サクラ大戦帝撃通信局Fromお台場、第9話より
以下、要望の募集の言葉へ。解説者:
本日は、皆様からのリクエストが大変多かった、帝劇花組の皆さんによる、花札大戦、
俗に言う、こいこい大戦の模様をお聞かせしましょう。では、録音盤、スタート!BGM、花咲く乙女 アイリス:
わーい!花札だー!花札だー!ねぇお兄ちゃん、はやくやろうよ。 大神:
はいはい。えっと、じゃあ札を配ろうね。(札を配る音) 解説者:
花札、と一言で申しましても、様々な遊び方がございます。
今、大神少尉とアイリス嬢がやっておりますのは、こいこいと呼ばれるものであります。札打ちの音 大神:
あ、しまった。間違えて出しちゃった・・・。 アイリス:
ブブー、場に出しちゃったらもう駄目だもんねー。はーい、花見酒だよっ! 解説者:
月見酒。坊主と呼ばれるススキに月の札と、杯と呼ばれる菊に杯の二つが揃った役。
点数は六文(ゲームでは三文)。こいこいでは基本的な役であります。
しかし、年端もいかぬ少女に負ける元海軍少尉というのも、様にならぬもので。札打ちの音 カンナ:
へっ、だらしねぇな、隊長も。 紅蘭:
それがそうでもないんやで、カンナはん。
一番最初のアイリスでハマってしもうて、連敗した人もぎょうさんおるって話や。カンナ:
ふーん、そんなもんかねぇ。 紅蘭:
(間髪入れずに)あ、それもらうで。ほい、猪鹿蝶や。 カンナ:
な、なんだとぉー?てめぇ、いつの間に・・・。このヤロー、うまいことやりやがって・・・。
あー、もうやだやだ!解説者:
猪鹿蝶。文字通り、猪、鹿、蝶、の札が揃った役。点数は六文。
月見酒、花見酒と並んで、こいこいでは基本的な役であります。
噂によると、そもそも帝劇花組に花札を普及させたのは、この李紅蘭嬢だとか・・・。すみれ:
まあ、騒がしいこと。これだから品のない方は困りますわ。 マリア:
すみれ、あなたの番よ。他人の世話もいいけど、自分は大丈夫? すみれ:
おっほほほほほ・・・。心配御無用。この私にふさわしい役で決めて見せますわ。
それっ、(札打ちの音)四光!マリア:
ふう・・・。ひとまず撤退ってとこね。一本とられたわ。 解説者:
四光。二十点札を四枚そろえたこの役は、こいこいでは二番目に強い役であります。
神崎すみれ嬢。裕福な家に生まれながらも、庶民の娯楽にも強いとは、いやあ、ご立派なことで。ぱたぱたと足音 さくら:
みなさん、お茶が入りましたよ。おやつにしましょう。 カンナ:
よっ、待ってました! 大神:
よし、じゃあここら、へんで一休みするとしようか。 アイリス:
わーい、おやつだおやつだー! マリア:
いいタイミングだわ。さすがさくら、よく気が利くわね。 さくら:
いいえ、たまたま順番が空いただけです。 すみれ:
そうですわ。この私を負かしておいて、のうのうと休んでいるなんて許せませんもの。 カンナ:
なははははは・・・。んなこと言いながら、すみれ。
ちゃっかりさくらの入れた茶、飲んでんじゃねえかよ。すみれ:
んっ・・・、フンッ! 紅蘭:
まあまあ、すみれはんも、カンナはんも。
でもホンマさくらはん、花札強いよなあ。どこで覚えはったん?さくら:
いえ・・・、ちょっと仙台の実家で・・・。 紅蘭:
へーえ、やっぱり家の人が好きやったんやね。うちと同じや。 カンナ:
よーし、一息ついたらさくら、あたいと勝負だ! さくら:
ええ、私も、負けませんよ。 アイリス:
アイリスもさくらと勝負するー! 大神:
そうか、じゃあオレはゆっくり見物でも・・・、 マリア:
あら?隊長。それは甘いんじゃありません? 大神:
えっ・・・・・・。 マリア: 少尉、私と、 カンナ: あたいと! 紅蘭: うちと! アイリス: アイリスと! すみれ: わたくしと! さくら: あたしと! 花組
メンバー:
全員
いざ、
尋常に、
勝負!!
大神:
いいいぃぃぃっっ・・・・・・!!? 解説者:
こうして、大帝国劇場の午後は、平和に流れていくのであります。 その日常を祝福するように音楽 解説者:
花札に打ち込むこうした一幕も、帝劇花組の隊員にとっては、
いつか美しき青春の1ページとなるのでありましょうなあ・・・。