嘆きの都
追憶其の六
第五章 狂えよ、はかなき絆 四



第五章 狂えよ、はかなき絆 三



 米田他、情報を入手した主だった将校たちが密かに朱宮中将の葬式を執り行っているところに、粕谷少将死亡の知らせが入った。
 粕谷の部下である杉田中尉が命からがら小田原城を抜け出してから一日近く経過している。

 米田は、朱宮の葬式を彼の実弟である朱宮公爵にしか伝えなかったが、生前の朱宮を敬する将校などが十数名、意地で葬式を執り行う寺を突き止めて参列していた。
 山口海軍大将もその一人である。
 朝方まで軍議を続けていて、睡眠をとるという名目でここに来ていた。
 確かに敵となった者たちである。
 しかし、それを望んでいたわけでも、歓迎したわけでもない。
 軍人としての思いは、時としなくても個人の想いと矛盾することがある。
 彼らにとってこの行動は、自らの想いと矛盾することはないのだった。
 どれほど、苦しみと嘆きに満ちていたとしても。

 そこに、彼の腹心の密偵もつとめる瀬川大尉が自ら、こっそりとこの知らせを伝えに来たのだ。

 秘密にも、何にもならんな……。

 喪主である公爵と和尚に式の進行を任せ、図らずも本堂の外で机一つを囲んで非公式会議が始まった。
 花小路伯爵や加藤総理までその場にいたのは僥倖と言うべきか。
 公爵夫人自らが参列者に茶を注ぐ。
 朱宮が、生前最も好んだ茶なのだそうだ。
 頼み込んで焼香だけはさせてもらってから瀬川大尉は、横須賀から届いたばかりという情報の詳細を語った。

「死んだというのか……粕谷殿が……」

 茫然となったのは、粕谷と共に活動し、夢を共有すらしていた北村海軍少将である。
 山口の策略に引っかかって、粕谷と合流することが出来なくなっていたところだ。
 ここまでついて来ているのは彼の意志に依るのだが、そのためにこの知らせを真っ先に聞くことになった。
 幸か不幸か。

「確認されたわけではありませんが、おそらくは……」

 横須賀の支部に命からがらたどり着いた杉田中尉は、一旦は反逆者粕谷少将の配下として拘束されたのだが、半日かけて牢番とその上司とを説き伏せてようやく支部長に掛け合うことが出来、蒸気電話で帝都に連絡することを許された。

 彼の同僚九人が降魔に変えられ、粕谷もおそらく生きてはいない。
 そして城下には百体からの降魔がうごめいている。

 まずこの情報だけで、彼らを戦慄させるには十分だった。

「多分、朱宮と知り合いだった術者もそいつらの仲間だろうな」

 米田が見た、天辰とか言う朱宮に協力していた術者と、あやかしの者らしい少女。
 そして杉田中尉が会ったという黒い翼の男。
 粕谷に手を貸していたという高音という術者。
 京極と一馬を襲った、老人と美女。

 あまりにも見事すぎる。
 それが一本の線でようやく結びついてきた。

「降魔実験を行うつもりか……」

 花小路が唇を噛みしめつつ唸った。
 この状況で小田原となると、北条氏綱がかつて戦国の世で行ったという降魔実験の再現と考えるのが自然である。
 どのように実行されるのかは、この場にいる誰も知らなかったが。
 真田診療所の戦いの後で拘束された粕谷軍の士官を取り調べた結果、粕谷たちが何をしようとしていたかはわかっていた。

「確認された降魔は百余体とのことだが、それから更に一日経つ……」

 この発生量は今までの比ではない。
 そして実数こそつかめていないものの、既に大量の死傷者が出ていると言うことが彼らに即断即決を迫っていた。
 巧遅より拙速と言うほどに、戦場では迅速さがものを言う。
 まして、小田原は帝都と目と鼻の先だ。
 北村少将の苦渋の表情はあったが、陸海軍合同での小田原出兵が決定した。

