浪漫堂再録書庫に戻る。
太正浪漫堂 六

太正浪漫堂 六 筆:ひでじい氏
ビリッ。 筆:ミュラー大将氏
│└「過去は捨てたはずなのに…な。」 筆:ひでじい氏
「あれ?ヘンだな」 筆:智士氏
│└「イカルスさん、怖かったなあ。 筆:ひでじい氏
「今をときめく花組のスターから演技のお話... 筆:南国華撃団氏
│└「何かおかしい。」 筆:ひでじい氏
手に汗握るその時は・・・ 筆:藤枝すずかけ氏
│└「かえでくん、大神とさくらの剣は。」 筆:ひでじい氏
「アイテテテ・・・。」  筆:桜嵐氏
│└「動きが不自然だ。」 筆:ひでじい氏
エズミは浪漫堂を見渡して、  筆:エズミ氏
│└「あ、なるほど。そういう風に動かれるわけですね。」 筆:ひでじい氏
また外に出た  筆:Rudolf氏
│└勝手知った友人たちの顔を裏口から見ながら 筆:ひでじい氏
「うーん、やっぱさっきのはまずかったよなあ」 筆:クリアル氏
│└クリアルは織姫の下に赴いて 筆:ひでじい氏
「さて、紅蘭さんにサインもらったことやし、 筆:無法地帯氏
│└相手は紀州人さんあたりですか?! 筆:ひでじい氏
「おやおや・・・」 筆:夢織時代
│└危険な薫り。それは珈琲の香を凌駕して 筆:ひでじい氏
厨房の中から機会を伺っている 筆:イカルス星人氏
│└ご期待に添えるか判りませんが 筆:智士氏
│ └そ、そんなあ!!(衝撃120%!!) 筆:ひでじい氏
│  └こ、これは抜かったな。  筆:Rudolf氏
「壮観だなあ・・・」 筆:MOS氏
│└「あの人たちの行動にはむらがない。 筆:ひでじい氏
(現在許可待機中) 筆:猫侍氏
│└そのとき、猫侍の後ろからにぎやかな声が 筆:ひでじい氏
「サキちゃーん。ガセだったらこまるよ?」 筆:魔女吉氏
「マスター、水出し珈琲を1つ」 筆:二階堂氏

ひでじい@爆睡から帰還!です。最近疲れて... ひでじい氏
ひでじい氏
 ひでじい@爆睡から帰還!です。最近疲れているのかな?練習や仕事も夜中になりがちだし。
 まあ、気を取り直して一つ行きますか。お洒落で凝った造りの太正浪漫堂に大輪の花!!
 楽しい宴が始まりますがその陰では…。いかがなりますでしょうか。

「いやあ、この時を待ってたんだよ。」(櫻嵐)
「姫え〜!!」(ビッテン)
「私、大神さんに会えて感激です。」(みお)

「様々な思いが交錯する浪漫堂の中。楽しい宴の中にすでに陰が。「サクラ大戦 太正浪漫堂 六 帰還の宴」太正櫻に浪漫の嵐!!」(ミュラー)

「英爺、落ち着いて聞け!!この中に俺がもう一人いる。」(イカルス)
「何?!」(英爺)


 春の太正浪漫堂も夜の帷が本格的に降りてしまうとさすがに少し肌寒い。さすがに花見の季節でもあり、いつもよりも人通りは多いのだが。
 街灯のガス灯の色と浪漫堂前のランプが微妙な色彩を描き出す中、浪漫堂常連の一行が帝劇花組の到着を出迎えていた。

「さあ、お見えになったぞって…。何か様子がおかしいな。」かとおおおが首を傾げる。
「そう言えば、何か言い争っているような…。」ミュラーとシュペーアも不審顔である。耳を傾けてみると…。

「中尉も水くさいですわよ。帰国早々さくらさんと外出だなんて。」
「てめえと一緒にいるよりよっぽど気が効いているぜ。」
「な、何ですって〜!!」
「それにしても大神はん遅いなあ。」
「アイリス早くお兄ちゃんに会いたいな〜。」
「中尉サーン、いつまで待たせるデスカー!!」
「任務を遂行してるんだよ。もっとみんな冷静になった方がいい。」
「レニの言うとおりよ!二人は仕事で行っているのだから、みんな静かに入りなさい。待って。あれは…。」


 花組の姿を見て一気に沸き立つ浪漫堂の人々。しかし当の花組の面々はポカンとした表情で見上げていた。その中の黄金の髪の麗人が礼儀正しくミュラーに挨拶した。

「お邪魔して申し訳ありません。私は帝國歌劇團花組のマリアタチバナです。みなさんは…?」
「お待ちしていました。太正浪漫堂へようこそ。私はミュラー、大学で助教授をしています。こちらはシュペーア、政府の企画調査室に勤めている者です…。」
「しかし、みなさんが夜遅くここで私たちを待っているというのは?」

「いや、太正浪漫堂にみなさんがお越しになるというのでお迎えに上がった次第です。」シュペーアが言った。
「いえ、私たちは、ここに先に来ている大神中尉と私たち花組の団員である真宮寺さくらを迎えに…。」上品な紫の衣服をまとった神崎すみれが補足を加えようとした。
「ええ、そうです。大神中尉とさくらさんはこの奥でお待ちになっています。」菫月は興奮を押さえきれない表情ですみれに応え、同時にすみれに手帳を出してサインを促した。

「菫月さん、汚ねえぞ。じゃあ俺も。姫え〜!!」
「サインしてくださあい!」

 ビッテンとクリアルが織姫にサインを求めると、無法地帯も紅蘭の方へ走っていく。智士はレニにと大騒ぎになった。」

「待て!そんなことは宴席でできる!取りあえず中に御案内しろ!!」若き助教授はみんなを一喝した。

「失礼しました。それでは御案内します。」儀礼に優れたかとおおおと二階堂が先導して案内する。シュペーア、紀州人、智士、櫻嵐、MOS、無法地帯、ビッテン、そして先ほど到着したみおが続く。

 太正浪漫堂についに主賓が到着した。



「ふう。後は夢織がうまくやってくれるだろう。」最後まで玄関ロビーに残っていたミュラーも宴席に向かおうとした。するとイカルスが颯爽と入っていく。

「イカルスめ。どこに行っていたんだ。」とミュラーは苦笑しながら後から入ろうとする。と、そのとき、

「ミュラーさん!」

 ミュラーが振り向くとそこにはルドルフと聖に両肩を支えられてイカルスが立っていた。

「イ、イカルス?!卿は今入っていったところじゃないのか。」
「何?!もう来やがったのか。」イカルスは青ざめている。
「ミュラー閣下、そいつはイカルスにすり変わった偽物だ。」ルドルフが横から言った。
「私もその男に襲われました。あるいは魔かも知れません。」聖は真剣な表情でミュラーを見つめた。

「早速みんなに知らせないと…。」急ごうとするミュラーをイカルスが止めた。
「待ってください。今知らせると大混乱になります。機を待って取り押さえるしかありません。あなたは夢織さん、大神中尉、さくらさんにメモで知らせてください。陛下は英爺に連絡してください。
「…。分かった。」
「閣下、気取られてはいけません。」聖が言う。
「そうしよう。」ミュラーは何事もなかったかのように会場に赴いていったが、その瞳には緊張の色が濃く宿っていた。



 ミュラーの到着で夢織が音頭を取り、宴会が始まった。帝國歌劇團花組のファンの集いと大神一郎中尉の帰任を祝う催しとして。
 別館から急遽料理が運び込まれる。もちろん珈琲は本館の極上のものが用意された。

 その中、花組に囲まれた大神の前に一人の女性が現れた。

「よかった…。本当に来てよかった。私、大神さんに会えて感激です!!」みおだった。
「私、大神さんのファンなんです。」
「いいっ?!俺の?!だって俺はただのモギリですよ?」大神はびっくりした。
「握手とサインをお願いできますか?」
「ああ、自分でよければ…。」大神は照れながら握手とサインをしたが、足を横で笑っているさくらに踏まれているのをエズミは見つけて静かに首を横に振った。


 一方櫻嵐はカンナと念願の組手ができることとなり、大喜びだった。

「組手の基本からお願いします。お手合わせをお願いします。」
「みんなの前ということだからちょっと恥ずかしいけど…。まあやってみるかい。」衆目の注目する中、組手が始まった。

