどの魔物のことを考えずにいられない・・・。
ふと気づけば、そばにいたミュラーに愚痴をこぼすように話題を出してしまっていた。

************************************
こんばんは、夢織時代です。
かとおおおさん。
夢織のさくらくんファンの面目躍如なシーンを入れていただきありがとうございますっ!
ようし、これで心おきなく話に入れるぞ。

シュペーアさん、なんだか勝手にやってしまってすみませんでした。

二階堂さんの部分でくしゃみをするシーンは、話を途中まで言った後に入る感じでしょうかね。

しばらく珈琲を飲んでいないなあと思う夢織でした。

猫侍氏
現在許可が頂けるのを待っております。






魔女吉氏
「猫侍くん。」
魔女吉は早食いの技能を生かして食いながら話掛ける。
「その刀、やっぱり『〜剣』とか『〜刀』とか付くのかな?」
じろじろと見ている魔女吉。
先祖代代1千年の間農耕の家系の人間である。刀は珍しかった。
「ええ。これは『異妍律砲神叉剣』といいます。」
嘘だった。
「そうか、僕はてっきり『妃阿曽美機剣』だと思ったよ。」
出鱈目だった。
こなしたメニューの方はラーメンから始まって二人で約40種。猫侍には限界がきていた。
「げふ、ま、魔女吉・・・もうそろそろ締めないか?」
「だらしない男だな!男子足るもの特盛り2杯食べた後食い放題の焼き肉屋で30人前だろ」
「あの?もしもし?私はその・・・。」
「男子足るもの、黙して食うべし!黙って食おうではないか!」
「だから、あの。」
「喋る暇が有るなら咀嚼しろ咀嚼!途中から入った人間はダーターだ!」
「いや、咀嚼とかダーターとか言う前に私はね、」
「ならば噛まずに飲み込め!タダなら吐いて食うのが男子の本懐!」
魔女吉にとって猫ちゃんを連れてる人というだけでその正体は気にも掛けなかった。
「気にしろー!私はお、ムグ。」
「美味かろうが。タンドリーチキンの絶品さは帝都一かも知れんな。」
魔女吉も死ぬほど下戸だった。
下戸の逃げ道は食べる事。
かれの大食はそこからスタートしていたのだ。
しかし、猫侍は良い迷惑だった。

******************************************

勝手に出した罰です<嘘

ホントは女性でしたよねえ。
でも、アルコール駄目人間として、アルコールを回避するなら死ぬほど食う。
これが良いですよ。<俺だけ?
で、「あ、ちょっと気分が。」とかいってただの食い過ぎなのを誤解させる。

猫、可愛いですか?<猫だけかい!
フリスキー魔女吉でした。

撤退!

無法地帯氏
「みなさん、『山海経』という中国の書物をご存じですか?」

唐突に話し出す無法地帯。
突然脈絡のない話をして注目を集めるという、彼のお決まりのパターンである。

「たしか…中国国内の妖怪とか化け物を集めた書物でしょう?
 しかし突然なぜこんな話を?」

「知ってはる人がおるなら話が早い。極々簡単に言ってしまえば、“妖怪図鑑”ですが、
 これは当時の旅行ガイドマップでもあった訳です。」

「え?まさか、そんな化け物が実在したと?」

「う〜ん、そこの判断が難しいとも思うけど…
 わかりやすく言えばや、そうやな「ゴリラ」っておりますやろ?」

「あぁ、博物館で剥製なら見たことがある。」

「そう、今でこそ研究がすすんで、ゴリラは空想の生き物やない、実在の動物や、ということになっとります。
 けど、それもたかだか50年くらいしかたってないことや。
 それまでは、巨大なサルとか原始人の生き残りとか言われてたモンですわ。」

「う〜ん、つまり“化け物だから存在しない”というわけではないと…」

「もう少し正確を期して言うなら、
 化け物と思わしき描写であっても、存在しない理由にはならないということですね?」

「そお〜です。当時は“博物学”なんてなかったもんですから、
 稀少な生物はすべて霊獣や神獣扱いだったんでしょうな。
 あと、少数民族に対して“人間に似て非なるモノ”扱いだったことが伺えます。」

「それじゃあ、龍とかも居たのかな?」

「居た!と言い切れるわけではないですが、こんな説があります。
 千年以上前の中国は、今と気候がことなり、どちらかというと熱帯に属す環境であった。
 それが都市を建設するに当たり、広大な平野を確保する意味もあったんでしょうが、森林を伐採しまくり…」

