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太正浪漫堂 七

太正浪漫堂 七 筆:ひでじい氏
「あーーーーっはっはっはっはっは!!!と... 筆:黒火会氏
│└「この感触…。妙な感じがする。」 筆:ひでじい氏
「た、助かった…」  筆:二階堂氏
│└「くそ!!そんな馬鹿な!!」 筆:ひでじい氏
(現在許可待機中)  筆:猫侍氏
│└「なかなかな人物だな。よくも悪くも。」 筆:ひでじい氏
気になって、気になってたのね(笑)  筆:シスル氏
│└「参った。入れないぞ。」 筆:ひでじい氏
「なんだか、ドタバタしてるなあ」  筆:Ai氏
│└「おお、何回来てもやっぱりいいぞ。 筆:ひでじい氏
休筆宣言中  筆:Rudolf氏
│└一時は騒然となった場内が急速に沈静化する。 筆:ひでじい氏
│ ├沈静化の中で・・・ 筆:Rudolf氏
│ │└「俺は…。」 筆:ひでじい氏
│ │ └「聖め・・・。」 筆:Rudolf氏
│ └随分と慌しい夜だったな… 筆:真神樹氏
やはり私には、観客の方が合っているのかな 筆:夢織時代
│└助かったとは言っても重傷ではないか…。 筆:ひでじい氏
(現在許可待機中)  筆:ビッテン氏
│└直接レスは初めてですね。 筆:二階堂氏
│ └(現在許可待機中) 筆:ビッテン氏
そびえたつシルリウス鋼の外壁。  筆:魔女吉氏
│└「おお、すごいメンバーじゃないですか。」 筆:ひでじい氏
「そんなこと…嘘や。」  筆:無法地帯氏
│└「…と野望を燃やしとったのに、 筆:ひでじい氏
これはまた。  筆:イカルス星人氏
│└むっ、イカルスさん(番外) 筆:山科聖さん
│ └「…という訳で、もうイカルスさんと言ったら…。」 筆:ひでじい氏
「まいど〜」  筆:エズミ氏
 └「やはりりんごだね。」 筆:ひでじい氏

ひでじい@仕事が、仕事が…!!です。 ひでじい氏
ひでじい氏
ひでじい@仕事が、仕事が…!!です。

すみません。遅れちゃうんですよねえ、これが。どうもいけません。
それはともかく緊迫の今週はいかがなりますか。

「くそ!!早い!!」(ミュラー)
「いったい何が起きていると言うんだ?」(二階堂)
「これは現実なのか?」(花丸)
「浪漫堂の面々は敵の裏をかくことができるのか? 次回 サクラ大戦 太正浪漫堂 七 魔界からの使者「太正櫻に浪漫の嵐!」」(ルドルフ)

「そんなこと、嘘や…。」(無法地帯)
「英爺さん…。しっかりして!!」(エズミ)



 和やかだったはずの会場が凍り付く。イカルス、いや先程までイカルスを名乗っていた者が冷酷な笑みを湛える。

「これは失敗でしたね。そこまでは調べていませんでしたよ。智士さん。性別は男性と言うことでしたからね。」

 包帯を巻いたイカルスが偽イカルスに近づく。ルドルフの気配を気取られぬ為でもあった。
「ここまで似せられるとは。整形手術か、それとも魔界の…。」

 偽イカルスはくわっと目を見開くと槍のようなものでイカルスを突こうとする。
「うわっ!!」イカルスはとっさに横に飛び、南國に助け起こされた。

「ミュラー、夢織、イカルス、英爺…。事実を知った学者は全てこの私が消す!!ルドルフ、黒火会も消す!!」

「これは…いったい何が起きているというんだ?」二階堂は呆然と浪漫堂のテラスで起きている光景を見つめていた。
「これは浪漫堂で起きていることなのか?これは現実なのか?」花丸も二階堂の方へ近づいてくる。

 吸い込まれるような光景の中、進み出たのは米田支配人である。
「おめえ、何が目的だ。」
「ほほう、我らに楯突く愚か者か。面白い。お前らもいっしょに葬り去ってやる。」偽イカルスは凶暴な表情を隠そうともせずにそう吐き捨てると見る見る人間の姿から恐ろしい魔物のそれに変貌していった。
「死ねい!!米田!!」妖気を帯びた槍が米田に向かって一閃する。しかし米田は微笑して佇立したままである。
 カキン!!一閃の光で槍が大きく弾かれ、次の一閃でカーブを描き花壇に突き刺さった。

「何者?!」
「大神、さくら、済まねえな。みんな、疲れているところ申し訳ねえが頼んだぜ。」
「みんな、特別公演よ。みなさんの前で華麗に頼むわ。」
「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」

 ミュラーと夢織は危険を察知して面々をドアの後ろに下がらせ自らはドアを守備するように左右に屹立した。

「夢織、常人で詠唱すれば命を落とすぞ。」ミュラーが微笑して夢織の手を止めた。
「!!」知っていたのか。ミュラーは。夢織は愕然とした。
「卿は今しばらく待て。私と陛下で何とかする。」

 さっきまでイカルスの姿だったそれは、浪漫堂前で聖が見かけたように得体の知れない魔物に変化していた。容赦のない攻撃に逃げ惑う人々。

「危ねえ!!」二階堂と花丸に魔物の触手が襲いかかる。ビッテンはコルベンを取り出し触手に投げつけた。
「キシャアアアアア!!」触手が間一髪で止まり、ブスブスと溶けていく。
「すまない!!ビッテン!!」二階堂が大声で礼を言う。
「いいってことよ。…あれは失敗作だな。」ビッテンは小声で言った。

「くそ、早い!!しかし残弾はしばらくはあるか。」ミュラーはニヤリと笑った。ルドルフ、マリアとの暗黙の連携で三方から魔物に銀の弾を打ち込み続けた。

「やはり貴様ら…。やはりそうだったのか。」魔物は次第に花組に囲まれ、追いつめられていった。
「悪魔に卑怯と言うことはない。さらばだ!!」妖気の弱まった魔物は一気に脱出しようと図った。

「どこから出るのかな。お客さん。」米田の守護をしていた加山がニヤリと笑った。
「テラスが、覆われている。」MOSと智士が上空を見上げ愕然とした。
「シルスウス鋼−ニッケル・クロム合金…。まさか、まさか太正浪漫堂は…。」声にならない声で真神がつぶやいた。

「ならば窓は!!」しかし魔物は窓を正視することができなかった。
「ぬう、水晶か…ならば貴様らごと死んでやる!!!」魔物はただならぬ妖気を発した。しかし大神は悲しい表情でさくらに振り向いた。

「破邪顕正…。」
「櫻花天舞!!」

「ぐあああああああああああ!!」肉の焦げるような臭いを発して魔物が燃える。
「この俺が、この俺が負けるとは…。しかし!!」燃える体で魔物は叫んだ。
「生贄は頂いていく!!」体を割って槍状のものが飛ぶ!!