「くっ!こうか!!これでどうだ!!」
「なかなかやるじゃねえか。だけど…。」
「勝機!!」櫻嵐が一気に畳みかける。とそのとき、カンナの手が一閃した。
「ぐはあ!!」櫻嵐は地上に突っ伏した。
「大丈夫か?!手加減したんだけど…。」カンナが慌てて助け起こす。
「…さすがは桐島流。全然でしたね。」痛みを堪えながら櫻嵐が苦笑いする。
「いやあ、あんたも大したもんだよ。後は攻撃と防御のバランスを考えてやればいい線行くぜ。」
「ありがとうございます。イテテ…。」BATに湿布を貼ってもらいながら櫻嵐はカンナと握手した。


 そのころ、英爺は真神や花丸とともに、南國とエズミがマリアやすみれに演技上の質問をするのを興味深く見ていた。そこへルドルフがやってきた。

「英爺、卿にちょっと来てもらいたい。イカルスが呼んでいる。」
「イカルスって、陛下。イカルスはそこにいるじゃないですか。」
「いいから来てくれ。」

 ロビーまで来ると、聖に手当を受けたイカルスがいた。

「おい、イカルス、これはどういうことなんだ?」英爺は信じられない様子でイカルスに尋ねる。
「英爺、落ち着いて聞け!!この中にもう一人俺がいる。」
「何?!」
「英爺。あれは俺の偽物だ。おれは今ぐるぐる巻きにされたところを陛下と聖さんに助けてもらったんだ。」
「それじゃあ、その偽物は何の目的で…。」
「分からん。ただ俺をひっくくったり、聖さんがピンチになるところを見るとかなりの者だ。」
「どうすればいい??」
「下手に騒げば思うつぼだ。今ミュラーさんが夢織さんと大神中尉、さくらさんにメモを回している。」
「待って。みなさん。」聖が静かに言った。

「強い力を持った人が二人、いや三人こちらに向かってきます。」
「敵さんか。」ルドルフが苦い表情で玄関を見る。

 玄関が開かれた。しかしそこに見えたのは見慣れた顔だった。

「おう、いつぞやの雑誌屋の記者さんと聖じゃねえか。」
「支配人、かえでさん、加山さんまで。」聖は米田のところに駆け寄った。ルドルフ、聖、イカルス、英爺に米田とかえで、加山が加わり前後策を検討する。

 検討が終わると米田は嘆息した。

「大神の帰国を祝おうと思ったんだが…。本当に大神とさくらはついてないぜ。いずれにしてもあの二人の協力が必要だな。」
「それでは支配人、会場へ参りますか。」加山がにやりと笑う。かえでは刀を取り出した。
「ああ、二人とも気取られるなよ。それから、みなさんにも協力をお願いします。」
「俺は陛下や聖さんと裏から回る。」
「分かった。それでは支配人、よろしくお願いします。」英爺が真剣な眼差しで3人を案内する。

 太正浪漫堂でこれから何が起こるのか。不安な陰を前に本館では楽しい会話が花開いていた。ここは文化と芸術の交わる場所。そして…。



 いやあ、やっと楽しい宴になりましたけど、少し緊張のシーンも。伍を集めるとこうなっちゃうんですよね。




  

ミュラー大将氏
ビリッ。
ミュラーは手帳の1ページを破り取るとその切れ端にこう書き殴った。
「メカジャンポール生みの親はロウの翼にあらず。」
彼はその紙片をポケットにしまうと、物陰に歩いて行き左脇に吊っているホルスターから
ルガーP08を抜きトグルジョイントを引いた。

「こんなモノを、使うことがないように祈るのみだな。」

ミュラーは弾倉に銀の弾が装填してあることを確認すると宴の席へと入っていった。
ドアを開くと花組の面々を囲んで皆が話している。

ミュラーが入室したのを見た夢織氏が乾杯の音頭を取っていた。
その近くへ人々の間をすり抜け歩み寄るとミュラーは夢織氏にこう言った。
「卿に見せたいモノがある。」
ミュラーは人の輪から少し離れ、メモを渡すと夢織氏の肩をたたいた。
「注意しろ、敵か味方かは解らんが・・デリンジャラスな香りが軍人の感性を刺激するモノでね。」

ミュラーは助教授という仮面をいつ脱ぎ捨てて本来の姿に戻るかタイミングを計っていた。

**********************************
ひでじいさん、こんばんわ。
この7日仕事で毎日午前様かつ、週末は会社で当直だったへっぽこ大将です。
ついに「6」まできましたね。
さてさて、登場人物も増加の一途で大変ですな。さらなる続編を期待します。

ひでじい氏
「過去は捨てたはずなのに…な。」ミュラーの顔に苦笑が浮かぶ。

 かつて海軍にいた自分。その軍隊の真実を知り、地位も栄光も捨て一から苦難の道を辿り、軍事だけでなく政治経済や国際社会を勉強し、留学、そして若くして助教授の地位を得た自分。

 そして初めて帝劇を見てその文化に心酔した自分。ここに来て議論を交わし珈琲を重ねる仲間がここ浪漫堂にできた。

 平和を希求すると講義した自分がトリガーを引くのか。しかし、自分の実績の全てを否定することになっても浪漫堂のみんなは私が護らねばならない。それがあの暖かい時間を自分にくれた仲間への答えなのだ。

 そのとき中庭と本館を隔てるドアが重々しく開いた。

「米田支配人?」ミュラーは目を疑った。米田と副支配人の藤枝かえで、帝劇施設課の加山の3人が英爺に先導されて入ってきたのだ。状況は極めて厳しい。被害者なしは難しいかも知れない。

「夢織は…。」智士の杯をにこやかに受けながらミュラーは全く別の方向に全神経を集中させていた。どうやらうまく伝わったようだ。大神も談笑しながらさくらに説明している。取りあえずは伝達できたようだ。

「もうすぐ何かが起こる。そのときは私にできること…。それを遂行することだ。」ミュラーの身のこなしはもはや助教授のそれではなかった。

閣下、かっこいいですよ。レスSS。すごく気に入って何度も読み返してしまいました。
さあ、この後どうなるでしょう?(実は何も考えていない)

智士氏
「あれ?ヘンだな」
 レニ嬢の近くへ行こうと浮ついていた智士はふと疑問に思った。
自分よりもレニ嬢に熱を入れていると思っていたイカルス氏が
ちっとも大騒ぎをしていないのだ。
(もしかして、さっき抜け駆けしようとしたのがまずかったのかな?)
 ちょっと心配になってイカルスの様子を見るが、どうもいつもと
違うような気がしてならなかった。
「あのぉ〜、イカルスさん。レニさんとお話しなくてもいいんですか?」
 イカルスに声をかけるが返事は返って来なかった。その変わりに人の悪い
笑みを浮かべている。
(お・怒ってる?でも何だかいつものイカルスさんじゃないみたいだ・・・・
こ・怖いから逃げよ・・・・)
 怪奇小説などにも手をつけている割に、現実での怪奇ネタにはとことん弱い
智士は逃げ腰になってイカルスから離れた。

 太正浪漫堂に忍び寄る黒い影。この先彼らを待ちうける運命や如何に!

*************************************

ひでじいさん、ご苦労様です。
そしてありがとうございますぅ〜。
わーい、何だかレニの近くに行けそうだ!とか思っている智士です。
とりあえず、話の本筋に外れないように書いてみましたが、いかがなものでしょう。

それと、イカルスさんへ。
また勝手に名前使ってしまいました。すみませーん。
しかも何だか怖い人になってますが、本物イカルスさんじゃないって事で
許してくださいね。

それでは、また。

ひでじい氏
「イカルスさん、怖かったなあ。何かあったのかなあ。」
 智士はいつものイカルスとの違和感を感じながらも、イカルスの元を立ち去った。

「何かおかしいような気がする。それとも酔ってるせいかな。」二階堂や花丸、MOSにはこんなことは言えない。せっかくのこの興奮を妙に冷ますような愚は避けたいという思いも働いていた。

「とりあえずミュラーさんか夢織さんに…。」そう思った智士は大混雑の会場を探したが、夢織は大神やさくらと話し込んでいた。ミュラーを探した。

「どうしたんだい。智士君。」ミュラーはにこやかに応対してくれた。智士は自分の疑問をそれとなく聞いてみた。

「イカルスさんの様子が変なんです。実は…。」しかしミュラーは智士の話に対して笑って、
「単に機嫌が悪いだけだよ。それなら近づかない方がいい。」とアドバイスしてくれた。

「何かひっかかるんだよなあ。」智士はそう思いながらもレニの方に近づき話をすることとした。

 確かにいつもと違う太正浪漫堂がそこにあった。

 智士さんはそれとなく気づく役所ですね。大波乱が起きる前にぜひレニと会って話をしておいてくださいね。



南国華撃団氏
「今をときめく花組のスターから演技のお話を聞けるとはありがたいな。」

南国とエズミ嬢は白金の髪を持つ長身の美女、マリア・タチバナ、それに紫の着物を粋に崩して皆の視線を一身に集める神崎すみれと談笑していた。

「あら、南国さんは帝撃の御芝居も色々書かれているようだし花組の皆様ともお付き合いがあるんじゃないんですか?」

エズミ嬢は少し驚いたように南国の顔を見た。

「ん?まあ、それはそうだが...演技指導はまた別の話だからなあ。」
南国は少し照れて見せたが、エズミ嬢の言葉を喜んでいるようでもあった。

「エズミさんの脚本も、南国さんの脚本も、どちらも私達帝国歌劇團になくてはならない物ですし、私も役者として御二人とお話したいと思っていたんですよ。」
マリアの言葉にその場の雰囲気が一気に打ち解けたものとなっていく。
ちょうど良いタイミングでコーヒーが運ばれてくるあたり、さすが浪漫堂といったところか。
最もすみれ嬢はレモンディーを注文しているらしかったが...