「砂漠と化していった…そうだろ?無法地帯くん」

「あらら、英爺さん、もう大丈夫なんかいな?」

「環境に関する話であれば、地質学者としては黙ってられないな。」

「『釈迦に説法』になってしまいましたな…
 まあ、古代中国は熱帯であったおかげで生きられたけれども、今は住めなくなった動物がいます。」

「それは何ですか?」

「ワニです。」

「わにぃ?!」

「そう、今は中国にいないから  あれ?いたっけかな? 
 まあ、勘違いされることもありますが、龍とはつまりワニのことではないかと。
 『龍を喰ったら鶏肉のような味がした』というような記述もあるとか、ないとか…」

「そういえば、西洋の“ベヒーモス”っていうモンスターは、その描写から
 単なる“象”かもしれないって話を聞いたことがありますぅ!」

「そうでしょう?
 さて、話が少々横道に逸れましたが、日本にも『山海経』があった、といったら驚きますか?」

「そりゃあ、あるでしょうとも。百済の王仁が持ってきたのかどうかは知りませんけど。」

「そうじゃなくて、日本人が『山海経』をもじって書いた本があるんです。
 『山海怪妖蒐集録』というんですがね、時代は戦国時代頃かいなぁ、
 書いた人は元侍で、合戦のために日本中駆け回っているときに聞いた、
 その地方地方独特の生き物や、怪物の話なんかを集めたもののようなんだけれども。
 その中でですな…

 『嘗テ王子タルガ魔ニ魅入ラレ両ノ肩ヨリ蛇ヲ生ヤス。
  元ヨリ人タレバ、蛇ヲ除キ人ト変ワル所無シ。
  沙漠ノ國ヨリ来タリシ故、水ニ弱シ。』

 という記述がありまして、あの触手を‘蛇’として表現したんですな。
 おもしろいことに、この怪物、イランにその伝説があるんですわ。
 ザッハークとかいう蛇王。」
 
「それじゃあ、砂漠の国って、イランのことかな?でも何故日本に?」

「う〜ん、昔っから、ペルシャ、今のイランやな、と貿易しとったみたいやし、
 ほら、正倉院のお宝、ペルシャ産いうやないですか。
 となったら、輸出品の中に紛れて日本まできたとか…」

「でも、水なんか無くても倒せたし、銀の弾に弱かったし、
 シルスウス鋼でたじろいでたし、別物なんじゃないの?」

「・・・・・俺も、解説しながら薄々感じとったんやが…
 そこまでストレートに言わんでもええんちゃうの?
 まあ、その解答はあそこにいらっしゃる人が出してくれるやろ…」



***************************************

毎度どうも!!無法地帯です。
種明かしなどと言われて、無い知恵を絞ったものです。
『山海怪妖蒐集録』はフィクションです。念のため。

本当の正体は真神さんが見つけてくれるでしょうか?
それとも、直接攻撃を受けた英爺さん?
よねちゅうの存在も気になる…

さてさて、続きが気になるところですが、
なにはともあれ、風邪などひかず
『頑張って!英爺さん!』
 
 

ひでじい氏
「やりますね。さすがは漢学者。必ず文献から入りますね。」無法地帯が振り返ると真神が立っていた。
「ああ、真神はんか。」
「ようやく直接お会いすることができました。無法先生。先日の政府調査団では過去の漢文解析に抜群の成果を発揮なさったとか。」
「いやいや、それは考古学者のイカルスはんの大胆な推理に一枚乗ったからですわ。」
「漢学者なら保守的な考えを持つ方が多いのですがあなたは大胆な切り口で文献を切られますね。」
「いつもですけど温故知新を常に心がけるようにしてますわ。」
「ところでさっきの件ですが詳しくお聞かせ願えませんか。」真神と話す無法地帯の横にはミュラーと夢織が早くも立っている。
「なかなかに鋭い人たちですな。…分かりました。まだイカルスはんと英爺はんにしか話してない仮説ですけどお話ししましょう。無法地帯の細い目がきらりと輝いた。


無法地帯さん、レスSS遅れてすみません。次にボールを投げるのでよろしいでしょうか。



BAT氏
レスSSは初めてだわ!!
 そう言えば私ここにレスするの初めてだわ。でも私も書いちゃぉ。


☆☆☆

小さな親切大きなお世話。

 BATはみんなのところから離れてカウンターへと向かった。
 カウンターではウェイターが忙しく動き回っていた。それを手伝おうとしているのだ。
「あの、手伝います」
 ウェイターはさすがに人数が足りないらしく、快く仕事をくれた。(そりゃ、夜中だもんね) 仕事は大皿に盛られた料理を運ぶことだった。
 普通なら一枚ずつ運ぶのだろうが、BATは何を思ったのか片手に二枚ずつ持って運びだした。
「お、重くないの?!」
 ウェイターは驚いて声をあげた。
「それよりも袖が邪魔ですね」
 平然とBATは応えている。
 だけど頭のなかはどうも違うことを考えていた。
(偽者のイカルスさんに近づいたから皆さんに迷惑をかけてしまったわ。おまけにまだ英爺さんにお礼を言ってないけど、今行くのも邪魔になっ
てしまうし…後にしたほうがやっぱりいいのかしら……)
 どんどん落ちこんでいくBATは、やっぱりお手伝いをして今はなにも考えないほうがいいという結論を出した。

