YOU ARE HERE:jackこんなことありました!< < ちびねこ


last upadate 26 March 2000

動物の遺体処理 (2)

春から秋にかけては外出が楽しい季節です。それは、当然ながら動物も同じこと。そのため、猫なども交通事故に遭うことが、冬に比べて多くなります。自ら運転するようになって、この不可避的な出来事を見たときにやり過ごすことが、あとから心の負担になってしまう私にとっても、この一ヶ月で処理した二つの遺体には、通常以上に心が痛む出来事でした。

では、二つ目の事例をご報告いたしましょう。

車を使って、大阪府内から居住地・奈良北部に戻るには、いくつかの方法があります。有料道路では、第二阪奈道路。一般道路では、第一阪奈道路、国道一六三号線または一六八号線(通称、磐船街道)です。そして三月の初め、だんだんと貧乏になっていく高速好きの私が選択したのは、第一阪奈道路でした。

第一阪奈道路は、もともとは有料だったのだそうですが、元がとれて(?)ン年前に無料となった道路です。そのため、片道二車線の道路にはほとんど交差点がありません(あたりまえか・・)ので、交差点がまだまだ苦手な私がたまにお散歩に行ったりすることもある、好きな道路の一つであります。

この道路が造られていた時代には、山の道の道路はくねくねと造るのが常だったらしく、大阪から奈良方面に下る道は(実際には登り道ですが)、角度がかなり急なカーブです。そのため、走りやさんたちにも好まれる道となっているようです。確かに、ここのカーブを高速で曲がり切れたら、一応は高速走行を念頭において設計されている(はずの)高速道路であれば、どんなカーブであっても怖くないでしょう、、、。カーブの習熟にはもってこいの道路です。ただし、壁には無数の傷あとがあることも付け加えておきましょう。それだけでなく、夕方から夜にかけての、ここの道路からの府下の眺めはとても綺麗なことも付け加えなければならないでしょう。生駒山からの夜景はいつのまにか有名になってしまいました。ここからもそれを見ることができます。但し、助手席の方々限定品ですが・・・。残念ながら、運転席からでは危なくって堪能できません(^_^;)

さて、この日、山道を越えて四条畷市に入ったところ辺りで、走行車線の道路左端に_猫らしき_動物が轢かれているのが見えました。しかし、ここで停車するなんて、とんでもなくできない所行でした。法定速度はたぶん50キロ。しかし、周辺の車の速度は+前後10キロです。カーブが続く道なので、その辺りでどうしても団子になってしまうので、後ろにも前にも車がいます。急ブレーキをかけるなんて怖いことはできないし、交差点もない。以前、第二阪奈道路を出た側道でやはり黒猫が轢かれていたのを、拾ったことがありますが、そのときもやはり一度目は停まることができず、通りすぎました。その後、何度かくるくると道を回ってようやく拾うことができました(初心運転者にはつらいっす、)。今回は、上下線の間に壁があるため、もういちど戻ることは非常に難しいように思いました。ただ、近くにいくつか家があるようなので、「誰か」に期待して(?)通りすぎることにしました。

その一週間後、同じ時間帯に同じように第一阪奈道路を通りました。もちろん、猫のことを確かめたいという思いもあったからです。前回のことを考えてなるべくゆっくりに速度を落として通りかかりました。すると、「まだ居た」のです。前回よりも余裕のあった私は、周りを見渡すことができました。左前方に、お寺への私道らしき細い道が分かれていたので、とり急ぎ、その道路へと進路変更をしました。駐車場(?)に停めさせていただき、小道具を手に来た道を戻りました。一応とはいえ歩道があったので、私が車に轢かれる心配はひとまずありませんでした。ただ、続々と車が高速で来るので、拾うタイミングは難しいようにも思えました。しかし、意外と歩道のすぐそばだったので、車のとぎれたのを見計らって拾うことができました。

一週間も経っていたため、肉の「厚み」ががほとんどない状態でした。普通に走行していたら、こんな端にタイヤがくるのかな、とも思える位置だったのですが、何度も車がこの上を通過したようです。アスファルトにへばりついているのだろうか。以前、「へら」で取ることもある、と聞いたことがあったので、少々心配にもなりました。私はそんな道具はまだ積んでない・・。しかし、身体を持つとするっと全体が道路から離れ、手元の袋のなかに入れることができました。

袋の中に入ってくる身体らしきものを眺めると、もともとの姿が猫だったとは、とても思えません。その手には猫のような肉球があるので、たぶん猫でしょう。黒色が多い猫です。しっぽの長さはもう分かりません。肉のかたまり、というよりは、肉だったもののがかろうじて集合している物体。ここで拾われることがなければ、おそらくはもっともっとタイヤに踏み固められ、薄く薄くとなっていき、それが雨に流され、日に照らされ、そうして、いつかは跡形もなく消えていくのでしょう。中身の消えてしまった肉体にはそれほど意味がないものだとしても、皮一枚の美しさ、感触だとしても、肉体の感触が喜びを伝えてくれることを感覚的に知っている身には、それらがもはやまったく意味のないものとしてうち捨てられていくのを見ると、それを哀しいことだと思わざるを得ません。

最初に見かけた一週間前にちゃんと拾ってあげたらヨカッタ、、、深く後悔した出来事でした。

 


YOU ARE HERE:こんなことありました!< < ちびねこ

(c)nagaoaki