「まあ、私の華麗な演技に皆さんが早く追いついてくれないかと思っている所なんですのよ、おーっほっほっほほほ。」
すみれのお決まりの笑い声が本館に響き渡る。

おお....
どこからともなく声が上がった。
すみれ嬢の生の笑い声だ、浪漫堂に集う若い男性陣が反応しないわけがない。
これにはエズミ嬢も苦笑していた。

「本当にすみれさんは皆さんの注目を集めるのが得意ですね。」
エズミの問いかけにすみれ嬢は髪を右手で書き上げながら答えた。

「まあ、当然ですわね。」

聞きたい事は山ほどあった、物書きの一人として花組の役者と交わす会話は非常に魅力的なものである。
ここで得た事が、そのまま今後の作品に影響を与えていくかもしれないからだ。

先月の公演の事、今までの脚本と実際の舞台での相違差は以下程なのか?
今まさに話が盛り上がろうとしたその時であった...

「!?」

あきらかにマリア嬢の顔色が変わった...
続いてすみれ嬢も表情を若干こわばらせる。

もちろん彼女たちを間近で見ている南国とエズミ嬢は、二人の表情の変化を見逃しはしなかった。
マリアとすみれは一見平静を装ってはいるがその目は鋭く研ぎ澄まされている。
なにか...なにかを感じている?

やがてマリアの目が南国の目に向けられた。
彼女の口の中から発せられる言葉は他愛もない舞台や演技の話であるが、その目は別の言葉を発していた。

.....騒がずに...芝居を続けてください......

エズミ嬢もそのただならぬ雰囲気に気づいたらしい、すみれ嬢と話しながらも、この雰囲気の根元を探しているように目が泳いでいる。

いったい彼女たちはこの浪漫堂の中で何を感じているというのか?

南国もエズミ嬢も、その只ならぬ気配に緊張を隠せなかった...



+++++++++++++++++++++++++++++++++
ひでじいさん今晩は、南国です。

いやあ、今回のお話は只ならぬ気配がビンビン伝わってきますね〜。
とりあえず霊力のある彼女たちなら何か異様な気配に気づくのではないか
と思ってレスしましたが、余計なお世話だったかな?(^-^;)

まあ、マリアもすみれも、悪でも善でもどちらにも断定していないので
なんとかなるかとは思うのですが...(汗)

この後、どうなっていくのか楽しみな南国でした!

p.s エズミさん、お名前をお借りして申し訳ありませんでしたあ(^-^;)

では!

ひでじい氏
「何かおかしい。」南國もやはり浪漫堂らしからぬよそよそしい雰囲気をかすかに感じていた。
 いや、まさに夢の饗宴なのである。文化サロンの浪漫堂に花組が勢揃いしているのだ。ビッテンとクリアルは織姫に、菫月はすみれに、無法地帯は紅蘭に、それからレニとアイリスのところにも多数の人々が押し寄せ大にぎわいである。

 夢織やシュペーア、かとおおお、真神など日頃は冷静な人々までが大神とさくらの前でいささかはめをはずしている。

「しかし、心から楽しんでいるのか?何か緊張した感じがしないでもないんだが。」
 南國は横のエズミとBATにこう語った。何か分からないが緊張している。

「みなさん、新しいお客様が到着しました。大帝國劇場の米田支配人です。」先導していた英爺が中央に立ちこう紹介した。

 一同から歓声が上がる。花組の面々からも驚きの声が上がった。すごい。帝劇支配人自らが来るなんて…。

「役者がそろい過ぎている。役者が…。」南國は不安感を隠せなかった。

 南國さん、お久しぶりです。浪漫堂本館へようこそ。さあ、どうなりますか?

藤枝すずかけ氏
手に汗握るその時は・・・
さてさて、シリアス路線の中にファンとの交流・・・いいなぁ・・・。
かえで・・・出てきたな・・・しかもかっこええっ!(台詞はないが、情景が浮かぶ{すばらしいです})これからどうなっていくのか、すごく楽しみです。

ひでじい氏
「かえでくん、大神とさくらの剣は。」廊下を歩きながら米田は尋ねた。
「大神君から用心ということで預かっています。すみれの長刀、カンナのトンファー、レニのランスもあります。」
「大神の野郎、手回しがよくなりやがったな。加山、おめえの方は。」ニヤリとしながら米田は今度は加山を振り返る。
「月組を非常召集していますが集まりますかどうか…。ただ浪漫堂本館というのが幸いしました。」加山も少ない人数でこの難局を乗り切らねばならないわりに冷静な表情だった。

「つきました。みなさん、それではお願いします。」英爺が決意の表情でこう告げた。
「手術前の外科医の気分だな。」米田は冗談をたたきながらテラスへの扉を開けた。

ひでじいです。こんなシーンでいかがでしょう。

桜嵐氏
「アイテテテ・・・。」

「BATさん、すいません。お手数おかけしてしまって。」

 すまなそうな言葉とは裏腹に、櫻嵐の顔には満ち足りた表情が浮かんでいた。

「やっぱりカンナさんは強かったなぁ。町道場で鍛えてるくらいじゃ話にならないか。」
「だけど・・・あのカンナさんに生身で応戦できる男の人って、あたしの知る限りでは
 大神さんぐらいですよ。だから・・・。」
「ええ、気になどしてませんよ。しかし大神さんは私と一つしか違わないのに・・・さすがに
 軍人さんは違いますね。まぁ、ただの軍人さんと言うわけでもなさそうだけど・・・。」

 さくらの慰めをありがたく思いながら、しかしちょっとだけ意地悪をしてみる櫻嵐。
 大神はいつもの「いいっ!?」発言をすると、困ったような顔でさくらに呟いた。

(こ、困るよさくらくん。あれじゃあやぶ蛇もいい所だ。)
(ご、ごめんなさい、大神さん。あたし、つい・・・。)
「それじゃあ、私はこれで。ちょっとお会いしたい方がいるので。」

 二人のやり取りを楽しそうに眺めながら、櫻嵐はその場を離れていった。


「やあ、レニさん、アイリスちゃん。はじめまして、櫻嵐と言います。」
「・・・どうも。」
「こんにち・・・じゃなかった、こんばんは〜!」

 レニとアイリスは、いつも一緒にいる。
 金と銀の美しい色あわせで、二人がどこにいるかは一目瞭然であった。

「二人にお酒はまずいだろうから、いいものが用意されてるんだよ。」
「な〜に? あ〜、ジュースでしょー。ジュースだジュースだー!!」
「ふふふふふ・・・実は・・・。」

 ジャン! と背中に隠していたモノを前に回す。それは・・・。

「お茶だ〜! 日本茶なのだ〜!!!」
「え〜1?」
「・・・・・。」
「お酒が駄目なら、日本茶だろう、やっぱり。ささ、この茶碗でグイッと。」

 どこに隠していたのか、きゅうすを取り出すと、櫻嵐は三つの茶碗に並々と緑茶を注いだ。

「お、レニさん、なかなかいい飲みっぷりだなぁ〜。おやおや、アイリスちゃんはお茶は嫌い
 なのかい?」
「苦いからキライ〜。」
「う〜ん・・・確かにちょっと苦いかもしれないけど、大人の嗜みだよ? お茶っていうのは。」
「!!!」

 ”大人”の言葉に反応して、アイリスも一生懸命お茶を飲み出す。
 苦そうな顔を隠そうともしないが「もう一杯、ちょうだ〜い!」とおかわりまで要求する
始末であった。

「ははははは、うん、これで”お茶党”も増えたことだし、万事いいことだらけだな!!」
「櫻嵐さん・・・また妙な事をやってますね。」

 夢織をはじめ、ジュース大会を催した面々が、いつの間にか3人の周りに集まっていた。

「酒が駄目ならやっぱりジュースでしょう!」
「い〜や、お茶です!」
「ジュース!!」
「お茶!!」
「・・・・・。」

 浪漫堂の面々の妙なやり取りを後目にお茶をすすっていたレニは、ひそかに辺りのおかしな
空気を察知していた。


 長い上に意味不明・・・しかし、夢織さんはイカルスさん偽物事件のことを知る前という
ことにすれば、なんとかつじつまは合うかも・・・。
と、いうわけで、念願のカンナとの勝負、実現できて嬉しかったです!
それでは。