☆☆☆☆

 と、いうことでひでじいさん助けてくださって有り難うございます。

 『小さな親切大きなお世話』これが私の標語ですね(爆)。
それではウェイトレスの格好になりたい(?)BATでした。失礼致します。

ひでじい氏
「お、お客様、その格好では服が汚れてしまいます。」ウエイトレスが心配してBATに申し出るがBATは聞こうとしない。ウエイトレスはカウンターの主任に相談に行く。黒の蝶ネクタイにスラックス、ベルトの主任らしき人物はまだ30歳前の若そうな男性であったが、BATに近づくとこう言った。

「お客様…。」
「大丈夫です。お願いします。手伝わせてください。」BATは実際忙しくカウンターとテーブルの間を動き回っている。予想以上の人数が集まっているので料理や飲料の手配が大変なのだ。
「いえ、ぜひお手伝いをお願いしたいのです。ただ、その服では汚れますから、ウエイトレスの服にお召し替えいただければと思いまして。」
「ええ!!ありがとうございます。」BATの目が輝いた。
「一度でいいからやってみたかったんですよね。」ウエイトレスの後を喜々としてついていくBATを見て主任はOKの合図を夢織に送った。夢織は深々と主任に頭を下げた。

 ウエイトレス姿で品々を配るBATを見て一同は驚嘆した。

「へええええ!!」
「すごいよ。本当にウエイトレスさんみたいだ。」
「何か見違えるなあ。」花丸、二階堂、MOSが驚嘆する。

「か、可憐だな…。」イカルスが見守る中、BATが舞うように品々を置き、片付けていく。
「イカルスはああいう服で選ぶのか。」気がつくと英爺が三角巾で腕を吊った姿で横に来ていた。
「ち、違う。俺は聖さん一筋だ。」
「ふふふ、そうか。ならいいが。」

 そういう英爺の前をちょうどBATが通りかかった。
「あ、BAT君…。さっきは包帯を巻いてくれてどうもありがとう。助かったよ。」
「英爺さん…。英爺さんこそ助けていただいて。」
「いや、偶然だよ。でも本当に無事でよかった。君も、そして僕も…。」
「本当に、そうですね。」
「何、しんみりやってんだ。宴会だぞ。」イカルスが英爺に喝を入れた。
「そうよ。でもBATちゃん、似合ってるわよ。いいわねえ」エズミがBATのウエイトレス姿を見て賞賛した。
「い、いえ、私はそんな…。」
「エズミさんならウエイター姿がぴったりだな。」イカルスがぼそっと言う。
「レニさんのランス、もう片付けたのかしら?」
「冗談だよ。冗談。」あわててイカルスは飛び退く。
「イカルス、口は災いの基だぞ。」
「違いない。」

 こちらでも会話が弾んでいるようです。BATさん、こんなアレンジでよかったでしょうか。イカルスさんだったら気の効いた台詞が言えるんですけど、僕だとどうしてもしんみりモードになっちゃうんですよねえ。
 ようこそ太正浪漫堂へ。ずっとお待ちしてましたよ。

Rudolf氏
恥ずかしい・・
 成り行きとは言え英爺という主賓の露払いはまあいい、光栄なことだ。しかしよりにもよって聖とならばされて入場とは考えが至らなかった。
「今日の酒は苦い、しかしよく喉を通るものだ。」
 それをヤケ酒ということを精神的幼児の某新聞記者はまだ理解していない。何かにつけて人のいない端の方でひっそりと呑みたがるのも前述の気恥ずかしさがあったから。
「またこんな端の方で、ちゃんと見ていないと聖さんに悪い虫が付きますよ。」
「黒火会殿か、聖にとって一番悪い虫というのは私だからいいんだよ。だが貴方は魔物が息絶えてなお何か悪寒を感じているそうだが、まだ?」
「え、ええ。何かしら言い知れぬ不安、先程の魔物とは違う、いやささらに強大とも思える何かが・・・」

 一方聖はというと、
「付きまとわないで下さい!貴方という人の汚らわしさがよく分かりました!ふんっ!!」
「怒った顔がまた素敵だよ聖さん。」
「おだてても何も出ませんよ、あっち行って下さい。」
「聖さんが許してくれるまでここを動きませんよ。」
「あら、そうですか。では動かないで下さいね、わたしが行きますから。さあさくらさん、行きましょう。」
「そうですね、誰も彼も誑し込む人なんて最低です。」
「そんな〜。」
 そんな光景を傍から見詰める一人。
「陛下はあの調子、イカルスさんは修復の見込み無し、いよいよ俺の時代ということか、ふふふ。」

 その頃別館の上では・・・
「お腹すいたなー。良い匂いするのに・・・」
『不慣れなことをするからだ』
「?ハンバーガーが喋ってる〜、まーいーや、いただきまーす。」
『こ、こら、ちょっと待て!待てというに!』
 屋根の上の喧燥をよそに太正浪漫堂の灯りは落ちることなかった。

−−−−−−−−−−−−−

 イカルス様とひでじい様には重ね重ね陳謝!