「くそ!!」大神がさくらをかばって共に倒れ、さくらは危機を逃れる。しかしその先にはエズミとBATが立っていた。
「しまったあ!!」
「間に合わない!!」ミュラーとルドルフが叫ぶ。

「ダメ!!」エズミは目をつぶった。


 あれ、助かった?エズミは恐る恐る目を開けた。自分は大丈夫のようだ。BATは!エズミは慌ててBATを見る。BATも大丈夫だった。しかしその視線はある一点を見つめている。エズミはその方向をゆっくりたどった。

「そんなこと…嘘や。」
 
 無法地帯の声がした。いやだと心で叫びつつもエズミはその光景を目でたどってしまった。

 英爺の背中があった。ランプの反射でよく見えないが背中に突起が突き出ていた。英爺はゆっくり床に膝をついた。

「英爺さん、しっかりして!!」エズミは英爺の方に向かった。目から涙が溢れてくる。とそのとき、

「はあ、助かった…。」助かるはずのない英爺の声がした。

「へ??」英爺のそばに駆け寄ったエズミはびっくりして英爺をもう一度見た。


 こんなところでしょうか。あちこちにエニグマをつくっておきましたからレスの話題には事欠かないと思います。最後は死にかけ?どうなるって感じですが、それはこれからのレス次第ということで。







黒火会氏
「あーーーーっはっはっはっはっは!!! とっても素敵な匂い!! 死の匂いよ!!
この場で誰が死ぬのかしら!! よみがえらせたら使いでのあるヤツだといいわね」
太正浪漫堂の前にたたずむ少女の影。
後ろでくくった髪。袴姿。腰に下げた剣。
あまりにも真宮寺さくらに酷似したシルエット。
しかし彼女ならば、こんな夜でも桜色の服がいやでも目にはえるはずである。
それなのに闇にしっかり融けこんだその姿。
その着衣物が黒系であることを意味していた。
『仮に使いでがあったとしても、絶対に台無しにしてしまうヤツがよく言うな』
もう一つ声がした。
しかし他に人影はない。声は少女の頭上の物体から聞こえてくる。
帽子? 頭巾? いや、闇にすかして良く見れば、それはガイコツであった………
「ふっふーん♪ ま、それはともかく中の連中に挨拶でもしてやろうかしら?」
『どうやってだ?』
中に入るにはシルシウス製のとてつもない障害物をなんとかしなければならない。
「…………………決まってんじゃない!! 登るのよ!! よいしょっと………」
『夜が明けるまでやっていろ………』


支離滅レスですんません。
何しろ久々のレスですので、中に直接影響を及ぼしちゃまずいなあ、と思いまして。
さいわい中と外は隔離されたようですし(笑)

一体この少女は何者なのか?(失笑)
果たしてこの少女は夜明けまでに浪漫堂に侵入できるのか?
もちろん侵入に失敗して、店内にはなんの影響も及ぼさないという可能性が一番高い!!
仮に成功したとしたら、反魂の術の毒牙にかかるのは、偽イカルスと英爺のどちらか?

いずれにしろこれ以降は黒火会は知らん!!(おいっ!!)

ひでじい氏
「この感触…。妙な感じがする。」中で片づけを終え、珈琲を飲みながら真神と一息ついていた黒火会を奇妙な悪寒が襲った。

「風邪ですか。」
「いや、かつて潜入したときに味わった、はっきりとは言えないんだがいやな予感がする。」

「何者かが来てるのですか。」真神が眉をひそめる。
「いえ、取り越し苦労かも知れませんが。」黒火会は真神の心配そうな表情を見て、しまったと思い直し、話題を変えるようにした。

「これはどうなってるのよお!!」
「自業自得だ。」

 件の黒き衣装をまとった少女はクレーンで別館に収納されている途中のシルスウス鋼のドームの上にいた。

「降ろして〜!!」
「降ろしてくれるのはいつなんだろうな。」

 すみません、下駄を投げ返しておきました。(笑)  

二階堂氏
「た、助かった…」

二階堂と花丸が逃れた触手攻撃。
しかし、それは一つではなかった。
たった今、仕留められたものとは別の触手が、仕返しとばかりビッテンを狙う。

「ビッテン危ない!」しかし炎上する魔物本体の叫び声に気を取られ、ビッテンは気付かない。

「すみません、お借りしますっ!」
「おい、二階堂?!」
花丸の声を背に、二階堂は素早く壁にかかっていたモップをを手に取るとビッテンの側まで駆け寄った。
触手がビッテンの背中に飛び掛かったその瞬間、二階堂はモップで上段から一気にそれを一刀両断にした。

「ビシュゥアアアッ!」
触手はぶすぶすという嫌な音をあげて溶けていった。

「ぎりぎり”せーふ”だ。」二階堂は、モップに寄りかかって袖で汗を拭った。
「すまない、助かった。油断していたな。」ビッテンが素直に礼を述べる。
「借りは返せた…かな?」二階堂は、微笑みながらウィンクした。
「残念だ。トイチの利子付きで返してもらう予定だったんだが。」ビッテンは心底残念そうに、だが感謝の念を込めて二階堂の肩を叩いた。

すると、そんな二人のすぐ側にいたすみれが歩み寄ってきた。
「「すみれさん!」」ビッテンと二階堂は思いも掛けない機会に浮き立った。

「なかなかおやりになりますのね、貴方は…?」
二階堂は、すかさず極上の微笑みを返す。
「ご挨拶が遅れまして大変ご無礼を。私は二階堂と申します、エンジニアで物書き、かつ料理人、そして何より花組の大大大ファンな者です。」
「おほほ、面白い方ですわね。それはそうと…北海道さんでしたっけ?」
すみれのお茶目で軽やかな物言いに、二階堂はどうやらあの噂は本当みたいだと苦笑する。

「二階堂です…まあお好きなように呼んで下さって結構ですが。」
「で、そのテコンドーさんは、何か武芸を嗜んでいらしゃるようですわね。」
ホントに人の名前を覚えない(笑)…噂通りのすみれに二階堂はなんだかうれしくなる。
「あ、いえ、ほんの齧る程度の物ですが、天真正伝神道流を少々…」照れくさそうに鼻の頭を掻きながら答える二階堂。

「剣道の昔からある流派ですわね……あら?!あの方大丈夫なのかしら。」すみれがテラスの方を示すと、一人の男が何人かに囲まれてうずくまっている。
「!!英爺さんっ!!」二階堂は冷水を浴びせられたようなショックを受けた。
全身の血の気がさーっと引いていくのが解る。
視界がだんだんぼやけてくる。
二階堂は、己の頬を叩き喝を入れる。

「くそ!しっかりしろ二階堂!」
そして、うずくまったままの英爺の元に駆け寄って行った。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

なあんて。
敢えて皆さん用にエニグマをそっくり残しておきました(笑)

どもども二階堂@げほっごほっ咳が止まらない(^^;です。
いやはや、英爺さん生きてます?(爆)
どうなっちゃうんですかねー?陛下(超爆)とかがトドメを指さない事をお祈りしております(陛下に心よりお詫びを(笑)フカフ゛カ〜m(_ _)m)

お名前をお借りしました皆様、特にビッテンさん!
どうも失礼しました。仕返しにご自由にお使い下さいませ(^^;)

では、八も楽しみにしております!

