サクラ大戦帝撃通信局Fromお台場、第10話より
以下、要望の募集の言葉へ。解説者:
時は太正十二年八月のこと。舞台は、帝撃の地下作戦室での出来事であります。 マリア:
これを、こう・・・。私の長い射程距離を利用して・・・前衛に回り込む。
こっちに大神少尉、カンナを配置。カンナをすみれ機にサポートさせて、と。
ああ・・・、でもこれでは、何かにつけて喧嘩になるから駄目ね。扉の開く音
足音さくら:
はあっ・・・、はあっ・・・、はあっ・・・、はぁはぁ、マリアさん!遅れて済みません! マリア:
いいのよ。けど、帝撃花組の一員として、こういう戦術面での鍛錬も重要なことなのだから、
くれぐれもおろそかにしないようにね。さくら:
はい、済みませんでした。 マリア:
それじゃ、早速始めましょうか。
まず、前回の戦闘の反省と、アイリスが入った新しい戦術でのシミュレーションよ。さくら: はいっ。 解説者:
帝国華撃団、花組。帝劇の劇の字が、演劇の劇から、攻撃の撃へと変わるとき、
彼女たちは女優から戦士へと豹変するのであります。
演劇の舞台に、また戦闘の部隊に、こうした日々の積み重ねが大切なのでありますねぇ。じつに。マリア:
さて、この地形ではどうかしら。さくら、あなたならどう動く?(駒の移動音) さくら:
はあ、はい・・・、ここの敵を倒して、(駒の移動音)んーと、こうかしら?
(被撃音)あっ・・・、あらら・・・?マリア:
ふふっ、それでは駄目よ。まだ敵の動きが見えていないようね。
ここは、挟み撃ちにされないよう迂回して、こう。(駒の移動音と正解音)さくら:
はぁーあ、すごい、さすがマリアさん。でも私って駄目ですね。こういうの苦手で・・・。 マリア:
弱音を吐かないで、さくら。誰も初めからうまく出来るわけじゃないのよ。 さくら:
それは、マリアさんは戦いに慣れているから・・・。!!、ごめんなさい・・・。 マリア:
ああ・・・。いいのよ、もう過ぎたことだわ。 BGM、時は忘却の中に 解説者:
帝撃花組のチームリーダー、マリア・タチバナ。
彼女はかつて、クワッサリー、火を喰う鳥という名で活躍したロシア革命の闘士であります。
その激しい戦いに、血塗られた過去。次々と倒れ伏していく仲間たち。
それは、年端もいかぬ少女マリアにとって、消すに消せない心の影となったのであります。
この作戦会議の少し前、マリアはその影を断ち切れず、黒之巣会の挑発に乗り、敵の罠に落ちたことがありました。
おっと・・・、これは、ゲームでは第三話のお話。マリア:
でも、安心してくれていいわ。今は・・・、そう、今は、
私には、あなたや大神少尉、帝撃花組のみんながいてくれる。もう、簡単に命を捨てたいとは思わない。
過去に残してきたものと同じくらい、私にとっては、今あるものが大事なのよ・・・。さくら:
マリアさん・・・。 マリア:
ふふ・・・。らしくないわね、私。改まってこんなこと言うなんて・・・。 さくら:
いいえ、いいんです。ありがとうございます、聞かせてくれて。
あの・・・、変な言い方になっちゃいますけど、私、そういうマリアさんってすごく素敵だと思います。マリア:
ありがとう、さくら。 扉の開く音 さくら:
あ、大神さん。 大神:
やあ、さくらくん、マリア。 マリア:
隊長・・・?深川に出動ではなかったのですか? 大神:
いや、今から行くところだよ。ところで二人とも、何をしているんだい? 解説者:
と、大変いいところではございますが、録音盤はここまでで途切れております。
この後、大神少尉が深川に赴き、いかなる事件に逢ったかは、ゲーム、サクラ大戦をご覧下さいますよう、
お願いするといたしまして、思い出の有楽町帝撃通信局、今夜はこれにて。来るものを予感させるように音楽。