 渚の狙い通りに。



 正式に指揮が回復すると各軍とも動きは早かった。
 最大の問題は、小田原付近で東海道線が寸断されているために、即座の大量輸送が効かないことであったが、陸軍は蒸気輸送車に重装備を優先して輸送し、兵は民間車を徴収して動かすことにした。
 降魔に、対人用程度の通常兵器は通用しない。
 それはこの二年で誰もが嫌と言うほど思い知らされていた。

 陸軍の最精鋭部隊には少数ながら、銘打たれた日本刀が支給された。
 方術士団がそうであるのと同じように銃剣が効く相手ではないし、軍刀でも大量生産されたものでは霊的な力が無いためほとんど意味をなさないと言うところが更に厄介だった。
 だが、れっきとした刀匠の手による逸品は、その刀匠によって半ば霊力じみた力を有しているものもあり、それらは降魔に対して二剣二刀ほどでないにしても通用することが既に証明されていた。
 そんなわけで、国立博物館などに所蔵されていた刀も徴収されている。
 廃刀令から半世紀。
 日本の刀剣業は、幕末の頃とは比べるべくもなく衰退していたのだ。
 本来ならそれに代わる主力兵器になるはずの人型蒸気すらも、シルスウス鋼で覆われていなければ降魔を相手には重い甲冑と大差がないのだ。
 そして、シルスウス鋼の大量生産技術は未だに確立されたわけではない。

 状況は海軍もそう変わらない。
 ただ大艦主義巨砲主義全盛時代であり、戦艦の主砲を叩き込めば中型降魔クラスなら倒せるというのが唯一の救いだった。
 ここまではまさか帝都に砲弾を撃ち込むわけには行かなかったものだが、小田原が半ば壊滅していると聞いて急ぎ浅葱海軍軍令部長が許可を出し、三日後には戦艦二隻と駆逐艦からなる艦隊が北村少将の指揮の下、小田原へ向かった。

 四百年の昔、豊臣秀吉は数ヶ月に及ぶ包囲の末、ほぼ無傷で小田原城を落としている。
 だが今回は、先人の英知に学ぶことは出来なかった。
 降魔は物を食らったりすることもあるが、それは生物のまっとうな意味での補食ではなく、単に破壊欲食欲を形にしているだけではないかという研究結果がある。
 兵糧攻めなど効く相手ではないし、何より、降魔が人間に降伏するなどと言うことは考えられなかった。
 かつて流されなかった血の分まで、流されようとしているのか。


*     *     *     *     *     *     *


 横浜から戦艦が出航するその光景を、遠くから見ていた一同がある。

「大した威容だな」
「あ、優弥、そこのお醤油とって」
「おう」

 食卓を囲んで、その中空1メートルほどの所に映像球が浮かんでいる。
 周りにいるのは、妖狐三兄妹の相模、あずみ、あずさ。ごついのが優弥。すっごい美人が紗蓮で、髪の長い美形が渚。
 ようやく名前を覚えたその面々と共に、あやめは人質二日目の夕食を取っていた。
 それでも、居心地の悪さは当分拭えそうにない。
 待遇はそう悪くはないのだが、敵であるという意識は消してはならない。
 そんな中で食事をしている自分が、いささか道化のようにも思えてしまう。
 ここは、彼らが共同で使っている食堂の様な場所らしい。
 他にも何人か強そうなのがいる。
 身長二メートルを超える真っ白な大男とか、それから……

「あやめ、どうしたの?口に合わないわけ?」

 あんまり食の進んでいないあやめを見て、隣にいたあずさが心配そうに声をかけてきた。
 脱出の機会を伺うのを忘れてはならない。
 そのためにはまず食べられるときに食べておかなくてはいかないのだが、