イカルス星人氏
浪漫堂の面々がそれぞれご贔屓の花組メンバーと談笑する中、一人彼は佇んでいた。
聖に罵倒され汚らわしいとまで言われたショックなのだろうか。
彼の目は放心したかのように空中のあらぬ所を見ているかのように見えた。
しかし、そうではなかった。
彼の視線の先、そこはただ一人黒火会のみが異様な気配を感じ取っていた場所だった。
彼はやがて得心がいったように「ふむ」と言うと、テーブルからサンドイッチを籠に入れ、
傍らのケープを取って歩き出した。
「どうしたんだ、イカルス。夜風に当たって頭でも冷やすのか」英爺が言う。
「ああ、まあそんなところだ」曖昧な答えを返すと、イカルスは階段を上がっていった。
彼は屋根裏部屋へ入ると、天窓を開けて顔を出した。「ちょっと、そこのお嬢さん」
そこにいたのは真宮寺さくらに良く似た少女であった。
「お腹が空いているのでしょう、これを召し上がれ。それから夜は冷えるからこれを」
彼はその少女に持ってきたサンドイッチとケープを手渡した。
「誰だか知らないけど気がきくじゃない。あたしが帝都を征服したら下僕にしてあげる」
可愛い顔をしてとんでもない事を言う少女である。
「そうだ、あんた、気が利くついでにここからあたしを中に入れなさいよ」
「悪いがそれは御免蒙る。君は何やら危険な匂いがするのでね」
そう言うとイカルスは天窓を内から閉めてしまった。
「あっ、ちょっと待ちなさいよ、この唐変木!まあいいか、取りあえず腹ごしらえできるし」

「どこへ行っていたんだ」戻ってきたイカルスに英爺が声をかける。
「いや、ちょっと保険をかけにな」イカルスは意味ありげな微笑を浮かべた。
そのころ、聖はさくらと話していた。
「私、さっきは『誰も彼も誑し込む人なんて最低』なんて言ってしまったんですけれど」
さくらが言う。
「あの方はそんなにひどい人なのでしょうか。もし女と見れば手当たり次第、と言う人なら
ここの女性の皆さんにももっと嫌われているんじゃないかと思うんです」
「何故そんな事をおっしゃるのですか。何か根拠がおありなのですか」
「根拠とかそういうんじゃないですけど、うちの大神さんも隊員皆に分け隔てなく声をかけま
くるんです。それは大神さんが優しいからだと思うんですよ。ちょっと助平だけど。
尤も、そのせいであたしはすぐヤキモチを焼いちゃうんですけど」さくらは頬を少し赤らめた。
「つまり、さくらさんはあの方もそういう感じの方なのではないかと仰るのですね。
わかりました。それでは彼の言い分も聞いてみましょう」
そう言うと、聖はイカルスの方へ向かって歩き出した。
「イカルスさん、少しお話してもよろしいかしら」
「私は大歓迎ですが、先ほど私とは一言も口を利きたくないと仰っていませんでしたっけ?」
「先ほどはあまりに一方的すぎたと反省致しまして、弁明の機会を差し上げることにしました。
そこで伺いますが、何故見境なくご婦人に声をかけたり口説いたりなさるのです?」
「人知れず咲いて人知れず散る花と、皆にその美しさを称えられる花。
両者が同じ花だとしたら、花として幸せなのはどちらの花なのでしょう。
女性が花として生まれた身なら、私はその美を称えることによって幸せを与えたい。
無論、花は地に根付いて咲いてこそ美しいもの、手折ろうなどとは全く考えません。
そして、そうすることによって自分の人生も、その刹那を輝かせることができれば。
私はいつもそう考えているのですが、答えになっていませんか?」
この人は本心からこんな事を言っているのかしら。
聖は、失礼なこととは思ったがイカルスの心の中を読んでみた。
伝わってくるのは、女性に対する温かな愛情。そして、己の体の持病に対する不安と悩み。
刹那を輝かせるという言葉を吐かせた原因はこれに違いない。
「わかりました。前言は全て撤回します。改めて、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ。花を愛でるのは私の生きがいですが、聖さんは中でもとりわけ賛美し甲斐の
ある花だと思いますよ」
「まあ、お上手ですこと」

