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 公開日 :2000年 9月 27日


■ 判決全文の入手

判例を調べていると、内容を具体的に調べたい判決がでてきます。その場合、判決全文を入手する必要が出てくるでしょう。

◆Internet上ではいくつか探すことができます。

□著名サイト

□ 特定分野の主要判例収録サイト(分野あいうえお順)



◆Internet上で探すことのできないものはどうすればよいのでしょうか。

著名な事件ならば、公式判例集のほか、時期にかかわらず、『重要判例解説』や、『判例タイムズ』『判例時報』など民間判例集の速報や特集に載ります。

そうすれば、判決全文への手がかりは簡単に得ることができます。左記画像では、ちょっと見にくいかもしれませんけれど、事件符号の隣に、「高民集五一巻一号一頁」と書かれています(画像は、『平成10年度重要判例解説』ジュリスト臨時増刊(有斐閣、1999.6.10)10頁より転載)。この記載があれば、次に、この省略されている文献の正確な題名をチェックします。そして、該当文献を図書館に行って探せば調査終了です。

では、あまり知られていない事件などでは、どのように探せばいいのでしょうか。

手がかりを得ることのできる情報源を見つけることが第1です。そこから該当する文献を上記と同じように見つけることができれば、あまり知られていない事件であっても、有名な事件と手順は一緒です。

情報源となるのは、重要な判例を一緒に収録している六法、条文ごとに重要な判例と情報を集めて解説をしている注釈書、公表されている判決を集めた文献集です。
  • 判例の重要度をまず調べます。
    1. 『岩波基本判例六法』(岩波書店、年刊)
    2. 『有斐閣判例六法』(有斐閣、年刊)
    3. 『模範六法』(三省堂、年刊)
    4. そのほか、該当法令を収録している六法

  • 法典の条文(条数)順に重要な法情報を収録したものも見てみます。
    1. 『注釈民法』(有斐閣、1964年〜1987年)
    2. 『新版注釈民法』(有斐閣、1988年〜)
    3. そのほか、該当法令に関する注釈書

  • 該当判例や関連判例を収録したものにあたります。
    1. 判例体系』(第一法規出版
    2. リーガルベース』(ぎょうせい日本法律情報センター
    3. 判例MASTER』(新日本法規出版

    これらはデーターベース(DB)となっており、判決全文だけではなく、下記の判例批評や評釈、解説を掲載している文献の有無についても記載・収録されているため、大変有用です。現在では、CD-ROMとして頒布されており、有用性は一層増しています。とはいえ、個人で購入するにはあまりに高額です。法学部を備えている大学の図書館または法学部資料室では、必ず常備しています(CDの形でまでそろえているかは保障しかねます)。また、国会図書館には日本で発行されたすべての図書が収録されますので、確実にあります(前記同)。都道府県立のような大きな図書館でも、かなり高い確率で備えてきているように思われます。

    それぞれの図書館では、一般の方も利用することができる可能性が高いので、まずは、上記のうちで(国会図書館はのぞく)最寄りの
    図書館のOPACで蔵書を検索し、有無を確認した上で、閲覧することができるかどうかを問い合わせてみて下さい。

     

  • 判例の注釈書
    1. 『判例百選』別冊ジュリスト(有斐閣)各分野毎
    2. 『重要判例解説』ジュリスト臨時増刊(有斐閣、年刊)
    3. 民法判例研究会編『判例民法』(有斐閣)
    4. 民事判例研究会編『判例民事法』(有斐閣)
    5. 東京大学判例研究会編『判例民事法』(有斐閣)
    6. 刑事判例研究会編『刑事判例評釈集』(有斐閣、1941〜1989年)

    上記DBでは、この他にも様々な雑誌・書籍に収録された評釈、批評、解説を調べることができます。調べる際には、DBからまずあたるほうがラクです。

 
■参考図書等
  • 『法情報学--ネットワーク時代の法学入門』(有斐閣、1999.11)

    「判例マスター」の体験版(96年度後期版)がCD-ROMに収録されています。全文はでませんが、要旨を見ることができます(要旨検索可能)。ただし、Windows95以上対応のみです。

■参考になるリンク



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