皆さん、風邪には気を付けましょうね!(笑)
やや復活の二階堂でした。

ひでじい氏
「くそ!!そんな馬鹿な!!」二階堂はその場から走る。うずくまる英爺。シャツが鮮血に染まる。背中に突き出た槍。どう見ても禍々しい光景だった。

呆然とするルドルフ、引きつった表情の真神、イカルスと無法地帯の叫び…。その間をすり抜け、二階堂はひたすら走る。そして英爺の前に立った二階堂に英爺が弱々しい声を掛けた。

「何とか助かったよ。」
「助かったってこれは…。」全然大丈夫じゃない!二階堂は絶句した。
「違うんだよ、二階堂君、よく見て。」
「あ、あれ?」英爺の腋に槍が刺さっている。

「傷は負ったが間一髪ってところだ。」聖と加山によって慎重に魔物の断片を焼かれながら英爺はほっとした表情で話した。エズミは涙の浮かんだ表情のまま座り込んでしまっていた。

「英爺さん、あなたって人は…。」二階堂も椅子に腰を下ろした。そこに救急設備を持った夢織と南國が到着した。

 ひでじいです。どうもありがとうございます。こんな感じで夢織さん編につながっていくのでよろしくお願いします。

猫侍氏
現在許可が頂けるのを待っております。






ひでじい氏
「なかなかな人物だな。よくも悪くも。」猫侍がふと振り向くとシュペーアが立っていた。

 猫侍の見通しどおり、イカルスの見立てどおり、帝劇メンバーやルドルフ、ミュラーたちの活躍によって魔物は圧倒的に不利な状況となった。

「要はむしろ、奴が何の目的で来とるか、ということですわ。」珈琲を飲みながら猫侍は答えた。
「帝劇の人やみなさんが目をつけられてるんは分かってる。誰が送り込んだんでしょうな。」
「ふむ。そうかも知れないな。…あっ!!」シュペーアが途中で絶句した。つられて猫侍も見る。人が槍に刺し貫かれているように見えた。

「あの化けもん!!まだ余力があったんか!!計算外や。人が死んだんか?」思わず猫侍は立ち上がった。
「英爺!!」シュペーアがテーブルを乗り越え、あわてて駆け寄っていく。静まり返る浪漫堂。


 しかし、「生きている、生きているぞ!!」ミュラーとシュペーアの歓喜の声がこだまする。救急用品を持って駆け寄る夢織と南國。

「ほんま心臓に悪すぎやで…。」猫侍はほっと一息入れて珈琲を飲んだ。

ひでじいです。こんなものでよろしいでしょうか。




シスル氏
気になって、気になってたのね(笑)

何だか、しばらく見ないうちに7まで進んでる・・・スゴイね(笑)
もし、シスルがこんなの書いたら、もう、囲っちゃって、囲っちゃって、ハーレム状態。

「あれ、お許しください」
「良いではないか、良いではないか!あっ、それっ」
「あれ〜」
それから・・・いかん、ヨダレが(←馬鹿)

とてもじゃないけど、他人様を立てるなんて出来ません(笑)
これって、希望すれば出れるの?・・・って、「出れるの?」なんて監獄から出たいような言い方・・・
どうなってるんでしょ?

まあ、読んでても楽しいから今後に期待しております。

でわ

ひでじい氏
「参った。入れないぞ。」Aiがぶつぶつ言っている横をシスルがするりと通り抜けていく。

「あ、あの、入れませんよ。」Aiが忠告すると、シスルはにこりと笑って振り返った。
「道がなければつくるものさ。」そう言ってシスルは覆っているシルスウス鋼の防御壁をバンと叩いた。するとするすると引っ込んで行くではないか。

「い、今のあなたのせいで…。」目を丸くするAiの前でシスルは事も無げに言った。
「いや、単なる偶然だ。」
「え?」
「それよりも珈琲とホットサンドウイッチを中で注文しようじゃないか。…お、宴会か。ちょうどいい。」首を傾げるAiをいっしょに同道する意気揚々のシスルであった。

 大怪我のひでじいです。(笑)文化と芸術の交差点、太正浪漫堂へようこそ。どうぞ活躍してください。歓迎します。

Ai氏
「なんだか、ドタバタしてるなあ」


噂に聞く浪漫堂に辿りついたものの、Aiは入り口の前でボーゼンとしていた。

「1度入ってみたいとは思ってたんだけど・・・」

Aiは呟いて、入り口を見た。

「なんだか、入り口も閉まっちゃってるしなあ」

そう言って、浪漫堂をぐるりと見まわした。すると、浪漫堂の壁に人影をみつけた。
そこには、何やら高笑いをしながら壁を登る黒装束の少女の姿があった。

「ここって、ああやって入るのかなあ」

口をあんぐりと開けて、登ってゆく少女を見るAi。

「う〜ん。中が落ち着いて、入り口が開くのを待つことにするか」

そんな独り言をぶつぶつ言ってる間にも、中の喧騒は激しさを増していっているようだ。その喧騒と少女の高笑いを聞きながら、今夜はどんな夢を見れるかななどとAiは考えていた。



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え?
自由参加でいいんですか?
勝手に参加したけど、よかったのかなあ。でも、実際ほとんど参加してないに等しい・・・。入り口を開けてください〜〜。ドンドン。


ひでじい氏
「おお、何回来てもやっぱりいいぞ。さすが銀座一の声の高い店だ。」シスルの陽気な声にAiが疑問を出す。
「シスルさんは常連なんですか。」
「常連なんだが、ここのところ買い付けが忙しくてな。来ても少し寄ったりくらいなんだ。我が日本はまだまだ貿易にはうといしな。」どうやらシスルは商社の若手社員らしい。
「外国とかにも行かれるんですか。」
「そうだな。この前まではここの豆も扱っていたぞ。コロンビアだったが。その前は中国、その前はチリで銅山の採掘と葡萄の栽培かな。」
「へええ、いろいろ行かれてますね。」
「いや、だから懐かしいんだよ。ここが。珈琲で今まともなのを出してるのはここくらいかな。豆を出し惜しまない。」
「そうなんですか。」そのシスルの足が止まった。
「英爺…。なぜだ、なぜこんなことになってるんだ!!」さっきまで軽快な口調だったシスルが感情的な口調でわめき、槍のささった若い男の方に向かって走り出した。Aiもこれに続いた。

ひでじいです。どうやって入ったかはシスルさんの方に書いてあります。ようこそ太正浪漫堂へ。

Rudolf氏
休筆宣言中
(タイトルと本分には関係はありません)

 「コレを使わなくて済んだか・・・」
 ルドルフの左手に隠されていたのは弾丸、しかしただの銀やシルスウス鋼ではない、ローマ法王庁にて10年の洗礼を受け続けた由緒正しい物。しかし門外不出故に持ち出したことが発覚すれば即刻追手に消されること請け合いの代物。
 「別にクリスチャンではないのだが。」
 魔物の破片はその物の絶命と共に煙と化して消えていく、後にはその体に打ち込まれた弾が残るのみ。
 「こんなところで発砲するとは思いませんでしたね、マリアさん。」
 「ええ、全く。ですが貴方もなかなかの腕前なんですね。」
 「いやあ、素人のビギナーズラックというものですよ、ははは。」
 マリアもルドルフの笑いに乗じた、しかしその目は笑っていなかった、何かを、彼の嘘を見破ったかのように。
 「小官も一般人の陛下がここまで銃を使いこなすとは思いもよりませんでしたよ、そういえばさっき出没した怪紳士もなかなかの腕前で・・」
 「怪紳士がここに出たの!?まさかこの魔物も奴が・・」
 「マ、マリアさん、考え過ぎですよ。ただの人間の奴に魔物を使いこなすことなんて・・・」
 「陛下、妙に詳しいのですな。」
 ルドルフははっとした、ミュラーの興味津々の目がかなりついてくる。
 「い、いや、なんだ。ところで、怪我人などは・・・はっ!英爺殿。」
 上手いことといっては失礼に値するが話題転換にはちょうどよかった、辺りを見回したルドルフの目に飛び込んできたのはきゃつの得物に貫かれていた英爺の姿。マリア、ミュラーも気付いて直ちに取りつく。
 「い、生きてる・・・?私は生きている?」
 しかしあっけなく復活した英爺に一同安堵の表情を浮かべることとなった。
 「ふ、聖の回りを飛び回る蝿は悪運が強い様だな。」
 自分の悪運のことも考えると聖にはルドルフさえ知らない特別の力が備わっているのかもしれなかった。