 

ひでじい氏
「動きが不自然だ。」レニが呟く。
「不自然って、どう不自然なんです。」櫻嵐が尋ねる。
「今はまだ情報が不足している。もう少し慎重に行動して捕捉する。」レニは澄ました表情でまたお茶を飲む。この澄ました表情というのも来日当時のレニにはなかったものだ。

「レニ、何か気になるの。」
「いや、別に。気にしなくていい。」アイリスに向かっては微笑むレニ。

一時の楽しい時間。しかし、その中で緊迫する何かが迫りつつあった。ここは太正浪漫堂。
ひでじいです。御期待に添えてうれしい限りです。

エズミ氏
 エズミは浪漫堂を見渡して、思わず感嘆のため息をついた。決して狭くはない店内が今は人・人・人であふれかえっていた。
 しかしその嘆息は決して人数の多さに対して向けられたものではない。
 いつもはむさくるしい男ども(すいませんん、表現だけです(^^;;)であふれたこの空間が、いまや百人の美女をもってしてもかなわないほどの輝きにあふれているのだ。
 今をときめく帝国歌劇団の看板女優たち。いずれ劣らぬ美しさに、エズミはくらくらとめまいがする。
(おっと、呆けている場合じゃないわ。こんな機会はめったにないもんね。みんなを出し抜かなくっちゃ。)

 エズミは怪しく一人ほくそえむと、そそくさと人の波をかき分けて、ひときわ愛らしい二人連れの傍へと何気なく近寄った。
「レニー。人がいっぱいだね。なんだかアイリスわくわくしてきちゃったよぉ」
「・・この面積の建物にこの人数は多すぎる」
 かわいくはしゃぐお嬢さんと、一人冷静な少年・・もとい少年のように見えるが、その正体が愛らしい少女であることは浪漫堂の常連ならば誰でも知っている。
花組の最年少仲良しコンビ、イリス・シャトーブリアンとレニ・ミルヒシュトラーセだった。
エズミは胡散臭さ抜群の笑顔を浮かべて、二人の前に立った。
「こんばんは、アイリスちゃん、レニ君。っと、ごめん、君じゃなかったよね」
 いきなりの失態に慌てるエズミ。どうもエズミの頭の中にはレニの呼び方は“君”という、誤った認識がインプットされているようだ。
 レニは顔色一つ変えない。
「別にかまわない」
「あ、そ、そう?じゃあ君って呼ばせてもらおうかなあ。えーと、私はエズミといいます。みなさんの帝国歌劇団の脚本を書かせていただいていますが、実はそれ以上にあなたたち花組の大ファンだったりします。どうぞよろしくね」
 エズミが差し出した手をアイリスは小さな手のひらで素直に握り返す。満面の笑み。この少女にとって見知らぬ他人と知り合うことは、相手が誰であれ楽しくて仕方のない出来事なのだろう。かっ、かわいすぎるぜ・・。エズミは思わず笑みまけてしまう。

「アイリスでーす。へへ、よろしくねー、お兄ちゃん」
がちょーん。
エズミは脳天にせがた三四郎のラストアタックを食らったかのような衝撃を受けた。
ま、またかい。
 それまでのとろけそうなへらへら笑いを引きつらせて
「あっ、アイリスちゃん、あのね・・」といいかけたエズミだが「あっ、レニにも挨拶してあげてー」というアイリスに、タイミングを逸してしまう。
「よっ、よろしくレニ君」
「よろしく」
 無表情のまま手を握り返すレニ。
 でも、握手に応じてくれたことでもたいした変化なのかもしれない。
 帝国歌劇団花組のファンなら誰でも知っていることだが、入団当初のレニはすべてのものに対して心を閉ざしているように思えた。ファンサービスが信条の花組の中で、プレゼントにも、殺到するファンの群れにもまったく冷淡な対応を取っていた彼女の存在は、かなり異質なものに思えた。(もっとも女性ファンからはそこが“くーる”でいいのだといわれていたが)

 しかし、ある時期から、レニは変わった。ファンや花組のメンバーに対しても、ぎこちないながらも笑顔で対応する彼女の姿にみなは驚きを隠せなかったものだ。
 情操の変化とともに、舞台での彼女も変わってくる。それまで見せなかったさまざまな表情を見せるレニの姿に、エズミはひそかな関心を寄せていた。
 ニの変化の裏にある存在は、おそらく目の前で屈託のない笑みを浮かべるアイリス。レニの無二の親友であるこの少女にあるのではないだろうか。

 エズミの好奇心の虫がむくむくと頭をもたげてきていた。
 もちろん現実の関係性を芝居にそのまま持ち込むことはない。だがしかし、脚本を書く上で、女優それぞれのバックボーンというか、実生活にあるものをエズミは重視していた。

「アイリスちゃん、レニ君、ちょっといっしょにお話したいんだけど、いいかな?」
「うん、いいよお。何のお話するの?」
「別にかまわない」
やりっ、エズミは心の中で祝杯をあげる。
「じゃあちょっとあっちへ・・」
「あっ、でもちょっと待って。アイリスお兄ちゃん迎えに来たんだ。お兄ちゃん捕まえてからー」
「ええっ、そ、それはちょっとぉ・・」
 エズミはちらりと大神のいる方角を見た。みお、さくら、かとおおお、夢織の四人は輪になって談笑している。
 仲間内にこの抜け駆けが知れたらまずいことになる。エズミは思わずアイリスを引っ張ってささやく。
「アイリスちゃん、ケーキは好き?」
ケーキ、その言葉にアイリスの瞳が1.5倍に見開かれ、きらきら輝く。
「うんっ!!アイリスケーキだーいすきっ!!毎日ケーキでもいいくらいだよぉっ」
「よしっ、私がご馳走してあげようっ。好きなだけ食べていいよ。この浪漫堂のケーキはおいしいんだあ。なんでも好きなもの食べていいよ」
胸を張りながらエズミの脳は急ピッチで財布の残額を計算している。
「いやったーっ。うれしいねー、レニ」
「・・・・・・・・・・・・。」
 レニは無言である。エズミの不審な態度に何かを感じ取ったのかもしれない。
(しかあし、アイリスが来るならこずにはいられまい。やったーっ。作戦成功っ)
作戦というほどでもないせこい策略の成功に有頂天になりかけていたエズミだが、ふいにむんず、とその襟首をつかまれた。
 振り返ると南国がいつもの人のよい笑みを浮かべて立っている。しかし・・目は笑っていない。

「ふふ、エズミさん、抜け駆けはいかんよ抜け駆けは」
「なっ、なんのことかしらあ」
「ケーキの一つや二つで帝劇の二大マスコットに独占インタビューなんて安くつけすぎじゃないのか」
ばっ、ばれてーら。

南国はアイリスとレニに向かってにっこりと微笑んだ。
「ごめんね、アイリスちゃん、レニさん。この人ちょっと今から用事があるからまた今度ねー」
「ああっ、そんな・・」
「ほら、さっさと来たまえ。インタビューだったら英爺さんがすみれさんとマリアさんのをセッティングしてくれてるよ。まったくもう・・」
 哀れエズミは南国にずるずると引きずられて、みなの好奇の視線を受けながら浪漫堂の店内を横切って行くのだった。
(まあ、いいか。すみれさんと話せるなんてこれもラッキー)再び浮かれるエズミ。節操なしまさしくここに極まれり。浪漫堂の夜はそんなばか者をよそに、なにやら不穏な空気を漂わせながら更けていく。
ちょん。



ばかですねーーーー。われながら。
何を書いてんだか。すいません。毎回謝るくせに馬鹿なことを書きたがるエズミです。(^^;;しかもめっちゃ長い。
時間軸がちょっとおかしいんですが、花組が来てから南国さんといっしょにマリアさんすみれさんにお話を聞くまでの間ということで。
シリアス部分にまったく関与しない馬鹿レスですいませんでした。

しかし人数は増える一方。本筋がどうなっていくかも、気になってしょうがありません。がんばってください、ひでじいさん。

お名前借用の皆様方、勝手にすいませんでした。

それでは。



ひでじい氏
「あ、なるほど。そういう風に動かれるわけですね。」エズミが感嘆しながらメモを取る。
「ええ、舞台の場合にはかなり大きな声や演技でないと観客の方に分かっていただけないものですから、ここのところは少し…。」

