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初出・ 27 April1999

恋の現実



家の前を通るたびにあつーい視線と身体一杯の喜びを私にくれる
「ぽぽ」チャン(豆柴)。彼女の熱意にこたえるべく、私の靴の音に反応してくれない時には、人目もはばからず(ってそんなにヒトは通ってないけど、夜中は目立つのだ)「ぽぽちゃーん」と私も熱い気持ちを伝え、彼女の走ってくる様子に胸をときめかせ、お互い短い逢瀬を楽しんでいました。

先日の夕方のこと。帰宅する私の足音を聞きわけ、うれしーい!というのがしっかり私に伝わるくらい、短いしっぽを一生懸命に振るぽぽチャン。手は門扉をかきむしり、爪があたって音がするくらい。口からは歯がむき出し。

疲れて(多分)の帰宅途中の私には、こーんなに悦んでくれる待ち人がいてくれてとぉっても嬉しい!!「ぽぽちゃーん・」と走りより、門扉を挟んでらぶらぶしていました。

様子を説明しますと、彼女の家は正門と裏門が同じ通りに面しています。正門の方が背が高いので、少し門扉が低い裏門の方で「らぶらぶ」するのが彼女の好みのようです。その日も、正門でうれしーい状態を確かめあった後は、ダッシュして、私の進行方向にある、裏門へと向かいました。もちろん「ぽぽ」チャンが先です。彼女に従って私も裏門の方に行き、ひとしきり手をなめてもらいます。そのあとは、頭と首をなぜなぜ。うんうん、うれしーねぇ。

と、その時。

「ぽぽ」チャンの耳がぴくっと動きました!

一体、何ごと〜?

この私の思惑などまったく気にすることなく、今までの「うっとり」状態からは考えられないくらいの猛烈な吠え声をあげて正門へと走っていく「ぽぽ」チャン、、、、

呆然と取り残されるワタシ。

散歩中の、彼女のカンに触るワンコがお散歩中で、その犬がまさに家の前を通りかかっていたのでした・・そっか〜、、あの犬に対する怒り>私にあえて嬉しい気持ち、なのね (T-T)・・

なんだかとっても哀しくもなりましたが、やはり、なんでも「怒り」のパワーには負けるよね、、と妙に納得。恋の現実ってこんなもんかも★


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