 すまん!テンションの問題でこの程度になってしまった・・・ああ切れの悪い話を作ってしまった。

ひでじい氏
 一時は騒然となった場内が急速に沈静化する。聖と加山によって化け物は焼きつくされ、永久に封印される。シルスウス=ニッケル=クロム合金の天蓋と防御壁がゆっくりと収納されていく。

「言わぬが仏、と言うこともあるか。」今宵の話、大スクープではあるが、あまりにも突飛すぎて、誰も信用してくれず三面記事にもならないだろう。ルドルフは片付けに忙しいテラスの片隅の机に座ってメモを取りながら考えていた。

「しかし、帝劇、いや帝撃による攻撃は実に華麗であり、まるで舞台を見ているようだった…か。」強大な力を持つ魔物に一糸乱れぬ連携で窮地に追い込むその姿は芸術的ですらあった。ルドルフも窮地を脱した今となってはそんなことを振り返る余裕があった。

「ルドルフさん、きょうは本当に神妙な顔ですね。」メモに夢中になっていたルドルフがふと気づくと前に聖が抜群の笑顔で迎えてくれていた。

「そ、そうかな。それより後始末は。」
「ええ、大体のところは終わりました。後真神さんが検証資料として封印した灰を調べるそうです。」
「そうか。御苦労様。」
「それよりも、はい、珈琲ですよ。」
「ああ、ありがとう。」

 聖の持ってきてくれた珈琲を飲みながらルドルフは桜の木を見上げていた。この木でエズミに吊されたこともあったが、今は暖かい空気とともに花びらが舞っている。

「こんなに桜がきれいだとは…。」ルドルフの口から思わず感傷の言葉が漏れた。
「生きていればこそ、ですね。」聖もきょうはやけに優しい言葉を言ってくれる。

「きょうは少し違うな。」
「ルドルフさんこそ、おかしいですよ。」

 片付けに忙しく動き回るウエイターやウエイトレス、浪漫堂の常連たち。向こうでは二階堂が仕切り直しの宴会の準備で花丸やMOSを連れててんてこ舞いをしている。その中で二人だけの空間が切り取られたようにゆっくり時が流れている。

「そ、そろそろ行こうか。英爺の怪我が心配だ。」
「そ、そうですね。裏の休憩室で手当を受けているそうなので…。」
「ゆ、有害物質とは言え気になるからな。」

 いい雰囲気が持続できないところがまだまだの二人ではある。



 陛下、御機嫌いかがでしょうか。久々に復活するとこんなについてて…(涙)い、いや嬉しい限りです。それではレスをつけてきま〜す。

Rudolf氏
沈静化の中で・・・
 聖は英爺の怪我を心配そうに休憩室に向かう、その後ろを言った手前、という訳でもないのだがルドルフが付いて行くが聖の心配そうな顔をして自分は何と下司な考えに心を支配されているのか。
「聖のあんな顔はあまり見たことがない、よほど心配なのだろう。だが私が倒れたときも彼女は果たしてそんな顔をしてくれると言うのか。」
「ルドルフさん、ぼうつとしていると躓きます・・あ、」
 聖の喚起も空しく床の継ぎ目に足を取られたルドルフは大恥をかくことになってしまった、遠くではエズミやみおがいい気味とほくそ笑んでいる。
「無様極まりない・・」
 聖が心を読めることは浪漫堂、いや、帝撃を除けば自分しか知り得ない事実、しかしそれがあるがために彼女は自分の闇の面も全て知っているに違いない。果たして彼女がいつまでもそんな自分の近くにいてくれるか、そう考えると不安に駆られる弱い男がルドルフであった。
「これが女々しい、というものか・・・」
 大神にしろ加山にしろ先の戦闘では存分に格好のいい所を出していたが自分はそうではない、少なくともルドルフはそう思っていた、自虐と自戒のみに心縛られる身にとって聖にいつ愛想を尽かされるかと思うと心配でたまらない。
 想いは確かにある、だがそれを具言化しても聖が遠く離れていくだけの存在になる、何より自分が女性に対してまともに話が出来ないのを曲解されて怖がられると言う事実がある。
「聖にだけは・・・」
「陛下、また考え込んでいると足をすくわれますよ。」
「夢織殿・・・」
 さっきは妙な印を結ぼうというところを目撃した夢織時代、イカルスや英爺ともちがって浮いた者でもない、自分と比べると実に男として成長を果たしている者。
「夢織殿・・・貴方はあの子をどう思う?」
「あの子?聖さんですか。美人だし気立てもいいいい子ですね、陛下の物にしておくのももったいない、とてもいい子ですね。」
「だろうな・・」
 自分には似つかわしくない、自分でも分かっている、けど自己の「欲望」というもう一人の自分が自ら彼女から離れようと言う意識を阻害して止まない。
「さあ英爺さんの見舞いが終われば宴会の続きですよ、陛下にもたまには付き合って貰いますからね。」
「う、うん。」
 酒が極度に嫌いなルドルフにしては珍しく素直に納得したものだ、と夢織は感じた。だがそれに対して深い考察をもとうということもなかった。足早に休憩室に向かう面々。
「飲まないと、やってられないこともあるって本当なのかも・・」

−−−−−−−−−

 また何書いているのか分からなくなってきた・・・精神構造乱れまくっています。うっわ〜、聖と聖のモテルごっちゃに考えてるし・・・もう末期症状全開バリバリモートぜよ。あー自分が女性に対してふがいなさすぎるのを綴っただけだ(;;)ごめんよ〜、本当の自分に重なり合ったのよ〜、いい雰囲気の持続できないまだまだのルドルフってのが。
 どう考えても会った女性に好かれていると感じるよりも明らかに嫌がられているor嫌われているとしか感じられない自虐性マックスで風体も性格もまずい男より。 

ひでじい氏
「俺は…。」救いを求めて瞳を上げても救われない自分。
「これでは新聞記者失格だな。」改めて自分に問い直してみる。しかし強靱な取材で記事を構築する自分も所詮は人間なのだ。

「ルドルフさん。」数歩先を行っていた聖が振り返った。
「うん、どうした?」
「私はそんなことはありませんから。」にこっと笑って答える。
「どういうことだ?」ルドルフは質問して2〜3秒考えると顔が赤面してきた。

「心を…読んだな。」
「さて、どうでしょう。」聖は髪をなびかせるとルドルフの手を引いた。
「さあ、行きましょう。」

 不思議に怒る気持ちはない。彼らしい野心に満ちた瞳が帰ってくる。

「そうだな。そうするか。」
「お酒はほどほどにしてくださいね。担いで帰るのはいやですよ。」
「ああ。分かってるよ。」

 ランプの暖かい灯火の中、和やかに会場へ向かう二人の姿があった。

 陛下あ〜。弱気じゃないですか。珍しいですね。どうしたんです?
 取りあえず元気回復のためのSSをつけておきましたのでぐいっとやってください。12月にはSSで浪漫堂メンバーの鍋を書こうと思います。がんばれ陛下!!

