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 公開日 :2000年 9月 24日

■光電式車両走行速度測定装置による速度測定の正確性が認められた事例
 --道路交通法67条2項の規定による警察官の呼気検査を拒んだ者を処罰する同法120条1項11号の規定は、憲法38条1項に違反しない。

道路交通法違反被告事件、平成 9年 1月 30日 最高裁判所第1小法廷判決。平成8年(あ)第600号。棄却(確定)。

<<参照法令>> 日本国憲法38条。道路交通法22条、67条、120条。


被告人  甲山一郎

主  文

本件上告を棄却する。


理  由

 弁護人----の上告趣意は、道路交通法六七条二項の規定による警察官の呼気検査を拒んだ者を処罰する同法一二〇条一項一一号の規定が憲法三八条一項に違反するというものである。しかしながら、憲法三八条一項は、刑事上責任を問われるおそれのある事項について供述を強要されないことを保障したものと解すべきところ、右検査は、酒気を帯びて車両等を運転することの防止を目的として運転者らから呼気を採取してアルコール保有の程度を調査するものであって、その供述を得ようとするものではないから、右検査を拒んだ者を処罰する右道路交通法の規定は、憲法三八条一項に違反するものではない。このことは、当裁判所の判例(最高裁昭和二七年(あ)第八三八号同三二年二月二〇日大法廷判決・刑集一一巻二号八〇二頁、最高裁昭和四四年(あ)第七三四号同四七年一一月二二日大法廷判決・刑集二六巻九号五五四頁)の趣旨に徴して明らかである。所論は理由がない。
 よって、刑訴法四〇八条、一八一条ただし書により、裁判官一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小野幹雄 裁判官 高橋久子 裁判官 遠藤光男 裁判官 井嶋一友 裁判官 藤井正雄)



□出典
  1. 最高裁判所刑事判例集 51巻1号335頁以下
  2. 裁場所時報 1188号9頁以下
  3. 裁場所時報 1592号142頁以下
  4. 判例タイムス 931号131頁以下



□評釈

  1. 三好幹夫『ジュリスト』1111号202〜203頁(1997.5.1)
  2. 中村英『月刊 法学教室』203号102-103(1997.8)
  3. 平沢秀人『研修』593号53〜54頁(1997.11)

 

 


該判例全文・典拠は、『判例体系CD-ROM』(ID-28025032)によります。ただし、入力は長尾亜紀が手作業により行っております。そのため、正確を期しているとはいえ、誤字脱字等があるかもしれません。発見されましたら、是非ご一報下さい。

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