「おい、何やら怪しい雲行きになってるぞ」英爺が落胆した様子を見せつつ囁く。
「ルドルフがこれを見たら何と言うかな」シュペーアが言う。
「今落ち込んでますから再起不能かもしれませんよ」とエズミ。

「さあてと、それじゃせっかくだからレニ君に挨拶しに行くとするか」懲りない男である。



==========================================
え〜と、来てみたら何だか私の身の上がひどい事になっていたので。
取りあえず謎の解明は他の方にお任せして自己保身に走ってみました。
これを明日陛下が見たらびっくりするだろうな。
お名前及び設定を借りた方、陳謝。
ひでじいさん、ライバルが減りそうだったのに残念でした。
それでは、また。










































Rudolf氏
聖の馬鹿ーっ!

 事の一部始終を見ていたルドルフは泣きながらその場を出ていって屋根裏に引っ込んだ。(泣き逃げるのに屋根裏はお約束)

「ねえ、あんた・・・ここに逃げていじけるのは勝手だけどせっかくあけた扉また閉めることないんじゃない?あたしはそこから下りたかったのに。」
 んなことは彼の耳には入らなかった。いじけるとシェスタをしたがる彼は既に泣き寝入りで夢枕に入っていた・・・

−−−−−−−−−

 くそ〜、イカルス様みたいにつらつらって気障な言葉が脳内に入っていないから対抗レスつけられないよ。と、いうことでまた逃げました。聖、ついにイカルスに転ぶのか?しかしそれを黙って見ている英爺でもない、太正浪漫堂11にて全ての決着が!(大嘘)ただ1つ言えること、私に聖に吐ける気障な言葉は考えられない!くっそ〜;

紀州人氏
「ふう、平和はいいねえ〜」

と、何事も無かったかのように目の前の料理を片っ端から平らげる紀州人。その痩せた体からは想像もつかぬ
食欲振り。噂によれば、以前帝劇を訪れた際、事もあろうにあの桐島カンナ嬢に大食い勝負を挑んだとやら。
これははっきり言って、櫻嵐が武道でカンナ嬢に挑むより数段無謀であること、言うまでもあるまい(笑)。

『おいおい、ずいぶん落ちついてるなお前。あんな大騒動の後で。』となかば呆れ顔はMOSである。
「ん? みんなもう楽しそうにやってるじゃないか? ほら、あそこのまじん...もとい真神さんも。」
『あんな事があった後だから意識的にそうしてるんだ。しかしお前はいつもと変わらん。』
「変わったってしょうがない、何の解決にもならんから、な。」
『ええ性格しとる....』

.....すなわちそれが、この紀州人という人物の変な所である。割り切ってしまえば、その通りに行動
できて、あれこれ悩まない。天性お気楽、といえばその通りで、それゆえ他人には、『真剣さにかける』とか
『不誠実だ』とか非難されることも少なくはないのだが。
例えば、あの六破星降魔陣発動の折の大災害の際も、さすがに飛び起きはしたが、とりあえず自分の身に危険が
迫っていないことのみ確認して、「どうせ俺がバタバタしたって何も解決しないし、今は鋭気を養うに限る」
などとうそぶいてそのまま動乱解決まで熟睡していた、というのは知る人ぞ知る事実である。

「ほらほら、今は悩むときじゃあないって。勝った時は、素直に喜ぶのでーす! ってね?」

....『...くしゅん! 誰か噂してるですかー!?』

「さて、そろそろ新作のネタでも捻るとするかあ?」
そんな紀州人も、実は完全に平静なわけでもなかった。しかしその理由が、2日ほど前に寝違えた首が痛いから、
というのをさすがに言い出そうとは思わなかったが....


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
やれやれ、久しぶりにここで書いてると思ったら、また自己紹介(笑)してるし。といいますか、自分のお話でも
オリキャラは書いたことがなければ、元のキャラ自体もほとんどいじらない(いじれない)私には、皆さんのように
かっこいいキャラを作ることもできず、だから誇張はあれど基本的に筆者本人に近いキャラになっています(笑)。
大食い、お気楽な所など....(笑) ちなみに、六破星降魔陣...のくだりも、事実に従っています(爆)。
すなわちネタが少ない故に、ここにあまり書いてない、というわけで何か申し訳ないような(苦笑)。
さらに首を寝違えたくだりも、事実です(滅)。