Rudolf氏
「聖め・・・。」
 彼は小さい頃から聖に負けてばかりだった。そして今回も彼女は彼の上をいっていた、男として愛する女性にいつまでも負けているのは歯痒い。
「しかし、読まれたと言うことは、私の想いも!」
 彼には赤面するしかなかった、自分は分からず彼女は全てが分かる。不公平を呪いながらもどうすることも出来ずにいた。
「陛下、本日はお付き合い下さるのですね、いいワインが入ったんですよ。」
 ミュラーが自慢げにドン・ペリを取り出す、いったいどうやって入手したのか逸品であった。
「そいつはいいですねえ、閣下。これは祝い酒にぴったりだ。」
「こらこらイカルス、お前は何もしていないだろ、花組の皆さんから振る舞うのは常識だぞ。」
「わいんワインはあるけ?」
 エズミのオヤジギャグに場が静まる、故にルドルフの笑いは全員の知ることとなった。
「陛下、どこか悪いのか。」
「ね、熱でもあるんじゃないですか?」
「し、失礼ねえ、流石かたくなな夢織さんとミュラーさんだこと。」
 エズミも思わず不機嫌になる、こうなる事を予想してお約束、ということで膨れていたのは言うまでもない。
 そして花組からまずグラスに注がれていく。全員の耳目がそちらに向く間、ある二人は余所を向いていた。一人は群衆の中の一人の女性を。
「私は、そうだったな。聖に愛されていなくてもいい。ただ彼女が嬉しいところを見られればいいしそのために最大の努力を惜しまない、そういう奴だったっけ。」
 決意も新たにしたその男はすかさず真宮寺さくらをむき直した、とたん聖の顔が少しこわばったという。
 さて、余所を向いていたもう一人は別館の屋根の方を向いていた。
「あそこだ、あそこからとてつもない悪寒がする、一体何なんだ?」
 その震える状況に気付いたイカルスは何故か目を凛々とさせていた。

「ああ、こっちから声がするぞ。」
「いってみよいってみよ。」
 遅れて到着した二人が宴会場に姿を見せたのはひなたの登場より早かった。

−−−−−−−
 こんなもんでどうでしょう、花組登場の辺りはお任せです。なんか自分の深層が字に出ているような。どーせもてない男の自己肯定はこう思うしかないもので。(;;)
 でもひでじい様とイカルス様との聖争奪戦には負けませんよ、何と言っても私の作ったキャラなんだから。(それをいっちゃー!)ということはひなたの恋のお相手は・・・・・
 挙げ句の果てにはるかちゃん(何人知っていることか)が来たら師匠の・・・あでも師匠の娘みたいなもんだからはるかちゃん狙うと師匠を義父さん呼ばわりしなければいけないのね。巴さんは当人が来ていないし、ももさんも当人が来ていない、まだ聖とひなたで頑張るしかないのかな?

真神樹氏
随分と慌しい夜だったな…
男は、いささか不謹慎な事を心の中でこっそり呟いた。
しかし、声に出したとて、誰かに聞かれる懸念は全く無かったのだ。
今ここには彼しかいないのだから。
仲間達は皆、英爺の傷を心配してテラスに集まっている。
無論、彼も気にならないわけではない。しかし、彼の角度からは丁度見えていた。英爺が、魔物の放った槍を絶妙のタイミングで脇に抱え込んだのを。あの動きは決して偶然のものではなかった……
(そういえばミュラー先生の動きは市ヶ谷や練馬で見かける、軍人の動きそのものだった。いや、より洗練されていたような気がする……)
ルドルフ氏の銃も、護身の域を明らかに超えている。二階堂氏の剣術、あれは、人を斬った事のある者の太刀筋だった……
(……そして夢織先生の……あの人は確かに印を結んでいた。研究の為に何度か見せてもらった事がある。あれは…密教系の法術だ……)
帝劇を愛する文士達が集まる太正浪漫堂。しかし、ここが単なるカフェでない事は、たった今この眼で確認している。魔を封じるシルスウス鋼の防壁。人工霊子水晶の窓。
(噂には聞いた事がある。解放されてしまった八鬼門封魔陣。帝都の魔を封じる八つの門を再び封じる新たな封印が、宮内省を中心として秘密裏に築かれていると)
太正浪漫堂は池袋にある。この地は、八つの鳥居が眠っていた封印の地の一つ。
(偶然だろうか?単に大国歌劇団のファンというだけではない。ここに集まった人達の多くは、多かれ少なかれ帝国華撃團の秘密に触れようとしていた。そして、彼らはただの学者や文士や役人ではなかった。少なくとも、特に帝撃の秘密に深く迫っていた人達は…)
監視、されていたのか…?
(……まあいい、例え監視されていたとしても、私には関係の無い事だ。私は、その秘密を守る側の人間だからな……)
浪漫堂の仲間達は気付いているだろうか?何人かは、うすうす感じ取っているかもしれない。彼が、政府の情報操作に荷担している側の人間である事に。彼らを、騙している事に。
何故こんな事になったのだろう?真神は、ふと溜息をつきたくなった。彼は、真実を明らかにする側の人間であったはずだ。それが、政府に雇われ真実に近づいていくにつれ、自分から真実を覆い隠す側に転向してしまっている……
(…英爺さん、大丈夫だろうか?)
自己防衛心理が働き、思考が切り替わる。彼は、自分を責め続けていられるほど強い人間ではなかった。
(……いや、私が行っても、何も出来ない)
医学的知識が無い自分が行ったところで、応急処置の役にすら立てない。自分には、彼の身を純粋に案じている彼らの、彼女達の輪の中に入っていく資格が無い…
それよりも、自分に出来る事をしよう、真神はそう思った。
彼の目の前には浄火で焼き尽くされた魔物の灰がシルスウス鋼の容器に集められている。焼き尽くされてなお、不気味な雰囲気を発散している灰を数秒、じっと観察して、それから彼は上着のポケットに手を突っ込んだ。
見るからに着古されているジャケット、そのポケットから出て来たのは白い、薄手の手袋。真神の両手を覆ったその甲の部分には、左手に赤、右手に黒の五芒星……
(かとおおおさんに見られたら何を言われる事か……)
心の片隅で、苦笑気味にそんな事を考える。もちろん、彼には魔術の心得など無かった。仕事の性質上、こうしたモノに触れなければならないことも多いことから、身を汚れから守る為に陰陽寮から支給された商売道具なのだ。
手袋越しに、灰の感触を確かめる。傍らの鞄から七枚の紙切れを取り出して、灰を少しずつその上に乗せていく。それぞれの紙には、正三角、十字、五芒星、六芒星、北斗陣、八卦、九曜星のシンボルが描かれていた。
(……これは…?)
「真神先生、何かわかりましたか?」
「加山隊長、っと、加山さんですか。『先生』はやめて下さい」
「…それで、何か?」
真神は普段の、帝劇での加山を知らない。だから、彼がそのような真面目な態度を取る事に少しも違和感を感じていなかった。
「……魔物と言うより、妖怪に近いような気がします。まだ、断定は出来ませんが……古き神々の眷属ではないでしょうか?魔界の住人ではなく、この中つ国に、かつて人と共に在った者達」

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

すみません、勝手に謎解きを進めてしまいました。(汗)
魔物の正体調べなどという役目を振られたものですからつい……
元々の構想と違ったら、無視していただいて結構ですので。

夢織時代
やはり私には、観客の方が合っているのかな

ミュラーとルドルフの見事な手並み、そして帝国歌劇団、いや・・・
「帝国華撃団」の特別公演を見つめながら
夢織は、ミュラーに止められた自分の手を、もう片方の手で握りしめていた。
さすがはミュラーだ。
誰にも、知られていないと思っていたのだが。

少々心得はあっても、所詮は一般人でしかない夢織にとって、訓練され洗練された彼ら彼女らの動きは感嘆に値した。
この光景を見たら、最後に残っていた疑念すら、粉々に消し飛んでしまった。
まちがいなく、そうなのだ。