 マリアの説明に南國や紀州人がメモを取り、盛んに質問をする。ここだけ珈琲の消費が多いような気がする。脚本家たちの熱気が伝わってくる。

「めったにないチャンスだわ。花組のみなさんにいろいろな意見を聞かないと…。」エズミはマリアやすみれの話をベースに、カンナ、さくら、紅蘭、レニとアイリス、織姫と足繁く回っていろいろな話を聞いた。

「さすがはエズミくん、やるなあ。」南國が笑う。確かに新人がどちらかと言えばお気に入りの女優のそばでサロンを形成しているのを後目に、南國、紀州人、智士、そしてエズミは幅広くさまざまな人々から様々なことを聞き出していた。

「まあ、南國さんや紀州人さんのそばでいれば一通りは学習しますからね。」舞台は一人でできるものではない。主役、ライバル、悪役、脇役…。必ずこのアンサンブルを考え、いずれも主役級と絶賛される花組の個性をどう引き出すのかが必要なのだ。

 音楽で言えば新人脚本家はソロの技巧に酔いしれているのだ。しかしエズミくらいになると必ず脚本にシンフォニーを求めてくる。先ほどの学者の最新の知識といい、エズミにとって今日は脚本家として記念すべき日でもあった。

 手帳にメモが所狭しと書かれた頃、テラスと本館をつなぐ青銅の扉がゆっくりと開け放たれた。そこから4人の姿が見えた。先頭を行くのは英爺。そして…。

「あれは米田支配人!!かえでさんまで…。」エズミの眼が大きく見開かれた。帝劇支配人米田一基の姿がそこにあった。

「脚本採用委員長である副支配人のかえでさんまで!これはどういう風の吹き回しなの?」

 そして帝劇施設課の加山までいる。

「みなさん、本日最大のお客様、米田支配人がいらっしゃいました。」

 驚く浪漫堂の常連客たち。大神と花組の全員も驚いている。

「みなさん、おくつろぎのところ申し訳ありません。しかし本日帝劇は大神君の着任祝いをすることになっていまして…。」米田の気さくなスピーチに全員から笑みや感嘆が漏れる。

 エズミも中央に近づこうとする。その行く手を制止する者がいた。

「行くな。」
「ど、どうして…。」遮ったのは英爺だった。こんな真剣な顔の英爺を見たことはない。
「君はBAT君といっしょに隅に移動してくれ。頼むよ。」最後は泣きそうな表情になった。

「いったい何があるというの。英爺さん。」笑顔で離れていく英爺の後をエズミは見送るしかなかった。

ひでじいです。最後はちょっと危険なエッセンスを加えてみました。いかがでしょう。お気に召しましたでしょうか。

Rudolf氏
また外に出た

 浪漫堂の裏口、それは通用門であり一般の客は滅多に、いや来ることは皆無であるがここに3つの影、イカルス、聖、ルドルフの影があった。
 「イカルスさん、相手はどんなものなのですか?」
 聖の手には既に七聖陣の1つ、剣藍業火が手にかかっている。
 「わからない、俺も後ろから後頭部をやられた為に確認できなかったんだ。」
 イカルスも加山から借りたナイフを持っていた、何故帝劇の職員が常時そんな武装をしているか、そんなことは取りあえず後回しであった。
 「しかしこの集会を快く思わぬ者の仕業と考えるのが妥当だな。」
 ルドルフの手にもどうやって入手したのか不明だがワルサーP−38が。
 「そうだな、だがルドルフ。その拳銃、新聞記者がどうしてそんなものを、それに撃てるのか?」
 「まあ私も記者という以上危険も冒すし、狙われもする、そのための武器さ。これでも外国では射撃大会入賞の実績もあるし。」
 「しかも、まるでプロのように整備が行き届いているなあ。」
 「当然、武器は体の一部だし、何より職業上重いマグナムよりこの方が使いやすいのでね。」
 (ルドルフさん!まさか!!)
 「職業?記者がどうして軽いほうが・・・」
 「い、イカルスさん、通用口を開けますよ。」
 聖の機転がこの話をはぐらかすこととなった、後はイカルスがこの話に尾を引かないことを願うのみであった。聖は聖でルドルフの心を読んだ時に現れた闇の部分を払拭しようと躍起であったがための機転だった。
 裏口は厨房へと続いている、米田の指示が行っていたのかコック達は顔色一つ変えずに彼らを通していく、当然だが厨房からは客のほうを覗ける窓等がある、三人はそこから客席を臨む。
 「イカルスさんの偽者は・・・あそこですね、ちょうど談笑の裏側で気配を消しています。」
 「智士が近付いたぞ・・あ、離れた、危ない危ない。」
 「聖、この位置から(心を読むことが)できるか?」
 「無理ですよ、ルドルフさん。距離がありすぎます。」
 「何の話だ?」
 イカルスには二人の会話の真意が取れなかった。
 「い、いや・・・ちょっとね。な、聖。」
 「え、ええ。」
 前々からこの二人はその関係もそうだが素性も謎に包まれている。案外この二人が騒ぎの元凶・・・いや、そんな筈はない、ルドルフはともかくとしても聖がそんなだとはイカルスの思考に反していた。
 (ルドルフさん、でも妙な殺気を感じます。誰かを付けねらうような嫌な気を。)
 「そうか、で、支配人やかえでさんはどこに?」
 「ルドルフ、あっちだ。かえでさんが合図を送っている。さくらくんや大神中尉も事を感じたようだ。」
 「配置完了という訳か、合図があれば一斉に飛び掛かるぞ。」
 「おうっ。」 「はい。」
 ルドルフの言に二人は乗った、きっとあっちの米田達もそのつもりであろう、後は偽イカルスが暴挙に出る前に取り押さえて騒ぎの元凶を突き止めなければならない、万が一にも花組、そして常連客に傷を負わせることは出来ない。彼らの鼓動はいよいよ高まってきた。

 うーん、結局騒ぎの元凶は新しい敵の内情偵察なのかそれとも誰かの悪戯なのか・・・私は前者的に書いてますからネタ固まったらイカルス様(別にそーじゃなくても誰が書いてもいいけど)続きお願いします。あと、支配人達の描写も。
 でもなんか怪我人多いぞ、今回の6・・・なんでやろ。(行っておくが怪紳士Rが犯人ではないぞな・・・私の中では)

ひでじい氏
勝手知った友人たちの顔を裏口から見ながらルドルフは呟いた。

「卿らを死なせる訳にはいかんからな。バカ話ができなくなる。」
「きょうのルドルフさん、かっこいいですね。本当に本心?」聖が真顔で聞く。
「こ…心を読むなあ。」

「陛下、聖さんと結婚するのか。」イカルスが笑いながら言った。
「そ、そんなことは…。」
「イカルスさん、もう!!」
「しっ、奴さんが動き出したぞ。」
「BAT君が危ない。」

 裏口には一気に危機感が増幅した。今夜の浪漫堂はきな臭い。

 陛下に触発されて書いちゃいました。

クリアル氏
「うーん、やっぱさっきのはまずかったよなあ」

宴会場に入ったクリアルはそうつぶやくと大きなため息をついた。
「はあぁぁぁ・・・、ろくに挨拶も無しにいきなりサインしてくださ〜い!ってのは失敗だったなあ。」
どうやら先程、ミュラーに叱責された事を気にしているようだ。
「初対面だっていうのに、第1印象思いっきり悪くしちゃったからなあ。織姫さん気悪くしてないかなあ」
・・・叱責された事より、織姫に悪く思われたんじゃないかという事の方が気になっているようだ。
「うーん、どうしようか・・・」
目の前を南国がエズミを引きずっていくという愉快(?)な光景も目に入らないほど考えた末
「よし!とりあえずは謝ろう」
考え込んだ割には出た答えがそれかい!ってとこだが、思い立ったら即実行!さっそく織姫のいるテーブルへ向かった。
(あれ?ルドルフさんじゃないか。さっきはいないようだったけど)
宴会場の隅にいるのはルドルフともう1人、英爺の姿も見える。
2人は2言3言言葉を交わすと、宴会場を出ていってしまった。
「どうしたんだろう?せっかく花組の皆さんがきているのに、それにルドルフさん、何か顔つきが険しかったな」
一瞬2人のあとを追ってみようかとも思ったクリアルだが
(いや、今は織姫さんに謝る方が先だ。)そう思い直し再び織姫のテーブルへ向かった。
「でももし許してくれなかったらどうしよう・・・、いや織姫さんはそんな心の狭い人じゃない、きっと笑って許してくれるさ。そうだ!もし許してくれたら”姫様ってお呼びしてもいいですか”って聞いてみよう!」
あくまでお気楽なクリアル。
そんなクリアルをよそに浪漫堂はただならぬ方向へ進んでいくのであった。


==================================
こんばんは、クリアルです。
最初に、名前を勝手に使ってしまった方申し訳ないです。
自分は、なんか姫様に許してもらう事しか考えてませんね。
次回はいよいよ大きな動きがありそうで楽しみです。登場人物たくさんですが頑張ってください。
では!