ひでじい氏
「紀州人さん、やってますねえ。」後ろを見ると二階堂と花丸が来ていた。
「いよう。花組のみなさんにも一応8人の方には取材したしな。腹ごしらえをしてるところだ。」
「しかし、泰然自若というか何と言うか…。」花丸は花組が来ただけでもひっくり返りそうなのに、米田支配人の来訪や、先程のアクシデント、英爺の負傷と生還が続き興奮状態であるだけに、紀州人の落ち着いた態度に感服しているようである。
「いや、落ち着いているというよりは、神経の太いと言うか…。」二階堂は苦笑している。
「しかし、花丸。俺は思うんだが紀州人さんのような人が今の浪漫堂には必要なんだ。浪漫堂の人々は異能の持ち主ばかりだ。従って個性が強い。ミュラーさんや夢織さん、南國さんらは人間ができているからうまく浪漫堂サロンをまとめているんだが、真面目なんでそのままじゃ疲れてしまう。だから紀州人さんのような人が必要なんだ。」
「どういうことだ。」
「つまり、目先だけでなく広い目や長い目で見ることが必要だし、少々の危険や試練には動じない、といったことが一種の仲間の安全装置になってるんじゃないかな。」
「二階堂、俺を誉めても何も出ないぞ。」気がつくと横に紀州人とMOSが来ている。
「お世辞じゃなくて本当のことを言ったんですがね。」
「そう取っておくか。」

 太正浪漫堂の夜は終わらない。

 ひでじいです。二階堂さんと花丸さんに紀州人さんの性格を代弁してもらいましたがいかがでしょう。

智士氏
「それにしても・・・」
 テーブルの上の料理に一通り箸をつけ一息ついたのか、カンナがまじまじと
智士を見た。
「よく見れば女なのに、どこをどう間違えて男になっちまったのか」
 自分も男と間違われる事が少なくないせいか、カンナは同情が混じったように
そう言った。
「そうそう、女と聞いた時はビックリしたんですけど、今見ると女の人に
見えるってのが不思議ですよね」
 BATが不思議そうに智士を見る。
「それは、私が”言葉”を知っていたからですよ」
 智士は種明かしを説明するつもりになった。
「おいおい、あたい達だって言葉くらい知ってるさ」
「・・・意味が違うと思う」
 カンナに対してレニが突っ込みを入れた。
「何々?どー言う事?」
 レニの言葉にアイリスが反応してきた。
「言葉の意味が違うと言うことだよ」
 花組の面々の様子を見れて嬉しさのあまり顔のにやけが止まらない智士だったが、
とりあえずここは慎重に言葉を選ぶ事にした。
「実際に日本には古来より”言霊”と言う考え方が存在しているんです。
私が言っている”言葉”とはこの”言霊”を指す言葉の事なんですよ」
 智士の一言にその場に居合わせた者達は耳を傾けた。
「普通に使っている言葉には大した力はないんですけどね、正確な意味、
正確な発音を正確に使う事によって発した言葉に力を与える事は出来るんです。
みなさんだって知らないうちにこの力は使っているんですよ。
 ただ、私の場合その使い方を普通の方より知っているので、自らの
意思で使う事も出来ると言うわけなんです」
「つまり、言葉で男と思わせていた?」
「そうですね。力のある言葉は意味を持ちます。そしてその意味を他人に対して
使った場合、偽りでも真実と映る事があります。
 例えば、視覚では私を”女”と捕らえていてもそれを伝達する際に
”男”と置き換えさせられれば、頭の中の認識は私を”男”と判断させられる
わけです。”暗示”に近いものだと思っていいと思いますよ。
 これを用いれば、ある程度の誤魔化しは効きます。但し、使えるのは自分よりも
言葉の支配力が弱いものに対してだけです。支配力が自分よりも強い者に使った
場合、よく言われる呪詛返しと言った現象になります」
 智士はニッコリ笑いながら言っているが、考えると恐ろしい内容だった。
「だとしたら・・・」
「強い力を持つ言葉ほど呪詛返しは強くなりますし、人に気付かれやすいんです。
私が使ったような力の弱い言葉は呪詛にはなりませんし、意外と人に気付かれない
んですよ。気付かれなければ返される事もありませんから、たとえ自分よりも
力が強い相手にでもかけちゃう事が出来るんです。
 だから、昔からよく言うでしょ、”言葉を選びなさい”って。
 言った言葉は書いた事と違って取りかえしがつかないですからね。言葉を選んで
話さないと知らないうちに言霊が支配してしまうんですよ」
「何だか難しい話になっちゃまったな」
「難しいですか?これでも判りやすく砕いて言ったつもりなのに」
「さすがウンチク書きだ」
「すみませんね、ウンチクが好きで。良いですよ、これからもウンチクいっぱい
書いてやるぅ!!」
 何時の間にかその場はもとの和んだ雰囲気に戻っていた。


 勝手にお名前拝借しましたBATさん、申し訳ありません。
 そして、英爺さん、こんばんは。
 今回のレスはずっと書けなかった”女だったよ”の言い訳レスSSです。
 男と間違われていた理由などをそれらしく書いてみましたが、本編には
影響しないようにと心掛けましたが、これでみなさんに納得してもらったと
言う事にしてもいいですか?