なるほど。

わかるような気がした。
何故、彼女たちが、歌劇団でありながら、華撃団でいられるのか。
私たちの心を清く洗い流してくれる、その歌、踊り、舞、声・・・。
私たちの街を守り抜いてくれる、その戦い・・・。

その本質は、同じ。
私たちを、私たちの存在を、私たちの生きるところを、私たちの心を、
守ってくれている・・・。

こんな、少女たちにな・・・・。

誇らしく、そして、情けなくなってくる。
これほど、生命の輝きに溢れた彼女たちを、間近に見ることが出来、言葉を交わせたこと。
そして、そんな彼女たちに、矢面に立ってもらわねばならない、己の力の無さ・・・。

彼女たちと肩を並べて戦える二人が、少し、うらやましかった。
どうやら、思ったより早く決着は付きそうだ。
浪漫堂の変化は、うすうす感じてはいたが、しかし、ここまで万全とは思わなかった。
なにやら、外からそれを叩くような音がしたような気がしたが・・・、気のせいだろう。多分。

そして、集まった皆の目の前で、桜色の光が木霊する。
まさか、直に目にする光栄を得られようとは。

だが、次に起こったことは・・・。

大神が反応する。
しかし、BATとエズミが・・・!
その前に立ちふさがる影・・・、駄目だ!あなたは・・・!

夢織は無我夢中で手をそちらへ向けていた。
しかし、彼ごときの力量で、即座に魔術を発動できるはずはないことは、彼自身、心のどこかでわかっていただろう。

その影を・・・、誰よりも正確に動いた男、英爺の背中を、槍のようなものが貫いていくのが、
出来の悪い活動写真を見るかのように、やけにゆっくりと見えた。

「英爺さん・・・」

手をつきだしたまま、呆然とつぶやいていた。
と、
「はあ、助かった・・・」
浪漫堂の誰もが、我が耳を疑った声が響いた。
「英爺さん・・・?」
生きているらしい・・・。
確実に、肺か心臓を貫かれたように見えたのに。

夢織の魔術ではないはずだ。
彼が生きているのだから、発動しているはずがない。
一体、何が起こったのだ・・・?
信じられないが、それは喜ぶべき事実だった。

魔物はもはや活動を停止している。
店の奥から救急箱と言うには中味の豪華な医療セットを取りだして、英爺の元に駆けつけながら、
誰か医学に詳しい者がいなかったかと、夢織は考えていた。
そんなものが、ここにあることに疑念を抱かぬまま・・・。

************************************
こんばんは、正気に戻っている夢織時代です。
急展開、ですねえ。
どうやら、降魔ではない、別の魔物のようですね。
西洋の悪魔でしょうか、バビロニアの魔神でしょうか。
それはさておき、英爺さん、生きていらっしゃるんですね・・・。
はあ、よかった。

しかし、これは序章に過ぎないのでしょうね。
この先どうなることやら・・・


ひでじい氏
 助かったとは言っても重傷ではないか…。夢織はすばやく南國とともに救急用具を取りに行き、テラスにとって返す。助かったとはいえ、怪我はしているようだ。

「卿も悪運の強い…。」ミュラーが英爺から槍を取り除きながら苦笑する。先程まで聖がいて、魔の残した痕跡を調べ、破片を丁寧に灰にした。そのため手当が遅れたのである。

「しかし、まさかこんな幸運が、イテテ…。」槍は英爺の腋をちょうど貫いたのである。腕と体に切り傷ができたが槍を腋で抱え込むようなことになり、助かったのである。
 血で模様をつくっている英爺のカッターシャツと下着をエズミとBATが丁寧に取り除く。
 
「英爺さん、よかった、本当によかった…。」エズミはいつもの調子はなく半分涙声である。
「ああ、生きているのが不思議なくらいだ。」英爺は穏やかな笑顔で治療を受けている。

「二階堂君、花丸君、それから智士さん、英爺さんを押さえて。」夢織が消毒薬を塗る。
「ぐあああああああああ!!!!」先程よりこっちの方が数倍の断末魔の叫びだ。

「これは応急処置だ。明日にはまた医者に見せないとな。」南國が薬のしみこませたガーゼを傷口にあて、エズミとBATは包帯をまいていく。

「しかしいつもは弱気な英爺らしからぬ行動だな。」イカルスがあきれ顔で言う。
「どうした、エズミさんかBATちゃんが意中の人なのか。恋愛詩人も自らを詠わないといけなくなったぞ。」南國が冷やかして言う。
「そ、そんな…。」新しいカッターシャツに袖を通し、智士と二階堂にネクタイを締めてもらいながら英爺は照れて下を向いた。

「これで応急手当はいいでしょう。」夢織は英爺の腕に三角巾をあて、首で吊るようにすると笑顔で言った。
「夢織さん、ありがとうございました。それから智士さん…。」英爺は智士の方に向き直ると、
「先程は大変失礼しました。でも女性であっても、やはり君とはいい友達でいたい。」英爺は右手を智士に差し出した。
「こちらこそ、よろしく。」智士も爽やかな笑いとともに手を握り返してきた。
「その握手、私も混ぜていただけますか。」夢織は二人の握手の上に手を載せた。ミュラー、イカルス、南國、二階堂、エズミ、BAT、花丸…。みんなの手が重なっていった。

「確かにきょうの桜は一段と映える…。」ミュラーが桜の花びらを見つめながらしみじみと言った。
「さあ、そろそろ行きますか。みなさんお待ちですよ。」夢織はにこやかに面々を案内した。心なしか少し上気している。本当の宴会がこれから始まるのだ。

ひでじいです。遅れてすみません。夢織さんのレスでこんな感じの情景が浮かびましたので書かせていただきました。

ビッテン氏
現在許可が頂けるのを待っております。






二階堂氏
直接レスは初めてですね。
どもども、初めまして(笑)二階堂です。
なんかNMRの描写がとても他人事とは思えずについレスを付けてしまいました(^^;)
(ビッテンさんは助手さん?)
何が出来上がるか楽しみです(^^)
でわでわ♪
二階堂でした。

追伸・無断拝借の件は平にご容赦を(^^;)

ビッテン氏
現在許可が頂けるのを待っております。






魔女吉氏
そびえたつシルリウス鋼の外壁。
土蜘蛛の写真を握り締めて立つ、放送作家。
帝都放送のジャンパーにレイバン姿の「いかにも」業界人。
「ちょっとそこの人!手伝いなさいよ!」
よじ登っている少女が声を掛ける。
「じゃあ、手伝うついでにどえらい事してもいいですか?」
無表情に答える魔女吉。
魔女吉にとってこの少女はあまり好みの範疇にはいってないらしい。
「・・・・・・じゃあ、先に入って引っ張り上げてよ。」
しゃがみ込む少女。
「もうちょっと頭下げて。」
「こう?」
「もうちょっと」
「このくらい?」
「んー、顔が地面に付くくらいかな」
「・・・・これでどう?」
やっと近寄る魔女吉。
足をすっと前に出す。
「靴なめろや」
「あたしゃエイジか!」
防壁の内側まで吹き飛んでしまう魔女吉。
「ふふふ、おさらばでございます!」

なんとか、浪漫堂に潜入した魔女吉であった。

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なんとか入れました。
放送作家です。
武器とか防具とか特に無いですが。
土蜘蛛に対する愛だけで頑張ります。
せいぜい魔法が使えるくらいかな。魔女だし。

ではでは♪

ひでじい氏
「おお、すごいメンバーじゃないですか。」さすがは魔女吉、帝都放送のディレクターにして放送作家だけのことはある。人を知っているのだ。帝都を賑やかにする若手の学者、報道関係者、技師、脚本家、小説家たちがあの人気沸騰の帝國歌劇団花組と席をともにしているではないか!!