ひでじい氏
クリアルは織姫の下に赴いて一つの障害物がいることを悟った。

「くそお。あのコルベン野郎…。」ビッテンが二階堂や花丸とともに楽しく談笑しているではないか。

「行くときはあれほどいっしょにと言っていたのに…。」クリアルはしかしそれでも極上の笑顔でネクタイを締め直し、織姫のところへ向かった。

「ああ、クリアルさん。お久しぶりです。」二階堂も挨拶した。
「二階堂、いつアメリカから帰ったんだ。」
「さっきの飛行船でですよ。船に比べて大変早い。」さすがは二階堂。相変わらず華麗な服装にさわやかな口調だ。となれば…。

「二階堂、すまんが水出し珈琲が飲みたいんだ。取ってきてくれるかな。」
「分かりました。お持ちしましょう。」

 すまない、二階堂。しかしこうするしかなかったのだ、と思いながら二階堂の席を得てクリアルはようやく織姫と話す場を得たのであった。

「先ほどは大変失礼しました。クリアルと申します。」クリアルは丁寧に先ほどの件についてわびた。
「全然気にしてませーん。ファンサービスは当然のことデース。」

ホッ。助かったと思った瞬間、

「さすがにいいなあ。ところで「姫様」…。」

な、何?!俺より先にその称号を使ったのかビッテン!!クリアルの体を衝撃が突き抜けた。

ひでじいです。ビッテンさんとの鞘当てを無用につくりだしてしまいました。両方にすみません。でも物語には必ずライバルがいますからね。




無法地帯氏
「さて、紅蘭さんにサインもらったことやし、閑話休題や。
 実は新作を発表しようと思うんや。」

 唐突に無法地帯が言い出す。

「というと、例の歌劇団をモデルにした小説のことか?」

「そう、もちろん歌劇団が華撃團という前提だが、
 前回は強引に神戸まで来てもろて、大活躍って話やったが、
 その続きを書こうと思うてる。
 そうやな…大神中尉、いや当時は少尉であられたが、洋上で降魔に遭って殲滅!
 っていうのはどうやろ。あの黒鬼会がその時すでに暗躍しとったとか…」

「そりゃ、ミュラー閣下が書いておられる。」

「え!ああ、そうやった。
 そしたら、織姫さんやレニさんが帝劇に来る前の話とか。」

「ミュラー閣下も言及しておられるし、
 昔、武臨さんの書いてあるのを見たことがある。」

「ありゃりゃ、あかんなぁ、ほなもっと遡って、さくらさんのお父様、
 え〜と、真宮寺一馬大佐や!大佐の活躍する話とかは…」

「まさる じゃなくて桜嵐さんが書いてるだろう?」

「それに先に言っておきますが、帝國華撃團の前身『対降魔部隊』の話なら
 夢織さんが書いてますよ。」

「げ、じゃあ小話を5話づつくらい…」

「そりゃ南國さんがやってるって!」

「え〜と、かえでさんが極道の女で…」

「ルドルフ陛下の最新ネタだ!」

「黒鬼会を主役に…」

「黒火会さん!」







「ふぅ〜…いっそのこと、全く新しいキャラクタアを創造しよう。
 その新キャラが帝劇に配属されることから始まる。」

「ほう、こんどこそ、まともそうだな。」

「もちろん女性。売り子でも、事務でもええ。花組のみなさんと同世代の人や。」

「ふんふん、それで?」

「実はそれは仮の姿!帝撃の秘密兵器『光武』の構造上の機密に関する部分を探るために、
 戦争で儲けようとしている企業からのスパイだった!」

「なるほど…」

「まあ、噂では『神崎重工』の独占やからな。閥井、閥菱からスパイが来てもおかしゅうない。
 しかし、最初スパイ目的で大神中尉に近づくが、お互いに惹かれあってしまう。」

「うんうん、いい感じだぞ。」

「で、その女性には幼い頃から共に訓練をつんだ友人がおって、
 その友人が、過酷な訓練に耐えかねて、脱走してしまう。
 これで、スパイを派遣した企業が秘密裡に開発していた兵器が大衆の目にさらされてしまうんや…」

「おお!おもしろそうじゃないか!」

「ふふん、そやろ、あとは題名を…うん!これがええ!」

「お、俺も題名ひらめいたぞ!」

「「鋼鉄のガールフ○ンド!!」」

「・・・・・」

「やっぱ、まだ何も書かない方がいいんじゃないか?」

「あぁ、そうするわ…」

*****************************************

 ひでじいさん、乱入失礼します!
え〜と、対話形式ですが、相方は特定してません。モチーフはサル○んとエ○ァ(^^;
 勝手に名前を使わしていただいた方々には、ありがとうございます。
その代わりと言ってはなんですが、どんどん私の名前使ってください(笑)。

では!よろしく アディオス アミーゴ!


ひでじい氏
相手は紀州人さんあたりですか?!

「ということでどうして私が君の相手をしてるんだ。」紀州人がつっこむと、
「紀州人はん、知ってますよ私は。あんた関西人ですわなあ。」
「た、確かにそうだ。」
「なんで関西弁使わへんの?」
「そ、それは…。」

ってところですかね。いえいえ結構です。これからもどうぞお越しください。本文ではガンガン使わせてもらいます。

夢織時代
「おやおや・・・」
櫻嵐が妙なことをやっているので、アイリスの為に注いだジュースを手渡せなくなってしまい、
思わず夢織は苦笑した。
まあ、櫻嵐のお茶好きは知っているので、口論しながらも夢織はそんなにむきになっているわけではない。
夢織もお茶は好きなのだし。
しかし、欧州育ちのこの二人にお茶が合うとも思えないのだ。

口論とすら呼べない名詞の羅列にいい加減疲れて、自分のグラスに注いでおいたジュースに口を付けて休むと、
見ると、隣でレニもすすーっとお茶を飲んでいる。
「レニさんは、お茶は気に入ったみたいですね」
レニに渡すことも諦めるしかないようだ。
「お茶には薬理作用があるという。健康に役立つなら文句はない」
話に聞いたことはあったが、さすがにこの返答には・・・、
夢織は持っていたグラスを取り落としかけた。
「えーと、そういうことじゃなくて・・・」
「それに」
夢織が言いかけたところで、レニがふと不思議な目でつぶやいた。
その視線は・・・・・、今、輪の中心にいる大神一郎中尉につながっていた。
「日本の匂いがするから、いい」
なるほど。
その言葉の中にある意味を察して、夢織はふっと微笑んだ。
帝劇の舞台では少年役を務めるこの少女が、そんな思いを抱いているということが微笑ましかった。

さて、そんなことをしている間にミュラーが戻ってきた。
そろそろ宴会をはじめようか。

レニに一礼して(アイリスはまだ櫻嵐に捕まっていたようだが)、輪の中心に戻る。
僭越かとも思ったが、乾杯の音頭をとらせてもらい、
夢織は上機嫌だった。
こんな光栄に、そうそうあずかれるものではない。
この、浪漫堂の雰囲気に酔うのが、夢織は好きだった。

だが、今日の雰囲気は少し違う・・・。
何故だろう。
大気の味が、少し違う気がする。
そんなことを考えていると、ミュラーがこちらへやって来た。
洗練された容姿のこの男には珍しい、やや慌てた表情だった。
「卿に見せたいモノがある」
その声が、自分の抱いている違和感と同じものを抱えているのを察し、
そっと、人の輪から離れる。
静かに動いたつもりだったが、さすがにマリア嬢や大神には気づかれたようだ。
そちらへ軽く会釈して、柱の陰に入る。
ミュラーは、表情をこわばらせたまま、一枚のメモを見せてきた。
「!!」
浪漫堂に長くいれば、それで内容の意味するところはわかった。
「注意しろ、敵か味方は解らんが・・・・デリンジャラスな香りが軍人の感性を刺激するモノでね」
その声は、いつものミュラーではなかった。
時折、感じていたミュラーの本来の姿・・・・。
まさか、そこまでの事態にならないことを祈りたいが・・・。

もしもの時は、夢織も覚悟を決めなければならないだろう。
自分が、山崎真之介を研究していく過程で、わずかばかり身につけた、
魔術を使うことを・・・。

**********************************
こんばんは、夢織時代です。
ミュラー閣下・・・セリフとシーンを拝借してすみません・・・。
桜嵐さん、こんな感じでどうでしょうか。
それから、英爺さん。
毎回、限りなく広がっていく物語をここまでまとめる本編、
本当にすごいですっ!
そしてまた、今回も・・・・。
ああ、乾杯の音頭なんぞ私がやらせていただいていいのでしょうか・・・。
ほんっっっっとーーーーに、ありがとうございますっっっ!!
さあ、一体偽イカルス星人さんの正体は・・・・。
楽しいと怖いと、どちらもわくわくしてきてますが。
また夢織がわけのわからんことを言っていますが・・・。
まあおまりお気になさらずに・・・。


ひでじい氏
危険な薫り。それは珈琲の香を凌駕して夢織の全知覚を支配していった。

確かにイカルスの挙動がおかしい。いつものイカルスではない。しかし世の中にあれほど巧妙に変装できる者がいるのであろうか?