 一応、言葉使いでも男と間違われていたんだから、言葉を以って男と
思わせていたとすれば理由付けも楽かな?なんて勝手に考えましたが、
こんなのを書くのにえらくかかってしまいました。
遂に、前回はレスを付けるに付けられないままはじかれて。
(書こうと思ったら一杯だった)

 それと話は変わりますが、前回の最後のレスSSで
”この役は智士・・・”云々の件を見ましたが、もしかして私が女と
バレてなかったらエズミさんとラブラブになれてたって事ですか?
うーん、それはそれでもったいなかったかも。(おいおい)

それでは、また。
今日は獅子座流星群を見るため早めに寝る準備をしている智士でした。
(でも天気予報は雪だよ・・・。見れるのかな?)

ひでじい氏
「言霊か。智士もいいことを言うね。」智士が振り返ると南國がシャンパンを片手に立っていた。

「智士の台本の台詞が生きているのはそういうことを重んじているからなのか。初めて分かったよ。」実際智士の書いた台本は少人数の地方公演や寸劇など、個人の演技力に大きく依存する舞台で珍重されていた。

「南國さん、人を冷やかす暇があったら、喜劇台本だけでなく本来の舞台物もお書きになられてはいかがですか。」智士はにっこりと笑うと意地悪く反論する。

「おおっと、いきなりエスプレッソか。手厳しいな。」

「ああっ!!タライのお兄ちゃんだ。」アイリスが南國を指さす。喜劇重視の南國は小道具を多用することが多く、アイリスや紅蘭からこのように呼ばれている。

「ごほっごほっ!!」智士の前で澄ました表情でシャンパンを飲んでいた南國がこの言葉を聞いてむせた。

「…、智士の諌言も聞いておく必要がありそうだ。」苦笑して南國が言う。
「お聞き入れいただき感謝の極みです。」口直しに紅茶を淹れて智士が差し出す。

「これはアイリスちゃんに一本取られちゃいましたね。南國さん。」話を聞きつけていたエズミが言う。

「南國さん、そろそろ暖炉の前で長編を書く季節ですね。」
「そうだな。しかし多才な人間も大変だ。何でもこなさないといけないからな。」英爺とイカルスも花組のメンバーと南國を囲む。

「いかんな。智士を元気づけるつもりがやぶ蛇になったようだ。」
「そのとおり。」

 何とも穏やかで暖かい浪漫堂の空気にそれぞれが身を泳がせていた。

 ひでじいです。こちらは流星群不発でした。雲で見えない(涙)
 うまくアレンジいただきありがとうございます。でも男性だなあ、って思っていて女性だって分かると妙に意識してしまうんですよね。陛下といっしょで「心を読まれた」って感じかも知れないんですが。いやあ、あのときはショックでしたね。エズミさんのときもそうでしたが。
 ただ、エズミさんとラブラブの件はどうだったでしょうか。むしろ僕だったからこそそうなっちゃったのかも知れませんけどね。別に邪念があった訳じゃないですが。情熱の人なのかな。(熱いビッテンさんみたい。)

クリアル氏
(やっと話ができそうだな)

そう思うとクリアルは周りを見回した。
(えーと、ビッテンは・・・と、いたいた、二階堂と紅蘭さんとなんか話し込んでるなあ。うっ、なんか3人とも不気味に微笑んでる・・・またなんか企んでるな)
そして先程まで落ち込んだり立ち直ったり1人百面相をしていた魔女吉は、猫侍を引き連れて豪快に食いまくっていた。
(うーん、立ち直りの早い人だなあ、それにしても猫侍さんもかわいそうに、こりゃ今日はずっと付き合わされるぞ)
ともあれようやく織姫と話ができる状況になったようだ。

「なんか色々ありましたけど、改めてよろしくお願いします。馬の研究と天文学を少々やっているクリアルです」と、頭を下げるクリアルに
「は〜い、ソレッタ・織姫で〜す。クリアルさん、よろしくで〜す。」スゥっと立ち上がりスカートの裾を持ち、軽い会釈で返す織姫。その姿には気品が漂っている。
(くうう、こうして姫さまとこんな近くで話ができるなんて。生きててよかった!)感激に浸るクリアル。
「クリアルさ〜ん、どうかしましたかー?」
「え、いや姫さまと話ができて感激だなあって思ってまして」
「フフ、そうですかー・・・クシュン!」
「風邪ですか?」
「違いま〜す、誰か私の噂をしてますか〜」

織姫とクリアルが談笑していると、マッド談合を終えたビッテンが戻ってきた。そして一言
「あ!クリアル、抜け駆けはしないって約束したはずだぞ」
「なにおう、先に抜け駆けしたのはどっちだ」言い返すクリアル
「まあまあお2人はん、せっかくのおめでたい席で喧嘩なんかしてもしゃーないで」ビッテンと一緒に来た紅蘭が2人を止める。
まあ2人が本気で言い合っている訳ではないのは明らかであるが。