 向こうでは英爺が手当てを受けている。魔女吉も来たときは槍の突き刺さったひでじいを見つけてその場に立ち止まってしまったが、幸か不幸かかすり傷で比較的傷も浅いという。

「あいつに放送焚き付けられたんだよなあ。」痛がりながら談笑する英爺の姿を見て魔女吉は苦笑した。

「まずはみなさんに御挨拶っと、あ、このスモークサーモン、うまいんだよな。まずは腹ごしらえと…。」食べ物を適度に取りつつ、花組の方へ近づく魔女吉ではあった。

 魔女吉さん、ようこそ太正浪漫堂へ!!こんな感じで書いてみましたがよろしいでしょうか。

無法地帯氏
「そんなこと…嘘や。」

智士さんが女性なんて…

という意味で呟いたのではない。

英爺さんに槍状のモノが突き刺さり、確実に貫通しているのを目の当たりにした。

 …彼は死んだ、絶対死んだ、何か訳のわからんモノに殺された、
  気のいい若者、でも爺と名乗る彼、これからしたいこともあったろうに、
  大好きな花組の舞台をもう見られないなんて…
  あれ?生きてる、生きてるぞ!彼はまだ生きている!!!

先刻の思いが対象物を失って、迷走した。
 …生きてるぞ、生きてるんだ。でも、何故?なにがあったんだ?いや、何もなかったのか?
  あんなになって生きてるなんて、彼は人間じゃないのか?人間でないなんてことは…

これらふたつのことに対して発せられた言葉であった。

「そんなこと…嘘や。」

「なんで、英爺さんが刺されなあかんねん!一般市民やないか!刺されたら死ぬんやで普通!
 何で死ねへんのや!おかしいやないか!刺されとんねんで、英爺さん!!
 こんなおいしいとこ、たいがいにしいや!下手なボケやったらゆるさんで!」

「い、いかん!無法地帯を落ち着けさせろ!」

無法地帯の近くにいた客が、半ば暴れ出した彼を取り押さえた。
テーブルの下に潜り込むような形で倒れる。

「無法地帯さん、興奮してはいけない!
 奇異な行動をとると、あの化け物の標的にならんとも限りません。」

「し、し、し、しかしやなあ!」

「落ち着いて!彼は生きている。それだけで今は充分です。
 それよりも、今後、新たな犠牲者を出さないよう、最大の努力をすべきでしょう。」

「うっ、確かに。英爺さんには、なんか特技があったから助かったんかもしれん。
 しかし普通の人には、刺されても死なへん、やいう特技は無いやろしな。」

「そう、うん、落ち着きましたね。
 ところで、よく見てください、あの怪物を。何か気がつきませんか?」

「え?怪物に知り合いやおらへんで?」

「そうでしょうけども、ほら、気がつきませんか?
 あの本に載っていた怪物の描写に瓜二つだと思いませんか?」

「あの本?はっ、まさかあの本の!!?
 だとしたら、倒す方法は自ずと決まってくる…」

「ええ、そうですとも。」

お互いに見合わし、ニヤリと笑って頷いた。

「ふふふ、待っとれよ、カーテンコールの拍手はワイのもんや。」


******************************************
こん**は、ひでじいさん。
どうして生きてるの、ねえ、ねえってばあ、

男にせがまれてもうれしくない?ごもっとも!

まあ、私もネタ振りさせていただきました。
調理のほう、よろしくお願いします!!



ひでじい氏
「…と野望を燃やしとったのに、みなさんにあっさり片付けられてもうて…。」無法地帯はぶつぶつ言いながら宴会の準備をかとおおおとやっていた。

「まあ、いいじゃないですか。何はともあれ一件落着だし。」
「いいところ見せようとは思うたんやけどなあ。」
「まあまあまあ。」

「無法地帯さん、こっちの配膳は完了ですよ。」花丸が軽く親指を立てた。
「ありがとう。後はビッテンさんと二階堂君に頼んで…。」

 空を見上げて無法地帯は呟く。

「怪物の種明かしは宴会のときにするか。」

 ひでじいです。どうもありがとうございます。じゃあ、今度の宴席で種明かしなぞ。よろしくお願いします。

イカルス星人氏
これはまた。
南国に助け起こされつつ、イカルスは呟いた。
とんでもない奴がこの私に化けていたものだ。
人外の者ということは気配でわかったが、あんな触手まで出してくるとは。

化け物に銃弾を撃ち込んでいるルドルフ。
その様子は一介の新聞記者のものではない。
標的を撃つのに慣れている、そんな感じだ。それも生きた標的を。
聖さんにちょっかいを出すと、俺もあの銃弾を撃ち込まれるのか?

噂に聞く華撃団の立ち廻りをこの目で間近に見ることができるとは。
何という幸運なのだろう。
多少の怪我はお釣りがくるというものだ。
さしもの化け物も劣勢に追い込まれている。逃げる気のようだ。
ん?シルスウス鋼の障害物?クリスタルガラスの窓?
このカフェはまさか?
そう言えば、大神氏を始めとする花組の面々がこんなにあっさり姿を現すというのもおかしい。
まさか、これが噂に聞いていた、軍が密かに計画していた帝都防衛施設の一つなのか?
難しい話はさておき。
イカルスは先ほど自分の体を覆った、柔らかく温かい感触を思い出していた。
ほんのりと漂うかぐわしい香り。何のコロンをつけているのだろう。
あれは確か・・・。

「何をニヤニヤ笑っているんです?緊迫感のない・・・・」
想像をたくましくしていた当の本人にたしなめられ、イカルスは我に返った。
その眼前で、信じられない光景が。
化け物の体から槍状のものが発射され、英爺を貫いたのだ。
これで、聖さんを巡るライバルが一人減るな。
イカルスはそんな不謹慎なことをまず考えてしまった。
ところが。
どう見ても即死のはずの彼は、「助かった」などと言っている。大した怪我もないようだ。
ちっ。私は心の中で舌打ちをしつつ、また悪友の無事を神に感謝しつつ、彼に駆け寄った。

ここ2回ほど大分本編に絡んだので、今回は傍観者に徹してみました。
英爺さんが無事だった謎についてはそのまま残してあります。
聖さんに嫌われたら次回からひなたちゃんに鞍替えしようかなどと思いつつ、
それでは、また。

山科聖さん
むっ、イカルスさん(番外)
 やっぱりそういう下心丸出しの方だったんですね。許しません、もうわたしに近付かないでください、ふんっ!ひなたさんにも言っておかないと。
(もはやさくらさんばりだな;現在キャラが上手く立っていない;)

ひでじい氏
「…という訳で、もうイカルスさんと言ったら…。」聖のむくれ方がおかしいので夢織は笑ってしまった。

「まあ、それがイカルスさんの個性じゃないですか。」
「そうですよ。きれいな女の人に興味を持つんだから、聖さんがきれいという訳で…。」英爺も援護射撃する。

「今度はひなたさんに鞍替えですって。本当にもう!」聖の頭からシュウシュウと湯気が上がってそうだ。
「聖は焼いてるのか?」ルドルフがメモの整理をやめて聖を見た。
「そんなんじゃありません!」聖はまだ怒っているようだ。

