一階・接客設備
売店、受付、食堂


売店 受付 食堂




あ、売店はこちらです。


受付

はいはい。次回公演の切符ですね。
私ですか?事務の榊原由里と言います。あら、そちらの方は、先ほどお目にかかりましたね。
大帝国劇場では、席を四等級に分けています。

等 級    料 金  
特等席十五円
一等席八円
二等席五円
三等席三円
立ち見五十銭
(四十銭のこともある)

公演によって少し変わることもありますが、ほぼこの料金です。
でも、前売りですから、これよりも割引ですけどね。
特に、特等席は貴族院の議員さんでも手に入れることが難しいんですよ。
ダフ屋さんにも流れているんでしょうけど、止めて欲しいですよね。
当日券は、正面玄関の券売所で購入していただきます。
立ち見でいいんですか?後で後悔しても知りませんよ?


最近の帝都で人気の商品はですね・・・、
あ、別のお客さんがきちゃった。

うーん。茜ちゃーん!今あいてる?



食堂

はい、解りました。
帝劇でアルバイトとしてウエイトレスの仕事をやっている鈴野茜です。
(ほんとは名字違うんだけど、叔父さんのとこに下宿しているからいいか。)
私もまだ帝都に出てそんなに経ってないので不確かですが、ご紹介します。


帝劇外
商品名お店説明
ライスカレー煉瓦亭銀座にある大人気のお店の、一番の人気メニュウ。
お値段は一円。八十銭のオムライスもあります。
あんパン木村屋帝撃通信局でも紹介された、舶来物と日本物の融合した
文明開化の象徴。桜の花びらがいいですね。
お饅頭井村屋色々取り混ぜた日本の伝統菓子。
この井村屋のは帝都でも屈指の人気なんです。
アイスクリンこれも帝撃通信局で紹介された冷たい氷菓子の一種。
牛乳や砂糖がふんだんに入っていておいしいんです。
雷おこし言わずとしれた浅草名物。文明開化の時代にあっても
まだまだ人気は衰えません。

そうそう、食べ物といえば、私の勤めている帝劇の食堂も、お客さんに評判が高いんですよ。
喫茶にもお食事にも、その辺のお店には負けませんよ。
やっぱりおすすめは帝劇ランチかな。
味と内容を考えれば値段もお手頃ですよ。食堂の入り口前で食券を買って下さいね。


常供メニウ
御献立帝劇ランチ一円
うな重四十五銭
天丼三十二銭
とんかつ定食二十銭
中華そば十八銭
もりそば十五銭
かけそば十二銭
甘味 あんみつ五銭
おしるこ十五銭
ホットケーキ十二銭
エクレア???
杏仁豆腐???
御飲物ラムネ十銭
カフェ十五銭
ロシアンティー???

この他に四季折々の様々なお食事を用意してますよ。
また、花組各スタア向けに様々な料理が用意されていまして、
おそらくこれを注文することも可能でしょう。
実際にはすみれさんの要求に応えるために、古今東西のあらゆる料理が作れるはずです。
ですからここのコックさんって大変なんですよ。
花組のみなさんの手料理は無理でしょうけどね。

マリア向きロシア料理おそらくボルシチを含む
カンナ向き琉球料理ゴーヤチャンプル他、おそらく相当数あるはず
アイリス向きフランス料理作る方も大変だ
紅蘭向き関西風味中華料理どんな味やら
すみれ向き和洋中華全般いずれも最高レベルの物が要求される
さくら向き純日本料理あまり贅沢なのは身体が受け付けない

(参考資料・小説真夏の夢の夜)
他にも帝劇には、二階ホールにバーがあります。
貴賓席にいらっしゃる紳士淑女方によくご利用いただいています。

なんだか食べ物の話題ばっかりになっちゃいましたね。
拙いですが、ご満足いただけましたか?
またのおこしをお待ちしておりまーす。



余談ですが、当時の帝都の物価を調べる指標として、蒸気タクシーの値段があります。
帝都市内はどこまで乗っても一円だそうです。
蒸気自動車そのものが高かった時代ですから、おそらくメトロの方が一般的な交通手段だったのでしょう。
(参考資料、帝撃グラフ)
一方で、有名な帝劇ファンであるハチ公とクマのような職工の日給が二円そこそこと言われています。

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