「あ、ビッテンさんに紅蘭さんこっちにいたんですか。織姫さんやクリアルさんもごいっしょですか」やって来たのは二階堂、何故かエプロン姿をしている。
「そうだ、織姫さんやクリアルさんも私の本場アメリカで鍛えた料理を食べてみませんか?」自信満々に言う二階堂
「アメリカ料理ですか〜、それは是非ごちそうになりたいで〜す」
「へえ〜、君にそんなことができるんだ、それは楽しみだなあ。」
「それじゃあもう少し待っていてください」そう言うと二階堂は厨房の方へと消えていった。
「二階堂の料理かあ、どんなものが出てくるんだろう・・・ビッテン?どうかしたのか、せっかく二階堂がごちそうしてくれるって言うのに」
「いや何でもないよ、ハハハハ・・・・・」乾いた笑いが何故か響く。

ここは太正浪漫堂。今宵の宴はまだ始まったばかり。

===============================
ひでじいさんこんばんは。
いや、ようやく姫さまと話ができて嬉しいです〜
ちなみに天文学っていうのは、ただ星を見るのが好きなだけだからです(爆)
就職で名古屋に出てくる前は長野の片田舎に住んでたんで星がよく見えたんです。よく夜中に学校の校庭で天体観察とかしてましたし。今夜の獅子座流星群も実家ならよく見えるかもしれないなあ。

名前を借りてしまった方には陳謝、感謝いたします。
二階堂さんの料理が楽しみなクリアルでした。
では!


ひでじい氏
「ところでビッテン、さっきは何の話だったんだ。」クリアルの問いかけに、
「いやあ、それは言えないなあ。」ビッテンはしらを切る。

「…そうか、せっかくの姫の特製プロマイド、2枚買ってあるんだが…。」
「ううう。」
「さっきこのとおり姫のサインをもらったんだがな。どうだ。」
「…クリアル、何が望みだ?」
「さっきの話だ。」
「…分かった。」ビッテンはクリアルの耳元で何やらささやいた。それは結構長い時間だった。

「な、何いいいいいいい!!姫を!!…」辺りが注目するとクリアルは急に静かになった。

「し、しかしそんなものをつくることができるのか、ビッテン?」
「天才化学者の私にできないことはない!!」

 クリアルの目が妖しく光った。
「頼むぞ!!ビッテン!!」
「任せておけ!!」

 ひでじいです。いったい何を考えているのか…。怖いです。

桜嵐氏
「おお!!!」

 櫻嵐は眼前に繰り広げられる光景に目を丸くした。
 桐島カンナ嬢・・・彼女の食いっぷりが、うわさ通り・・・いや、聞きしにまさるすさまじい
ものであったからだ。
 普通の者なら、その時点で思考はストップしてしまう・・・しかし,櫻嵐はまたしても無謀な
ところまで、考えを巡らせてしまった。

「カンナさん! 私と食い比べ勝負をして下さい!! 空手の借りをここで返して見せましょう!!!」
「・・・・・。」

 一同は絶句した。この男は”懲りる”という言葉を知らないのであろうか。
 紀州人が呆れた様に宣言した。

「櫻嵐くん、君ね・・・私も人の事を言えた義理ではないが、彼女の胃袋は並大抵のモノでは
 ないんだよ。悪いことは言わないから・・・。」
「そうだよー。ぜっっっったい!! ムリだってぇ、お兄ちゃん。」

 アイリスもそれに続く。

「いえ、やります! 誰が何と言おうとも!! 私は自分を試したいんです!!!」
「あたいは別に構わねぇぜ。へへっ、こういう事にむきになってかかってくるところ・・・なんだかあんた、うちの隊長・・・じゃなかったモギリに似てるねぇ。」

 そうして、勝負の準備は進められた。
 テーブルに山の様に並べられた料理の数々・・・先程の組み手、及び魔物騒動の影響で、
櫻嵐の腹は背中とくっつきそうな域に達している。

(やれる・・・!)

 櫻嵐はほくそ笑んだ。
 その笑みを横目に、2人の女性〜智士とレニ〜から呟きがもれる。

「無謀だわ。」
「無謀だね。」

 胃腸薬を探すため、2人の姿は一時、浪漫堂の奥へと消えた・・・。


まずはお名前を使わせていただいた皆さん、ありがとうございました!(^^)
そして、ひでじいさん・・・ごめんなさい。また前回と同じパターンになってしまいました。
でもこのレスの多さから考えて、私の所までひでじいさんは書き込めなさそうですから・・・
できれば次回の冒頭にでも。(^^;

とりあえずは書き逃げ撤退!!!
それでは〜。




浪漫堂再録書庫に戻る。