 触発されてこんなのも書いてみました。

エズミ氏
「まいど〜」
 エズミはひょいと浪漫堂のカウンター裏にある小部屋をのぞきこんだ。
 そこは浪漫堂のウェイターウェイトレスたちのちょっとした仮眠室になっていた。
 そこに横たわって煙草をふかしているのは・・。脇腹の包帯も痛々しい英爺であった。

「やあ、エズミさん」
 英爺はにっこり笑って手を上げる。さきほどまで大丈夫だと言って宴席に加わっていた英爺だが、心配した皆についにここに押し込まれてしまったのである。
「あ〜、煙草なんか吸ってー。傷にしみるじゃないですか。没収です」
 エズミは英爺の手から吸い差しのゴールデンバットを取り上げると、灰皿に押し付けた。
 ついさっきまで涙を浮かべて英爺の心配をしていたしおらしさはどこへやらである。ま、この方が彼女らしいか・・。英爺は苦笑いを漏らす。

「やれやれ、とられちゃった」
「あたりまえです。それより傷のほう痛みませんか?包帯替えましょうか?何か欲しいものないですか?」
「タバコがだめならミュラー閣下の持ってきたドン・ペリを少々試してみたいなあ。酒は万病の薬だからね」
「・・傷口に吹きつけてあげましょうか?」
 手負いにもかかわらず軽口の尽きない英爺に、エズミは怖い顔をする。
「まったくもう、のんきなんだから。下手したら死んでたんですよ」
「まったく。人生わからないもんだよ」
「人ごとみたいに・・」
 エズミはあきれた顔をすると、後ろに隠していたものを取り出した。
「じゃーん」
「お、りんごじゃないか」
「このあいだの東北旅行のお土産です。グッドタイミングですよね。やっぱお見舞いにはりんごでしょう。って言うか、バッドタイミングかな・・。間がいいんだか悪いんだか」
 エズミは首を振ると取り出したナイフで器用にりんごの皮をむき出した。
「おお・・。そんなとこを見るとエズミさんもやっぱり女の子・・」
「皮肉ですか、それは。・・しかし智士さんには驚きました」
「僕なんかもうショックすぎて・・。怪我のことよりそっちのほうがびっくりだよ。エズミさん、知ってたみたいだったね」
「ええ。知ってはいたんですけど、まさかばらしちゃうなんて。実は私も、南国さんの事務所に遊びに行ったときに偶然耳にして・・。本人に浪漫堂でこっそり確認しちゃったんですけどね。智士さん、よかったのかなあ」
「ふむ・・」
「あ、それはそうと!」
 エズミは急に声を跳ね上げた。
「聞いてくださいよっ!英爺さん」
「とっ・・。おいおい、危ないってば」
 ナイフをこちらに向け、ぶんぶん振って話すエズミに、また怪我をさせられてはたまったものではないとばかりに英爺は汗をかく。
「あっとと・・すいません。あ、でね、こっちに来る途中陛下と聖さんのテーブルの横通って来たんですけど、なんかいー雰囲気だったんですよ、珍しく」
「へえ」
「英爺さんもイカルスさんもがんばんないと陛下に聖さんとられちゃいますよー」
 エズミは愉快そうににやにや笑った。この娘は他人の色恋沙汰が気になってしょうがないのだ。

「はい」
 エズミはすっかりむき終わったりんごをぱっかりと二等分すると、英爺に差し出した。
「もう半分は・・。ジュースにでもしましょうか。ちょっと待っててください」
「うん、すまないね」

 エズミは部屋を出かけたところで立ち止まった。りんごをかじったまま英爺は怪訝な顔をする。
 エズミは後ろを向いたまま「英爺さん・・。本当に、ありがとうございました。あの時英爺さんが助けてくれなかったら私・・」
 英爺は目を丸くする。
「エズミさんらしからぬセリフだな・・。気にすることないよ。なんともなかったわけだしね。ま、浪漫堂のコーヒー券10回分にまけとくよ」
「高い!ランチ二日分ってとこですよ」
 あっという間にいつもどおりのエズミに戻っている。
「ずいぶん安い命だなあ」
 英爺とエズミは声を合わせて笑いあった。


 今晩はー。(^^)いやー、英爺さん無事でよかったです。助けてくださってありがとうございます。(笑)
 実は英爺さんがどうやって助かるかでいい案が思いつかず・・。今ごろつけさせていただく羽目になりました。(笑)
 またしても英爺さんとツーショット。ま、流れ的に・・。(笑)
 勝手に喫煙者にしてしまいました。すいません。(^^;
 
ではでは、失礼いたします。

ひでじい氏
「やはりりんごだね。」

 英爺はエズミのむいてくれたりんごを不器用そうにほおばる。不器用この上ないと、イカルスがかつて評したことがあるくらいだ。

「あれで実は地質学者なんだからなあ。世の中は本当に分からないぞ。エズミくん。」

「何か考え事かい。エズミさん。」英爺が不思議そうにのぞき込んでいるので、そんなイカルスの不謹慎なコメントを言うわけにもいかず、エズミは不自然な笑いでごまかすししかなかった。

「アハハハハ。いや何でもないんですよ。なんでも…。」
「しかし、本当にりんごありがとう。僕はりんごに目がないんだよ。」
「そう言えば英爺さんって甘党ですよね。」

 確かに英爺は甘党である。普通は宴会でもなければ酒は飲まないし、煙草もめったに吸わない。しかし人間おかしなもので、その部分の嗜好が甘党となってでるのだろう。甘いものに目がないのである。もちろん普通の料理も好むから、太正浪漫堂メニューをこよなく愛する人でもある。

「うん。最近は果物に目がなくてね。」
「そう言えば昨年の秋に浪漫堂裏でワインにする甲州葡萄を食べてましたね。」
「いかんいかん。よく覚えてるね。」二人は笑った。

「後、ジュースもいかがです。」
「当然にいただく。」胸をドンと叩いた英爺はイタタタ…と顔をしかめる。
「大丈夫ですか。」
「そうそう、怪我人だったね。」
「あ、包帯が少し血が滲んできましたね。変えなきゃ。」
「わ、悪いよ。」英爺がためらうのも聞かずエズミは腕と脇腹の包帯を換える。
「その、どう言ったらいいのか、ともかくエズミくん、ありがとう。」赤面しながら英爺が答える。
「遠慮は無用ですよ。」
「それからりんごもありがとう。なんか世話になりっぱなしで。」
「いいんですよ。…さあ、できました。」
「すまないね。」英爺は感謝に堪えないと言った表情でエズミを見た。

「お〜い。用意はできたのか。」そこに運悪く南國が来た。
「おっと、二人ともそういうことだったのか。じゃあ、邪魔者はここで失礼するよ。」
「あ、待ってください。南國さん。」「これには訳が…。」二人は交互に説明しようとしたが南國は遠く去ってしまった。

「仕方ない。じゃあせいぜい仲のいいところを見せつけてやりますか。」エズミがいたずらっぽく笑うと英爺もエズミの肩を借りながら、
「その話、乗ったよ。さあ、みんなのところへ行こう。夢織さんがやってるはずだ。」
と言いながら会場へ再び向かうことになった。

ひでじいです。すみません。話に乗っていただきまして。
実はこの役智士さんだったんですけど、話が急展開になりまして、近くにいる奴って僕?という具合で自らを生け贄にさせてもらいました。エズミさんにはキーパーソンになってもらい感謝の限りです。

でもこれってすごくいいムードになっちゃいましたよね。陛下に見つかったりしたら…と思うと恐怖!!男女の会話の機微に胸を躍らせているひでじいでした。






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