「中尉とさくら嬢に知恵の林檎を。」ミュラーは厳しい表情を瞬く間に優雅な笑いに換え、宴席に戻った。あんな敏捷な動きをするミュラーを夢織は今まで見たことがなかった。

 その夢織をさらに困惑させる事態が起きた。英爺がとんでもない客を案内してきたのである。

「米田支配人!!藤枝支配人に加山さんまで…。なんということだ!!」

 護らなければならない人々がまた増えた。優雅な会場が危険に満ちている。BATがイカルスに近づいていく。もはや夢織に微笑を浮かべる余裕はなかった。夢織の顔に焦りの色が濃くにじんだ。

ひでじいです。ありがとうございます。これでイカルスさんの話につながるわけですね。ミュラー先生がいない間、座を取り持ちながら警戒する精神力は並大抵の者では務まらないでしょう。がんばれ夢織先生!!





イカルス星人氏
厨房の中から機会を伺っているルドルフ・聖・イカルス(真)の3人。
異変に気付いた数名や大神、米田、かえでといった面々も曲者を取り押さえる間を測っている。
と、イカルス(偽)に近づくBAT。
「あなた、イカルスさんじゃありませんね」
「何を言うのかね、君・・・」
「いつものイカルスさんなら、私に手を振ったりウインクしたりしてます。
それに花組のスターの皆さんを前にして、そんなに冷静でいるはずがありません!」
「おやおや、ばれてしまいましたか」イカルス(偽)はにやりと笑った。
いつでも飛び出せるようにと身構える面々。
「実は、私はイカルスの双子の弟でしてね。兄がご婦人方にいつもご迷惑を・・・・。」
その時、ルドルフが制止する間もなくイカルス(真)が飛び出していった。
「皆、だまされてはいかんぞ。俺に双子の弟などいない」
しかし、これが事態をとんでもない方向へと導くことになったのだ。
姿形が全く同じ二人、それが並んでしまってはどっちが本物かわからない。
「私が本物です。この偽者を取り押さえてください」と偽。
「おい、散々付き合ってきた仲間がわからんのか?」と真。
はた目では全く区別がつかない。
「ええ方法があるで」
「おお、紅蘭くん、どんな方法かね」英爺が言う。
「両方ともボコボコにぶちのめせばええんや、どっちかは本物やさかい」
「な、何てことを言うんだ。君は俺に恨みでもあるのか」とイカルス(真)。
「恨みはないが紅奴の時に飲み比べで負けた腹いせがある(超謎)」
聖に心を読ませれば一件落着なのだが、ルドルフは面白がってそうしない。
「そうだ、エズミ君、君文字通り一肌脱いでみてくれないか。
助平心丸出しでにやついた方が本物だからすぐわかるぞ」南国がとんでもない事を言う。
「そう言えば俺は本物じゃないような気がしてきたなあ」これは勿論イカルス(真)の台詞。
「冗談じゃありませんっ!」エズミは真っ赤になって怒っている。
と、その時、今まで何かを考えていた智士が二人に近づいていった。
そして、最初に片方を、それからもう片方をおもむろに抱きしめた。
最初の方は「君っ!いきなり何をするのかね?」と怖い顔で睨みつけている。
後の方はというと、・・・何故か顔を赤らめ、どぎまぎしたような表情を浮かべている。
「皆さん、どちらが本物のイカルスさんか、私にはわかりました」智士が言った。


いやあ、前回下らないレスをつけたおかげで一躍時の人になってしまい嬉しいやら驚くやら。
罪滅ぼしに、どうしようもない役柄を演じさせておきました。
新しい方はきっと私のキャラクターを誤解するだろうな(涙)。
お話的にはわざと進展させなかったので、後は次回のお楽しみということで。
お名前無断使用の方には陳謝です。特に智士さん。ラストがネタバレなんですが。
うまくつながらなかったらご自身でフォローしてくださると望外の幸せ。
個人的にはミュラー大将閣下の暗号メモが大ウケのイカルス星人でした。
それでは、また。

智士氏
ご期待に添えるか判りませんが

「皆さん、どちらが本物のイカルスさんか、私にはわかりました」智士が言った。
 皆は一斉に智士を振り返った。
「まさか、霊感で!?とか胡散臭い事じゃないだろうな?」
 いささか不信気にルドルフが言うと、智士は妙に自身ありげに答えた。
「大丈夫ですよ。これは間違いありません!」
 そう言い切った智士の台詞にまず南国が気が付いた様だった。
「ああ、そう言う事か」
 そう言って南国はまじまじと二人のイカルスを見比べた。
「これは、わかりやすい」
「まったく、智士さんは何をするかと思えば・・・・・」
 どうやら事情が飲み込めたらしいエズミも納得したようだった。
 しかし事情が分かっていないもの達には、何のことかさっぱり分からない様子
だったので、種明かしとばかりに智士が説明した。
「本物のイカルスさんは、私に抱き着かれて真っ赤になっている人の方ですよ。」
「おい、イカルス!お前そんな趣味があったのか?」
 事情を知らないルドルフ、英爺はイカルスに詰め寄る。
”バキッ”
 おもむろに手にした割り箸が智士の手の中で割れ、辺りは一瞬静まり返った。
「まだ、続きがあるんですよぉ〜皆さ〜ん。
本物のイカルスさんは私が女だって知っているからってオチがぁ〜」
 ふふふ、と笑っているがかなり怒っているような智士に二人がビビる。
 片手で割り箸を平気で折るような女がどこにいる!と叫びたい面々だったが、
よくよく考えると花組にもそんなメンバーがしっかりいる事に気が付いたようだった。
「つ・つまり、智士に抱きつかれて平然としている方が偽者か!」
「さすがイカルス!腐っても鯛だ!さ、偽者を捕らえるぞ!」
 形勢不利と踏んだのか、二人は偽者を追ってその場を離れた。
「ち、シメ損なったか」
 後には舌打ちをする智士の姿があった。


まずは、勝手にお名前を拝借したルドルフ陛下、南国さん、エズミさん、英爺さん、
そしてイカルスさん、申し訳ありませんでした。
一応これで説明が付いたでしょうか?
ああ、遂に私が女だという事がバレてしまいましたね。(うう)
って別に隠してた訳じゃないんですが、何となく男と思われていたらしいので、
それに付け込んでいました。すみません。
うーん、余計に話を混乱させてしまったようですが、これで偽者イカルスさんが
判明したって事で良しにしてやってくださいませ。
それでは、また。

ひでじい氏
そ、そんなあ!!(衝撃120%!!)