「あ、いや、そうじゃなくて……あんなもの見ながらあんまり食欲出ないわよ……」
「今後の健康状態を維持するためにも出来るだけ食べて下さい」

 渚がつっけんどんに言い放った。
 この渚が一同の指導者格らしいのだが、面々の中であやめに対する態度が一番冷ややか、というか事務的である。
 自分に対してどこか怒りを押し殺している、とあやめは思っていたのだが、水地の弟子だとあずさから聞かされてようやく納得できた。
 あやめが直接戦ったわけではないが、やはり仇、と言う意識があるのだろう。
 その渚は今朝方、儀式の開始間際に死にそうな顔で現れた。
 何かあったのだろうか。
 今の態度は、それを無理矢理に隠しているようにも思えた。

「場面を小田原に変えようと思ったのだが、止めた方がいいようだな」

 映像球を作り出した相模が、パチリと映像を切った。
 どんな術か知らないが、便利そうだなあと思ったあやめである。

「黒鳳のオッサン、一人で大丈夫なのか」

 これ以上仲間を失うことを恐れる優弥が、いつもの半分……四杯目の御飯で箸を置く。

「優弥、私が作った食事がそんなに不味い?」

 割烹着姿のあずみが不機嫌そうにしゃもじを置く。
 どうやら食事当番は交代制らしかった。

「違えよ。気になるんだよ」
「今日一日で小型を三百、中型を三十体まで増強したらしい。至って順調のようだ」

 外回りのついでに確認してきた相模が優弥の質問に答えた。

「いくら何でも速すぎねえか、それ」
「召喚したアレが強力なのだそうだ」

 優弥に言い返すにしては、相模の声には少し迫力がない。
 もっともあやめには普段の彼らはわからないが、あずさたちはそれを感じていた。
 相模は、どこかうす寒さを感じているのだ。

「……藤枝あやめ。夕食後の儀式は本日は中止します。休養を取って下さい」

 考え込んでから、渚はさっと告げた。

「相模さんと紗蓮さんは夕食後、私の家で今後について話がありますので来て下さい」
「わかった」
「……」

 紗蓮は一応、わかった、とつぶやいたつもりなのだが、それはほとんど声にならなかった。
 優弥よりも繊細な紗蓮は、木喰の死の衝撃をかなり引きずっていた。
 ここにいる面々は多かれ少なかれその意識はあるのだが、紗蓮は特にだ。
 元々、同じ人間だった同士、と言うこともあるだろう。

 夕食後、自分の宿泊場所に割り当てられた長屋の一室であやめは考え込んでしまった。

 どうして、彼らが敵なんだろう、と。


*     *     *     *     *     *     *


 その名称と任務の内容上、対降魔部隊は魔物に対しての戦いではこき使われることが多い。
 あやめがさらわれ、真之介が未だ意識を取り戻さずに、米田と一馬の二人になろうともそれは変わらない。
 れっきとした日本刀を抱えた精鋭部隊を引き連れて、二人は宮城戦の三日後の朝には小田原入りしていた。
 精鋭部隊のうちの何人かは、日露戦争の折にも米田の下で戦った霊的戦闘部隊の一員である。
 対降魔部隊より遙かに劣るとは言え、彼らにも少々の霊力があった。
 合計で十七名は、鉄道が使えないので帝都から蒸気自動車と自転車とを併用してきた。

 今回は降魔発生の規模が大きすぎるので彼らだけで片づけろ、ということはない。
 蒸気自動車の燃料も帰り分までちゃんと残してある。
 もっとも、これは襲われたときには爆発の危険も伴うのだが。
 とにかく、敵の規模を把握しないことにはどうしようもない。
 粕谷配下の杉田中尉が見た軍勢が全てと考えるのは、楽観に過ぎると言うものだ。
 実態はそれより多い可能性が高い。
 それらを把握するための先遣隊である。

 実際には出来るだけ速い殲滅を目指しているので、後続の本隊は明日明後日中に到着する予定だ。
 しかし、本隊がどこまで役に立つかわからないのが今回の恐ろしいところである。

「無駄に人手があっても屍の山が出来るだけだ。一般兵は重火器の射撃要員としてしか使えんと思え」

 というのは、病院のベッドの上で仕事に忙殺される京極が一馬に向かって悪態とともに言った言葉である。
 そんなわけで、近畿や東北の師団からの増援はかなり遅れる見込みだった。
 京極を全面的に信用するわけには行かないが、この戦いのうちは少なくとも信用できるだろう、と言うのが一馬の見立てである。

「しかし、ひでえもんだな」

 一応町なのだが、通りを構成する家屋の二つに一つくらいが焼け落ちている中を、米田はやるせない気持ちで眺めていた。
 降魔の中には、発火性の有機強酸を吐く少数種類が存在するが、おそらくそいつの仕業だろう。

「閣下、あれを!」

 部下の一人が声を上げた。
 動転した声が米田を現実に帰らせる。
 空き地に民間人の生存者が集まっている。
 その前に緑の服……陸軍の士官が何人も倒れていて、立っている一人が三体の小型降魔を相手にしていた。
 小型といえども、まともな対人武器は効かない。
 それに対して彼は素手で戦っていた。
 腰に軍刀も持っていないのでやむを得なかったのかも知れないが、確かに、直接生命力を持った肉体ならば降魔の持つ妖力の壁を突き通すことは出来る。
 しかし肉体の強度がそも根本から違うのだ。
 米田が目を向けた次の瞬間には、民間人に襲いかかろうとした降魔の一体を阻もうとしてその士官が血しぶきを上げて倒れる。
 直後に放たれた一馬の桜花放神は間一髪で間に合わない。
 とはいえ、この一撃で小型降魔は三体とも跡形もなく消滅した。

「おい、手当だ!」
「はっ!」

 念のため蒸気自動車に医療具を持ってきたのだが、不幸にも早々に役立つことになってしまった。
 倒れている士官は最後に倒れた者を含めて七名。
 対して、周辺には二体の降魔の残骸が飛び散っていた。
 計五体もの小型降魔に襲われれば、装備が整っていない一中隊くらいは全滅しかねないほどの戦力になる。
 対魔装備も無しに、この部隊はどうやら全員素手でここまで善戦したらしい。
 陸軍を全て見渡してみてもそんなことが出来るのは、「超人」粕谷少将直属の部下くらいだろう。
 案の定、最後に倒れた士官は見たことのある顔だった。
 確か、坂崎とか言う少佐のはずだ。
 階級章を見ると、おそらく間違いあるまい。
 まずは手当だ。
 最後に受けた傷も深いが、それ以外にも無数の傷がある。
 日にちを考えれば、この者たちはまる二日は戦い続けてきたのだろう。
 倒れている他の六名のうち四名は既に息絶えており、後の二名もかなりの重態だった。
 幸いと言うべきか、応急手当をしているときに坂崎少佐は何とか意識を取り戻したが、どちらかというと執念で気絶からはい上がってきた、と言った方が正しい様子だった。

「よ……米田中将……?」

 反逆者の身ではあるが、頼もしい救援が来てくれたことに坂崎はどこか安堵したが、

「教えてくれ坂崎……、何があったのだ?」
「……?閣下の指示で来たのではないのですか・・・?閣下は……、粕谷閣下は、どうされたのです・・・!」

 焦って喋ると共に、坂崎は血の塊を吐いてむせた。

「済まねえがこちらも情報が不足している。粕谷と共に城に入った杉田中尉ってえのが辛くも脱出してきてこちらに伝えてくれたのが、俺たちの知る全てだ」

 後の九人が降魔に変えられたとか、杉田中尉が粕谷の絶叫を聞いたとかいう事実は伏せておく。
 それらを知らせれば、危ういこの男の命の火を即座に消してしまいかねない。

「ともかく、陸海軍が連合して降魔討伐に当たるようになったが、実態がわからねえ。頼む、粕谷のためにも知っている限り教えてくれ……」
「ハ・・・ッ!」

 気力を振り絞って、坂崎は言葉を紡いだ。

「昨夜の時点で確認した降魔は、少なくとも三百体はいる模様……。うち二割ほどが、液や火を吐く、変種と見られます……。そして、中型降魔が、見たところでは十数体……、実数はその、倍以上、かと……」