「そ、そんなバカなあ!!」衝撃に揺れる英爺であった。こ、これは夢だ。明日になれば智士がハハハ、英爺さんどうかしてるよ、っていってくれるに違いない。

「まだエズミ君のときはそうかもなってところがあったけど、そんな…。」

 英爺の衝撃は続く。太正浪漫堂。何があるか分からない場所。

 そ、それはないですよ〜。もうほとんど半ベソ。これからどうしようと途方に暮れるひでじいでした。

怪紳士R氏
こ、これは抜かったな。
 物語の一部始終を某所で眺めている(?)怪紳士Rの心の叫び
(ははははは。少女エズミくんのみならずまたしてもこの私の目を欺いていたいたいけかつ狡猾な女性がいたとはね、そういえば彼女を名指しで呼んだことはなかった、よし、最初から少女智士くんと呼んであげよう、あっははははははは。)

 「さ、さあ!偽者を捕まえるぞ、動くな!動くと貴様の額に涼しげな穴が空くことになるぞ。」
 ルドルフの額には既に脂汗が浮いていた。

MOS氏
「壮観だなあ・・・」
MOSはこの浪漫堂の光景にいささか気後れしていた。なにせ各界の著名人たちに花組のスタア達まで加わっているのだから。
「あかんあかん、ここで楽しまなくていつ楽しむねん。いっちょ気張ったらんかい!」
関西弁で自分に喝を入れ彼もまた人々の輪の中に入っていく。

ふと正面をみると、エズミが南國に引きずられていく。
「あ、エズミさん、可哀相に、南國さんに捕まったみたいだな。」
さらに向こうを見ると、なんとアイリスとレニの帝劇年少組がいるではないか。これはチャンスとばかりに彼女たちに近寄っていくMOS。

「えーっと、こんばんは。レニさんとアイリスちゃんですよね?。私は帝劇の脚本書きをやっていますMOSと言います。よろしくね。」
「・・・よろしく。」
「はーい!よろしくー!」
何とも好対照な二人の返事。その光景を微笑ましく感じるMOSだった。
「貴方の脚本は読ませてもらった・・・、筋書きに少々無理はあるが、とても興味深い話だった。」
何から聞こうか迷っていたMOSはレニに話し掛けられていささか驚いたが、嬉しくも感じた。次の言葉を聞くまでは。
「で・・・・、続きはまだ?」
続きはまだ・・・、そう、MOSは後編を一ヶ月半も上げてなかったのだ。
そのとき、ポン、と肩を叩かれて振返ると後ろには南國とエズミが。
「あ、あああああのお二人ともすみれさんとマリアさんのインタビューでは?」
「それはさっき終わったんだけどね。いやー、良い事を聞かせてもらったよ。それより今日は陛下がいないんでね、君に来てもらおう」
「ななな、何をするんですか(汗)」
「ふふふ、遅筆ライターへのちょっとしたお仕置きですよ。」
エズミまで人の悪い笑みを浮かべてMOSに迫る。
「ま、まさか、いやあああああ!!」
絶叫を残してMOSは逃げ去った。
「ふふふ、逃げられると思ったら大間違いだ、いくぞエズミくん」
「はいっ」
そしてその場に残されるレニ&アイリス
「・・・ねぇレニ、今のなんだったんだろう」
「気にしないでおこう」
浪漫堂は未だ平和な時間を保っていた・・・


ううう、時間がないのでまたまた端折りぎみの文章になってしまいました。しかもエズミさんと展開似てるし(涙)。さらに緊迫する本編もいいのですが、このお気楽な空気も捨て難い気も。ではでは、次回も楽しみにしています。

ひでじい氏
「あの人たちの行動にはむらがない。いい作戦だ。」淡々とレニが言う。
「鬼ごっこなのかなあ。」アイリスには単なる鬼ごっことしか見えないようだ。
「二正面作戦、背面攻撃…。基礎中の基礎だな。あ、今撃破された。」
「あのお兄ちゃん引きずられていくよ。」
「あ、アイリスちゃん騒がせてごめんね。すぐ静かになるから。」エズミのにこやかな声とともにMOSは消えていった…。

いかあん!!またこんなのを書いてしまった。本当にごめんなさい。

猫侍氏
現在許可が頂けるのを待っております。







ひでじい氏
そのとき、猫侍の後ろからにぎやかな声がしてきた。

「もう逃れられないわよ。観念しなさい!!」
「お願い!!助けてえ〜!!…って南國さん、エズミさん、あれなんですか?」MOSが猫侍を指さす。
「何者だ?!」南國が身構える。

 し、しまったあ!!見つかったかあ!!猫侍はあわてて飛び上がる。

「ち、違うんです。あやしい者やないんです。」
「妖しい者じゃないってその風体で妖しくないなんておかしいわよ。」

「実は…。」猫侍はこうなってしまった経過を詳しく話した。
 彼自体はもともと古物商の家に生まれ、刀の魅力に取り付かれ、ついには自ら刀を差すに至ったというのだ。浪漫堂本館ではミュラーらのグループとは違うものの常連であった。先程新しい豆を注文したが、ないということで倉庫で探しているうちにテラスの一件を目撃してそのまま見入っていた、ということを話した。猫侍にしてみれば7割本当、3割は嘘というところであるが…。

「どう思います。南國さん。」
「取りあえず物騒なものはカウンターに預けてもらい、我々といっしょについてきてもらうとするか。」南國はこう思案した。
「あとは夢織さんが何とかしてくれますね。」エズミがうなずく。
「じゃあ、ついてくるかい。」南國が同道を求める。
「ええ、ええ喜んで…。」猫侍は喜んで申し出を受けた。まさに願ったり叶ったりである。

 南國とエズミの後をついていく猫侍に握手を求める者がいる。

「ありがとう、本当にありがとう。助かった。」間一髪の危機を逃れたMOSだった。

 これで本館に入れますね。ようこそ浪漫堂へ。いらっしゃいませ。

魔女吉氏
「サキちゃーん。ガセだったらこまるよ?」
業界人風ラジヲSS作家魔女吉は浪漫堂の前にいた。

「しのごの言わないの。ほら。聞こえるでしょ?」
帝劇役者と文士の密会をネタにするべくやって来た魔女吉。

しかし、いきなり太正維新軍が攻めてきたせいで、もうヘロヘロだった。
そして、聳え立つ重厚な浪漫堂防壁「漫防」。見えるものはなく声のみ響く。
「どうすりゃあ良いのコレ。」
「ああ、入り口に光武で2・3回攻撃すれば壊れるよ。」
「そんなの持ってないよ。」

しかし影山サキこと水孤は邪悪な笑みを浮かべて姿を消す。
蒸気エンジンの音。
「ま、まさか・・・」
魔女吉の唯一の財産蒸気自動車「青い鳥ARX−L」が走ってくる。
「か、かんべんしてー!」
入り口に激突する車。壊れない扉。気絶していた天笠がさらに転がる。
「・・・・・・・(ほろほろ)」
「泣くんじゃないの。ほら、つっちーのマル秘写真あげるから。」
「わーい♪」
車の事は既に忘れていた。
そびえたつ浪漫堂は頑なにイロモノ放送作家を拒んでいた。

「・・・あんた花組に会えなくてもつっちーに会えた方が幸せでしょ。」
「うん♪」
写真しか見ちゃいねえ。
「でも、カンナさんには会いたいなぁ。」
「ホントにそう思ってる?」
「ああ!今なら声を大にして言える!好きだ!大好きだ!」
古いアニメネタ。
「つっちーより?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無言サウザンドウォーズに突入してしまう魔女吉だった。

二階堂氏
「マスター、水出し珈琲を1つ」

二階堂はカウンターに持たれると、マスターにその数字を示した指でリボンタイを少し緩めた。

「ふう…あ、ありがとうマスター。そうそう、もう一杯水出し珈琲くれる?…うん、あっちにいるクリアルさんの所にお願い。」
クリアルが熱烈な織姫ファンであることを知りながら、急いで戻るほど二階堂は野暮ではなかった。

「ふう…」
水出し珈琲を一口含むと一際深い薫りが二階堂の鼻腔をくすぐる。

「やっぱり水出しは香りが違うね。」
二階堂は変わらない浪漫堂の味と香りを堪能すると、浪漫堂内をぐるりと見渡した。
そこここで、花組の人々を取り囲む文士達。
しかし二階堂は、そんな和やかな雰囲気にどこか違和感を覚えてた。
そんな中で智士らが突如、イカルスを取り巻いた。

「あれ?イカルスさん?」
そして…

「…え?え?!ええ?!…さ、智士さんが女性?!」
驚きのあまり呆然とする二階堂。
危うく手に持った骨董的価値の高い浪漫堂のカップが落ちそうになる。

「…自称フェミニストとして、何たる失態!」
<いや、それ以前に何かないのか二階堂(笑)>

「むむむ…後でこれまでの非礼をお詫びせねばっ!」
<だから…以下同(笑)>

「でも、誰も怪我などしなかったみたいだな…良かった。」
どうやらひとまずは一件落着の様子である。
一安心した二階堂は、マスターにそっと特別注文すると皆の所に駆け寄って行った。

浪漫堂の夜は今宵も更けていく…その素晴らしき芸術的な香りに満たされながら。

--------------------------------------------------------------------------------------

どもども♪ひでじいさん。
お久しぶりです、ゴホゲホッ…風邪っぴき二階堂@療養中です(笑)
寝込んでいたんですが、なんか自分が出ていてすごくうれしいです♪元気出ますよぉ♪
七も楽しみにしてます。

えーっと、お名前を拝借させていただきました皆様。
どうも失礼しました♪
仕返しにご自由に使って下さって結構でし(笑)

それではまた。
遅刻野郎&ちょっと熱ではいほーな二階堂でした。




浪漫堂再録書庫に戻る。