 米田は自分の顔から血の気が引いていくのがはっきりとわかった。
 いくら何でもこの増え方は異常だ。
 増援が着いたとしても、全滅させることはおろか帝都侵攻を食い止めるだけで精一杯になるのではないだろうか。

「私は……、閣下に命ぜられ、ここで民間人の救助に当たっておりましたが、なんとか……ここにいる者等を救うだけで、精一杯でした……。通信が途絶えてしまったので、やむなく部下を伝令に何度か、走らせたのですが、おそらくは、皆……」

 この時代になっても、まだ無線通信機はポケットにはいるような個人レベルの携帯が可能な大きさではなく、最低でも大鞄くらいの大きさがある。
 偵察任務についているとか、専門の通信兵でもなければあるはずもなかった。

「ちゅ……中将……、どうか……、この者たちと、閣下を……どうか……」
「待て!貴様が粕谷から受けた命令はこの者等の救助だろう!まだ任務は終わっていねえぞ!」
「……閣下のこと……どう……か……」

 掲げる手が震える坂崎の身体から、急速に命の炎が消えていくのを止めることが出来ない。
 どれほど励まそうとも、無力だった。
 このままではこの男が安心して逝けぬ・・・!
 米田は唇を噛みしめつつ、坂崎が伸ばした手を取った。
 安心したような顔で坂崎は微かに微笑んで、そのまま、事切れた。

「坂崎少佐……、いや、坂崎大佐、見事であった!」

 米田の声を号令として、一馬以下一斉に敬礼をしこの勇士を見送った。

 住民たちはほとんどが女子供ばかりの百人ほどで、男は皆彼女らを逃がすために戦ってそのまま犠牲となった者がほとんどらしい。
 話を聞いていると、坂崎の部隊はわずかに十人ほどで二昼夜計六回にわたる降魔の襲撃から住民を守り続けたらしい。
 他に安置されていた士官の遺体は六名。
 後の士官は、救助を請うために坂崎が何度かにわたって派遣したらしいが、坂崎の推測通りおそらくは降魔に襲われ死んだのであろう。
 考えると、杉田中尉が城から脱出して横須賀までたどり着けたのはほとんど奇跡のようなものだったらしい。

 奇跡。
 それを信じたいが、信じられそうもない現状が目の前に厳然として存在している。

「閣下、ここは水道は確保してありますが食料はほとんど尽きてます。いかが致しましょう」
「こんな時のための通信機だ。危険だが蒸気バスを護衛つきで近くまで送ってくるように伝えろ。
 くれぐれも町の内部に入らないように厳命してな。
 ここから歩いていける距離まで来たら、俺らが護衛をして連れていく」

 それほど細かく戦力を分けるわけには行かなかった。
 先ほど見たように、降魔は小さな群をなして動いているらしい。
 選りすぐり、魔に対抗するための装備も持たせたこの部隊の隊員は、小型降魔ならば一対一で戦うことも可能だろうが、やはり危険であった。
 かといって、ここでいつまでも待機しているわけには行かない。
 坂崎の情報から察するところ、降魔はまだ増えているらしい。
 それらの事態と、おそらくは城だと考えられるが奴らの集まっているところを調べておくのが任務だ。
 悩んだ末、隊の三分の二をここに残し、一馬を含めた残りの人間で城に近づいてみることにした。


 そして、その日の夕刻には、絶望的とも言える状況を確認することになった。




第五章 狂えよ、はかなき絆 五


初出、SEGAサクラ大戦BBS平成十一年八月二十一日



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